ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
§31
妥当性確認 ISO9001:2015
 論理と用語   
33b-02-31
 
 
§0.1 概要   こちら
 
§0.2  実務の視点和訳⇔JIS和訳の対応:   
   
監視測定(活動) ⇔ 監視及び測定§28.2;   業務 ⇔プロセス$2;   業務実行 ⇔プロセス$2;
    経営管理 ⇔マネジメント
$19;  合否判定 ⇔ 検証$47; 実績評価 ⇔  パフォーマンス評価$31;
    製造及びサービス活動 ⇔ 製造及びサービスの提供
$25;  製品サービス ⇔ 製品及びサービス$8.1;
    製品サービス実現の計画(活動) ⇔ 運用の計画
$28-2;   品質経営 ⇔品質マネジメント$19-0;
   品質経営体制の計画 ⇔品質マネジメントシステムの計画
$19-1-1; 有用性 ⇔ 妥当性$46;
   有用性検証 ⇔妥当性確認
$46;   有用性判定 ⇔ 妥当性確認$46;   要件 ⇔要求事項$1
 
  
§0.3  目 次

§31.1 妥当性確認
§31.2 プロセスの妥当性確認
§31.3 外部提供のプロセス、製品サービスに関係する妥当性確認
§31.4 妥当性確認に関する規格の規定の変遷
 
 
§31.1 妥当性確認
(1) 妥当性確認

@ 論理的有用性
  JIS和訳「妥当性確認」の英文は“validation”であるが、形容詞“valid”は「有用な、有効な」という意味であり、“validation”は、そのようなものにするという意味である。規格では「有効性、効果的」という意味で用語“effective”が用いられ、「有効性“effectiveness”」を「活動が計画通りに実行されて、計画通りの結果が得られた程度」と定義
#4している。この“effective”は実際に有効であった、やってみて効果的であったという「有効な」である。これに対して、“validation”の場合は、〜だから〜であるとの確立した論理に基づいて有効である、効力があると考えることができるという意味での論理的推論に基づく「有用な、有効な」である$46
 
  規格では、“validation”は「特定の意図された使用又は適用に関する要件が満たされていることを客観的証拠によって証明すること」と定義されている
#29。これによると、あるものがその使用や適用の目的に適うものかどうか、すなわち、使用や適用の目的に関する有用性を客観的証拠で論理的に証明するということであるから、JIS和訳「妥当性確認」は「有用性の実証」であり、“verification”の「適合性検証§30」に倣うと「有用性検証」が適当である。
 
ここに、「適合性検証」に用いる客観的証拠は、業務実行の実績の評価に基づく合否判定の結果の実績が狙いの通りであることを示す情報であり、「有用性検証」の客観的証拠は、あるものがその使用や適用の目的に論理的に適うということを示す情報である。前者の情報は、監視測定で検出した実績という事実であり、後者の情報は、あるものがこのようならその目的を実現できるという、あるものの実態を示す情報である。
 
A 有用性の判定
  規格のプロセスアプローチ/PDCAサイクルの管理/Cの活動としての「適合性評価 」は、物事が決められた通りであるかどうかを合否判定基準に基づいて「適合性判定」を行い、問題があれば正すことによって、その物事を「適合化」することを目的とする活動であり、適合していることを公式に認めることが「適合性検証」であり
§30.1、これにより次の業務に進めることが可能となる。同様に、「有用性検証」は、物事がその使用又は適用の目的を果たすことができるかどうかを確立した論理に基づいて「有用性判定」を行い、問題があれば正すことによって、その物事をその「有用化」することが目的である。目的に有用であることを公式に認めることが「有用性検証」であり、この判断をすることは「有用性の判定」である。「有用性の検証」によって次の業務に進めることが可能となるのであり、実務的には「有用性の判定」の方が適当である。
 
(2) 有用性判定の意義
  規格の意図の有用性の判定 活動は、物事がその狙いの目的を果すという点で有効かどうかという意味での有用性を、それに関係する客観的証拠を用いて論理的に判断する活動である。有用性判定の活動では、物事がその狙いの目的を間違いなく果すという有用性を論理的に判定した結果に基づいて、その物事が狙いの通りであるかどうかの合否を推定し判断する。
 
