ISO9001/ISO14001
コンサルティング・研修


解説
 
    実務の視点    規格要求事項の解釈
このセクションでは、ISOマネジメントシステム規格(ISO9001/ISO14001)の要求事項を
実務の視点で、様々な角度から読み解き、解説します。
目  次
MSS 共通テキスト
定義・上位構造
13
2015年改定の要点
ISO9001
14 2015年改定の要点
ISO14001
英語で読み解く
ISO9000/14000
規格の論理
ISO9000/14000
実務の視点による
ISO9001の解説
よく見られる
誤った取組み
ISO9001/14001
この方がよくわかる
ISO14001:2004
実務の視点による和訳
規格と認証の利用
ISO9001/14001 事例研究
改定の要点
ISO14001:2004
10 改定の要点
ISO9001:2000
11 改定の要点
ISO9001:2008





ISO9001:2008
改訂作業の経緯
解説 
ISO9001/14001
次回改訂の動向

論評 我田引水
2008年版 改訂狂想曲


11 ISO9001 2008年版  改定の要点
31c
ISO9001 2000年版の改訂作業はCD1(2007年)からDIS(2007年6月)へと進み、FDISの投票(2008年8月)を経て、2008年11月15日に 2008年版として発行されました。
(これを翻訳したJISQ9001:2008は12月20日発行)
この改定は、要求事項の意図の明瞭化とISO14001との表記の整合性の向上
が目的であり、要求事項の変更を含んでいないと説明されています。
2008年版の変更された記述について、実務の視点で考えます。 
合わせて、改訂作業における条文変更の経緯を記録として残します。

目 次                                    
1. 留意すべき記述変化  (2008年版)
 ◆ ISO9001:2008 (JIS和訳版)   <2000年版からの変化>  
2. 要求事項  記述変更  (DIS/FDIS/IS版)
  2-1. 要求事項 記述変更 総 括
  2-2. 要求事項 記述変更 詳 細
     ◆ IS版 [ ISO9001:2008 }  (FDIS版からの変更点)    -H20. 11.24-
     ◆ FDIS版 (DIS版からの変更点)                          -H20. 9.12-
     ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)              -H20.2.20-


 1.  留意すべき記述変化  (2008年版)
     −
 ISO9001規格の価値を毀損しかねない記述変更と変更解釈 

     ◆ ISO9001:2008 (JIS和訳版)     <2000年版からの変化>
   2008年版には、要求事項の変更も追加もないことが繰り返し説明されている。 しかし、JIS版では要求事項の表現が「〜しなければならない」へ変更された他、所々で2000年版の和訳が変更されており、本来の記述変更と入り混ざっている。 更に、ISO14001条文との整合のための無理な記述変更があり、疑問符のつく日本独自の変更解釈も少なくない。 このため、誤解の解消を目的とした2008年版が逆に、効果的な品質マネジメントの指針としてのISO9001規格の価値を毀損する重大な誤った解釈を初め、組織の品質保証の実務に役立たない多くの誤った解釈を生み出している。 問題ある記述変更と変更解釈を中心に、2008年版 記述変更について実務の視点から検討する。
意義のある記述変更(意図明瞭化) 必要の認められない記述変更
意味のある記述変更(表現統一) 規格の価値を毀損する記述変更
適切なJIS和訳の修正(原文に忠実に) 規格の価値を毀損する変更解釈
疑問あるJIS和訳の修正、解釈
1. アウトソース の管理 (4.1項)                   
2. 力量 マネジメント (6.2項)                  
3. やる気を醸成する環境の整備 (6.4項)        
4. 管理のための情報検知手段 (7.6項)           
5. 顧客満足度の評価 (8.2.1項)               
6. 内部監査の指摘への対応 (8.2.2項)          
7. 製品検証の記録の管理 (8.2.4項)           
8. データ分析に使用する情報  (8.4項)           
9. 是正処置、予防処置の管理  (8.5.2, 8.5.3項)
10. その他 JIS和訳の変更
(原文は不変)           

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 1   アウトソース の管理  (4.1項)  
  4.1項のアウトソースしたプロセスの管理に関する規定は元々、特定プロセスを丸ごと外注したが故に組織に存在しないという理由でそのプロセスを「適用除外」することの不当なことを明確にすることが目的である。これを強調するためにアウトソースしたプロセスの管理の必要を強調する記述が追加された。

  規格では7.4項に購買製品の管理の要件を定めており、この観点からのアウトソースしたプロセスの管理についても規定がある。しかし、「アウトソースしたプロセスの管理」を強調する余りに、一般要求事項の規定たる4.1項にアウトソースのス管理という特定のプロセスに関する要求事項が規定されているかの記述となり、更に、7.4項要求事項と異なるアウトソース先の管理の要求事項が存在するかの記述となった。
 
  審査で4.1項のこの部分が独立した要求事項とみなされ、また、アウトソースしたプロセスの管理が7.4項と別に要求されるかもしれない。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-01>

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 2   力量マネジメント  (6.2項)  
(1) 力量マネジメントの対象の要員の範囲  
  間接部門の要員の力量も対象であることの明確化が記述変更の理由として強調されているが、実際は6章の他の条項との表現の統一を図るのが目的であり、対象範囲の明瞭化は後付けの理屈。直接部門作業者しか対象としていない組織の審査では力量管理の形式の対象の拡大が要求されるであろう。
 
(2) 力量マネジメントのPDCAサイクル
  記述変更は、6.2.2 a)〜c)項で力量マネジメントのPDCAサイクルを表していることを明瞭化することであったが、DIS版の改訂c)項が採用されなくなるなど中途半端なものとなった。従って、力量の運用管理としての日本の受けとめ方を改めることを審査で要求されることはない。しかし、審査では教育訓練の有効性評価を力量がもてたかどうかの評価に変えることが要求されるだろう。
 
(3) 教育訓練の実施
  6.2.2 b)項の「教育・訓練又はその他の処置をとる」に「該当する場合には」が追加され、それが「必要な力量が不足している場合には」という意味であるとのJIS独自の「訳注」が付された。品質マネジメントの効果的実行に問題があり、原因が要員に必要な力量が欠如していることだとわかっても、教育訓練すれば充足できるとは限らない。組織には費用対効果上、力量欠如による問題発生リスクを許容する選択肢もあり得る。これら実務上の対応を明確にすることが語句追加の目的であったと考えられる。
 
(4) 力量の判断基準
  力量があることの判断基準としての「教育、訓練…..」に対する6.2.1項の修飾語が「関連する」から「適切な」に変更された。JIS和訳だけの変更であり、6.2.2 e)項の同じ“appropriate”が「該当する」のまま残された。定着した規格の意図の誤解の解消に無関係で、審査にも影響しない、無意味な語句の変更。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-02>(改 H21.1.7)

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 3 やる気を醸成する環境の整備 (6.4項)
  6.4項にわざわざ注記を追加して、作業環境を定義し、騒音、温度、湿度、照度、天候を例示することで、作業環境の意義を94年版以前のものに逆戻りさせた。ISO9001の商業化の流れの中の記述変更。
 
