ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
   用語の定義       実務の視点による ISO9001:2008 要求事項の 解説
#1 プロセス (JISQ9000, 3.4.1) [英文:process]
インプット を アウトプット に変換する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。→§英文解釈§ 『インプット』は“input”、『アウトプット』は“output”である。元は機械の電気的制御分野の用語であるが、それぞれ「仕事や事業の成功のために投入する時間、知識、考え等*1」と「人、組織、機械が生み出した物事の量*2」の意味にも用いられる(101)。日本語ではそれぞれ「入力」「出力」である。入力は原料や半製品、元データや情報であり、規格の文脈では適用する手順や資源を含む。出力は入力を処理した結果であり、半製品や製品、得られたデータや情報などである。
*1 time, knowledge, ideas, etc. that put into work, a project, etc. in order to make it succeed
*2 the amount of sth that a person, a machine or an organization produce
#1-1 注記2  組織内のプロセス は、価値を付加するために、通常、管理された条件のもとで計画され、実行される()。
#1-2注記1  プロセス のインプットは一般に、他のプロセスからのアウトプットである()。→§英文解釈§ 英文は“Inputs to a process are generally outputs of other processes”と、アウトプットを出すプロセスは複数形である。正しい和訳は『ある業務への入力は一般に、他の複数の業務からの出力である』
  
#2 品質 [英文:quality]
#2-1 品質 (JISZ9901:1998, 参考 2.1)
“もの”の、明示された又は暗黙の ニーズを満たす能力に関する特性の全体 →§英文解釈§ 英文(ISO8402:1994, 2.1)は“totality of characteristics of an entity that bear on its ability to satisfy stated and implied needs”であり、“もの”の、表明されたニーズ又は表明されていないが一般に認められているニーズを満たす能力に関係する全体的な特質、の意味である。
#2-2 品質 (JISQ9000, 3.1.1)
本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度。 →§英文解釈§ 英文は“degree to which a set of inherent characteristics fulfils requirements”であり、「一連の固有の特質が要求事項#18を満たす程度」の方が適切。
#2-3 品質特性 (JISQ9000, 3.5.2)
要求事項に関連する製品、プロセス、又は、システム に本来備わっている特性。
#2-3-1 注記2:製品、プロセス、又は、システム に付与された特性(例 製品の価格、製品の所有者)は、その製品、プロセス、又は、システムの品質特性ではない。
  
#3 力量 (JISQ9000:2005, 3.1.6)
知識と技能を適用するための実証された能力 →§英文解釈§ 英文は“demonstrated ability to apply knowledge and skills”である。『技能(skills)』は「職業上の専門性」であり$38であり、『適用する(apply)』は「特定の状況で機能させる」の意味(101)である。更に『実証された(demonstrated) 』は、あることを証明や証拠によって明瞭に示すこと(101)である。英文の意図の『力量』は、知識や専門性を発揮させて、あることを行うことができるという能力であって、そのことが何かによって明らかにされていなければならないという意味である。要員が業務を行うとは、それに必要な「知識や専門性を発揮する」ことであり、この能力があるかどうかは主観的な判断ではなく、何らかの事実に基づいた客観的判断でなければならない。日本語としては適切ではないが英文の意図を表す和訳としては「証拠で明瞭にされた知識及び専門性を発揮する能力」が適当である。
#3-1 力量 (JISQ19011: 3.14/JISQ9000: 3.9.12)
実証された個人的特質、並びに、知識及び技能を適用するための実証された能力専門性を活用する能力 →§英文解釈§ 英文は“demonstrated personal attributes and demonstrated ability to apply knowledge and skills”であり、#3に“demonstrated personal attributes(証拠で示された個人的特質)”が追加されている。「証拠で明瞭にされた個人的特質、並びに、知識及び専門性を発揮する能力」が適当である。
 
#4 有効性 (JISQ9000; 3.2.14)
計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度。 →§英文解釈§ 英文は“extent to which planed activities are realized and planed results achieved”である。『有効性』は英文では“effectiveness”あり、これは、「必要とした又は意図した結果が得られる」の意味である。“realize”は実現させる*1、“achieve”は成功する*2の意味である(101)。「活動が計画通りに実行されて、計画通りの結果が得られた程度」のの方が「有効性」の趣旨に適う。
*1:to achieve sth important that you very much want to do; *2:to succeedd in reaching a particular goal, status or standard
  