  米国食品安全局(FDA)は、下記
§31.2(2)の工程保証の考えを、医薬品、医療機器の製造管理の規制であるGMP(適正製造規範)の初版(1978年)に、“process validation”として取り入れた。また、規制の国際的調和を図るために1992年に発足させた世界的調和化検討作業班(GHTF)が1999年に“Process Validation Guidance”最終報告書(46)を発行している。このFDAの医療機器製造の規制基準(21CFR)は、「業務実行の結果が以降の検査や試験で完全な適合性判定ができない場合は、それら業務実行を高い信頼性で有用化しなければならない」とし、続けて「決められた要件が継続して満たされることを確実にするように、これら有用化された業務実行の工程条件を監視し制御しなければならない」と規定している。
 
  これらの説明で明らかなように、業務実行の有用性判定の活動は、@必要な仕様と品質の製品サービスを確実に実現させるように製造及びサービス活動の実行の工程条件を決める管理と、Aその通りに工程業務が実行されるようにする管理の2つの管理から成る。@は製品サービス実現の計画(8.1項)の有用性に関し、その管理は業務実行の有用化であり、有用性の維持である。Aは業務実行の有用性に関し、その管理は決められた通りに業務が行われたかどうかの合否を評価、判定する実績評価の活動(9.1.1項)である。
 
@ 合否判定
  規格では、業務実行と製品サービスの有用性検証の規定があるが、前者は決められた通りに業務が実行されているという客観的証拠に基づいて、決められた通りの結果が確実に出るという当該業務実行の有用性を証明し、後者は製品サービス に想定される様々な状況や条件での使用又は適用に関して実験や計算を含む理論的検討を行った結果を客観的証拠として、当該製品サービスが狙いの通りの機能性能を発揮するという観点での有用性を証明することである。
 
  しかし、規格で「有用性検証をする」という規定は、単に有用性の評価を行い問題を正してその物事を有用化するだけでなく、有用性検証の結果を客観的証拠として、前者は当該業務実行の結果の製品サービスが狙いの又は決められた通りかどうかの「適合性評価」、つまり、製品サービスの合否判定
§30.1を行うということを意味している。後者は当該製品サービスが狙いの又は期待の通りかどうかの「適合性評価」、つまり、製品サービスの合否判定を行うことを意味している。規格の意図の有用性検証は、監視測定で検知した実績の情報に基づく合否判定が出来ない場合の代替手法としての合否判定の手段である§30.1。従って、「〜を行う」という規定は、「有用性判定の結果に基づいて合否判定を行って、その記録を残す」という意味に受けとめるのが実務的である。
 
  論理的推論に基づく有用性判定により合否判定を行うという合否判定方式は、製造業の工程保証とも呼ばれる工程の実行管理に基づく無試験無検査での合否判定という品質管理、品質保証の手法を基礎とし、同じ考えで開発された設計結果の製品の使用時における信頼性や安全性の問題を防止する設計管理の方法論
§36.3.5と共に、規格に導入されたものである。また、明示されていないが、これまでと同様に、外部提供者から受け取る業務実行や製品サービスの受入検査(8.4.2項)は、それらの実績評価に基づく合否判定に、外部提供者の業務実行の有用性判定§31.3を組み合わせた形で行われることが規格の意図である。
 
A その他
  内部監査 (9.2項)は、品質経営の各業務が定められた通りに行われているかどうかを調査し、問題を抽出する活動であるから、実態としては適合性判定の活動である。ただし、内部監査の目的は経営目標達成の可能性の評価であり、個々の業務の適合性判定によって全体としての業務実行が狙いの顧客満足の状態の実現の観点で有効であるかどうかという品質経営活動の有用性判定を行うことであり、この結果が監査結論となる。
 
  業務実行管理(9.1.1項)における実績評価は、業務実績を管理基準に照らして決められた通りかどうかを判定する適合性判定の活動であるが、検出した不良や異常の処置は、それらによる業績目標たる狙いの顧客満足の状態の実現の可能性にどのように影響するのかの論理的推論、つまり、当該の実績の有用性評価に基づいて決める。
 
  また、品質経営の業務の実行の手はずを整える活動である品質経営体制の計画 (6.1項)は、08年版(5.4.2)で「品質目標を満たすように行われなければならない」と明記されていたように、個々の業務の手はずは必要な結果を確実に出すことができるように整えられなければならない。業務実行の手はずが必要な結果が出るようになっているかどうかの評価と判断は有用性の評価、判定である。製品サービス 実現の計画 (8.1項)、設計開発の計画 (8.3.1項)についても同じである。
 
  さらに、購買管理における外部提供者の管理は、08年版(7.4.1項)で「組織の必要とする製品を供給する能力を判断の根拠として、供給者を評価する」と規定されていたように、その業務実行能力の有用性の評価、判定を基礎として行われる。
 
