ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
46 7.4.1項   購買プロセス 実務の視点による
ISO9001:2000の解説(新版) 
35-02-46
[第1節]
 [第1文] 組織は、規定された購買要求事項に、購買製品が適合することを確実にしなければならない。
 [第2文] 供給者及び購買した製品に対する管理の方式及び程度は、購買製品が、その後の製品実現のプロセス、又は、最終製品に及ぼす影響に応じて定めなければならない。
[第2節]
 [第1文] 組織は、供給者が組織の要求事項に従って製品を供給する能力を判断の根拠として、供給者を評価し、選定しなければならない。
 [第2文] 選定、評価及び再評価の基準を定めなければならない。
 [第3文] 評価の結果の記録、及び評価によって必要とされた処置があればその記録を維持しなければならない(4.2.4参照)。
 
 
1.要旨
  7.4項は全体として、購買条件を満たす購買製品を確実に受取ることを図る購買管理の必要とそれぞれの購買管理業務の要件が規定されている。本項では購買製品が購買条件を確実に満たすための購買製品と供給者の管理の要件が規定されている。
 
  製品実現の計画(7.1項)で定めた製品仕様と品質及び付帯仕様の製品を実現し顧客に引き渡すためには、購買製品が製品実現の計画の通りの仕様でありその他の必要条件を満たしたものであることが必要である。組織はこれを確実にするために、受入れる購買製品が購買条件(7.4.2項)を満たすよう管理しなければならない。加えて、供給者が購買条件を確実に満たす業務管理能力を持っていることを確実にするよう、供給者を選定し、業務管理能力を監視し、管理しなければならない。
 
 
2.背景 及び 関連事項
2-1. 購 買
(1) 購買
  「購買」は原文では“purchasing”で、これは「何かを買うこと」の意味(101)であり、事業用語では事業活動に必要な物品、ソフトウェアやサービス を組織の外部から購入することである。 規格では、購入するものは『購買製品(purchased product)』であり、購入先は00年版では『供給者(supplier)』と表されている。一般に事業を行なう組織は、自身で製品実現できないもの、又は、効率的でないものを購買製品として供給者から購入し、これを組織の製品に組込み、或いは、製品実現の業務に使用して付加価値をつけた組織の製品として顧客に引渡す。
 
  この取引関係では金銭は製品の流れと逆方向に流れる。製品と金銭の流れに係わるこの3者の関係を、顧客の購買基準としての色合いの濃厚な94年版では、下請負契約者⇔供給者⇔顧客 と描いていた。組織が顧客満足の製品を一貫して供給するための業務のあり方を示す規格としての00年版では、3者の呼称を変更して 供給者⇔組織⇔顧客 としている。
 
  規格が対象とする購買製品は、組織の製品の一部となり、又は、製品仕様の出来栄えに直接関係する原料、資材、部品などの素材製品やハードウェア製品であり、製品に組込む ソフトウェア も含まれる。 また、本来は組織の業務である輸送、警備、設備管理、計算機システム維持などを外注し、又は、計測器の校正、自動車車検など組織の事業の範囲外の外部専門サービス を利用する場合も、それぞれの サービスという製品の購買である。
 
  規格における用語『製品』は、顧客向け、及び、製品実現業務の結としての製品のみを指すから、組織の事業基盤としての資源 マネジメント(6.3項)の計画で用意する建物や設備などの物的資源は本項の購買製品に該当しないと考えてよい。しかし7.4項は組織の必要を確実に満たすための購買関連業務のあり方を定めており、この種の物的資源の調達にも意義があるので、必要により本項の要件を適用するのもよい。
 
(2) 購買と外注
  日本では、購買管理と外注管理という言葉が存在するように、資材や部品を購入する購買とそれらを外部の供給者に作らせる外注とを区別してきた。購買と外注を区別するのに、市販品や規格品など供給者が定めた仕様の製品を購入することが購買であり、組織の指定する仕様の製品を供給者に作らせ、購入することが外注であるとの定義が一般的である。また実態的には、前者は既存の製品の選定と購入であるのに対して、後者は組織の業務の実行を外部委託することである。商取引として法律上でも、購買が民法の売買契約、外注は請負契約にそれぞれ該当する(82a)という違いがある。
 
  このように、購買と外注とを区別することには一定の合理性がある。しかし近年では、海外に倣って外注も購買の一態様であるとする取り扱いが拡がっている。この場合、購買を広義の購買と狭義の購買とに区別し、前者の購買は外注を含み、後者は、従来の意味の購買であるとして、論理の整合が図られている。 近年では、購買と言った場合は広義の購買を指すことが多くなっている(81a)。
 
  外注は下請けとも呼ばれ、元々は組織の製品の実現とは直接関係のない、一般に労働集約型の付帯又は付随業務をそれぞれに専門性をもつ供給者に委託することが中心であった。 以後、製造現場や建設現場の作業の一部を受け持つことに発展し、更に、組織の能力の補充の手段から コスト合理性の追求を目的として、直接に製品に関係する業務、例えば製造業では加工外注から部品外注、組立部品外注、更には、完成品外注にまで拡がっている。
 