#5 適合、不適合 (JISQ9000:2006、3.6.1、3.6.2)
#5-1 適合  
要求事項を満たしていること。
#5-2 不適合
要求事項を満たしていないこと。
  
#6 文書 (JISQ9000, 3.7.2)
情報#6-2、及び、それを保持する媒体#6-1
#6-1注記1:媒体としては、紙、磁気、電子式若しくは光学式コンピュータ ディスク、写真、若しくは、マスターサンプル、又は、これらの組合せがあり得る。
#6-2 情報 (JISQ9000, 3.7.1)
意味のあるデータ →■英文解釈■ データ(data)とは「とりわけ調査や判断に用いられる事実又は情報」(101)、「資料、事実」(110)
  
#7 記録 (JISQ9000, 3.7.6)
達成した結果を記述した、又は、実施した活動の証拠を提供する文書
#7-1注記1:記録は、例えば、次のために使用されることがある。
     - トレーサビリティを文書にする。
    - 検証、予防処置及び是正処置の証拠を提供する。
#7-2 注記2:通常、記録の改訂管理を行う必要はない。
  
#8 仕様書 (JISQ9000, 3.7.3)
要求事項を記述した文書 →■英文解釈■ 英文が“specification”であり、『仕様書』と和訳されているが、注記に見るように、設備の仕様書のようないわゆる仕様書だけでなく、手順書をも含む概念であるから、「仕様文書」と和訳する方が誤解がない。
#8-1注記:仕様書には、活動に関するもの(例 手順書、プロセス仕様書及び試験仕様書)、又は、製品に関するもの(例 製品仕様書、性能仕様書、及び、図面)があり得る()。→■英文解釈■ 英文からそれぞれは、手順書(procedure document)、工程条件書(process specification)、試験基準書(test specification)、製品仕様書(product specification)、性能仕様書(performance specification)、図面(drawing)と和訳する方が、いわゆる仕様書ではないことがわかってよい。
  
#9 手順 (JISQ9000: 3.4.5) [英文:procedure]
活動やプロセスを実行するために規定された方法 →■英文解釈■ 英文は“procedure”“specified way to carry out an activity or a process”であり、手順(procedure)とは「定められた活動又は業務実行方法」である。
#9-1 注記2:手順が文書にされた場合は“書かれた手順”又は“文書化された手順”という用語がよく用いられる。手順を含んだ文書)を“手順書(procedure document) ”と呼ぶことがある)。
  
#10 適格性確認プロセス (JISQ9000: 3.8.6) [英文:qualification process]
規定要求事項を満たす能力を実証するプロセス →■英文解釈■ 英文は“process to demonstrate the ability to fulfil specified requirements”である。この「規定要求事項」は対象が要員の場合は特定の業務の実行に関する必要条件の意味であり、これを「満たす能力」とはその特定の業務の実行に必要な能力ということになる。つまり、定義では“qualification”とは、要員に特定の業務の実行に必要な能力を持たせることであり、JIS和訳の『適格』を用いるなら、要員に特定の業務実行能力を持たせることは、その業務実行に関して要員を「適格化すること」と表現される$40。『プロセス』の“process”は「やり方、手順、方法」で (110)、“demonstrate”は「示す、証明する」である$39。すなわち『適格性確認プロセス』は「適格化であること(適格性)の証明方法」であり、その定義は「規定要求事項を満たす能力を証明する方法」である。
なお、JISZ9901:1998 (参考 2.13)では、“qualification process”が『資格認定プロセス』『適格性確認プロセス』と和訳されている。
#10-1注記1:適格性がある [英文:qualified]
“適格性がある”という用語は、適格性確認が済んでいる状態を示すために用いられる。→■英文解釈■ 英文は“The term “qualified” is used to designate the corresponding status”である。“qualified”は、「適格化すること」の意味#10の名詞“qualification”に対応する動詞“qualify”の過去分詞形であるから、直訳的には「適格化された」であり、「適格である」「適格性がある」とも表現できる。すなわち、「用語“適格化された”とは、そのような状態を指す」である。
#10-2 資格がある (JISZ9901:1998: 参考 2.14) [英文:qualified]
規定要求事項を満たす能力があることが実証されている、ある“もの”の状態 →■英文解釈■ 英文(ISO8402:1994)では“status given to an entity when the capability of fulfilling specified requirements has been demonstrated”であり、「あるものが規定要求事項を満たす能力のあることを何かによって証明された状態」である。00年版では『適格性がある』と和訳されている#10-1
  