 
§31.2 プロセスの妥当性確認
(1) 業務実行の有用性判定

 
JIS和訳「プロセスの妥当性確認」の英文は“validation of process”である。「プロセス」は「業務実行」であ り$2、「妥当性確認」は前記§31.1のように「有用性判定」であるから、「業務実行の有用性判定」である。業務実行によって狙いの業務結果が確実に出るかどうかが「業務実行の有用性」であり、狙いの業務結果が確実に出るような手はずとすることが「業務実行の有用化」であり、決められた手はずの通りに業務を行ったかどうかの評価判定が「業務実行の有用性判定」であり、これを客観的証拠として有用性を証明する又は公式に認めることが「有用性検証」である。
 
  業務実行の有用性判定とは、製造又はサービス活動の業務が、決められた結果が出るように決められた通りに行われたかどうかを判定することである。プロセスアプローチ論では、業務を決められた通りに行えば必ず、決められた業務結果が出るから、監視測定による製品サービスの実体の情報に基づく合否判定によらずともで、業務実行の実態の有用性判定に基づいて、その結果の製品サービスが決められた通りであるかどうかの合否を判定することができる。  
 
  「業務実行の有用性判定」は実務的には、検査や試験などその製品サービスの実体表す情報を検知できず、合否判定基準に照らして評価し、合否を判定することが出来ない場合の、代替的合否判定方式を指す。これは製造業で発達してきた工程保証による製品の品質保証の根幹の合否判定概念である。15年版(8.5.1 f)項)では、「製造及びサービス活動の結果を以降の監視測定によって合否判定をすることができない場合」に「業務実行の有用性判定」を行わなければならないと規定している。94年版では「事後の検査・試験では工程の結果の合否判定が十分にできず、工程の欠陥が製品の使用段階でしか現れないような場合に」であった。すなわち、検査や試験で結果の製品サービスが狙い通りであるかどうかの合否判定ができない場合に、通常の合否判定に代えて業務実行の有用性判定を行って、この結果を基にして合否を判定するのであり、合否判定のひとつの方法である。
 
 
(2) 工程保証による製品サービスの品質保証
@ 無試験無検査での合否判定

   「業務実行の有用性の判定」により製品の合否判定をするという規格の規定は、製造業で広く適用されている工程保証とも呼ばれる工程の実行管理に基づく無試験無検査での合否判定という品質管理、品質保証の方式を指している。この品質保証の方式では、
 
a) 所定の製品の仕様と品質をつくりだす工程を特定し、それを確実につくりあげることができるように製造及びサービス活動実行の工程条件を決め、
b) その業務実行を監視測定して実際の工程条件が決められた許容範囲内にあるかどうかを表す情報を基に業務実行の有用性を判定する。工程条件の実績が許容範囲の内外のいずれであるかによって、当該製品サービスが決められた通りの仕様と品質であるかどうかの合否判定を行う。工程条件の実績の許容範囲との比較の情報が製品の合否判定記録となる。
 
  工程保証による品質保証の方式では、無試験無検査で合否判定を行うのであり、製品の合否判定を行わずに製品を顧客に引き渡すのではない。
 
A 特殊工程
  初版では、業務実行の有用性判定によって製品サービスの合否判定を行わなければならない業務を「特殊工程」と呼び、15年版ではなくなったが、通常の実績に基づく合否判定が不可能な製品サービスを説明するために用いる用語としては便利である。
 
  初版では指針規格
(37)で「特殊工程」の例として、後の工程で初めて特性が決まる、特性の測定方法がないか破壊試験である、後の検査や試験が不可能か実際的でない、の3種の工程を挙げていた。9 4年版も同じ考えで、溶接、はんだ、熱処理、めっきが典型的な「特殊工程」と説明し、08年版のCD版では注記に「溶接、殺菌、教育訓練、熱処理、コールセンターサービス、緊急事態対応」を「特殊工程」として例示していた。94年版では、非破壊検査、素材製品に関する混合、温度状態、環境条件、食品の味、サービスの正確さ(36)を例示する解説もあった。汎用規格になった00年版では、解説書での例示も、塗装、接着、無塵室作業、医療機器の殺菌、ソフトウェア開発(30)、鋳造、鍛造、成形、財務や法的文書の作成、専門的助言の提供(21)他、ある種の職業訓練の提供(22)、音楽演奏や演劇など芸能活動、医療活動(38)、検査や試験活動(23)と多様になった。
 