  審査には影響しない。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-03>

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 4  管理のための情報検知手段 (7.6項)  
  原文では「監視機器及び測定機器」が“device”、「測定機器」が“equipment”と使い分けられていたが、どちらも“equipment”となった。しかし、“device”は「手段」であり、「測定機器」だけでなく、人の五感やチェックリストなども含む監視測定のために使用されるものという意味である。  記述変更はISO14001との記述上の整合性を図るため。  ISO9001としての要求事項の正当性を維持するために、ISO9000の「測定機器」の定義の中で「“equipment”は“device”を含む」と読むことになったと国内委員会は説明している。
 
  日本では両者の違いの認識が元々なかったので、今後の審査も変わらないだろう。
この項の先頭へ  詳しくは<sub31c-02-04>H20.12.19

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 5    顧客満足度の評価  (8.2.1項)  
   規格の意図が品質マネジメントの実績の指標としての顧客満足度の評価にあることを明瞭化するための記述の変更。しかし、CD版にあった「指標」を意味する英語の
“measurements”から“indicators”への変更がDIS版では見送られ、監視すべき情報を例示する注記に置き換えられたため、中途半端な記述変更となった。
 
  しかし、審査では監視データとして顧客満足度調査以外の必要が指摘されるだろう。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-05>H20.12.19

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 6  内部監査の指摘への対応 (8.2.2項)  
   内部監査の不適合指摘のすべてに是正処置が必要とする解釈が大抵の内部監査にひずみをもたらしているが、この誤りが明確になるような記述変更が行なわれた。すなわち、発見された不適合に対する修正や是正処置は、問題の発生の可能性やその影響の大きさの観点から「必要な」不適合に対してのみ行なえばよいというのが、規格要求事項の意図である。2008年版の記述変更の意図は実際に問題を起こさないために必要な修正、是正処置は遅滞なく確実に実行しなければならないということを強調することであるが、結果的に日本で広く誤解されていることが明らかになった。
 
  しかし、この記述変化は日本の解説では無視されているから、組織が主張しないと審査が変わることはないだろう。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-06>H20.12.19(修H21.1.7)

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 7  製品の検証の記録の管理 (8.2.4項)
  文章の節立てが変更された結果、「合否判定基準への適合の証拠の維持」に関する
「4.2.4参照」が見かけ上ではずされた。この記述の表面的変化を捉えて、検査記録ではなく、製品出荷許可者の記録の維持こそが規格の意図であるかの説明がある。
 
  検査記録の適切さの審査が行なわれなくなる可能性があるが、組織は検査記録の事業の円滑な遂行に対する意義を忘れてはならない。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-07>H20.12.19

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 8   データ分析に使用する情報  (8.4項)  
  分析すべきa)〜d)の4項目にそれぞれ元となる情報源が明示された。2000年版ではa)項とb) 項にのみで不自然な規定であった。 審査ではそれぞれの情報の具体的な取り扱いについて質問されることになろう。
この項の先頭へ H20.12.19

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 9 是正、予防処置の管理(8.5.2,8.5.3項)
  是正処置、予防処置のレビューがISO14001記述との整合性を図るために「有効性のレビュー」となった。ISO9000の「レビュー」の定義に有効性のレビューが含まれているので規格の意図は不変であると、米国国内委員会は苦しい説明をしている。
 
  日本では元々、問題が再発しなかったことを確かめることを以てf),e)項の「レビュー」であるとみなしてきたので、これを追認するような表現となった。これまでの審査が大手を振って行なわれるのであろうが、再発するかどうかもわからないままとった頼りない再発防止処置で狙いの顧客満足が実現するとは思えない。
この項の先頭へ 詳しくは<sub31c-02-09>H20.12.19

ISO9001:2008(JIS和訳版)
留意すべき変更
 10   その他 JIS和訳の変更 (原文は不変)
(1) 製品のリリースの管理 (7.5.1, 8.2.4項)  
  「製品のリリース」に対して付されていたJIS独自の註釈「次工程への引渡し」が削除された。組織には7.5.1項に関する誤った管理(次工程への製品引渡しではなく、製品の出荷を管理しなければならない)を正す必要があり、また、 8.2.4項に関する余計な管理(次工程への製品の引渡し許可する責任者を決めたり、その氏名の記録を維持する必要はない)をやめることができる。組織が変えない限り、審査が変わることはないだろう。
   
(2) 品質目標の設定 (5.4.1項)
@ 設定する部門  
  「組織内の『それぞれ』の部門及び階層で」が『しかるべき』に変更された。原文は“relevant”であり、密接な関連があるという意味であり、「品質方針に関連する業務を行なう部門」というのが規格の意図である。和訳を修正するならISO14001の環境目的、目標のように「関連する」の方がよいと思われるのだが、「しかるべき」となった。 しかも、間接部門にも品質目標が必要であることを明瞭化するための変更であるとも説明されている。従って審査では、直接間接を問わず、すべての部門で品質目標を設定しなければならないという誤りが更に強化される恐れがある。
   
A 製品の品質目標  
  「品質目標には製品要求事項を満たすために必要なものが『あれば』含める」から「……必要なものを『含む』品質目標」と、原文に忠実な和訳に変更された。原文の意図は、品質目標とは品質マネジメントシステムのシステムとすべてのプロセスの目標の意味であり、製品実現プロセスの目標、つまり、製品に関する目標も品質目標である。 品質目標はマネジメントに関するプロセスだけではなく、製品実現プロセスにも明確にしなければならない。 しかし日本では、品質目標は品質改善活動の目標と解釈されており、従ってこの度の和訳の変更によって、部門の品質目標の中に製品品質の改善の目標が含まれていなければならないと解釈される可能性がある。審査がこれを要求するかもしれない。
   
(3) マネジメントレビューの結論 (5.6.3 c)項)  
   「製品の改善」の改善に対する修飾語が「顧客要求事項への適合に必要な」から「顧客要求事項にかかわる」に変更された。 要求事項をわかりやすくするためとの説明があるが、それなら原文の通り、「顧客要求事項に関連する製品の改善」とすべきである。規格の意図は、「製品の改善」といっても、性能や機能などの品質の改善ではなく、顧客のニーズと期待を満たす観点での改善のことである。日本では「製品の改善」は規格の要求ではないとする解釈がとられており、この誤りを放置してc)項の文面をいじっても意味がない。審査には全く影響しないだろう。
 