#11 品質計画
#11-1 品質計画 (JISZ9901 参考:3.3)
品質目標及び品質要求事項並びに品質要素の適用に関する要求事項を定める活動
#11-2 品質計画 (JISQ9000:3.7.5)
品質目標を設定すること、並びにその品質目標を達成するために必要な運用プロセス及び関連する資源を規定することに焦点を合わせた品質マネジメントの一部。
#11-2-1 注記:品質計画書の作成が品質計画の一部となることがある
  
#12 品質計画書
#12-1 品質計画書 (JISZ9901 参考:3.13)
特定の製品、プロジェクト又は契約に関する固有の品質業務、経営資源及び活動順序を規定した文書
#12-2 品質計画書 (JISQ9000:3.7.5)
個別のプロジェクト、製品、プロセス、又は、契約に対して、どの手順、及び、どの関連する資源が、誰によって、いつ適用されるかを規定する文書
#12-2-1注記1:通常これらの手順には、品質マネジメントのプロセス及び製品実現のプロセスに関連するものが含まれる。
#12-2-2 注記2:品質計画書は、品質マニュアル又は手順書を引用することが多い。
  
#13 製品 (JISQ9000: 3.4.2) [英文:product]
プロセスの結果
#13-1 注記1(前半):次に示す四つの一般的な製品分類がある。()
-サービス(例 輸送)、-ソフトウェア(例 コンピュータプログラム、辞書)、-ハードウェア(例 エンジン機械部品)、
-素材製品(例 潤滑剤)
#13-2 注記1(後半):多くの製品は、異なる一般的な製品分類に属する要素からなる。製品をサービス、ソフトウェア、ハードウェア、又は、素材製品のいずれで呼ぶかは、その製品の支配的な要素で決まる。例えば、提供製品である“自動車”は、ハードウェア(例 タイヤ)、素材製品(例 燃料、冷却液)、ソフトウェア(例 エンジンコントロール・ソフトウェア、運転者用マニュアル)及びサービス(例 セールスマンの操作説明)から成り立っている。
#13-3 注記2:サービス は、供給者及び顧客との間のインターフェイスで実行される、少なくとも一つの活動の結果であり、一般に無形である→■英文解釈■ 英文は“Service is the result of at least one activity necessarily performed between the supplier and customer and is generally intagible”であり、「必然的に供給者と顧客との接点で実行されるひとつ以上の活動の結果であり、普通は無形なもの」と和訳する方が定義の意図を読み取り易い。
  
#14 品質マニュアル
#14-1 品質マニュアル (JISQ9000:3.7.4)
組織の品質マネジメントシステムを規定する文書。
#14-2 品質マニュアル (JISZ9901:1998, 参考3.1.2)
品質方針を述べ、組織の品質システムを記述した文書。
参考2 品質マニュアルは、通常は少なくとも次の事項を含むか引用している。 a) 品質方針
  
#15 インフラストラクチャー (JISQ9000:3.3.3)
組織の運営のために必要な施設、設備及びサービスに関するシステム →■英文解釈■ 英文は“system of facilities, equipment and services needed for the operation of an organization”であり、「組織の事業活動に必要な一連の施設、設備及びその他の手段」と和訳する方が定義の意図を読み取り易い。
  
#16 コミットメント (TC176/SC2/N526R: commitment)
obligation →■英文解釈■ “obligation”は「特定の行為に自分自身を縛りつける契約、約束、良心、習慣*1」の意味である(102)。日本語では、義務、(社会的)責任、拘束(108)、義務(に縛られること)、責任、良心の命令(110)である。
*1: sth (as a formal contract, a promise, or the demands of conscience or custom) that obligate one to a course of action

