mっっkづ鵜亜ISO/IECISO/IEC
ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
36 ISO9001:2015 解説:    9.2   内部監査- 変更点と移行対応 (28) - <31e-01-28>
 

0.1 概要   こちら
   
0.2 *実務の視点和訳⇔JIS和訳の対応  (英語解釈 抜粋)
 
品質経営⇔品質マネジメント$19-0;   品質経営体制⇔品質マネジメントシステム$19-1-1;   経営管理⇔マネジメント $19 ;
   経営管理体制⇔マネジメントシステム$19-1;   要件⇔要求事項$1
   
   
1. 規定条文    (JIS Q 9001: 2015)
9.2 内部監査
9.2.1  組織は、品質マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために、あらかじめ定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。
 
a) 次の事項に適合している。
  1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項
   2) この国際規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。
 
9.2.2 組織は,次に示す事項を行わなければならない。
a) 頻度,方法,責任、計画要求事項及び報告を含む,監査プログラムの計画,確立,実施及び維持。監査プログラムは,関連するプロセスの重要性、組織に影響を及ぼす変更、及び、前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。
b) 各監査について,監査基準及び監査範囲を定める。
c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために,監査員を選定し,監査を実施する。
d)監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。
e) 遅滞無く、適切な修正を行い、是正処置をとる。
f) 監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として,文書化された情報を保持する。
 
[08年版 関連規定]
8.2.2  内部監査
組織は、品質マネジメントシステムの次の事項が満たされているか否かを明確にするために、あらかじめ定められた間隔で内部監査を実施しなければならない。 a) 品質マネジメントシステムが、個別製品の実現の計画(7.1参照)に適合しているか、この規格の要求事項に適合しているか、及び、組織が決めた品質マネジメントシステム要求事項に適合しているか。; b) 品質マネジメントシステムが効果的に実施され、維持されているか。; 組織は、監査の対象となるプロセス及び領域の状態及び重要性、並びにこれまでの監査結果を考慮して、監査プログラムを策定しなければならない。監査の基準、範囲、頻度及び方法を規定しなければならない。監査員の選定及び監査の実施においては、監査プロセスの客観性及び公平性を確保しなければならない。監査員は、自らの仕事を監査してはならない。監査の計画及び実施、記録の作成及び結果の報告に関する責任、並びに、要求事項を規定するために、“文書化された手順”を確立しなければならない。監査及びその結果の記録は、維持しなければならない(4.2.4参照)。 監査された領域に責任をもつ管理者は、検出された不適合及びその原因を除去するために遅滞なく、必要な修正及び是正処置すべてがとられることを確実にしなければならない。 フォローアップには、とられた処置の検証及び検証結果の報告を含めなければならない(8.5.2参照)。
注記:JIS Q 19011 を参照。
   
 
2. 条項の意図
(1) 趣意
 本項は、狙いの顧客満足を確実に実現させる効果的な品質経営であるために、 トップマネジメントによる統制活動としての内部監査活動の適用の必要を規定し、内部監査がその目的に沿って効果的なものであるための計画、実行とその管理に関する要件を規定している。
   
(2) 論理及び用語
① 監査§39.1
  監査は、経済活動など社会的活動の信頼性や公正さを維持する手段として歴史的にも古く、今日でも会計監査を中心に広く活用されている管理統制手段の一種である。その特徴は、上位者、下位者及び第三者の三者関係の存在において、第三者が下位者の行動や結果を検証、評価して、上位者に報告するという枠組みにあるとされる(71)。監査は、下位者或いは業務受任者の業務実行の状況を、上位者或いは業務委任者が日常的に或いは効果的に監視、監督できない場合に行なわれるものである。 委任者が直接調査しないのは、委任者と受任者間の信頼関係を損なわないためであり、独立した第三者たる監査人だからこそ批判的に調査を行い、結果を率直に報告できることが期待されるからある(72)
 
② 内部監査§39.1
  内部監査は、組織の経営におけるトップマネジメントによる内部統制の手段のひとつとして行なわれ、一般に監査業務と診断業務がある。監査業務では、内部監査員が経営管理の諸業務の遂行状況を合法性と合理性の観点から検討、評価し、これに基づいて、経営目標の効果的な達成に関して意見を表明し、可能ならば達成のための助言や勧告を行なう (73)。内部監査の状況においては、上位者たる業務委任者はトップマネジメント、下位者たる業務受任者は各部門の管理者であり、監査人は組織の要員又は外部の専門家の内部監査員である。
 