(4) 設計開発条件の適切さの確保 (7.3.2項)  
   7.3.2項では「設計・開発のインプット」の項目がa)〜d)として列記された後の第2節に、それらが適切なことを確実にするための「レビュー」の必要が規定されている。2008年版では、第2節でこれら項目を指す言葉が原文で“These inputs”から“The inputs”に変更された。単なる英語の表記上の変更であり、この場合の“These inputs”と“The inputs”は全く同じ意味である。しかし、JIS和訳はこれを、「これらインプット」から「製品要求事項に関連するインプット」に変え、「これらインプット」では第1節のa)〜d)項のみを指すとの誤解があり、それ以外にも製品要求事項に関連するインプットがあることを明確にするための和訳変更だと説明している。従って、審査で「a)〜d)項以外のインプットが レビューされていない」と指摘されるかもしれない。   (詳しくは<sub31-02-10/10-4>)
 
(5) トレーサビリティ の管理 (7.5.3項)  
  「製品について『固有の識別』を管理する」という意味不明な言葉が、原文“unique identification”を正しく反映した『一意の識別』という和訳になった。規格の意図は重複することのない識別体系という意味であるから、これまでの組織の取組みを変える必要はないはずであり、審査にも影響はない。 
この項の先頭へ H20.12.19(改 21.1.6)

このページの先頭へ
 2.  要求事項  記述変更   (DIS/FDIS/IS版)
     ◆ IS版 [ ISO9001:2008 }  (FDIS版からの変更点)    -H20. 11.24-
     ◆ FDIS版 (DIS版からの変更点)                          -H20. 9.12-
     ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)              -H20.2.20-
 DIS版、FDIS版、IS版(2008年版)と逐次、各版での変更の内容をまとめました。 このような変更の経緯は、2008年版の作成に至るまでの議論をうかがわせ、改訂の意図の理解に役立ちます。
目  次
2-1.  要求事項  記述変更  総 括
2-2.  要求事項  記述変更  詳 細

 2-1.  要求事項  記述変更  総 括
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
   FDIS版との差異は下記の 3件の記述変更であり、いずれも意味ある変更ではない。 従って、2008年版は、実質的に FDIS版の通りである。
 
   年内に発行される JISQ9001:2008 は、この内容を翻訳し、JISZ8301(規格票の様式及び作製方法)の改訂に基づく「〜すること」の「〜しなければならない」へなどの表記の変更と、2000年版和訳の見直しを含むものとなる。
   
[記述の変更]   3条項、 3件
2000年版の英語の変更:  2件   ( 7.3.3,  8.2.2 )
2000年版の節の統合:    1件    ( 7.3.7 )
FDIS版  (DIS版からの変更点)
[記述の変更] 9条項、 14件
DIS版の記述の変更: 5件(英語の変更)
DIS版の記述の削除: 2件
DIS版にはなかった2000年版の変更
記述の削除: 1件
記述の変更: 5件
記述箇所の移動: 1件
 
[変更の分類]
@ 意図の明瞭化を意図したと考えられる変更:  6件
役に立つかもしれない変更: 3件 ( 8.4(3件) )
変えなくともよかった変更: 3件 ( 6.2,  8.5.2,  8.5.3 )
A 単なる表現、記述方法の変更:  8件 ( 4.1(2件), 7.2.17.3,  7.6(3件),  8.2.3 )   
 
[組織、審査への影響]
  特にない。実務的には意味のない解釈が正当化されるので、受審組織は楽になる。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  24条項、66件、69ケ所
 
[変更の分類]
@ 意図の明瞭化を意図したと考えられる変更: 32件
意図の明瞭化のために意味のある記述変更 15件
日本での誤解を解くのに有用 10件 ( 7.5.1, 8.2.2, 8.2.3, 8.2.4; 6.2.1, 6.2.2 b),c); 4.1, 7.5.4, 8.2.1 )
日本での解釈には影響しない 1件 ( 7.2.1 d) )
規格の価値を毀損する意図の変更 4件 ( 6.4, 7.5.1, 7.6, 8.2.4 )
JIS仮訳の誤訳で意図が取り違えられた記述変更 1件 ( 7.6 )
意図の明瞭化のために必要とまでは考えられない記述変更 16件
 
A 単なる表現の変更 34件

規格内での表現統一 6件
ISO14001との表現統一 5件
英語表現の改善 15件
引用情報の最新化 4件
変更の目的が判断できない 4件
   
[組織、審査への影響]
本来不要な形式が要求される 1件 (7.6)
形式が要求される可能性がある 1件( 6.2.1 )
形式が要求されるかもしれない 5件( 4.1, 6.3, 7.2.1, 7.5.4, 8.2.1)
この項(記述変更 総括)の先頭へ H20.3.3

 2-2.  要求事項  記述変更   詳 細      
改訂の重要度 :    ★★★  要注視,   ★★  要留意,   ★ 知るだけでよい

★★★
  ★
  ★
★★★
  ★
★★★
  ★
 ★★
  ★
★★★
  ★
  ★
 ★★
  ★
★★★
  ★
★★★
★★★
 ★★
★★★
  ★
  ★
★★★
★★★
4.1項  品質マネジメントシステム 一般要求事項
4.2項  文書化一般要求事項
5 章   経営者の責任
6.2項  人的資源
6.3項  インフラストラクチャー
6.4項  作業環境
7.1項  製品実現の計画
7.2項  顧客関連のプロセス
7.3項  設計・開発
7.5.1項  製造又はサービス提供の管理
7.5.2項  製造又はサービス提供プロセスの妥当性確認
7.5.3項  識別及びトレーサビリティ
7.5.4項  顧客の所有物
7.5.5項  製品の保存
7.6項  監視機器及び測定機器の管理
8.1項  測定、分析及び改善 一般
8.2.1項  顧客満足
8.2.2項  内部監査
8.2.3項  プロセス の監視及び測定
8.2.4項  製品の監視及び測定
8.3項  不適合製品の管理
8.4項  データ分析
8.5.2項  是正処置
8.5.3項  予防処置

  4.1項  品質マネジメントシステム 一般要求事項 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
   変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  注記3.で2つの英単語が変更された(mayがcanに、extentがdegreeに)が、注記の意味には影響しない。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  合計8ケ所の記述が変更、追加された。翻訳性改善のための用語の変更が2ケ所、英語表現の適切さの改善のための変更が1ケ所、規格内で不統一な表現の是正が1ケ所、意図の明瞭化のための表現の変更が2ケ所、意図の明瞭化のための注記の追加が2ケ所である。
 
[変更の趣旨]
  規格解釈に関係する変更は後二者の3ケ所の、アウトソース されたプロセス の管理に関する表現の変更のみである。この趣旨は、規格の枠組みと基本的考え方を示す4.1項という条項に ”アウトソース されたプロセスアウトの管理”が規定されている意図が、これまでより詳しく記述されたということである。すなわち、規格の品質マネジメントシステムは規格の各条項に相当するプロセス(業務)の有機的集合体であるが、組織の性格や実態によってはそれらのいずれかのプロセスが必要でなく存在しない場合があり得、また、プロセスを外注したことによって組織内に存在しない場合があり得る。前者のプロセスには規格の該当する規定を“適用除外”すればよいが、後者のプロセスについては規格の規定を供給者が適用、順守するように組織が管理しなければならない。ただし規格は、これをプロセスの結果としての製品・サービスの購買という観点から管理するための必要条件を規定している(7.4項)。これには供給者のプロセスの管理も規定されているが、これを意識しない硬直的な製品・サービスの管理では、供給者のプロセスの不始末によって組織の製品に深刻な不良が発生しないとは限らない。TC176はこの懸念とその防止のための“7.4項を越える”管理の方法を指針文書「アウトソースの指針」に表わしてきた。追補版はこれを反映した内容であり、その意味で規格の意図には何の変更もない。
   
