ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
実務の視点からの規格理解とは 実務の視点による
ISO9001:2000の解説  <その序 >
35-00-00

   日本でもISO9001規格に関する多くの解説が発表され、組織の品質マネジメントシステムの構築と運用を効果的なものとするのに与っている。しかしながら、ほとんどの解説や説明は、認証審査に合格するための対応はどうあるべきかの観点、つまり、審査の視点でなされている。これは審査合格への早道を求める組織をはじめ、品質マネジメントシステムの認証審査を重く見る組織にとっては好都合であり、近年の登録取得の大きな増加に寄与してきた。


   しかし、規格の狙いの実現に重点を置き、組織の既存のマネジメントシステムと一体となった品質マネジメントシステムの構築、運用を望む組織にとっては、要求事項を規格の論理に基づき、マネジメントの実務との関係で説明されることが望ましい。筆者は製造業において永年、品質やマネジメントに係わった後にISOマネジメントシステムに取組んだ者であるが、審査合格のために説かれる対応を企業における実際の活動の便宜と必要性にどのようにマッチさせることができるのかを理解するのに、多大の努力を必要とした。実務の視点から規格が説明されることは今日でも少ないので、組織で品質マネジメントシステムを構築し、運用する人々の間には、その実務感覚に沿った規格解釈に対する期待はなお大きいと思われる。



  本来ISO9001規格は、論理の体系であり、要求事項の単なる集合体ではない。この論理を、組織で日常的に実施されているマネジメント(運営管理活動)の各業務に対する条件として表現したのが規格の要求事項である。ISO9001は認証登録用の規格ではあるが、その要求事項はそれぞれが認証登録のために必要な対応処置を規定するものではない。要求事項は全体として規格の論理を体現し、組織が規格の目的を達成するために必要な業務実行の条件を規定している。 ISO9001規格は組織の発展の道筋を示すものであって、実務に役立たない形式的業務を認証登録の見返りに要求するものであるとは思えない。どの組織にもマネジメントは存在し、その業務は日々に行われている。規格は、組織が顧客満足の向上を目指すならそのマネジメントは如何に行わなければならないかという指針である。 認証登録は、組織のマネジメントが確かにそのような意図をもって行われているということを組織の顧客に保証するものである。認証登録を受けようとする組織は、自らの業務を規格要求事項に照らして見直すことが求められる。組織によってはその業務の体系を整え、補強することが必要になるかも知れない。システムの構築とはこのような活動である。


   規格要求事項の解釈においては、個々の条文の意味ではなく、規格の論理と意図を重視しなければならない。規格の論理は、品質マネジメントの原則
(JISQ9000: 0.2)として整理されており、論理の根拠や意図はJISQ9000,9004両規格の他、ISO又はTC176が発行する各種の文書で説明されている。この論理は、企業など各事業組織のマネジメントの経験や実際から独立したものではなく、経営学の理論やTQC、米国国家品質賞など最新の実践の理論に準拠したものと考えられる。また、JISQ9001ISO/IEC Guide21(国際規格の地域、国家規格への適用)に基づく翻訳規格であるから、翻訳結果の日本語が原文の意味を離れて一人歩きすることのないように注意しなければならない。



   最も大切なことは、規格を組織の利益に資することであり、組織にいらぬ負担を課し、あるいは、その活動を制約することは規格の意図ではないと考えなければならない。これが規格解釈の基本であろう。規格についてのこのような実務の視点から、2000年版規格の主要な要求事項について考察したい。
H15.2.15(改 H15.6.19) 
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