ISO9001/ISO14001
コンサルティング・研修

  規格要求事項の解釈実務の視点 
このページでは、ISOマネジメントシステム規格(ISO9001/ISO14001)の要求事項を
実務の視点
で読み解き、解説します。
目  次
MSS 共通テキスト
定義・上位構造
13
2015年改定の要点
ISO9001
14 2015年改定の要点
ISO14001
英語で読み解く
ISO9000/14000
規格の論理
ISO9000/14000
実務の視点による
ISO9001の解説
よく見られる
誤った取組み
ISO9001/14001
この方がよくわかる
ISO14001:2004
実務の視点による和訳
規格と認証の利用
ISO9001/14001 事例研究
改定の要点
ISO14001:2004
10 改定の要点
ISO9001:2000
11 改定の要点
ISO9001:2008

10 ISO9001  2000年版改定の要点 31b
2000年版改定の要点を実務の視点から考え、明らかにします。
目 次
.3つの基本的変更点
.2000年版 要求事項構成の特徴
(2つのPDCAと運用支援プロセス)

.3つの基本的変更点

品質システムから品質マネジメントシステムへ
 94年版は、製品を契約(カタログ等で約束)通りの品質の製品をつくることを目的とし、製品の受注から出荷までのプロセスを中心に事業活動に対する要求事項を主体としてきたが、2000年版は、マネジメント(運営管理活動)の規格であり、品質保証活動を含めて組織をどのように運営管理しなければならないか、運営管理活動に対する要求事項を規定している。これが、重要で本質的な変化のひとつである
運営管理活動とは「組織を指揮、管理する活動」であって、組織の存続と発展を図る経営や日常活動を含めた事業運営の活動である。2000年版規格はこれを、「品質方針、品質目標を定め、その達成のためのPDCAサイクルを廻す」という方法論に則って、要求事項を規定している。多くの組織には、組織運営のために明示されていなくとも方針や目標があり、場合によっては計画を定めて、実行し、進捗管理している。要求事項は、新たな仕事を要求しているのでなく、組織運営の実際を反映したものである。
94年版では品質保証活動が中心でその運用は品質保証の専門家が主体となることが多かったが、2000年版は運営管理活動の在り方を規定した規格であるから、経営者や上位管理者がシステム運用の主体とならなければならない。2000年版が経営者の責任に関する要求事項を強化したのはこのためである。

品質保証から顧客満足向上へ
 94年版では“品質”は製品、サービスの品質を意味しており、要求事項は、顧客に約束した製品品質をどのようにつくり込み、届けるかという、いわゆる、品質保証の方法を規定していた。2000年版での“品質”は、「顧客要求事項を満たすこと」であり、「顧客要求事項」とは、顧客の期待とニーズである。製品が顧客要求事項を満たしている程度が「顧客満足」である。組織の存立は顧客に依存し、その発展は顧客満足の達成の度合いの如何に懸かっている。組織は、その事業活動が生み出す製品が、顧客の期待とニーズ を満たすものであるように、運営管理されなければならない。
顧客要求事項とは、「顧客が要求している事項」ではなく、「顧客が必要としている事項」である。顧客がどんな製品、サービスを求めているのかは、顧客は必ずしも明示せず、顧客自身が知らない場合も多いので、顧客要求事項は組織自身が推し量り、決定しなければならない。また、その製品、サービスが意図した通りに顧客に気に入られたかどうかは、普通は顧客は言ってくれないし、クレームがないからといって顧客が満足したとはかぎらない。組織は顧客の満足度を推し量る努力をして、その結果によって製品、サービスを改善することが必要である。このPDCAが、2000年版規格が規定する運営管理活動の根幹である。

改善重視へ
 顧客の期待とニーズは時代と共に変化する。技術の進歩で思わぬ新製品が開発できることともなり、競争相手もいるので、今日の製品の売れ行きや評判の良さに安住することは許されない。しかも、今日でも計画ほど売れない製品はあり、クレームも皆無ではない。組織の事業活動を維持、発展させるためには、組織はその製品、サービスが顧客の期待とニーズに応え、超えるよう日常的に努力をしなければならない。すなわち、組織が、必要で、かつ、追求可能な顧客満足の向上を目指して、その製品、サービスを日常的に改善することが、組織の存続、発展に不可欠である。これが、2000年版の新しい要求事項である「継続的改善」の意義である。組織が2000年版への適合の認証を得るためには、不適合製品の出荷を防ぐだけでは十分ではなく、顧客満足の向上を目指して継続的改善を図る運営管理活動を行わなければならない。
どの組織でも、事業活動と合わせて、その維持、発展のための経営、あるいは、運営管理が、明示されているといないにかかわらず、一定の理念や考えに沿って行われている。組織にはそれぞれに多様な課題があり、それらに対処する多様多彩なマネジメント(運営管理活動)が実施されている。どのような対象、方向の運営管理活動をするのかは組織の判断であるが、組織が2000年版への適合の認証を求める限りは、顧客満足の向上を目指した運営管理活動は行わなければならず、その質を継続的に改善する努力をしなければならない。
(H14.9.30)

.2000年版 要求事項構成の特徴
    (2つのPDCAと運用支援プロセス)
  2000年版要求事項は、図のように2つのPDCAサイクルとそれら運用を支援する事項で構成されていると考えられる。このことのよって、改定の要点を次のように明確に捉えることができる。


製品実現のPDCA
 内側のPDCAは、事業活動たる製品実現のPDCAであり、1994年版の要求事項の主体であった不適合製品出荷防止のPDCAにほぼ対応する。しかし2000年版では、出荷した製品が契約条件に適合しているだけでは不十分で、顧客の期待とニーズ に合致していなければならないから、どのような製品をつくるのかは、契約ではなく組織自体が決めなければならない。「製品関連要求事項の決定」(7.2.1)がPDCAの"A"であり、「顧客満足の監視」(8.2.1)が"C"である。 これらが1994年版との本質的な違いを示す新要求事項である。


マネジメントのPDCA
 外側が、マネジメント(運営管理活動)のPDCAである。この要素の多くは1994年版でも規定されていたが、2000年版では繋がった一連の活動として実行されることが要求されることになった。改定のもうひとつの本質である。このサイクルは、運営管理活動が「方針及び目標を定め、その目標を達成する」活動であることを示している。また、規格 8.5.1項(継続的改善)の規定は、この外側のPDCAをそのまま表現したものであるから、外側は継続的改善のPDCAでもある。要求事項は、実際の運営管理活動の普遍的方法論と目的を反映したものである。


運用支援プロセス
 これら2つのPDCAを効果的に廻すために、経営者の運営管理活動への直接、間接的関与の責任が明確に規定されることとなり、システム運用の担い手の人々と必要な施設、設備に対する要求事項が新設、強化された

図 2000年版 要求事項の構成(2つのPDCAと運用支援プロセス)
(H14.9.30)


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