[組織、審査への影響]
   規格の意図する“アウトソースされたプロセス”が注記2.として明確にされており、この種の業務を外注している組織は供給者の不始末によって組織の製品が影響を受けるのを防止するという観点から現在の管理を見直すことは有意義なことであろう。審査では、外注とアウトソースを別物とする考えの復活など組織の業務と品質マニュアル記述に形式的な変更が求められるようになるかもしれない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ 詳しくは <sub31c-01-410>

  4.2項  文書化一般要求事項
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
   変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
4.2.1  一般
[記述の変更]

  合計4ケ所。ISO14001と同じ表現とするための変更3ケ所と意図の明瞭化のための注記の表現の追加が1ケ所。 
[変更の趣旨]
  ISO14001の4.4.4項(文書類)の表現との整合化のため、c)項が同d)項、d)項が同e)項と、それぞれ同じ表現となり、不要となったe) 項が削除された。また、参考(注記)1.に、複数の手順をひとつの手順書に規定するのもよく、ひとつの手順を複数の手順書に分けて規定するのもよいとの“文書された手順”に関連する説明が追加された。
[組織、審査への影響]
   全くない
 
4.2.3  文書管理
[記述の変更]

  ISO14001と同じ表現とするための変更が1ケ所。 
[変更の趣旨]
  英原文では、外部文書に関するf)項の表現がISO14001の4.4.5項(文書管理)のf)項と同じになった。但し、JIS仮訳ではわずかな違いがある。   
[組織、審査への影響]
   規格全くない
 
4.2.4  記録の管理
[記述の変更]

  合計3ケ所の記述の変更がある。JIS仮訳では変更理由を 4.2.3項の変更に伴う必然の記述変更とISO14001との表現の整合のための変更であると説明されている。  
[変更の趣旨]
  文章は変更されているが、意味するところは2000年版と変わらない。ISO14001との表現の整合が図られたようにも見えない。変更した理由がよく理解できない。   
[組織、審査への影響]
   全くない
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.1

  5 章  経営者の責任
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
  変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
  DIS版 (2000年版からの変更点)
5.5.2  管理責任者
[記述の変更]

  意図の明瞭化のための表現の変更が1ケ所。
[変更の趣旨]
  管理責任者が組織の管理層から任命されなければならないことが明確に記述されることになった。JIS仮訳説明では、組織外からの管理責任者について議論があり、組織内であることを強調するための記述変更であるとされている。日本では、“マネジメント代行者”(management representative)が「管理責任者」と和訳されたため、役割や責任を誤解されている面があるのは事実だが、他国でも不適切な翻訳があったのかも知れない。
[組織、審査への影響]
   なし
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.6

  6.2 人的資源 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点) 
  6.2.2項が力量マネジメントのPDCAサイクルであることの明瞭化する c)項の記述変更が取り消され、2000版の記述が継続されることとなった。 JIS和訳「教育訓練又はその他の処置の有効性を評価する」が誤解を招いているのであり、原文通りの「とられた処置の有効性を評価する」であれば、、b)項の記述変更の変更だけで十分であると言える。、
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
6.2.1 一般
[記述の変更]

   規格内で不統一な表現の是正が1ケ所、意図の明瞭化のための注記の追加が1ケ所の、計2ケ所。
[変更の趣旨]
   資源マネジメントの対象の範囲の表現が、6.2項と他の資源の6.3, 6.4項とで異なっていたが、他の項と同じ「製品要求事項への適合性」という表現が使われることになり、注記の追加と合わせて、力量マネジメントの対象が品質マネジメントに関連するすべての業務を行う人々であることが、より明瞭にされた。
[組織、審査への影響]
   
製造やサービス提供の第一線にある要員のみを対象とするかの業務能力管理に対しては不適合指摘が行われる可能性がある。

 
6.2.2 力量、認識及び教育・訓練
[記述の変更]

   標題がISO14001(4.4.2項)に合わせて変更された他、6.2.1項と同じ表現の是正1ケ所、及び、意図の明瞭化のための記述の変更が2ケ所ある。
[変更の趣旨]
   標題変更には特別の意味はない。 2ケ所の記述変更は、a)項の「必要な力量」という表現が、b)項、c)項でもそのまま用いられるになったことであり、「必要な力量」を特定し( a)項)、これを充足するための処置をとり( b)項)、これを確実に充足する( c)項)という力量マネジメントのPDCAサイクルを規定する規格の意図をより明瞭にするものである。
[組織、審査への影響]
   日本ではJIS和訳の「力量」(competence)の概念に誤解があり、規格の意図の力量マネジメントが個人の能力開発管理と混同されている。記述の変更はこのような誤解の解消にも寄与するものであろうが、変更された記述のJIS仮訳には規格の意図に関する今日までの誤解に気づき、或いは、解消しようとするところが伺われない。従って、記述の変更が審査に特段の影響を与えることはないと思われる。
   ただし組織が、これを機会にその人事関係のマネジメントの諸業務の手順を見直して、人数の不足を含めて担当者からトップマネジメントまですべての人々の何らかの業務遂行力の不足のために品質マネジメントの実行と結果に支障を来すようなことがないようにする枠組みがあり、実行されているかどうかを、つまり、6.2項の力量マネジメントの要件が満たされていることを確認するのが有意義と考えられる。
 
この項(記述変更 詳細)の先頭へ 詳しくは<sub31c-01-620>

  6.3項  インフラストラクチャー
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のための記述の追加が1ケ所。
[変更の趣旨]
  c)項の支援業務の例示に「情報スステム」が追加された。規格
[組織、審査への影響]
   ない。但し、設備リストを要求する審査では、情報システムや関連機器の記載が必要になろう。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.15