  このような外注範囲の拡大は、組織の支配下で組織の要求を満たすだけの組織に従属した存在から、自らが専門性を向上させ資本投資を行い組織の必要を満たすという独立した主体へと供給者が力を付け、変身することで可能となった。00年版では品質マネジメントの原則(131b)のひとつに『組織及びその供給者は独立しており、両者の互恵関係は両者の価値創造能力を高める』とする『供給者との互恵関係』を挙げており、組織の顧客満足の効果的な追求には新しい外注形態が必須であるとの認識を明らかにしている。
 
(3) 下請負契約
  物品・サービスを外部の供給者から購入することは実態として、その物品・サービスの製品実現の業務をその供給者に委ねることと同じである。一方、組織の最終製品を購入する顧客が、この物品・サービスの製品実現を含めて組織に最終製品の製品実現を委ねたと考えると、組織と供給者との間の購買契約は、顧客と組織との間の購買契約の二次的なものである。 すなわち、組織の物品・サービスの購買契約は、二次契約又は下請負契約(subcontract)である。 この概念から94年版(4.6)では、購買することを「下請負契約する(subcontract)」とも呼び、購買製品を「下請負契約された製品」とも呼び、供給者を「下請負契約者(subcontractor)」と呼んでいた。
 
(4) アウトソース
  アウトソース(outsourcing)という言葉は、伝統的労働慣行に悩む1980年代初頭の米国製造業が、「製造作業を組織の外部、特に、外国の組織又は労働組合を持たない組織に下請負契約すること」を表す用語として創出された(102)。 これが1990年代の定義では「ソフトウェア開発など、本来は組織が自身の要員に実行させるべき業務を他の企業に対価を支払って委託すること」となっている(119)。これは、当時の米国で発展した ソフトウェア作成や コンピューターシステムの保守の専門業者への委託を始めとする新しい外注形態を反映したものである。
 
  この外注形態は、従来の外注が工場や建設現場の作業が中心で労働力購入の意味合いが強いのに対して、組織の特定分野業務、とりわけ、専門的、知識集約的な管理業務や事務所業務を一括外部委託するということが特徴とされた。また、業務実行を供給者の知識や専門性に委ねるという点でも、供給者の業務実行に組織が主導権を持つ従来型の外注に対する違いが顕著であった。近年には、販売促進活動、製品相談窓口、製品据付業務など製品の顧客満足に直接係わる業務まで外注化され、また、設備管理、計算機システム、人事管理などに係わる管理部門や事務所部門の業務の一括外注化にまでも拡がっている。
 
  1980年前後に始まる上記(2)の日本製造業の外注範囲の拡大は、外注形態のいわゆる下請け型からアウトソース型への変化でもあった。アウトソース型外注では、供給者は組織の全般的統制の下に加工や組立などの組織の製造業務のそれぞれを分担する。このようなアウトソース型外注は、供給者が組織に匹敵する力をつけて独立した部品業や加工業へと発展し、或いは、組織の製品の電子機器の生産を専門に受託する組織に進化したEMS(Electronics Manufacturing Service)生産方式など、組織が製造設備を持たない ファブレス(fabless)の枠組みにまで発展することになる。他組織に作らせた製品に組織の商標を付けて販売するOEM (Original Equipment Manufacturer)も供給者の専門性と能力を全面的に信頼するという点でこの延長にある。更に、計算機システムシステムの開発においてその要素システムの開発を海外の供給者に委託する オフショア開発(Offshore Development)や、国内に工場を持たず生産を海外子会社に委ねる方式なども拡がっている。
 
  今日では アウトソース という言葉は一般辞書にも登場し、例えば「組織外の誰かに仕事をさせる、又は、組織に物品、サービスを提供させる枠組みを整える」や(101)「〜を外部委託、又は、外部調達する」を意味する(109)。 これからも明らかなように今や アウトソース は、従来型の外注や下請けをも包含した業務委託全般を指し、かつ、物品・サービスの購買をも含む用語になっている。
 
  規格でも94年版の『下請負契約する』は00年版では『プロセスをアウトソースする』という表現に変わった。これについてTC176指針(6)は「ISO 9000:2000 シリーズ規格の目的と精神からは、用語『下請負契約(subcontract)』と『アウトソース(outsource) 』とは相互に置き換えて用いる事が出来るし、同じ意味である」と説明している。規格の用語の変化は、市場での実態と用語が『下請負』から『アウトソース』に変化したことを反映したものである。
 
  今日では購買用語としての アウトソース は、下請負契約、外注、購入、購買と同義語である。「購買」や「購入」は製品を供給者から受け取るという観点で購買活動を説明しているのに対して、「アウトソース」や「下請負に出す」や「外注」がその製品実現業務(プロセス)を供給者に委ねるという観点から購買活動を説明しているという、表現の違いに過ぎない。
 
