ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
54 7.6項  監視機器及び測定機器の管理 実務の視点による
ISO9001:2000の解説(新版) 
35-02-54
[第1節]
 [第1文]  定められた要求事項に対する製品の適合性を実証するために、組織は、実施すべき監視及び測定を明確にしなければならない。
  [第2文]  また、そのために必要な監視機器及び測定機器を明確にしなければならない。
[第2節] 組織は、監視及び測定の要求事項との整合性を確保できる方法で監視及び測定が実施できることを確実にする プロセス を確立しなければならない。
[第3節]  組織は、測定値の正当性が保証されなければならない場合には、測定機器に関し、次の事項を満たさなければならない。
a) 定められた間隔又は使用前に・国際又は国家計量標準に トレーサブル な計量標準に照らして校正若しくは検証、又は、その両方を行う。そのような標準が存在しない場合には、校正又は検証に用いた基準を記録する。
b) 機器の調整をする、又は必要に応じて再調整する。
c) 校正の状態を明確にするために識別を行う。
d) 測定した結果が無効になるような操作ができないようにする。
e) 取扱い、保守、保管において、損傷及び劣化しないように保護する。
[第4節]
 [第1文]
 
さらに、測定機器が要求事項に適合していないことが判明した場合には、組織は、その測定機器でそれまでに測定した結果の妥当性を評価し、記録しなければならない。 
 [第2文] 組織は、その機器、及び、影響を受けた製品すべてに対して、適切な処置をとらなければならない。 
[第5節] 校正及び検証の結果の記録を維持しなければならない。
[第6節]
 [第1文]
 
規定要求事項にかかわる監視及び測定に コンピューター ソフトウェア を使う場合には、その コンピューター ソフトウェア によって意図した監視及び測定ができることを確認しなければならない。
 [第2文] この確認は、最初に使用するのに先立って実施しなければならない。
 [第3文] また,必要に応じて再確認しなければならない。 
 
   
1.要旨
  本項は、製品の合否判定のための情報を検知する監視測定活動で使用する計測器を含む監視測定用具が、必要な情報検知能力を有し、維持し、そのような監視測定用具が使われることを確実にする管理の必要と、そのための要件を規定している。
 
  組織は、製造及びサービス活動(7.5.1項)の一連の業務の結果の半製品や製品の合否判定を行うために必要な製品の監視測定の方法を決め(7.1 c)項)、それに必要な監視測定用具を用意しなければならない。監視測定用具はそれぞれの監視測定の必要を満たす機能、性能を持つものでなければならず、その機能、性能を維持するよう監視測定用具を管理しなければならない。監視測定用具が計測器である場合は、国際標準の計量確認手法に準拠したa)〜e)の機能、性能の維持管理を行わなければならない。また、不良計測器を用いて製品の合否判定を行ったことが事後に判明した場合は、それに起因する不良品が顧客に引渡され又は使用されないよう適切な処置をとらなければならない。
   
   
2.背景 及び 関連事項
2-1. 監視及び測定
(1) 監視測定
  規格の『監視及び測定』は、プロセスアプローチ/PDCAサイクルの“管理/C”に関連して情報を検知する活動である。TC176指針(6)では、「監視する(monitor)」を「見張ること、監督すること、監視下におくこと」「とりわけ規制や管理の目的で、一定の間隔で測定又は試験すること」と定義#34し、「測定する(measure)」を「物事の大きさや量を確定又は決定すること」「既知の大きさや容量の物体を利用し又は特定の単位に換算して(物事の大きさや量を)確定または決定すること」と定義#35している。 情報検知活動としての両者の態様の違いは、その言葉の通り、「監視」が長期に又は連続的に業務実行状況や製品の性状を見張ること、「測定」は業務実行状況や製品の性状を何らかの特性値として表すことである。
  
  この態様の違いは両者が検知する情報の性格の違いにも結びつく。すなわち、「監視」で検知する情報は、合否の判定にしか用いられない定性的、記述的な特性の情報であり、「測定」で検知する情報は合否判定基準からどの程度の違いがあるのかまで判断できる定量的な、指数化された情報である。しかし、規格のおいて特定の情報検知活動を「監視」か「測定」かを区別することが効果的な品質マネジメントの実行のために必要と考えられる規定は存在しない。実務的にも「監視」と「測定」は一体の活動である。従って、『監視及び測定』は「監視測定」と表現し、理解するのがよい。
    
(2) 特性
  規格では、物事はそれに固有の特徴である「特性」#26とその程度によって区別される。製品の性状や業務実行状況も、強度など機械的特性、温度などの物理的特性、電圧などの電気的特性、味覚のような感覚的特性、迅速さなど時間的特性、礼儀正しさなど行動的特性、最高運転速度など機能的特性等々、種々の特性の組み合わせで表すことができる。計測器による測定値が有する誤差、分解能、ばらつきなどは、測定値の特性である。
  
  各特性はそれぞれの実体に関係する適切な指標で表される。「監視」は特性の指標に関して合否の判定が可能な程度に表し、「測定」は「特性」の指標を特有の単位で表すことと考えるとよい。
    