  6.4項  作業環境 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のための注記の追記が1件。
[変更の趣旨]
  CD9001の注記と表現は変わっているが、どちらも「作業環境」を2000年版以前の狭い概念に戻そうとするように見える。すなわち、2000年版では「作業環境」の定義(ISO9000 3.3.4)で、作業環境には物理的、環境的、社会的、心理的要素を含むとして、96年版の照度、気温、雰囲気清浄性などの物理的要素だけでなく、労働政策や能力開発支援など人々の勤労意欲を醸成する人的作業環境が品質マネジメントの諸業務の効果的実行に必要であることを示唆している。DISで追加された追記は、作業環境を「物理的、環境的及びその他の要素を含む」と狭くし、更に「騒音、温度、湿度、照度、天候など」と例を示している。今日、世界のマネジメントの理論や実務では日本的経営が発展させた勤労意欲を醸成する制度や施策の必要は常識である。従って、規格を効果的な マネジメントの規範と考えるなら、作業環境の概念の縮小は問題がある。規格が必要と規定している人々の「認識」(6.6.2 d)項)は、このような作業環境の下で初めて生まれるからであり、このことはISO9004(6.4)でも説明されている。しかし、これまでも規格執筆者の2人、C.A.Cianfrani, C.MacNeeの両氏の解説書では、人的要素についてほとんど触れていない。実際問題として作業環境の人的要素については、特に、登録審査の場合に適合性の判定となると、照度や温度のようには容易ではない。両氏の社会的、心理的な作業環境への素っ気ない姿勢もDIS9001の注記追加もここから来ているのかも知れない。
[組織、審査への影響]
   これまでも人的作業環境は審査で触れられてこなかったから、注記追加の審査への影響はない。しかし、不良品を出さず、顧客満足を得て事業を発展させようとする組織は、2000年版の作業環境の趣旨を踏まえたマネジメント を行うことが必要である。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.15

  7.1項  製品実現の計画
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  英文法上の適切さのための英語表記の変更が1ケ所と、規格内で不統一な表現の是正が1ケ所の計2ケ所
[変更の趣旨]
  b)項の英語表記が、and で2つの不定詞を繋ぐ際の英文法の則った正しい表現となった。従って、JIS和訳には変更がない。また、必要な監視測定の活動を羅列するc)項には、「監視」はあっても「測定」がなかったので、これが追加され、本項でも両者が一対の活動として表現されることとなった。
[組織、審査への影響]
   まずない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.19

  7.2項  顧客関連のプロセス ★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  7.2.1項の a)の記述変更が取り消され、2000版の記述が継続されることとなった。  a)項の記述変更の有無が規格解釈に影響を及ぼすことはない。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
7.2.1  製品に関連する要求事項の明確化
[記述の変更]
  英文法上の適切さのための英語表記の変更が1ケ所、規格内で不統一な表現の是正が1ケ所、及び、意図の明瞭化のための表現の変更が1ケ所の計3ケ所、の計3ケ所、更に、意図の明瞭化のための注記の追加が1件。
 
[変更の趣旨]
引渡し活動と引渡し後の活動: a)項の製品の“引渡し活動”と“引渡し後の活動”が別の活動であり、従ってそれぞれに関する要件は異なることを明瞭にする英語表記の変更である。つまり、現行の requirements for delivery and post-delivery activitiesでは、「引渡し及び引渡し後の活動に関する要求事項」と、“引渡し活動”と“引渡し後の活動”がひとつの活動とも受けとめられ兼ねない。これが、 requirements for delivery and for post-delivery activities と変えられ、「“引渡し活動”に関する要求事項、及び、“引渡し後の活動”に関する要求事項」であることが明確にされた。規格の意図を表す表現としては英語表記上、より適切になった。但し、JIS仮訳では「引渡し及び引渡し後の活動に関する要求事項」と変更はない。
法令・規制要求事項: c)項の「関連する(related to)」法令・規制要求事項が、「適用される(applicable)」になり、1.1 a)項、7.3.2 b)項と、また、ISO14001とも英語では同じ表現となった。但し、ISO14001のJISは、同じ applicable を「適用可能な」と和訳している。 applicable の和訳なら、ISO/DIS9001のJIS仮訳の方が正しい。
追加要求事項: d)項の追加要求事項に関して 「組織が決定した(determined by organization)」から「組織が必要と考える(considered necessary by …)」に変更された。2000年版のDISまでは、7.2.1項は「顧客要求事項の決定」であり、a), b), c)項で構成され、d)項の「追加要求事項」は、7.2.2項でこの顧客要求事項を「組織が決定した追加要求事項と共に レビューする」よう規定されていた。顧客要求事項を満たすことを前提として、組織の必要をも製品品質やその他の関連仕様に反映することで効果的かつ効率的に顧客満足を向上させることができるという規格の意図の反映が、この“追加要求事項”である。英語の変更は、規格のこの意図をより明瞭にすることが狙いであると考えられる。但し、JIS和訳では既に「組織が必要と判断する追加要求事項」となっており、これがJIS仮訳では「・・必要と考慮した・・」と変更されているから、規格の意図はむしろあいまいになった感がある。
これに関して、“引渡し後の活動”には、保証条項の下での活動、保守サービスなど契約にある業務、廃棄物の再生や最終処分などの補足業務が含まれるとする説明が注記として追加された。
引渡し後の活動の例: 追加された注記は、“引渡し後の活動”には、保証条項の下での活動、保守サービスなど契約にある業務、及び、廃棄物の再生や最終処分などの補足業務が含まれるとする説明である。 “引渡し後の活動”はa)項に記述されているから、規格の意図は契約や受注時に注記の例示のような活動の必要の有無を間違いなく顧客に確認することが必要だということである。しかし、実際には契約で明示されなくとも、包装や引渡し方法、或いは、製品使用相談、苦情受付などの「引渡しや引渡後の活動」、更には、製品構造や関連製品との相性の説明など“引渡し前の活動”が、製品の顧客満足に必要な場合が多い。 規格の b)項は「引渡しや引渡後の活動」にさえ、直接には言及していない。注記の例もこれらの種類の活動を含んでいないから、注記によってこれら活動の必要が無視される恐れなきにしもあらずである。また、実際の契約の“引渡し後の活動”も注記に例示されているもの以外にも多い。規格の意図が却って狭められる危険もある注記の追加である。
[組織、審査への影響]
   影響はまずないはずであるが、追加要求事項を“考慮した”した証拠を要求されることになるかもしれない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.19

  7.3項  設計・開発
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
7.3.3 b)項の英文中の”for”が削除された。(文法上の問題)
7.3.7項では2つの節に分けて記述されていた条文がひとつの節に統合された。
いずれも何の意味の変更を意味しない。
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  7.3.3項の注記の英単語が変更された。意味には影響しない。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
7.3.1 設計・開発の計画
[記述の変更]

  意図の明瞭化のための注記の追加が1件。 
[変更の趣旨]
  設計開発のレビュー、検証及び妥当性確認は目的が異なる活動であるが、適当なら同時に行ってもよいという説明が加えられた。
[組織、審査への影響]
  ない
   
7.3.2 設計・開発へのインプット
[記述の変更]
 
英語表現上の適切さのための英語表記の変更が1ケ所。
[変更の趣旨]
 
These inputs が The input に改められた。前文のInputs は不特定の“インプットというもの”であるから、それを受けて“そのインプット”という意味では、Theseより The inputが適切な表記と言える。JIS仮訳の日本語の変化もわずかであり 意味は全く変わらない。
[組織、審査への影響]
 
 ない
   
7.3.3 設計・開発からのアウトプット
[記述の変更]