(5) 供給網(サプライチェーン)
  建設業では受注した案件毎に主契約者を頂点にした二次契約者以下の各供給者の作業分担の枠組みが構築される。自動車産業では自動車メーカー を頂点とし、その傘下で主要部品メーカーを頂点とした部品の製造、組立てのための多段階の供給者の作業分担の枠組みが確立している。一般に顧客が受け取る製品は、販売店を最終端末として製品製造、素材製造、素材原料採取、原料採取設備製造、その部品製造・・・・と遡ることのできる製品と供給者が鎖のように繋がっていると見做すことができる。これは供給連鎖(サプライチェーン)と呼ばれるが、この中のどの組織も供給者にもなり、顧客にもなる。 規格の品質マネジメントにおける製品取引の 供給者⇔組織⇔顧客 の概念は、実務の供給連鎖の中のひとつの組織とその前後の組織と共に切り取ったものである。
 
 
2-2. 購買管理
(1) 購買管理の目的
  組織の購買活動、或いは、購買機能とは一般に、必要なものを、必要とする時に、必要なだけ、適正な価格で購買し、時宜を得て又は適時に入手して必要元に引き渡すこと (81b)である。この購買活動を管理する購買管理活動の狙いは、購買製品の適切な品質、所要の数量、必要な納期、適正な価格を確保すること、及び、これを可能とする製品供給能力を有する供給者を確保することであり、近年では供給者の安定供給能力や社会的責任確保能力の確保も購買管理活動の重要な要素となる傾向にある。
 
  規格はこの購買管理活動の狙いについて『規定された購買要求事項に、購買製品が適合することを確実にする』ことであるとしている。『購買要求事項』とは購買条件の意味$1-2-1であり、品質保証活動の在り方を規定する規格であるから、購買製品の仕様と品質及び付帯仕様が組織の指定の条件を満たすよう管理する活動として、購買管理活動を規定している。すなわち、規格の購買管理活動は組織が指定した条件を満たさない購買製品を受入れることのないようにすることであり、規定した条件を満たさない購買製品を受け入れたことによって組織の最終製品の品質が直接、又は、組織の製品実現業務が悪影響を受けることを通じて、悪影響を受けて、不良製品が顧客に引き渡されることのないようにすることである。
 
(2) 供給者の能力の活用
  購買とは組織の製品実現業務に外部の供給者の能力を活用することを意味する。様々な購買の態様は、供給者の能力の活用の程度の違いと、それに応じた組織の管理の程度の違いである。供給者の能力を最も限定的に利用する購買では、手順、工程、設備、要員の配置まで購買条件に規定し、その実行を組織が管理し、更に、購買製品を組織が検査、試験して受け入れる。供給者の能力を大きく活用する購買では、購買製品の仕様と品質、つまり、検査や試験方法と合否判定基準のみを購買条件に規定し、供給者の検査合格の証明を信頼して購買製品を受け入れる。一般には、組織の必要を満たす購買製品を受け取ることを確実にするという観点から、供給者の業務管理能力と購買製品の重要性又は製品実現業務の高度さの程度によって、これらの中間の様々な形の購買態様となる。
 
  近年ではファブレス生産、OEM生産、海外子会社への生産委託を筆頭に、特定製品の製品実現を検査や顧客への引渡しを含めて一貫して外部委託する場合や、製品使用相談業務や拡販業務など特定業務を一括外部委託する場合など、供給者の能力を広範囲に活用する購買が増えている。これら外部委託では、購買製品が組織を経ずに直接顧客に引き渡される場合が多い。
 
  組織の購買製品と供給者の管理に関してTC176指針(5c)は アウトソースする状況には、組織に専門性や能力があるが経済的などの理由でアウトソースする場合と組織に専門性や能力がないのでアウトソースする場合の2種類があるとしている。日本の購買活動の実務では、前者は業務実行の外注であり、後者は物品・サービスの購買である。ただし、上記のようなアウトソースの対象の拡がる状況は、組織に能力があっても同じ能力を有する供給者に業務を委託し、購買製品を受入検査なしで受け入れ、或いは、顧客に直接引き渡すというような外注が拡がっているということであり、製品電話相談窓口業務のような顧客に引渡す前に検査ができないサービスという製品の製品実現業務まで外注しているということである。
 
(3) 購買管理の方法と程度
  規格の購買管理活動は、購買製品が購買条件の製品仕様と品質及び付帯仕様を満たしたものであることを確実にする管理と、供給者の品質保証に係わる業務実行管理の体制がそのような購買製品をつくり、供給するのに十分なものであることを確実にする管理の2種類に分かれる。
 
  必要な製品を確実に受け取るにはこれら管理の程度を厳重にするのがよいが、それでは外部委託することの経済的合理性を損ない、また、組織に製品実現業務の専門性や能力がない場合は実質的に管理することが出来ない。さらに、供給者が独立した事業者である場合には実際問題として組織が行い得る管理には限界がある。一般に、原材料や資材、或いは、市販製品など供給者の仕様の製品を専門的供給者から購入する場合には、組織が供給者の業務実行に口出しできる余地はほとんどない。このような状況では組織に可能な唯一の管理は供給者を選択することである。規格執筆者のひとり(21s)は、市場商品型の製品には最小限の管理しか必要がないと説明し、独自仕様製品の供給者の管理は組織に権限がないので管理は限定的にならざるを得ない (23w)とも考えられている。
 