     
2-2. 監視機器及び測定機器
  『監視機器及び測定機器(monitoring and measurement devices)』は、94年版(4.11)の『検査、測定及び試験装置(inspection, measuring and test equipment)』が、製造業に限らないすべての業種業態の製品の合否判定のための情報検知のために用いられるものという概念に拡大された用語である。すなわち、原文と規格の意図では広く情報検知手段としての「監視測定用具」を意味する$58。規格にはこの一部として『測定を行うのに必要な測定計器、ソフトウェア、計量標準、標準物質、付属装置又はそれらの組み合わせ』と定義#35される『測定機器(measuring equipment)』があるが、これは計量用語の「計測器」であり、94年版の『検査、測定及び試験装置』に相当する。
  
  なお、08年版ではISO14001との表現の整合を図るため、原文で“device”が“equipment”に変更された。これについて、米国の国内委員会(32)は、用語“measuring equipment”が“measuring instrument”を含み、この“instrument”が “device”を含み得るという結論になったと、苦しい説明している。つまり、00年版では“device(用具)”の一部が“measuring equipment(計測器)”であったが、08年版では“equipment”が「用具」の意味であり、この一部が“measuring equipment(計測器)”であるというように、用語の解釈を変えたということである。JIS和訳は 08年版でも変わっていないから、『監視機器及び測定機器』が「監視測定用具」、『測定機器』が「計測器」をそれぞれ意味することには変わりはない。
    
(1) 監視測定用具
  監視測定(8.2項)は情報検知の活動のことであり、情報を検知するのに必要なもの、使用するものが「監視測定用具」である。規格執筆者のひとり(22r)は、“device”について機器や装置(equipment)だけでなく「あらゆる用具と手はず(tools and arrangement)」を意味する広い概念であって、例えば アンケート調査票も含まれると説明している。ISO9004でも「監視測定」の活動には調査や シミュレーション が含まれると説明して(132L)、計測器ではない監視測定用具の存在を示唆している。TC176の商業本(20j)も“device”と“equipment”とが異なる概念であることを明確にしている。
    
  製品の合否判定のための情報を検知する監視測定用具には一般に、計測用語の「計測器」とソフトウェアを中心とする94年版の『検査、測定及び試験装置』の他、人の視覚、触覚、味覚、嗅覚、聴覚の五感、これを助ける監視カメラ、顕微鏡、拡大投影器、拡声器、画像への変換装置、或いは、画像解析やシミュレーション、演算などの ソフトウェア、或いは、抜取り検査のための チェックリストが含まれる。また、接客業では顧客に記入を求める アンケート調査票、一連の事務手続によって提供される無形のサービスで用いる実行すべき各手続きと確認項目を予め記した帳票、教育研修業では筆記試験の質問や問題、実技試験の採点表、自動車修理業の点検項目及び基準を定めた帳票が監視測定用具に相当する。
    
  計測器や人の五感その他は、業務実行の監視測定(8.2.3項)のための監視測定用具としても用いられる。この場合、業務実行管理や部下の業務の日常的指導監督のために必要な管理者の知識と経験、認知力や洞察力も監視測定用具である。
設備の機能性能を含む業務実行が定められた通りであることを監視測定するために用いられる点検表などのチェックリスト、管理図や品質特性推移図、内部監査(8.2.2項)のチェックリストも監視測定用具である。さらに、顧客満足の監視測定(8.2.1項)のためには、クレーム一覧表、顧客での製品使用成績推移図、市場分析書、供給者の業務能力の監視測定のためには、新規取引検討基準書や供給者実績管理表が監視測定用具として用いられる。
  
(2) 計測器
  規格では『測定機器(measuring equipment)』は『測定を行なうのに必要な測定計器、ソフトウェア、計量標準、標準物質又は補助装置、若しくは、それらの組合せ』と定義されている#36から、計測用語(146)では「計器、測定器、標準器などの総称」を意味する「計測器」がこれに相当する。
  
  「計測器」には、各種の測寸器、秤量器、分析機器、機械試験機、速度計、電流計、温度計、圧力計、超音波探傷器、X線投影器等々があり、また、型、治具、分度器、定規、隙間ゲージ等々がある。不審者侵入の監視カメラと映像判別装置や製造工程の監視のための操業実績を表示するコンピューター画面なども「計測器」の一部と理解できる。
    
     
2-3. 計量確認
(1) 計量確認
  「計測器」は一般に、使用によってその性能や機能を劣化させる。 計測器の機構上必然の自然の性能変化は、計測用語では「経年変化」と呼ばれ、これに対して計測器の機能や性能を使用目的に必要な水準に維持するために行なう活動は「計量確認」と呼ばれる。 ISO9001の条文にはこの用語は使われていないが、「測定機器が意図された使用のための要求事項に適合していることを確実にするのに必要な一連の作業」と定義し、一般に、校正又は検証、必要な調整又は修理、並びに、その後の再校正、再検証を含み、更に必要なら封印や標識をつけることも含まれると説明している#37。
  
