ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
70 ISO9001:2015 改定解説    7.1.2  人々
- 変更点と移行対応 (62) -
<31e-01-70>
 
 
0.1
概要   こちら

   
0.2 *実務の視点和訳⇔JIS和訳の対応  (英語解釈 抜粋)
 
職務能力 ⇔力量$67;  品質経営 ⇔品質マネジメント$19-0;
   
   
1. 規定条文   (JIS Q 9001:2015)
7.1.2  人々
組織は,品質マネジメントシステムの効果的な実施,並びに、そのプロセスの運用及び管理のために必要な人々を明確にし,提供しなければならない。
 
[08年版 関連規定]
6.2.2 力量、教育・訓練及び認識
組織は、次の事項を実施しなければならない。
a) 製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員に必要な力量を明確にする。; b) 該当する場合には(必要な力量が不足している場合には)、その必要な力量に到達することができるように教育・訓練を行うか、又は他の処置をとる。; c) 教育・訓練又は他の処置の有効性を評価する。; e) 教育、訓練、技能及び経験について該当する記録を維持する(4.2.4参照)。
   
 
2. 条項の意図
(1) 趣意
  本項は、効果的な品質経営に必要な資源のひとつとしての要員の充足管理の必要とその要件を規定している。
   
(2) 論理及び用語
① 資源§21
  「資源」は経営用語としての経営資源(54)のことであり、事業活動で所定の結果を生み出すために投入されるものと定義され、普通は人的資源、物的資源、貨幣的資源から成り、近年ではこれに情報と企業文化、ワザと知恵が追加された概念も認められている。一般には、要員、設備や機械、資金の他、業務で用いる技術、技法、情報、文書や記録、依拠する体制や制度、仕組み、業務風土や職場環境等々が資源として例示される。
 
  規格での資源としては例えば94年版指針規格(138)では、人的資源、設計開発用設備、製造設備、検査、試験と調査のための設備、及び、計装及びコンピューターソフトウェアが例示され、00年版指針規格(132)では、人々、インフラストラクチャー、作業環境、情報、供給者、天然資源、財務資源、さらには、知的財産、組織構造、情報及び情報技術、要員の職務能力や管理者の指導力が例示されている。
 
  一方、規格は品質経営に必要な資源の用意とその充足管理を規定する条項を設けて、各版でそれぞれ特定の資源を取り上げてそれらに特有の表現で充足管理を規定している。15年版では、共通テキスト化に伴って、品質経営活動を支えるという意味の「基盤」という概念(7章)が導入され、資源はその一部とする規定表現になった。しかし、これは資源の定義や意義の変更を意味するものでないから、規格解釈においては「基盤」が本来の意図の「資源」のこととして受けとめるのがよい。つまり、15年版でも「資源」は経営用語の「資源」であり、共通テキストの表現上の都合で「基盤」となっているだけであるから、規格解釈においては「基盤」を「資源」と「資源」と呼んでも何らの問題を生じることはなく、むしろ、わかり易く。
 
② 資源の提供§21.3
  JIS和訳「資源を提供する」はその英文に照らすと、必要な時に必要なところで使用できるようにするという意図で「資源を用意しておく」ことである$37。業務が定められた通りに行なわれ。定められた通りの結果が出ることを確実にするには、業務実行で適切な資源が確実に使用又は適用されなければならない。このためにはその資源を必要な時に必要なところで使用できるように用意しておくことが必要である。
 
③ 人々
  規格では、業務実行者としての人々のことであり、組織の管理下で働く要員を指す。トップマネジメントを除く、作業者と管理者のことである。資源としての要員のことを、08年版(6.2)は職務能力を持った要員を人的資源と表しているが、15年版では本項で「必要な人々」と表している。
 
    
(3) 規定要旨
組織は、品質経営に関連する業務が効果的に行われるように、それら業務の実行と管理のために必要な要員を特定し、配置する手はずを整え、手はずに則って要員を確保し、それぞれの業務実行場所に配置しなければならない。   
 
 
(4) 実務の視点の解釈

         
(5) 改定版品質マニュアル(外部説明用)ひな型←08年版品質マニュアル(6.2)文章を参考に組織の実態を記述すればよい
  部門長は、部門の担当業務をひとりの要員に又は複数の要員の共同作業に委ねるのに適切な範囲に分割し、それぞれの職務区分又は業務実行場所に対して必要な人数の要員を配置する。部門長はこの要員配置を維持するように要員の出退勤を管理し、部門業務の効果的、効率的遂行の観点で必要により職務区分、業務実行場所及び配置人数を見直し、変更する。
     
     
3. 必要な読み替え(規格の意図の正しい理解のために)

   
     
4. 改訂版の変更点(08年版規定からの変化)
08年版6.2.1項の、すべての業務にそれぞれの職務能力を持った要員を割り当てなければならないという趣旨の「職務能力を持った要員」を「必要な人々」に言い変えたものであり、規定の趣旨は新規なものではない。
     
     
5. 改訂版への移行対応
➀ 品質経営体制の指針として規格を実践する組織
  実態を品質マニュアルに記述すればよい。
② 認証取得の条件として規格を認識し、負荷と効用に不満を持つ組織
 同上。
   
   
6. 公表された改定版解釈
(1) 08年版から変わってないとする解釈
① 必要な人々を資源として提供することを要求。対象は「組織が顧客要求事項と法規制を一貫して満たすことを確実にする」ことに関連する人的資源*Q39
 
(2) 08年版から変わっているとする解釈
① 新規要求事項。資源の内の人に関する一般要求事項であり、詳細は7.2で要求される*Q38
 
   
     
7. 予想される極端な審査要求

    

H26.10.20、H27.12.14(2015年版)
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サニーヒルズ コンサルタント事務所