  実務的には、管理の方式と程度は、供給者の能力の最大限の活用を図るという観点から決めることが合理的である。規格ではこれを品質マネジメントの原則(131b)のひとつにとり上げて『供給者との互恵関係』とし、その意義を『組織及び供給者は独立しており、両者の互恵関係は両者の価値創造能力を高める』と説明している。
 
@ 購買製品の管理
  組織が必要とする購買製品を確実に受入れるために、その購買製品に必要な仕様と品質及び付帯仕様、及び、必要により供給者の検査を含む製品実現の業務の実行方法や条件を購買条件として明確にし(7.4.2項)、その購買製品を供給する能力のある供給者を指定し(7.4.1項)、必要により業務実行を監視し、受け取った供給者の製品が購買条件を満たすかどうかの合否判定を行い、合格品のみを受入れ(7.4.3項)、問題があれば正し、必要により再発防止対策を指導、要求するというプロセスアプローチ/PDCAサイクルに則る管理が規格の意図の購買製品の管理である。
   
  合否判定方法の方法に関して94年版(4.10.2)では『受入検査・試験』を規定していたが、『検査、又は、他の方法によって検証する』とも規定し、受入検査以外の合否判定の方法があることを明確にしている点で00年版と変わらない(7.4.3項)。00年版が全業種業態を対象とする規格となって、電話相談サービスの一括外部委託のような組織の受入検査が不可能で状況や、購買製品が組織の製品として供給者から直接、顧客に引き渡されるというような購買の態様も増え、また、事実上無欠陥が求められる製品では統計的手法による抜取検査が有効ではないこと、大量購買では受入検査を行うことが合理的でないことなど、購買を巡る状況の変化から、下記Aとの組み合わせの下に検査以外の様々な合否判定の方法がとられるようになっている。
   
A 供給者の業務管理能力の管理
  規格の論理では、組織が不良品を顧客に引渡さず、必要な顧客満足の実現を図るには、規格の規定する要件を満たして業務を行うことが必要である。従って、その業務の一部を供給者に委ねたのなら、供給者がその関連業務を規格の要件を満たして行わればならないというのが理屈である。組織が受け取る購買製品が常に組織が規定した通りの仕様と品質及び付帯仕様のものであることを期待するなら、組織は供給者の製品実現業務、或いは、供給者に委ねた業務がISO9001規格の要件を満たして行われるよう供給者の業務実行管理の体制を管理することが必要である。TC176指針(5b)ではこれについて、アウトソースした業務がISO9001に規定される要件、及び、組織の品質保証に関する経営管理(マネジメント)の枠組みの要件に従って実行されることを確実にする十分な管理を組織が行なわなければならないと説明している。
 
  組織は、供給者の品質保証に係わる業務実行体制に関して供給者に順守を求める必要のある事項を明確にして、購買条件(7.4.2項)として要求し、その遵守を監視し、問題があれば正すよう指導、要求し、改善を要求するというプロセスアプローチ/PDCAサイクルに則る管理を行うことが必要である。この管理を通じて、組織の規定する購買製品を確実に供給する供給者の業務管理能力の継続的向上を図り、以て、組織が必要な仕様と品質の購買製品を確実に受け取ることを可能とする。
 
  供給者の業務実行体制に関する要求には、検査体制に関するもの、品質保証の組織構造に関するもの、或いは、広く品質保証体制に関するものと様々である。供給者の業務実行管理の体制が組織の要求通りであるかどうかの監視には、購買製品の供給実績から問題を判断する、供給者から変更や問題点の報告を受ける、組織が供給者に出向いて監査するなど、こちらも様々である。このような供給者の管理の方式と程度を効果的、効率的なものとするには、購買製品の管理の方式と程度(上記(4))と密接に関係して決められなければならない。
   
  供給者にISO9001規格の導入を求めることは、供給者が品質保証に係わる業務実行管理を経営管理(マネジメント)の枠組みにまで拡げて行うことを要求することを意味し、第三者認証制度は組織による監視を代替することが目的である。とりわけ、ISO9001認証取得組織が、特定の基幹的業務を一括外部委託したり、製品実現業務を全面外部委託したり、製品検査を含む製品実現の最終工程業務から顧客への引渡しまでを外部委託するような場合には、供給者にISO9001適合の業務実行管理体制を要求することが論理的である。多くの組織のISO9001登録取得がその顧客の要求又は期待に応えたものであるのは、このような事情による。
 