 
(3) 効果的な品質管理、品質保証手法
  また工程保証による品質確保の方式は、検査や試験により判定できない製品サービス品質の合否判定のための代替合否判定手段としての意味合いが強いが、製造業の実務では工程保証を時に検査や試験に勝る方法として品質管理や品質保証の効果的で高効率のものとするために様々な形で取り入れられている。
 
  例えば、規格でも製品の適合性判定の手法と位置づけられている大量(多個数)生産の場合の抜き取り検査は、業務が一定の状態で行われるよう管理されていることが前提である。従来の統計的無作為抜き取り検査では、終日同じ状態で機械が作動し、要員が作業するという状態の中で意味があったのである。今日では、工程の業務実行を管理することにより製品の特性の変化に繋がる状況を予測し、変化の可能性に応じて検査を行うことが多い。例えば、機械の段取りや設定変えの直後と昼食休憩前後及び終業前にのみ検査を行う。このような抜き取り検査方式では管理すべき工程業務の方法と条件を明確にし、それが満たされていることを確認しながら業務や検査が行われることが必要である。典型的なめっきや溶接でも、抜き取り式でめっき量を測定し、超音波検査が行われることがある。抜き取り検査でも、特に抜き取り頻度が少ない場合には、工程保証方式で無検査の品質保証手法との違いはほとんどなくなる。
 
  製品の詳細機能、構造物の強度や耐久性などのいわゆる設計品質は、製品の試験や検査で合否判定を行うことは困難であり、一般には製品設計で決められた特定の仕様の部材や部品の間違いない適用を確実にすることによって品質保証が図られる。例えば、間違った部品取り付けによる製品機能不良の防止のために、混同し易い類似形状の部品を正しく区別して取りつけるために部品と取りつけ部の識別表示の工夫をしたり、間違いのない部品適用と組み込みをチェックリストで管理する。製品故障の原因となるボルト止めの数や締まり度合いを特別に管理し、実行結果をチェックリストに記録するというような管理も行われる。
 
  更に、大抵の製造業で検査ミスとして処理される苦情のPDCA/プロセスアプローチ サイクルに照らした原因は、検査業務の実行結果が正しいかどうかを監視測定、合否判定する活動がないからである。検査員を他の作業者と区別し、特別な定期的な教育訓練を受けさせ資格認定するというような制度は、検査業務の実行の質を高めて正しい検査結果が出ることを確実にすることが狙いである。つまり、検査業務の工程保証によって検査結果を無検査で合格と判断するものである。
 
 
§31.3 外部提供のプロセス、製品サービスに関係する妥当性確認
  受入検査の規定があった94年版の時期でも、組織が受入検査しないで購買品を受け入れ、そのまま組織の製品に組み込み、又は、製品実現業務に使用するというような状況は珍しくはなかった。規格では、受入検査をせずに合格製品サービスのみを確実に受け入れることを可能とする方法に、前記
§31.2のような製造業における無検査無試験での合否判定の考えに倣った供給者の業務実行の有用性を確保する方法を、「検査又はその他の活動」又は「適合性検証又はその他の活動」の「その他の活動」に含めている。08年版のTC176指針(5)では、外注した業務の結果の製品、半製品を組織が試験や検査で合否判定できない場合には、アウトソースした業務の管理に「業務実行の有用性検証」を含めなければならないと説明している。
 
  効率化のために供給者との二重業務となる物品の受入検査を省略又は簡素化する場合、供給者の業務に特殊工程があり組織での受入検査が無力である場合、供給者に合否判定まで業務と責任を委ねて製品サービスが供給者から直接顧客に引き渡されるような場合、輸送業務や製品使用説明電話窓口業務など供給者が組織と顧客との間の接点業務を行うような場合など、組織が受入検査を行わない、行えない状況は少なくない。このような場合の供給者の製品サービスが組織の必要の通り、すなわち、組織が決めた通りのものであることを確実にするためには、供給者の業務実行を管理することが基礎となる。
 
  すなわち、組織は、これを供給者が遵守すれば、受け取った購買品が組織に必要な所定の購買品であることが確実になると考える、供給者の業務実行と管理、或いは、品質保証に係わる業務管理体制又は品質保証体制に関する必要条件を明らかにし、個々の購買品の受け取りに際しては、それらが遵守されたかどうかを評価、判断できる内容の供給者の報告を入手する。
 