  英語表現上の適切さのための英語表記の変更が1ケ所 及び、意図の明瞭化のための注記の追加が1件。 
[変更の趣旨]
  設計・開発のインプット に対する検証(JIS和訳では「インプットに対比した検証」)が「できるような様式で」提示されることという表現が、「に適した様式で」に変更された。「検証が可能な様式(enable)」より「検証に適当な様式(suitable for)」の方が規格の意図に近い表現と言えばそうである。追加の注記は、アウトプットが含まなければならない「製造又はサービス提供に関する情報」には、その後の「製品の保存」の情報も含むことを説明するもの。
[組織、審査への影響]
   ない
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H19.12.30

  7.5.1  製造又はサービス提供の管理 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のための注記の用語と表現の変更が各1件。
[変更の趣旨]
  規格d)項の JIS和訳「監視機器及び測定機器」の“機器”の英語は、deviceであるが、これが7.6項の device と共にequipment に変更された。規格の意図の重要な変更であり、7.6項で考察する。
 
  もうひとつは、f)項のJIS和訳「リリース (次工程への引渡し)」の原英語release がproduct releaseとなり、JIS仮訳「製品リリース (次工程への引渡し)」となった。 これも8.2.4項の同じ事項に関する変更と関係しており、8.2.4項で考察する。
   
[組織、審査への影響]
   d)項の変更は、規格の性格や効用に重大な影響を与えるものであるが、審査には影響はない。f)項の変更も実務上変えなければならないことはなく、JIS和訳が変更されないので、審査への影響はない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.1.3

  7.5.2項  製造又はサービス提供に関するプロセスの妥当性確認
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
   表現の適切さの改善のための変更が1件。
[変更の趣旨]
   2000年版記述は、 「プロセスの妥当性確認」を適用するのは「結果がその後の監視測定で検証できないプロセス」に対してであり、そのようなプロセスには「製品が使用されてからでないと不具合が顕在化しないプロセス」があるという奇妙な表現である。これが「結果が検証できず、従って結果的に不具合が製品の使用後にしか顕在化しないプロセス」と適切になった。
 
  なお、CD9001では、サービスには引渡し前に検証不可能なものが多いとの説明の注記1.と、「溶接、殺菌、教育訓練、熱処理、コールセンターサービス、緊急事態対応プロセスは妥当性確認が必要」とする注記2.があった。いずれも品質保証における妥当性確認の意義を誤らせ、範囲を狭め兼ねない説明であったが、DIS9001では両者とも削除された。
[組織、審査への影響]
   なし
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.1.10

  7.5.3項  識別及び トレーサビリティ
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  表現の適切さの改善のための変更が2件。
[変更の趣旨]
  製品の識別のみ「製品実現の全過程において」行うと規定されていたのが、製品の状態の識別にもこの文言が追加された。また、トレーサビリティに関連して文章が変更され、「識別を記録する」という意味不明文言が「記録を維持する」と適切になった。
[組織、審査への影響]
   なし
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.1.10

  7.5.4項   顧客の所有物 ★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  英語表現の適切さの改善のための変更が1件と意図の明瞭化のための注記の変更が1件の合計2件。
 
[変更の趣旨]
  文章の変更は、英語の表記又は文法上の不適切さの是正であり、JIS和訳はほとんど何も変わっていない。
 
  また、知的所有権が規格の意図の顧客所有物に含まれるとの注記に、個人情報が追加された。
 
[組織、審査への影響]
   組織は顧客満足に影響する個人顧客の情報の取り扱いに不備がないか念のため見直すとよい。審査は基本的に注記の変更により影響を受けることはないが、個人情報保護の施策と手順への要求が強まるのかもしれない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.1.16

  7.5.5項   製品の保存
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  英語表現の適切さの改善のための変更が2件。 
[変更の趣旨]
  「製品の適合性を保存する(preserve)」が「要求事項への適合性を維持する(maintain)ように製品を保存する(preserve)」と英語表記が適切になった。2000年版JISは既に「製品を適合した状態のまま保存する」と和訳しているからとりわけ、英語表記の変更以上の意味合いはない。もう1件も英語表記の改善。   
[組織、審査への影響]
   ない
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.1.16

  7.6項  監視機器及び測定機器の管理 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
[DISの変更点の変更]
  a)項の英単語が変更された(and/orがorに)。 英文法上、より適切になった。
[DISになかった、新たな変更]
「校正又は検証の結果の記録の維持」が独立した節に。
監視測定用のコンピューターソフトウェアの管理に関する節が削除された。 これは、同じ趣旨がDISとして追加されたため。 資源としてのソフトウェアの管理は6.3項に定められており、要求事項としては7.6項で監視測定用ソフトウェアだけが特別扱いされていた。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  英語表現の適切さの改善のための表記の変更が1件、及び、意図の明瞭化のための用語の変更が1件2ケ所、同じく表現の変更が2件、注記の追加が1件、及び、不要となった他条項引用と注記の削除が2件と1件の、合計6件、8ケ所。 
[変更の趣旨]
監視及び測定の手段と機器:  品質保証活動において組織は、製品が7.2.1項で定めた要求事項に適合している証拠を得ることが必要であり、この証拠を得るためにどのような監視や測定が必要で、どのような「監視及び測定手段(device)」が適切かを決定しなければならない。そして、この「監視及び測定手段(device)」の内の「測定機器(equipment)」で、常に正しい測定値を得るために校正又は検証が必要なら a)〜e)項に従って校正又は検証をしなければならない。JISはどちらも「機器」と和訳し、誤訳もあってこのような規格の意図を表現していない。CDでは、このdeviceとequipmentの違いを説明する注記が追加されたが、DISでは一転して、どちらもequipmentになった。これに伴い、7.5.1 d)項もequipmentに変更された。監視や測定には、視覚など多様な手段があり、機器の精度も大切だが、各製品やプロセスにどのような監視、測定手段を用いるべきかの決定の方がより本質的で重要である。この変更は規格の効果的マネジメントの規範たる性格を毀損するものである。なお、品質マネジメントシステム規格国内委員会発表(H20.8)の「ISO9001の2008年版改訂について」は、“device”と“equipment”の違いを認め、追補版では“device”は“equipment”に含まれるとの用語解釈をすると説明している。(H20.9.12追記)
また、米国の国内委員会(TAG)の3人の解説では、現行のISO900:2005の用語の定義が“measuring equipment(測定機器)”が“measuring instrument(計測計器)”を含むとしており、この“measuring instrument(計測計器)”が“measuring device”を含み得ると解釈することになったと説明している(Quality Digest; 2008.11月号) (H20.12.7追記)
校正の識別: c)項のまわりくどい英語表現の改善のための変更だが、JIS仮訳では「識別表示を付ける」とされ、要求事項の大きな変更となった。
11月15日付けのISO9001:2008の発行と同時に日本規格協会から発売された英和対訳版では、英文はDIS、FDISから変更がないが、和訳は「校正の状態を明確にするために識別を行う」と変えられている。これなら原文の意味を反映しており、識別表示が必要ということにならないから、問題は解決された。(H20.12.7追記)
関係条項引用の変更: a)項の「校正又は検証に用いた基準を記録する」に「4.2.4参照」がつき、冒頭の「7.2.1参照」が削除された。規格理解に却って誤解を招きかねない変更である。
校正又は検証: a)項の「校正又は検証」が「.校正又は検証、若しくはその両方をする」となった。意味のある変更とは思えない。
注記の削除と追加: 注記の削除と追加: 参考「ISO10021-1、-2を参照」が削除され、新たな注記「意図した用途を満たすコンピューターソフトウェアの能力の確認は、通常、その使用の適切性を維持するための検証及び構成管理も含まれる」が追加された。この注記を設けるなら本項が適切かどうかの問題が残る。
[組織、審査への影響]
   日本では事実上測定機器の校正の規定として適用され審査されてきたし、JIS誤訳の修正の見込みもないので、equipment への統合は審査への影響はない。校正の識別に関するJIS仮訳がこのままなら、審査では校正台帳による管理だけでは不適合となる恐れが強い。deviceの抹消を規格の意図の変更と受けとめて、文字通りに要求事項を緩和する対応をとり、品質マネジメントシステムの効能を低下させる組織がでるかもしれない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ   詳しくは <sub31-01-760>  (H20.1.28, 9.12, 12.7 追加、訂正)