  ISO/TS16949は、ISO9001を基礎として産業固有の要求事項を追加し、自動車会社の購買基準として部品の供給者に確立と履行を求める品質保証のマネジメントシステムの要件を定めた規格である。この規格は自動車会社の供給者である組織に、その外注先又は部品購入先がISO/TS16949の品質マネジメントシステムかISO9001の品質マネジメントシステムを確立するのを支援する必要を規定している。また、それら確立したISO/TS16949又はISO9001品質マネジメントシステムについて、規格適合性の第三者認証を受けさせる必要を規定している。
 
 
3. 規格要求事項の真意
  標題『購買プロセス』は、個々の物品・サービスを発注し受け取る業務という意味ではなく、経営管理(マネジメント)活動としての購買活動のことを指している。規格の「購買」とは、事業活動に必要な物品、ソフトウェアやサービス を組織の外部から購入することであり、日本の大抵の組織では市販品や規格品などを購入する「購買」と組織の業務の一部の外部に委託する「外注」とに分けて認識され、管理されている。規格は7.4項全体でこのような購買活動の効果的な管理の要件を規定している。
 
  JIS和訳『購買要求事項』は「購買に関する必要事項」であり、「購買条件」の意味である$1-2-1。組織が、組織の製品の一部又は全部の製品実現業務を外部の供給者に委託し、或いは、製品の仕様と品質に直接関係する物品やソフトウェアやサービスを外部の供給者から購入するならば、それら購買製品が組織の必要を満たすものでないことによって組織の製品の品質保証に齟齬を来すことのないように管理しなければならない。
 
  組織は品質マネジメントシステムの計画 (5.4.2項)の一環として、購買製品が組織の必要を満たしたものであることを確実にする購買管理の手はずを確立し、手はずに則って各業務を実行しなければならない。これには、次の(1)〜(5)の要件を満たす購買製品と供給者を管理する手はずを含まなければならない。
 
(1) 組織は、規定された購買要求事項に、購買製品が適合することを確実にしなければならない。 [第1節 第1文]
  『購買要求事項』は購買条件の意味であり$1-2-1、購買製品に関する組織の必要を表し、供給者がその製品を組織に供給するために満たさなければならない要件である。組織は、購買製品が組織の必要を満たしたものであることを確実にしなければならない。このために規格では、購買条件を『購買情報』(7.4.2項)として明確にして供給者に伝達し、供給者の業務実行を必要により監視し、供給者の製品である購買製品を購買条件に照らして合否判定し、合格品のみを受け入れる(7.4.3項)という購買製品の管理、及び、購買条件を満たして業務を実行する供給者の業務管理能力の管理の両PDCA/プロセスアプローチ サイクルを規定している。
   
(2) 供給者及び購買した製品に対する管理の方式及び程度は、購買製品が、その後の製品実現のプロセス、又は、最終製品に及ぼす影響に応じて定めなければならない。 [第1節 第2文]
  組織は、受け取る購買製品が購買条件を満たしていることを確実にするための購買製品の管理の方式、及び、供給者がそのような購買製品を確実に供給する業務管理能力を有するよう供給者を管理する方式を確立しなければならない。
 
  これらの管理の方式と程度はすべての購買製品と供給者に一律ではなく、購買条件を満たさない不良購買製品が組織の製品実現関連業務の実行と組織の最終製品に及ぼす悪影響の大きさに応じたものでなければならない。この悪影響の大きさは、不良購買製品がもたらす問題の深刻さと、そのような不良購買製品を供給者から受取る危険の高さを勘案して評価されるが、後者は、購買製品の技術的な高度さや受入れ基準の厳しさと、当該供給者の購買条件を満たす業務管理能力とに関係する。従って、同じ購買製品でも供給者によって購買製品と供給者の管理の程度を変えることが効率的な場合がある。94年版(4.6.2 b))では、供給者の管理の程度を決めるのに供給者の過去の能力と実績を勘案すべきことが明記されていた。
 
  また、供給者の管理と購買製品の管理は連動したものであり、一般に下記Aの購買製品の管理が十分には効果的でなく、購買条件を満たさない購買製品を受取る危険性が高い場合ほど、下記@の供給者の管理を強める必要がある。
 
@ 供給者に対する管理の方式と程度
 規格の論理では、組織が製品実現業務の一部又は全部を外部に委託して組織の仕様と品質の製品を効率的、効果的、確実に得るためには、供給者が組織と同じ手順、工程、設備を用い要員を配置し、組織と同じくISO9001規格に則って業務を行うことが必要である。組織の管理は、供給者にこのように業務を行わせることを基本としつつ、供給者の製品実現能力を最大限に活用するという観点から決めることが合理的である。
   
  規格は供給者の管理の要件を、供給者の選定(下記(3))、供給者の業務実行(7.4.2項)、その監視(同左)、及び、供給者の業務管理能力の維持、改善(下記(4))と、管理のプロセスアプローチ/PDCAサイクルに沿って規定している。すなわち、組織が規定した仕様と品質の購買製品を確実に受け取るためには、どのような供給者を選択するのか、どの程度に供給者に業務実行と管理の方法、条件の決定を委ねるか、供給者の業務実行をどの程度に監視するか、どの程度に供給者の業務管理能力の維持改善を求めるのかを決め、そのような管理を行うことが必要である。組織は、購買製品に応じてこれらの各管理の程度と、その具体的な方法を決めなければならない。
 