  組織の規模が拡大し、活動拠点が分散するにつれ、権限の分化が拡がり、トップマネジメントによる直接的な監視や監督が希薄になる。 内部監査は、このような状況で組織の目標の達成に向けて諸業務が行なわれるようにする効果的な管理方法であるとされている。 組織には、事業活動に係わる様々な業務をそれぞれの観点から管理する各種の業務実行管理の業務が存在し、場合によっては専ら特定の実行管理業務を担当する機能部門も設けられている。 内部監査は、これらの業務実行管理の業務の実行状況をも対象として、組織の経営管理の関連するすべての業務が、決められた通りに実行され、経営管理の目標達成に向けて行なわれているかどうかを検討、評価する。 監査員は管理者の業務実行状況を公正に監査し、結果をトップマネジメント に報告する。
 
③ 規格の意図の内部監査§39.4.1
  監査の方法を規定したISO19011(品質/環境マネジメントシステム監査のための指針)では「監査」を「監査証拠を収集し,それを客観的に評価して、監査基準が満たされている程度を判定する体系的で,独立した一連の活動」#23pと定義している。また、この規格の02年版の序文では、内部監査を「品質方針/環境方針の効果的な履行を監視し、検証する経営管理の用具」であるとの説明がある。
 
  すなわち、規格の規定の内部監査は、経営管理の用具として広く用いられている内部監査手法を、品質経営の業務が狙いの顧客満足の状態の実現に向けて行われることを確実にするためのトップマネジメントによる内部統制の活動として用いたものである。内部監査では、組織内の隅々まで目の届かないトップマネジメント に代わって内部監査員が組織の業務実行状況を体系的に調査し、調査結果を総合して監査の結論としての狙いの顧客満足の状態の実現の可能性に関する意見をトップマネジメントに報告する。
 
④ 監査要点と監査基準§39.2
  監査は、監査人が業務の受任者の業務実行の状況を調査し、受任者が委任者から求められた通りに業務を行い、求められた結果が得られているか、或いは、必要な期限までに確実に得られるかどうかに関する監査人の総合的判断を、監査結論として委任者に報告する活動である。監査人は正しい結論を得るために、結論とそれを導く判断に影響を及ぼすどのような問題があり、あり得るかの観点で、対象業務を選び調査の内容を決めて調査活動を行う。
 
  このような監査の観点は、監査テーマ、監査のポイントと呼ばれるが、正式な監査用語では「監査要点」である。すなわち、監査員は監査要点に関して、あるべき姿と調査で明らかにした実際の状況とを比較し、それらの総合的判断によって監査結論を導く。監査要点と監査対象業務は問題のある可能性に基づいて決める。これが監査のリスクアプローチである。ISO19011(140)では、監査は「監査基準(audit criteria)」が満たされている程度を判定する活動」と定義#23pされるから、この「監査基準」が監査用語の「監査要点」に相当する。
 
⑤ 規格の意図の内部監査§39.4
  規格では内部監査は、一定の期間を単位として適当な時期に適当な業務に関して行い、全体としての品質経営の業務が常に狙いの顧客満足の状態の実現に向けて行われるようにするPDCA/プロセスアプローチ サイクルの活動である。組織は一定の期間を単位にどのように監査を行うのかを「監査プログラム#24-3」を作成し、これに基づいて個々の監査の実行を計画し、監査の実行を管理する。個々の監査の実行の計画が「監査計画#24-6」である。
 
  個々の監査活動では、内部監査員は「監査計画」に従って、品質経営の関連業務が品質経営の手はずの通りに所定の結果が出ているかどうかの調査を行う。 これは、規格の表現では、業務実行の実際が品質経営体制の中の決められた手はずの通りであるかの適合性評価であり、決められた手はずとその狙いの結果が「監査基準」である。品質経営体制の中の手はずは、その通りにすべての業務が実行されれば狙いの顧客満足の状態が実現するように整えられているのであるから、手はず通りでない業務実行、つまり、不適合があれば、狙いの顧客満足の状態の実現が危うくなる可能性があることを意味する。内部監査員の適合、不適合の判定は「監査所見#24-2」であり、この判定の元になる発見した事実が「監査証拠#24-4」である。
 
  内部監査員は、狙いの顧客満足の状態の実現への悪影響の観点で、個々の不適合を重み付けし、見出したすべての不適合を総合的に評価判断して、狙いの顧客満足の状態の、つまり、品質方針及び組織の品質目標(5.2項)の達成の可能性と問題点としての「監査結論#24-5」を導く。
 