#17 顧客満足 (JISQ9000:3.1.4) [英文:customer satisfaction]
顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方。 →■英文解釈■ 英文は“customer’s perception of the degree to which the customer’s requirements have been fulfilled”である。『顧客の要求事項』は顧客の想いのニーズと期待のことである$1-2-3から、『顧客満足』とは「顧客のニーズと期待が満たされた程度に関する顧客の受けとめ」である。すなわち、『顧客満足』とは、顧客から見ての顧客満足であり、顧客がその想いのニーズと期待をどのように満たされたと感じたのかということであり、簡単には顧客が製品をどのように気に入ったのかということである。
#17-1注記2:顧客要求事項が顧客と合意され、満たされている場合でも、それが必ずしも顧客満足が高いことを保証するものではない。
  
#18 要求事項 (JISQ9000:3.1.2)
明示されている、通常、暗黙のうちに了解されている、若しくは、義務として要求されている、ニーズ若しくは期待。 →■英文解釈■ 『通常は暗示されている(generally implied)』は注記1によると、ある表現やある文書の記述が ニーズや期待について述べられたものであることが、組織とその顧客又は利害関係者との間で慣例や慣行として認められていることであり、「一般に認められている」が適当である。また、『義務としての(obligatory)』は文脈から、わかりきったとか、決まり文句のという意味*2に解釈し、明示されたり示唆されたりしなくとも当然の、周知のニーズや期待という意味と受けとめるのがよい。「明示されている、又は、一般に認められている、若しくは、当然のニーズや期待」の意味である。いずれにせよ、JIS和訳『要求事項』は「ニーズ又は期待」のことである。
*1 need or expectation that is stated, generally implied or obligatory; *2 so commonplace as to be a convention, fashion or cliché(102); *3“generally implied”means that it is custom or common practice for the organization, its customers and other interested parties, that the need or expectation under consideration is implied.
  
#19 マネジメント (JISQ9000:3.2.6)
l 経営、経営管理活動の意味の場合
組織を指揮し、管理するための調整された活動。 →■英文解釈■ 英文は“coordinated activities to direct and control an organization”である。JIS和訳「調整された活動」の英文は“coordinated activities”であり、経営管理活動がトップマネジメントによって統率され統制され、各管理者が協働する活動であることを表現している。経営管理活動とは「組織を方向づけ制御する統制された活動」と表現できる。
l 経営層、管理層の意味の場合(注記)
組織の指揮及び管理を行なうための権限及び責任をもつ個人又はグループ →■英文解釈■ 英文は“a person or group of people with authority and responsibility for the conduct and control of an organization”であり、「組織の方向づけと統御に責任及び権限をもつ人又は人々」の方が上記の経営管理活動の表現と合致し、適切である。
l 規格における活動と人との使い分け(注記)
用語“マネジメント”が人を指すことがある。この意味で用いられる場合には、常に何らかの修飾語を付けて用いるのがよい。例えば、“マネジメントは~すること”は使ってはならないが、“トップマネジメントは~すること”を使うことを許される
  
#19-1 トップマネジメント (JISQ9000:3.2.7)
最高位で組織を指揮し、管理する個人又はグループ。→■英文解釈■ 『指揮し、管理する』は上記の『マネジメント』の定義#19と同じ“to direct and control”である。つまり「最高位で組織を方向づけ制御する個人又はグループ」である。
#19-2 マネジメント レビュー(経営者による見直し) (JISZ9901:1998 参考:3.9)
品質方針及び目標との関連における、品質システムの状況及び妥当性について、最高位経営者が行なう公式の評価。 →■英文解釈■ 英文は“formal evaluation by top management of the status and adequacy of the quality system in relation to quality policy and objectives”である(ISO8402:1994 3.9)。
#19-3 品質マネジメント (JISQ9000: 3.2.8)
品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動品質に関して組織を方向づけ制御する統制された活動。→■英文解釈■ 『品質マネジメント』の英文は“quality management”という群名詞であるから「品質をmanagementする」の意味であり、「品質に関する経営管理活動」である。その定義は「品質に関して組織を方向づけ制御する統制された活動#19」である。
  