A 購買した製品に対する管理の方式と程度
   組織が必要とする仕様と品質の購買製品を確実に受け取るためには、組織の必要を明確にして購買条件として供給者に伝えること(7.4.2項)、受け取る個々の製品がそれを満たしたものであるかどうかの合否判定を行うこと(7.4.3項)が必要である。明確にしなければならない購買条件としては、必要な購買製品の仕様と品質及び付帯仕様(7.1 a)項)が基本であり、加えて、必要なら供給者の業務実行方法、条件、さらには、検査や試験方法と合否判定基準が含まれる。組織は購買製品に応じて必要な範囲、詳しさで購買条件を明確にしなければならない。
   
(3) 組織は、供給者が組織の要求事項に従って製品を供給する能力を判断の根拠として、供給者を評価し、選定しなければならない。 [第2節 第1文]
  『組織の要求事項』は『購買要求事項』であり、購買製品に関する組織の必要であり、供給者に順守を課した購買条件(7.4.2項)のことである。組織が必要とする仕様と品質の購買製品を確実に受け取るためには、供給者はそのために組織が規定した購買条件を確実に満たすことができる業務管理能力を有していることが必要である。組織は、このような供給者を選定し、その供給者に購買製品を発注し、又は、取引を行わなければならない。
   
(4) 選定、評価及び再評価の基準を定めなければならない。 [第2節 第2文]
  94年版(4.6.2項)では『評価と選定』の必要のみが規定されていたが、00年版ではこれと共に『再評価』の必要が加えられた(22n)。これは、94年版が プロジェクト型機械工業を念頭に新規供給者の選定を重視していたのが、外注範囲の拡大の情勢や全業種業態を対象とする00年版の特質上、定常的な取引に目が向けられた結果であろう。また00年版は、これら評価や判断が、情報の データ分析に基づいた総合的なものでなければならない場合もあることを示唆している(8.4 d)項)。
 
  供給者の評価、選定は、組織が購買条件を満たした購買製品を確実に受け取ることが目的である。どのような点についてどのような情報を用いて評価し、どのような判断をし、どのような処置をするのかの基準を定めなければならない。評価や判断及びそれらの基準は、購買条件を逸脱した購買製品が組織の業務実行と最終製品に及ぼす悪影響に応じたものでなければならない。また、組織が購買製品や供給者の業務実行に及ぼすことのできる影響力の強さ、或いは、管理できる程度に応じたものでよい。
 
@ 選定、評価
   初めての発注に際して候補の供給者が組織の定める購買条件を満たす業務管理能力を有しているかどうかの『評価』は一般に、供給者の製品分野、これまでの他組織への製品供給実績、実績に関する市場の評価、設備や施設、要員、特定の技術など保有資源、公的資格保持を含む法規制順守の体制、及び、製品実現関連業務の管理体制などに基づく。 また、ISO9001規格の登録取得の有無、特定の事業認可、事業遂行に関して授与された表彰状なども組織の業務管理能力の判断の材料とすることができる。必要により、組織による事業場視察や監査の結果、特別な試験の結果、見本や試作品の評価の情報も使用される。
   
  候補供給者の製品供給に係わる業務管理能力の評価によって、購買条件を確実に満たす業務管理能力があり、従って、組織の必要を満たす製品が確実に供給されるであろうと判断される供給者を取引先として選定する。場合によっては、評価の過程で設備の改善や導入など供給者に不足する業務管理能力を補足する要求を行い、供給者がこれを受入れた結果で供給者として選定することもある。
   
  組織との力関係の如何を問わず、組織の管理の必要がない、或いは、軽くてよい供給者と取引することが、組織の購買管理にとっては合理的である。品質マネジメントの原則(131b)の『供給者との互恵関係』の追求とは、このことを指す。TC176指針(5c)は、購買条件を満たすという観点で信頼できる供給者であることを組織が見極めるために、とりわけ組織の管理の及ばない供給者である場合には必要により第三者の専門家に評価を依頼することも推奨している。ISO9001の認証登録証制度は、品質保証能力の観点でこのような信頼できる組織を識別するための制度である。
 
A 再評価
  『再評価』は、繰返し発注される購買製品について継続して所定の購買条件を満たす購買製品が供給されることを確実にすることが目的であり、供給者管理(上記(2)@)の一環である。これは必要な業務管理能力を持っているかどうかの初めて取引時の『評価』の繰り返しではなく、実際に必要な業務管理能力を持っているか、今後も維持されそうかを、評価、判断することであり(22n)、供給者の業務実績が基準となる。
 