  「監査結論」を中心とする監査結果は、当該業務の管理者に報告され、トップマネジメントに報告される。「監査プログラム」に基づく監査全体の結論を含む監査結果は、マネジメントレビュー (9.32 c) 6) 項)において、組織内の業務実行状況を表す情報のひとつとして、業務実行状況と結果に関する他の情報と合わせて トップマネジメントにより評価され、品質経営の実績の問題点の原因の検討や課題の抽出に活用される。
      
(3) 規定要旨
9.1.1項
  組織は、a),b)を監査基準とする内部監査活動の手はずを整え、手はずに則って品質経営に関連する業務の手はずとその業務の実行の実態を調査し、狙いの顧客満足の状態の実現の可能性を評価判定し、そのための問題を抽出しなければならない。 ここに、a)は、整えられた品質経営の一連の業務の実行の手はずが組織の存続発展に必要な顧客満足の追求という観点で効果的であるかどうか、また、ISO9001認証取得組織なら品質経営の手はずが規格の要件を満たしているかどうかである。b)は、業務が実際にそれぞれ整えられた手はずの通りに行われているかどうかである。
 
9.1.2項
  その目的に沿った効果的な内部監査であるためには、内部監査の手はずは a)~f)の規定を満たして整えなければならず、その手はずに則って内部監査を行わなければならない。
   
  ここに、a)は、内部監査の活動を監査プログラムに基づいて行う必要の規定であり、内部監査の目的の観点で効果的であるための監査プログラムの作成の要件を規定している。また、b)、c)は、効果的な監査活動であるための要件の規定である。 d)、e)は、内部監査の目的を達成するための内部監査後に必要な活動に関する規定である。
 
(4) 実務の視点の解釈
 適合性評価は監査の目的ではなく、監査結論を導くための手段。内部監査員の職務能力とは、組織の狙いの顧客満足の実現への悪影響という観点で他人の業務の適否を評価する能力であり、必然的に適任者は品質経営関連の上位管理者に限られる。内部監査の詳しさ、内部監査に掛ける労力は、トップマネジメントの管理の目が行き渡っていない程度に応じたものにするべき。
     
(5) 改定版品質マニュアル(外部説明用)ひな型←08年版と全く同じ
  品質基本方針と年度品質方針及び品質目標(5.2項)に表される狙いの顧客満足の状態の確実な実現を図るための内部統制手段としての内部監査を、3年を周期として行う。品質保証機能担当部長は、監査の狙いと部門の業務の重要性と状態、及び、前回監査の結果を勘案して、監査対象部門と時期を年度監査計画に定め、トップマネジメントの承認を得る。監査には資格認定され(7.2項)、かつ、対象業務の直接の責任者ではない内部監査員をあてる。
 
  内部監査員は、見出された不適合及び改善の提案を含む監査の結果を監査対象の部門長と合意した後に、監査結論を中心とする報告書を品質保証機能担当部長に提出する。監査対象の部門長は、合意した不適合に関して必要な修正処置や再発防止処置を遅滞なく行い、その結果を月例業務検討会(7.4項)に報告する。
 
  品質保証機能担当部長は、年度監査計画のすべての監査の結果を総合的に評価、分析し、問題点を含む品質経営の業務実態を期末業績検討会(9.3項)に報告する。
     
     
3. 必要な読み替え(規格の意図の正しい理解のために)
要求事項 → 必要事項、必要条件、要件$1
   「組織自体が規定した要求事項」「計画要求事項を含む監査プログラム 」とは、誰が誰に何を要求するのだろうか。
     
     
4. 改訂版の変更点(08年版規定からの変化)
 用語の定義に変化はなく、規定表現も大きくは変わっておらず、規定の趣旨には全く変化はない。
     
     
5. 改訂版への移行対応
➀ 品質経営体制の指針として規格を実践する組織
  品質マニュアル記述を含み何も変える必要ない。
② 認証取得の条件として規格を認識し、負荷と効用に不満を持つ組織
 本当に心配になっている点だけ、ちゃんと調べる能力のある者を選んで監査すればよい。
   
   
6. 公表された改定版解釈
(1) 08年版から変わってないとする解釈
① 08年版とほとんど同じ*Q17
② 組織が自律的に活動を進めるには、自らの状態を把握することが必要。品質マネジメントシステムでも同じ*Q39

(2) 08年版から変わっているとする解釈
① 監査プログラム策定の際の考慮事項に「組織に及ぼす影響」が追加された*Q5
 
   
     
7. 予想される極端な審査要求
 
     
H27.8.7(修8.9)   H27.12.26(2015年版)
禁無断転載  (個人的使用のための複写歓迎)
サニーヒルズ コンサルタント事務所