#20 システム (JISQ9000:3.2.1) [英文:system]
相互に関連する、又は、相互に作用する要素の集まり。
#20-1 マネジメントシステム (JISQ9000:3.2.2)
方針及び目標を定め、その目標を達成するためのシステム
#20-2 品質マネジメントシステム (JISQ9000: 3.2.3)
品質に関して組織を指揮し、管理するためのマネジメントシステム。 →■英文解釈■英文#19に従う正しい和訳は「品質に関して組織を方向づけ統御する統制された活動」である。ここに「組織を……活動」は『マネジメント』のことだから、『品質に関するマネジメントシステム』の意味である。
  
#21 品質方針 (JISQ9000:3.2.4)
トップマネジメントによって正式に表明された、品質に関する組織の全体的な意図及び方向付け。 →■英文解釈■ 英文は“overall intention and direction of an organization related to quality as formally expressed by top management”であり、“intention”が『意図』、“direction”が『方向づけ』、“overall”が『全体的な』と和訳されている。“intention”は日本語では一般に「意図、意向、意思」であり(110)、“direction”には種々の意味での方向や指図、管理、目的を表す言葉だが、この場合は、目的意識が明確な人(a clear sense of direction)や人生の目標が欠落している(lacking in direction)などの意味の「目的、狙い*1」である(101)。条文和訳はこのままで、その意味をこのように理解するのがよい。
*1 purpose, an aim
#21-1 註記1  一般に品質方針は、品質方針は組織の総合的な方針と整合している。→■英文解釈■ 英文は“overall policy”であり、『総合的な方針』でもよいが「組織の全般的な経営方針」である。また、『一般に』は“generally”であり、「品質方針は全体として組織の全般的経営方針と整合しなければならない」という意味である。
  
#22 品質目標 (JISQ9000:3.2.5)
品質に関して、追求し、目指すもの
  
#23 レビュー (JISQ9000:2006 3.8.7)
設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性、及び有効性を判定するために行われる活動 →■英文解釈■ 英文は“activity undertaken to determine the suitability, adequacy and effectiveness of the subject matter to achieve established objectives”である。『適切性、妥当性、有効性』は「適当か$23、十分か$24、効果的か$25」である。規格と英文の意図に沿った和訳は、「対象事項がその所定の目標の達成という観点で適当か、十分か、又は、効果的かを判定するために行なわれる活動」である。
  
#24 監査 (JISQ19011:3.1/JISQ9000:2006 3.9.1) [audit]
監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス →■英文解釈■ 英文は“systematic, independent and documented process for obtaining audit evidence and evaluating it objectivity to determine the extent to which the audit criteria are fulfilled”である。文法的にも、定義の趣旨からも「監査証拠を収集し,それを客観的に評価して、監査基準が満たされている程度を判定する体系的で,独立し,文書化されたプロセス」が正しい。
#24-1-1 環境マネジメントシステム監査 (JISQ14050:3.1.1)
組織の環境マネジメントシステムが、環境マネジメントシステム監査基準に適合するか否かを決定するための監査証拠を客観的に取得及び評価する体系的、かつ、文書化された検証のプロセス、並びに、このプロセスの結果についての依頼者とのコミュニケーション →■英文解釈■ 英文は“verification process of objectively obtaining and evaluating audit evidence to determine whether ~”であり、#24と同様に「~を収集、評価して、~かどうかを判定する体系的で文書化された検証プロセス、」と和訳するのがよく、これにより趣旨が#24と同じであることがわかる。更に、『このプロセスの結果についての依頼者とのコミュニケーション』は“communicating the results of this process to the client”は「この(検証)プロセスの結果を依頼者に伝達すること」である。
#24-1-2 環境マネジメントシステム監査(内部監査) (JISQ14050:3.1.2)
組織の環境マネジメントシステムが、その組織によって設定された環境マネジメントシステム監査基準に適合するか否かを決定するための証拠を客観的に取得及び評価する体系的、かつ、文書化された検証のプロセス、並びに、このプロセスの結果についての経営層とのコミュニケーション →■英文解釈■ 英文は#24-1-1に『その組織によって設定された』を追加し、『依頼者』を『経営層』に言い換えて、内部監査用に記述を変えたものであり、#24と同様、「~を収集、評価して、~かどうかを判定する体系的で文書化された検証プロセス」との和訳が適当である。
#24-1-3 内部監査 (JISQ14001:3.14) [internal audit]
組織が定めた環境マネジメントシステムの監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス →■英文解釈■ 英文は#24の“audit criteria”が“environmental management system audit criteria set by the organization”になっている他は同じである。従って正しい和訳は「組織が定めた環境マネジメント システム監査の監査基準が満たされている程度を判定するために、監査証拠を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス」である。