  一般に、購買製品起因の顧客の苦情、不良購買製品(7.4.3項)、納期達成など供給者の業務実績の購買条件と期待に照らしての評価と、手順や要員、管理体制など購買条件(7.4.2項)の順守の実績を基礎とし、不良や異常に対する供給者の対応の迅速さ、損害拡大防止の有効性の評価や、購買条件を初め組織の必要や期待を満たすことに関する供給者の努力の実績の評価が含まれる。購買製品の不良や異常の評価は、組織や顧客で発生した購買製品起因の異常や事故のデータ、組織の受入検査のデータ、及び、供給者が行ない組織に報告された製品の検査結果のデータ などに基づく。
   
  『再評価』によって購買条件を満たす業務管理能力に問題が見出されれば、購買製品や供給者の業務実行に対する影響力の強さ、或いは、管理できる程度に応じて、供給者に問題指摘を行う。可能ならば、改善の要求や指導を行い、また、供給者に業務改善、問題の解決を要求し、更に購買条件の中の供給者の業務実行管理に対する組織の管理を強化するなどの処置をとる。この他の処置には、当該供給者に発注する購買製品の変更、発注量の増減、取引上の賞罰などがある。最終的手段として可能なら取引関係の変更となる。
   
(5) 評価の結果の記録、及び評価によって必要とされた処置があればその記録を維持しなければならない(4.2.4参照)。 [第2節 第2文]
  供給者の管理の実績の記録を維持しなければならない。この記録は、選定した供給者から予想外の不良や異常品が供給された場合の供給者選定や評価の基準と判断の見直しの基礎となる。 また、定期的再評価で過去の評価の記録を参照することは、供給者の業務管理能力を適切に、一貫性をもって評価するのに必要である。 更にこの記録は、中長期に供給者との関係を見直したり、供給者の評価の方式を見直したりするのにも使用される。
 
   
4. 購買管理の実務
(1) 購買管理の対象
  購買管理は必要な品質、数量、価格の購買製品を必要な時に受取ることを図る管理であるが、どのような購買製品も品質不良があってよいことはなく、必要時期を遅れて納入されてもよいということはないから、すべての購買製品が購買管理の対象となる。しかし、規格の規定する購買管理の要件は、購買製品が購買条件を満たさなかった場合に、組織の業務実行と最終製品が悪影響を受け、組織の狙いの顧客満足の実現の足を引っ張ることになるような重要な購買製品が対象である。
   
  一般に購買管理では、品質保証、環境保全、労働安全、生産性、コストなど経営管理上の各観点で組織の業績に重要な影響を持つ購買製品を対象とする。そのような購買製品と供給者に対して本項の購買管理の要件を適用することでよい。それ以外の購買製品の管理は、手順化されていなくともすべての要員が業務を行う上で当然に負うべき善管注意義務の中で不良購買製品を検出し、一般の異常処理手順に従って処理する。
 
  また、重要な購買製品であっても、購買製品の性質と組織内での用途によって不良購買製品を受け取る可能性やそれによる組織の業績への影響の大きさは異なるから、購買管理の程度や基準はすべての購買製品や供給者に一律では効率的ではない。管理の水準をいくつかに分け、必要で最小限の管理を適用することが大切である。
 
(2) 購買製品の管理の方式
   購買やアウトソースという用語で一本化されたが、購買様式には実態としては、供給者の仕様の製品を購入する従来の購買と、組織の仕様の製品を供給者に製品実現させる従来の外注との2種類がある。前者には購買製品の仕様を組織が決める場合と供給者の製品群から組織の必要に合致した仕様を選択する場合がある。この2種類の購買様式は、購買条件を満たす購買製品を確実に受け取るための購買製品と供給者の管理の観点から、基本的な違いがある。
   
@ 購買型購買製品の場合
  前者の場合は一般に、供給者の業務は組織から独立しており、その製品や業務に対する組織の知識や能力は全くないか、供給者より劣る。組織が供給者の業務を管理することは取引契約上でも組織の持っている業務能力上でも制約があり、又は、事実上不可能である。製品知識が乏しい組織には製品についてわかっている仕様しか指定できない。規格の表現に従うとでは、組織は7.2.1項のa)の仕様しか指定できず、製品として当然必要なb)〜d)の仕様を供給者に追加し補足してもらう必要がある。購買製品が購買条件を満たすことについては、組織は供給者の品質保証能力、業務管理能力に依存するのが合理的であり、致し方ないことである。
 
  購買型の場合の購買製品と供給者の管理は、適切な供給者を選定することに尽きる。個々の購買製品は供給者の品質保証の証、例えば検査票のあることを確認することで受け入れる。不良が検出された場合は苦情を申し立て、必要で意味があるなら再発防止対策を要求する。単一の供給者から購入しているなら定期評価は意味がないので行わない。供給者が複数なら供給者間の不良実績を比較する定期評価を行い、供給者に知らせて改善を競わせるか、発注量を調節する。
 