   8.1項   測定、分析及び改善   一般
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  規格内の表現の統一のための変更が1件。
[変更の趣旨]
  a)項の 「製品の適合性」が「製品要求事項への適合性」と変更された。
[組織、審査への影響]
   なし
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.2.1

   8.2.1項   顧客満足 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のための注記追加が1件。
 
[変更の趣旨]
  「顧客の受けとめの監視には、顧客満足調査、引渡した製品品質の顧客評価データ、使用者の意見の調査、逸注分析、顧客からの賛辞、保証の請求、代理店からの報告などの情報源からのインプットを入手することを含んでよい*」という注記が追加されて、顧客満足に関して監視する情報が例示された。
 
  一方、CDでは、JIS和訳「品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況の測定のひとつとして」の原文、  As one of the measurements of the performance of the quality management system   が、 As one of the indicators へ変更され、JIS仮訳も「….の指標のひとつとして」となっていて、この分の現行JIS和訳の不適切さが改められた。 しかし、DISでは、この変更が取り消されて、代わりに注記が追加された。
 
  顧客満足向上を図る業務体系である品質マネジメントシステムの成果は、狙いの顧客満足が得られたかどうかで判断されなければならない。 そのためにはどのような情報を用いてどのように分析する必要があるのかというのが、8.2.1項の趣旨である。measurements を単純に「測定」と和訳したのでは、規格の意図が読み取れない。
 
  組織の発展のために必要な顧客満足とは何か、何を目標に製品を製造又はサービス提供して顧客に引き渡す活動をしているのかを明確にすれば、その一定期間の結果が品質マネジメントシステムの実績(performance)であり、それを何で評価するのかが「指標(measurements)」である。 これを追跡することが、8.2.1項の意図である。とんでもない不良を出さない限りは他組織に伍してやっていけるというのなら、不祥事防止が品質マネジメント システムの成果の指標であり、不祥事発生有無が顧客満足の監視の情報であってもよい。
   
[組織、審査への影響]
  かなり形式的な顧客満足度調査と苦情推移グラフだけで、8.2.1項への適合が認められてきたが、注記に例示の情報についても審査で提示が求められるかもしれない。 多くの組織は、CD, DISの変更が示唆する規格の意図に沿って、8.2.1項に関係する施策や手順を見直しすることが必要である。 これが、変化するかも知れない審査への確かな対応にもなる。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.2.1

  8.2.2項  内部監査 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
第2節の英文中の”Selection” が ”The selection”に変更された。(文法上の問題)
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のための表現の節を分割しての変更が1件(2ケ所)、及び、表現の変更が1件、更に、注記の表記の最新化が1件の計3件。
 
[変更の趣旨]
  内部監査で発見された不適合に関して、「処置がとられる」から「必要なすべての修正及び是正処置がとられる」と表現が変更され、すべての不適合に修正及び是正処置をとらなければならないとされている日本の規格解釈の誤りが明確になった。 元々、この条文、処置が必要なら「遅滞なく」実行しなければならないと言うのが趣旨であり、原文の英文法上正しい和訳は「発見された不適合及びその原因を除去する処置が遅滞なくとられる」であり、すべての不適合に対する修正及び是正処置という解釈は行き過ぎである。この他の変更には格別の意図も問題もない。
   
[組織、審査への影響]
   不適合のすべてに是正処置をとる必要のないことが明確になったので、発見された不適合を、効果的なマネジメント、或いは、狙いの顧客満足の実現という観点でどのように処理すればよいか、組織自身で判断することができる。しかし、JIS仮訳は、この条文の表現変更を「“処置”の明確化のため、“修正及び是正処置”が追加された」と説明しており、「必要なすべての(any necessary)」の追加は和訳されているが、変化に言及していない。従って、審査ではこれまで通り、不適合のすべてに修正及び是正処置をとることを求められる可能性が強い。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ 詳しくは <sub31c-01-822>

  8.2.3項  プロセス の監視及び測定 ★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  注記の表現が変更されたが、注記の意味には影響はない。
   [DIS] the organization should consider ..... = 組織は〜を考慮すべき
   [FDIS] it is advisable that the organization consider ..... = 考慮することが推奨される
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のための表現の変更が1件、注記の追加が1件。
 
[変更の趣旨]
  プロセス の監視及び測定で、プロセス が所定の結果を出せないことがわかった場合に修正、是正処置をするのが、「製品の適合性の保証のために」と規定されているが、この記述が削除された。
 
  そして、プロセス の監視、測定の方法は、そのプロセスの重要性に応じたものでよいとする注記が追加された。注記は、この重要性が「製品要求事項への適合性及び品質マネジメント システムの有効性への影響」との関連での重要性であることを明確にしている。 監視、測定の対象がすべてのプロセスであるとしても、それぞれの必要に応じた監視、測定の方法でよいというのが規格の意図であり、実務では製品の監視、測定によってプロセスを管理することも普通である。 なんでもかんでも一律にという誤解を解消する方向での注記の追加であろう
 
[組織、審査への影響]
   すべてのプロセスの監視、測定が必要とする論理から各業務に無理に監視測定項目を設定するような解説があるが、実際には、規格の意図から必要な事項まで監視も測定もされていないのが現実である。 組織はこの機会に、データ分析(8.4項)の必要が規定される事項についての監視測定の実態を見直すのがよいと思われる。審査には影響はないだろう。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ  H20.2.7

  8.2.4項   製品の監視及び測定 ★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  意図の明瞭化のため文節の一部を分離したのが1件、表現の変更(語句の追加)が2件、英語表現の修正が1件の計4件。
 