#24-2 監査基準 [audit criteria]
#24-2-1監査基準(JISQ19011:3.2/JISQ9000:3.9.3)
一連の方針、手順又は要求事項
#24-2-2 監査基準(JISQ14050:3.3)
監査員が対象事項について収集した監査証拠を比較するための方針、慣行、手順、又は、要求事項
  
#24-3 監査証拠 [audit evidence]
#24-3-1 監査証拠 (JISQ19011:3.3/JISQ9000:3.9.4)
監査基準に関連し、かつ、検証できる、記録、事実の記述又はその他の情報
#24-3-2 監査証拠(JISQ14050:3.3)
 事実に関する検証可能な情報、記録又は報告書
  
#24-4 監査所見 [audit findings]
#24-4-1 (JISQ19011:3.4/JISQ9000:3.9.5)
収集された監査証拠を監査基準に対して評価した結果
#24-4-2 (JISQ14050:3.5)
 事実に関する検証可能な情報、記録又は報告書
  
#24-5 監査結論 [audit conclusion]
#24-5-1 監査所見 (JISQ19011:3.5/JISQ9000:3.9.6)
監査目的とすべての監査所見を考慮したうえで監査チーム が出した監査の結論
#24-5-2 監査所見 (JISQ14050:3.6)
 監査員が、監査所見に適用した根拠に基づき、かつ、その範囲内で、監査の対象事項に関し表現した専門的な判断又は意見
  
#24-6 監査プログラム (JISQ19011:3.11/JISQ9000:3.9.2) [audit programme]
特定の目的に向けた、決められた期間内で実行するように計画された一連の監査
#24-7 監査計画 (JISQ19011:3.12) [audit plan]
監査の活動及び手配事項を示すもの →■英文解釈■ 英文は“plan”であり、『示す』は“describe”で「記述する」であるから、規格の意図は「監査計画書」である。
  
#25 作業環境
(JISQ9000:3.3.4) [work environment]
作業が行われる場の条件の集まり →■英文解釈■ 英文は“set of conditions under which work is performed”であるから、「その下に作業が行われる、一連の状態」であり、要員が業務を行う環境のことである。
#25-1 注記:条件には、物理的、社会的、心理的及び環境的要因を含む(例えば、温度、表彰制度、人間工学的側面及び大気成分)→■英文解釈■『要因』は“factor”であるから「要素」である。『環境的』は自然環境の意味である。『大気成分』は“atmospheric compositions”であり、屋外と室内を問わず要員が作業する場の雰囲気の組成の意味である。『表彰制度』は“recognition schemes” であり、人々が本質的に持つ承認欲求に対応する制度や施策のことを表し、『人間工学的側面』は“ergonomics”で「人間工学」である。
  
#26 特性 (JISQ9000:3.5.1) [characteristic]
そのものを識別するための性質 →■英文解釈■ 英文は“distinguishing feature”であるから、「際立った又は、顕著な特徴又は特質」である(101)
#26-1注記3:特性には、物質的な(機械的、電気的、化学的、生物学的など)、感覚的な(嗅覚、触覚、味覚、視覚、聴覚的など)、行動上の(礼儀正しさ、正直さ、誠実さなど)、時間に関係する(正確さ、信頼性、利用可能度など)、人間工学的な(生理的、安全性など)、機能上の(飛行機の最高速度)特性というような種類がある。
  
#27 設計・開発 (JISQ9000:3.4.4) [design and development]
要求事項を製品、プロセス、システムの、規定された特性又は仕様書に変換する一連のプロセス
#27-1 注記1:“設計”及び“開発”は、あるときは同じ意味で使われ、あるときには設計・開発の全体プロセスの異なる段階を定義するために使われる。