  なお、例えば部品や製品の熱処理、表面処理、各種機械加工など組織の製品実現業務の一部であるが、組織に設備や能力がないので専門業者に加工を委託している場合がある。これは一般には外注と見做されている。規格では『サービス』は サービス活動実行(規格では『サービスの提供』)の結果であり、製品の一種である。この場合、組織は素材を提供し、供給者がそれに加工という サービス活動を実行する。その結果の加工された状態が『サービス』という製品である。組織に加工業務やその結果の製品に関する知識も業務能力もないとすれば、組織は供給者の仕様の サービス製品を購入していることになる。すなわち、この種の外注は、サービス製品の購買と見做して購買製品と供給者を管理するのが合理的であり、効果的である。
 
  また、認証された専門機関に依頼する特別な試験や計測器の校正、一般向けの輸送や保管の業者の利用、機械の修理や電算機システムの保守の専門業者への依頼などの場合も、組織には業務能力がなく、組織の購買製品と供給者に対する管理は事実上不可能である。これらも一般には外注と見做されるが サービス製品の購買と位置づけるのが合理的である。
   
A 外注型購買製品の場合
  後者では供給者は組織の業務を代行しているに過ぎないから、購買製品が購買条件を満たすかどうかは組織が責任を持つ必要がある。組織は購買製品の知識とその製品実現業務能力の点で優位にあり、供給者は組織の支援なしに組織が要求する購買条件を満たすことができない。資本関係がなくとも、組織は供給者の業務方法について要求し指導し監督することができ、そうすることで購買条件を満たした購買製品を確実に受け取ることが可能となる。
   
  外注型の場合の購買製品と供給者の管理は、購買製品の重要度に応じて程度を変えて、規格の購買管理の要件に照らした購買製品と供給者の管理を行う。
 
(3) 特殊な供給者に対する評価
@ 非定常的購買や間歇的な購買
 プロジェクト型事業における外注、或いは、設備購入や大型改修工事などの場合は、以前に発注実績がある供給者であっても購買製品が異なるから、供給者の製品供給能力はその都度評価し、選定することが必要である。前回の評価結果や供給実績を業務管理能力の指標のひとつとして使用することはできる。このような一時的な供給者は定期評価をする意味がない。
 
A 組織の業務の一部を供給者が分担して組織と同じ事業所内で実行するような場合
  例えば梱包、試験、或いは、製品実現の特定の工程だけをそれぞれの供給者に委ねる場合は、新規の供給者選定の際の業務管理能力評価は大切であるが、以降の定期評価を行うことは意味がない。供給者の業務実績を把握し、供給者が異常や事故を発生させないよう、また、再発を防止するようにする管理は、相互の業務実行の中での日常的な情報交換と問題検討、報告や監督、指導の枠組みに従って行なわれなければならない。
 
B 組織内外注
  ISO9001認証制度の便宜上、例えば本社の購買や営業部門を当該品質マネジメントシステムの範囲外に置いて組織たる事業所はこれら部門の品質マネジメントシステムに係わる業務を当該部門に外注したとして扱うことがある。 この場合は、それぞれの業務は両者を包含する企業としての全体的なマネジメント業務の下にあり、部門の職場の所在地が異なってもそれぞれで企業の業務を分担しているに過ぎない。本社部門が事業所の必要とする業務結果を確実に出すようにするのは全体的なマネジメントの問題である。全体的なマネジメントの手はずでは、部門の責任権限に関する業務の出来ばえと他部門の業務や企業全体の業績とを調節する例えば、業務報告や定例会議等を通じた情報交換と問題対応の合意の枠組みは決まっている。外注としての本社部門の業務実行の管理はこの枠組みの中で行われている。初期評価も定期評価も意味がない。
 
(4) 供給者の評価方法と基準
   初期評価も定期評価も、供給者が購買条件を満たす購買製品を確実に供給できるかどうかを判断するために行う。従って供給者の評価は、不良購買製品の受取り防止に責任を持つ部門がその責任感で以て、不良購買製品を受け取ってしまって組織の業務や最終製品に支障を生じさせるようなことは起きないか、起きないことを確実にするためにどういう処置が必要かを検討し判断することでなければならない。評価の方法や基準は、この観点で決めるのが、効率的で効果的である。
   
  供給者の業務管理能力があるのかどうかを判断するのに、ひとつの指標で評価して判断できることは稀であり、一般に業務管理能力の様々な要素、或いは、業務管理能力を様々な観点から評価し、それら指標の様々な水準を総合的に判断することになる。評価項目を適切に決めることが大切であり、その実績をどのように表すかには、とりわけ、実績を数値化したり、細かい段階評価をすることに手間をかけるのは合理的ではない。初期評価も定期評価も供給者の過去や現在の能力を評価して優劣を決めることが目的ではなく、この供給者に頼っていて今後、顧客満足の実現など組織の業績の足を引っ張られることにならないかどうかを判断することが目的である。そのままで供給者を選定し又は取引を継続してもよいかどうか、或いは、どのような改善を要求しなければならないかの決定は、評価者の経験と責任感に基づく各指標の総合的評価から生み出される心証に依存するしかないのである。
 
 
 
H24.7.26(修H25.3.14: 他項と表現を調整)
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