[変更の趣旨]
第2節の「合否判定基準への適合の証拠を維持すること。記録には、製品のリリースを正式に許可した人を明記すること(4.2.4参照)」の前半が第1節に組み込まれて、後半だけが第2節として残された。 JIS仮訳説明では、合否判定基準への適合の証拠を「記録」として管理しなければならないとの誤解を避けるためとされている。 この説明では検査結果の記録は残さなくともよいということになる。これは、検査結果の記録は、苦情があった場合に顧客に対する申し開きと原因追求に不可欠という組織の実務とかけはなれた暴論である。分節した本当の理由は別にあるのだろうが、推察できない。
 
  「製品のリリースを正式に許可した人」の「リリース」が「顧客への引渡しのためのリリース」と変更された。これは「リリース」が製品を組織から出すことであることを明瞭にした語句の追加であろう。ただし、JIS仮訳では「顧客への引渡しのための製品の リリース(次工程への引渡し又は出荷)」と原文にはないJISだけの注釈がそのまま残されている。
同じ文言「顧客への」が第3節の「製品のリリース(出荷)及びサービス提供」にも追加された。こちらは元々、(出荷)と注釈がついているから問題はない。
 
  同じ規定の部分の英語が Product release and service delivery から、The release of product and delivery of serviceと英文としてより適切な表現に変更された。ただし、 service delivery は「サービスの引渡し」であるのを「サービス提供(service provision)」とする誤訳はJIS仮訳でもそのまま残されている。
   
[組織、審査への影響]
   審査は変わらないと思われるが、検査の記録の管理を緩める組織が出てくるかもしれない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.2.11

  8.3項  不適合製品の管理
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
  変更なし。
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  英語としての表記の改善が1件、意図の明瞭化のために、より詳しく正確にされた表現が1件、文節の順序の変更が1件、文章の文節を越えての移動が1件の計4件(文章変更ケ所では6件)。
[変更の趣旨]
  文章の文節を越えた移動は、引渡し後又は使用後に検出された不適合の処置に関する規定が、組織内で発生した不適合製品の処理の方法のa)〜c)項と一緒にされて、そのd)項として位置づけられたことによる。この他は特段の意味はない。
[組織、審査への影響]
   なし
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.2.17

  8.4項  データ分析
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  「参照」の参照先の変更が1件、追加が2件。
[変更の趣旨]
   データ分析の対象である a)〜d)項の事項に関して、2000年版は a), b)項にそれぞれ 8.2.1項、7.2.1項との関連を「参照」として示していた。 この参照先を 分析に使用するデータ の入手先の条項に統一し、a)〜d)の全項にそれぞれの参照先を明確にした。
  各項に付された参照先は、a)項が 8.2.1項(不変)、b) 項が 8.2.4項(変更)、c) 項が 8.2.3項及び8.2.4項(追加)、d)項が 7.4項(追加)である。
 
[組織、審査への影響]
   特になし。 c) 項の「プロセスと製品の特性と傾向の分析」(c)項)と予防処置のための「起こり得る不適合と原因の特定」(8.2.4 a)項)との関連が見落とされがちであったが、「8.2.3及び8.2.4参照」が付されたことにより、少しは注目されるようになるかもしれない。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.9.12

  8.5.2項  是正処置 ★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (DIS版からの変更点)
[記述の変更]  
@ DIS版での変更点はそのまま維持された。
A DIS版で削除されたCD版の記述の変更が復活し、FDISの新たな記述となった。
すなわち、f)項の「とられた是正処置をレビューする」が「とられた是正処置の有効性をレビューすする」に変更された。
原文では、2000年版の  reviewing the corrective action taken  が、
reviewing the effectiveness or the corrective action taken  に変更された。
[Aの変更の趣旨]
  ISO14001:2004の表現との整合性を図ることが目的であったかもしれないが、恐らくはISO9001は有効性を取り扱うが効率性は取り扱わないという硬直した論理が蒸し返された結果の「有効性」の挿入であろう。
   ISO9001は有効性に焦点を当てて業務の在り方を規定しているが、事業組織においては、コストや効率性、また、労働安全や法順守は当たり前のことであり、是正処置の有効性とは実務上ではすべての関連する観点に立って有効であるということである。
   規格では、他の条項でも有効性という用語を用いているが、これは効率性との対比における有効性ではない。 規格における有効性は、PDCAサイクルで業務を行なうという考え方の中での各業務が所定の結果を出しているのか、出すことができるのかという意味で使われている。 是正処置で再発防止に成功し、当面の火消しはできたが、その是正処置が組織の経営(品質マネジメント)に与えた影響という点で、適当で十分で有効かを検討することが是正処置のPDCAサイクルの“C”“A”である。
  挿入された「有効性」をこのように正しく解釈すれば問題はない。 是正処置が生産性を低下させ、コストを上昇させても、再発防止ができればよいというような解釈では、規格の有用性を貶めることになる。
 
[組織、審査への影響]
  日本ではJISが「是正処置において実施した活動のレビュー」と和訳し、原文にはないJIS独自の「参考」が付されて 「f)の”是正処置において実施した活動”とは、a)〜e)の一連の活動のこと」であると説明されている。 実際には、是正処置の実施後しばらく経過を見て問題の再発の有無によって是正処置の有効性を判断するという是正処置の手順を以て f)項の レビュー であるとする解釈が広く適用されている。 この解釈と対応の正当性が規格の記述変更で裏付けられたとして、勢いを増すことだろう。 
 ◆ DIS版 (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
  英語としての表記の改善が1件。
[変更の趣旨]
「不適合の原因を除去する処置」の「原因(cause)」が単数形であるのを、複数形のcausesに訂正された。
なお、CDでは、本項と8.5.3項(予防処置)のそれぞれ f), d)項の「….処置のレビュー(JIS和訳: …..処置において実施した活動の レビュー)」が「….処置の有効性のレビュー」に変更されていたが、DISではこの変更は取り消された。変更取り消しは、規格の意図に鑑みて適切である。
[組織、審査への影響]
   なし。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.2.20

  8.5.3項  予防処置 ★★★
◆ IS版 ( ISO9001:2008 )    (FDIS版からの変更点)
 変更なし
FDIS版  (2000年版からの変更点)
[記述の変更]
DIS版で削除されたCD版の記述の変更が復活し、FDISの新たな記述となった。
すなわち、e)項の「とられた予防処置をレビューする」が「とられた予防処置の有効性をレビューする」に変更された。
原文では、2000年版の  reviewing the preventive action taken  が、
reviewing the effectiveness or the preventive action taken  に変更された。
 
[変更の趣旨]
  8.5.2項と同じ。
[組織、審査への影響]
  8.5.2項と同じ。
この項(記述変更 詳細)の先頭へ H20.9.12

|ホーム| ISO規格| システム構築要求要項コンサルティング・研修海外の動向コンサルタント切り口| 海外の文献
ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修  サニーヒルズ コンサルタント事務所