#28 検証 (JISQ9000:3.8.4) [verification]
客観的証拠を提示することによって、規定要求事項が満たされていることを確認すること →■英文解釈■ 英文は“confirmation, through the provision of objective evidence, that specified requirements have been fulfilled” である。『要求事項』は「要件」であり$1、『確認する』の“confirmation” “confirm”は「実証」「証拠による証明」「立証」の意味である$51 。すなわち「規定要件が満たされていることを客観的証拠によって証明すること」である。或いは、「規定要求事項が満たされている」とは「適合している」である#5から「規定要件への適合性を実証する」である。なお、英語の“verification”と“confirmation”は、どちらもある事の正しさを証拠で述べ、示す、又は、証明するということを意味し、両者は同義語である(103)
#28-1 注記1:“検証済み”という用語は、検証が済んでいる状態を示すために用いられる。→■英文解釈■ 英文は“verified”であり、「適合性が実証された」である。
#28-2 品質管理用語としての“verification” (American Society for Quality:Quality Glossary (118))
The act of determining whether products and services conform to specific requirements →■英文解釈■ 製品とサービス が特有の要件に適合しているかどうかを判定する活動
 
#29 妥当性確認 (JISQ9000:3.8.5) [validation]
客観的証拠を提示することによって、特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確認すること →■英文解釈■ 英文は“confirmation, through the provision of objective evidence, that the requirements for a specific intended use or application have fulfilled”である。“use”は「使用すること」であり(101) 、『要求事項』は「要件」であり$1、“confirmation”は「実証」である$51から、「特定の意図された使用又は適用に関する要件が満たされていることを、客観的証拠を用いて証明すること」である。
  
#30 検査 (JISQ9000:3.8.2) [inspection]
必要に応じて測定、試験又はゲージ合わせを伴う観察及び判定による適合性評価 →■英文解釈■ 英文は“conformity evaluation by observation and judgement accompanied as appropriate by measurement, testing or gauging”である。ここに、『ゲージ合わせ』は“gauging”であり、「特別な機器をつかって物事を正確に測定すること」(101)であるから「計測」である。『観察』の“observation”には「観察」だけでなく、「見たり聞いたり読んだりした結果に基づく意見や見解」の意味(102)がある。 また、『適合性評価』は“conformity evaluation”であり、「適合性判定」の方がわかり易い$65。 すなわち、「必要な測定、試験、計測結果から形成した所見及び判断による適合性評価」である。
#30-1 検査 (JISZ9901:1988, 2.15) [inspection]
ある“もの”の各特性の適合性を確定するために、一つ又はそれ以上の特性を測定、審査、試験又はゲージ合わせをして、その結果を規定要求事項と比較する活動 →■英文解釈■ 英文は“activity such as measuring, examining, testing or gauging one or more characteristics of an entity and comparing the results with specified requirements in order to establish whether conformity is achieved for each characteristic”でるから、「あるものの特性を測定、試験又は計測し、その結果を規定要求事項と比較して特性の適合性を決定する活動」がよい。
  
#31 試験 (JISQ9000:3.8.3) [test]
手順に従って特性を明確にすること →■英文解釈■ 英文は“determination of one or more characteristics according to a procedure”であり、特性の水準を「求める」又は「決める」$6という意味である。
  
#32 確認 (TC176/SC2/N526R) [confirm]
公式合意によって効力を持たせる (make valid by formal assent)
  
#33 トレーサビリティ (JISQ9000:3.5.4) [traceability]
考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できること →■英文解釈■ 英文は“ability to trace the history, application or location of that which is under consideration”であり、「ある物事の履歴、使われ方又は所在を追跡できること」がわかり易い。
  
#34 監視する (TC176/SC2/N526R) [monitor]
・見張ること、監督すること、監視下におくこと (observe, supervisee, keep under review)
・とりわけ規制や管理の目的で、一定の間隔で測定又は試験すること (measure or test at intervals, especially for the purpose of regulation or control)
  