  組織は、供給者が満たし或いは遵守すべき購買品の仕様と品質及び付帯仕様、及び、必要により製品実現の方法や条件を指定し、さらに、供給者が行うべき必要で可能な合否判定方法とその結果で合格品であることを証明する方法、及び、不良品の処置と組織への連絡の方法を決めて、供給者と合意しなければならない。
 
  この報告の入手が、購買品の受入と同時であればこれを確かめることが受入検査の代替し、製品サービスが組織を経ずに顧客に引渡されるような製品サービスでは事後の入手と確認となる。例えば、供給者から直接顧客に製品サービスが引渡されるような場合には、合格品であることの証を組織が確認するのは通常は製品サービスが顧客に引き渡された後である。組織の製品の顧客の輸送を専門の輸送業者に外注するような場合も、間違いなく届けたと言う輸送サービス活動の実行結果が購買品に相当するが、購買条件を満たして間違いなく届けたという輸送業者の合否判定結果の記録や報告を、事後に組織が確かめる。
 
   さらに、この報告が正しいことを確実にするために、供給者が合意事項とした組織の必要を確実に満たす業務管理能力と意思を持っていることを確実にするように供給者を管理しなければならない(8.4.1項)。組織の求めた通りに供給者の業務実行と管理が行われ、或いは、品質保証体制が機能しているかどうかを二者監査などの方法で監視する。組織自身による管理の代わりに、供給者にISO9001の第三者認証の取得を求めるやり方もある。合わせて、供給者に求める品質保証に係わる業務管理体制、或いは、業務管理能力の範囲は検査体制のみ、品質保証の組織構造、或いは、広く品質保証体制全般にわたるなど、また、その遵守の監視方法には購買品の品質実績から問題を判断する、供給者から変更や問題点の報告を受ける、組織が供給者に出向いて監査するなど、それぞれに様々な程度、方法がある。
 
  大抵の原材料や資材、市販品や規格品など供給者が定めた仕様の製品サービスを購入する場合や特殊な技術、専門性を必要とする製品サービスを購入する場合は、組織による管理は事実上不可能であるから、信頼できる供給者を選択し、その検査済票を信頼するのが実務的である。この場合は無検査受入では無条件受入である
§30.2.2
 
   
§31.4 妥当性確認に関する規格の規定の変遷
(1) 用語

  規格の初版では、試験や検査で合否判定ができない製品に関係する工程を「特殊工程」と呼び、「連続的な監視及び手順書の遵守」を規定しているだけであり、94年版では特殊工程の管理に係わる規定が増え、指針規格では「適格化」の意味の用語“qualification”を用いて、「業務実行の適格化」「工程の事前適格化(有用化)」との表現で特殊工程の管理に関する規格の意図が説明されていた。JISはこれを「認定」と和訳していた。00年版になって、英語が「有用化」の意味で“validation”に変わり、JIS和訳は「妥当性確認」となった。これは、“validation”が目的達成性の論理的な評価と言う意味で設計管理手法(7.3.6項)のひとつの概念として定着してきたことや、FDAの GMP(適正製造規範)の“process validation”の定義のGHTF活動による検討
(46)に関連していると推定される。その後、医療機器分野の規格であるISO13485規格の03年版でも「業務実行の有用性検証」の用語と概念が取り入れられた。なお、ISO13485を反映した厚労省令の医療機器GMPでは規格の“validation”に対して「バリデーション」を用いている。
 
(2) 方法論
  「業務実行の有用性の判定」の方法論については、94年版では「必要な工程能力を確実にするよう当該工程の業務実行を予め適格化(有用化)し、業務実行においてすべての不可欠の条件を制御する必要がある」と説明されている
$40-2-1p。この説明の「予め適格化する」とは、確実に所定の仕様と品質の製品とするように製造及びサービス活動の実行の工程と工程条件を決めることであり、「不可欠の条件を制御する」とは、この工程条件で工程業務が確実に行われるよう管理することを意味している。
 
  業務実行の有用性判定の具体的な方法について規格は、初版(4.9.2)で、@に関して「工程、設備、要員の適格化」、Aに関して「連続的な監視及び手順書の遵守」、94年版で、@に関して「関連する設備及び要員を含む工程作業の適格化」、Aに関して「工程パラメーターの連続的な監視と管理」「有資格者による作業」を、それぞれ規定している。08年版では、@Aを合わせて「業務実績評価の評価判定基準」「設備の承認と要員の適格化」「特定の方法及び手順の適用」を規定している。
H28.11.21 
禁無断転載  (個人的使用のための複写歓迎)
サニーヒルズ コンサルタント事務所