ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
§28 監視、測定、分析、評価、改善 ISO9001:2015 ISO9001/14001
規格の論理と用語   
33b-02-28
ISO14001
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§18 監視、測定、分析、評価、改善

  決められた通りに業務を行い決められた結果を確実に出すための業務実行管理の活動は一般に、業務実績の情報を収集し、これを基準に照らして評価し合否を判定する実績評価の活動を抽出とし、合わせて、不合格となった業務結果や製品の処理と問題再発防止の処置をとる活動とから成る。前者はプロセスアプローチ/PDCAサイクルの管理/C、後者は継続的改善/Aであり、規格では、実績<パフォーマンス>評価(9章)と改善(10章)とに分けて規定されている。
 
  規格はさらに、両管理活動を監視、測定、分析、評価、改善の段階ないし要素業務に分類している。
 
@ 監視
  『監視』の英文は“monitoring”であり、「必要な変更が出来るように、ある物事の進展を一定の期間にわたって見張りし、調査すること」を意味する。規格では、「system <システム>、process<プロセス>、又は、activity<活動>の状態を特定すること」と定義#34-1されている。ここに、管理業務の要素としての『監視』の意義は「〜の状態を特定すること」にある。
 
  すなわち、“system <システム>”は経営管理体制<マネジメントシステム>、process<プロセス>は組織の事業のためにトップマネジメントはじめ要員が行なう業務のことを指し、定義から“activity<活動>”はそれら各業務を構成する一連の作業のことを意味する。規格のプロセスアプローチの考えでは、system <システム>はprocess<プロセス>の集まりであり、process<プロセス>はactivity<活動>の集まりである。従って「system <システム>、process<プロセス>、又は、activity<活動>」ということは、組織の経営管理<マネジメント>上で行なわれる事柄、つまり、作業や業務、活動や取り組み、プロジェクトなどを広く指す表現であり、規格での監視という要素管理業務の対象を述べてものに過ぎない。
 
  規格の意図の監視とは、品質経営<品質マネジメント>の各業務とそれらを総合した経営管理上の取り組みがどこまで行なわれ、どのようになっているかを調べることである。
 
A 測定
  『測定』の英文は“measurement”であり、物事の量や大きさ、程度を決めることを意味する(101)。規格の定義も「量や程度を決める一連の活動」と#35-1と同じである。“measurable”が「品質目標はその達成度が判定可能(measurable)でなければならない」(6.2.1 b)項)というように使われているから、『測定』も物理量の測定だけでなく、業務や活動の進行状態や結果がどうなっているかを明確にすることである。
 
  監視は管理のための必要な情報を検知すること、測定はその中身を確定することであり、規格では、狙い或いは目標との差異との観点から業務や活動、取り組みの進行状態や結果を明らかにすることである。両者を合わせて情報の収集である。
 
B 分析
  『分析』の英文は“analysis”であり、物事をより深く理解するために詳細に検討又は調査することを意味する(101)。規格では、94年版の統計的手法の適用の規定(4.20項)が無くなったことに関連して、00年版で管理図法など統計的手法の使用を含む品質管理手法の必要を規定するために、データ分析(8.4項)の活動が監視、測定により収集した情報の評価、判断の活動として導入された。
 
  管理業務の実務では、分析はしばしば解析と呼ばれ、複雑に絡み合った物事をその成分、要素、側面に分解し、相互関係を明らかにしたり、問題の本質、実体を明らかにすることである。このような分析の意義について、品質経営<品質マネジメント>の原則の第6原則(QMP 6)「証拠に基づく意思決定」(A.7)では「データ及び情報の分析と評価に基づく意思決定が望ましい結果を生むことを確実にする」と説明されている。
 
  15年版では、監視により検知し、測定により明らかになった業務や取り組みの進行状態や結果を必要な観点から詳細に検討して、その本当の姿を明らかにすることであり、実体を把握することを意味する。
 
C 評価
  『評価』の英文は“evaluation”であり、十分に考えて物事の量、価値又は品質に関する考えを明確にすることを意味(101)する。日本語では「善悪・美醜などの価値を判じ、定めること」を意味する「評価」が当てられるが、JIS和訳も「評価」である。
 
  “evaluation”も「評価」も、判定や判断をすることが主意である。評価とは、管理の実務では業務の進行状態や結果が定められた通りかの判定や判断を行なうことであり、この管理の判定や判断は規格では、適合性の判定や判断(適合性評価)と表現される。
 
D 改善
  改善“improvement”は物事をより良いものにすること(101)という意味であり、規格では「業績向上を図る活動」である#38-1-1。業務実行管理において、監視、測定、分析、評価によってある業務の実績が狙いの結果又は目標を満たさないと判断された場合に、例えば業務実行の方法や条件を変更して実績が確実に狙い通りとなるようにすることを指す。
 
   
注釈
§1 など:  論理及び用語                   こちら<sub33b>
*Q1など:  改定版解釈に関する引用資料  こちら <sub02>
$1など:  英文解釈                          こちら <sub03>
#1など:   用語の定義                       こちら <sub04>
(1) など:  引用文献                         こちら <sub05>

H27.2.10 
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