#35 測定する (TC176/SC2/N526R) [measure]
・物事の大きさや量を確定又は決定すること (ascertain or determine the spatial magnitude or quantity of (something)
・既知の大きさや容量の物体を利用し又は特定の単位に換算して(物事の大きさや量を)確定または決定すること (ascertain or determine (a spatial magnitude or quantity) by the application of some object of known size or capacity or by comparison with some fixed unit)
  
#36 測定機器 (JISQ9000:3.10.4) [measuring equipment]
測定プロセスの実現に必要な、計器、ソフトウェア、測定標準、標準物質又は補助装置若しくはそれらの組合せ →■英文解釈■ 英文は“measuring instrument, software, measurement standard, reference material or auxiliary apparatus or combination thereof necessary to realize a measurement process”であり、「測定を行うのに必要な測定計器、ソフトウェア、計量標準、標準物質、付属装置又はそれらの組み合わせ」がよい。
  
#37 計量確認 (JISQ9000:3.10.3) [metrological confirmation]
測定機器が意図された用途に関する要求事項に適合していることを確実にするために要求される一連の操作→■英文解釈■ 英文は“set of operation required to ensure that measurement equipment conforms to the requirements for its intended use”であり、「測定機器がその用途のための必要条件を満たすことを確実にするのに必要な一連の操作」である。
  
#38 継続的改善 (JISQ9000:3.2.13) [continual improvement]
要求事項を満たす能力を高めるために繰り返し行なわれる活動。→■英文解釈■ 英文は“recurring activity to increase the ability to fulfil requirements”であり、“requirement”は「必要」という意味$1であるから、「必要を満たす能力を高める反復的活動」がよい。
#39 測定プロセス (JISQ9000:3.10.2) [measurement process]
ある量の値を決定する一連の操作
  
#40 是正処置 (JISQ9000:2006 3.6.5) [corrective action]
検出された不適合を又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置→■英文解釈■ 原文は““action taken to eliminate the cause of a detected nonconformity or other undesirable situation”である。不定詞“to eliminate ”は“taken”を修飾する副詞的用法であり、副詞的用法は人々の目的、又は、あることをする理由について述べるのに用いられ(107c)、前者なら「~するために」、後者なら「~となるように」である。規格の意図の「是正処置」とは、その処置が単に不適合の原因の除去を目的としてとられるというより、その処置によって実際に不適合の除去ができたことを客観的証拠で確かめられている処置である。従って、「~の原因を除去する(ように)とる処置」である。
#40-1 注記1: 不適合の原因は、一つ以上のことがあり得る。
  
#41 予防処置 (JISQ9000:2006 3.6.4) [preventive action]
起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置→■英文解釈■ 原文は““action to eliminate the cause of a potential nonconformity or other undesirable situation”であり、不定詞“to eliminate”は名詞“action”を修飾する形容詞的用法であり、「~の原因を除去する処置」である。
  
#42 効率 (JISQ9000:2006 3.2.15) [efficiency]
達成された結果と使用された資源との関係
  
#43 品質保証 (JISQ9000:2006 3.2.11) [quality assurance]
品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部。
  
#44 修正 (JISQ9000:2006 3.6.6) [correction]
検出された不適合を除去するための処置 →■英文解釈■ 原文は“action to eliminate a detected nonconformity.” であるかり、不定詞“to eliminate ”は名詞“action”を修飾する形容詞的用法であり、「不適合を除去する処置」である。また、JIS和訳「修正」の英文は“correction”であり、「訂正、修正、補正、是正、調整、矯正、更正」などの訳語がある(109)。規格の定義の「修正」は処置( action )であり、是正処置#40や予防処置#41の“action”と同じである。「修正処置」と和訳するのが適当である。
  
#45 作業指示書 (ISO/TR10013: 4.6) [work instruction]
仕事の実施のしかたについて記述した文書であり、指示を与えないと悪影響が発生する可能性のある仕事のすべてについて発行することが望まれる。 →■英文解釈■ 英文は“work instruction”であり、“instruction”は「どのように行なう又は使うかについて詳細な情報(detailed information on how to do or use sth)」である(101)。どの作業を行なうというような指示書ではなく、手順書$9-1の一種であり、「作業要領書」の方が合っている。



 
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