  計測器の構造や機構、使用環境などによって経年変化の程度は異なるが、この程度は計測用語では「安定性」「無影響性」と呼ばれる。 ここに「経年変化」は長期の時間経過に伴って計測器の特性が変化することと定義され、「安定性」とはその変化の小さい程度を意味し、「無影響性」とはその変化が小さいことに関する計測器の能力を意味する(92)。天秤には無影響性があり、測定により自身を熱してしまう抵抗温度計には無影響性がない(92)。
  
  計測器の管理の方式としての「計量確認」では、その結果で当該計測器がその目的のために必要な水準の性能や機能を失っていると判断されることがあってはならない。計量確認は、そのようなことがないような長さの一定期間毎に、又は、使用頻度に応じた一定間隔毎で実施することが必要である。すなわち、計量確認の間隔は、計測器の「安定性」或いは「無影響性」の程度に応じたものとすることが必要である。
      
(2) 校正と検証
  計測用語で「校正」とは「計器又は測定系の示す値、若しくは、実量器又は標準物質の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業」であり(146)、当該計測器による測定値が真の値とどれ程ずれているかを明らかにすることである。 ここに「実量器」は分銅、枡、標準電気抵抗器、ブロックゲージ、標準信号発生器など、また、「標準物質」はpH標準液、元素標準液、標準ガスなどであり、個々の計測器の校正の基準として用いられる器具、物質である(146)。 計測用語では、測定値と真の値との差異は「誤差」であるから、校正は計測器の測定範囲にわたって測定値の誤差を明らかにすることであり、この誤差は校正係数、又は、校正曲線という形で表現される。 これらを用いて測定値を読み替え、又は、補正することにより、測定値は真の値となる。
     
  一方、計測用語の「検証」は「規定要求事項に合致していることを検査及び証拠提示によって確認すること」であり(147)、当該計測器の測定範囲、分解能、最大許容誤差#37、測定のばらつき(93a)などの性能が、計測器の使用目的の必要を満たしていることを証拠で明らかにすることである。この「検証」には、もし劣悪な環境で使用される計測器ならばその環境に耐え得る丈夫さをもっているかをも明らかにすることが含まれ、また、技術の進歩により開発されたより良い計測方法や計測器に置き換えることができないかを検討すること、仮に生産量に変動があれば従来の校正間隔が適切かも見直すことも含まれるとの説明もある(93a)。 「検証」の結果により、そのまま使用する、或いは、使用のために機能を回復させる、調整を行なう、修理する、格下げする、廃棄するなどの判断をすることになる(147)。
 
  計量確認における校正と検証の違いは基本的に、対象とする計測器に違いがあるのではなく、対象とする測定値の特性の違いである。 すなわち、校正は計測器の誤差の管理の手段であり、経年変化で拡がった誤差は校正によって元に戻すことができる。検証はこの他の測定値の特性の管理の手段であり、明らかにされた性能の劣化を修復するには、計測器を調整、修理、又は、新品と置き換えることが必要である。
   
(3) 校正と調整
  計測用語で「調整」は「計器をその状態に適した動作状態にする作業」のことであり(146)、「校正」や「検証」で明らかにされた誤差をなくし、又は、他の機能、性能の不備を修復、調節することである。 今日の国際的計量用語(92)では、「校正(calibration)」は当該計測器による測定値と真の値との差を明らかにするだけを意味し、「調整(adjustment)」は含まれない。この校正の定義は、00年版が引用していたISO10012-1(計測器の計量確認)でも同じであり、JISZ8103(計測用語)(146)でも「校正には計器を調節して誤差を修正することは含まない」と明記されている。
 
  調整機能を有する計測器では、校正の結果により計測器を調整して、必要な測定範囲にわたって示される測定値が真の値となるようにする。分析器や機械試験機ではこの機能を有していることが多い。調整機能を持たない計測器で、校正の結果による測定値を読み替えが困難な計測器の場合は、可能なら機能回復のための修理を行なうか、或いは、格下げ、廃却などの処置に供する。
   
(4) 校正と較正
  日本でも古くは、「較正」と表現されて、今日の「校正」により明らかになった誤差を修正する調整を行なうことが普通であったと言われる。 現在でも、電波法(102条18号)が無線設備の点検に用いる周波数計など7種の計測器の独立行政法人情報通信研究機構及び指定較正機関による較正の必要を規定しており、労働安全衛生法の作業環境測定基準(2条3項 1号)が屋内作業場の粉塵濃度を測定する測定機器の指定較正機関による較正の必要を規定している。 また、コンピューター や監視カメラ の表示装置である ディスプレー 或いはCRTは、経年変化によって表示される画像の輝度、色、歪みや画像のずれなどが生じる。これを調整することを表示較正(monitor calibration)と呼ぶとの説明(94)がある。
     
(5) 校正の種々の方式(148)
  校正は、詳しくは、「点検」と「修正」から構成されている。 すなわち、「点検」は校正された実量器や標準物質など測定標準に照らして測定値の真の値からの誤差を求める作業であり、「修正」は計測器の全測定範囲にわたる誤差を求めて校正係数や校正曲線として表す作業である。 一般に計測器の校正のやり方には、「点検」と「修正」の適用とそれらの結果によってとられる処置の違いで様々な態様が存在する。校正の方式は一般に4種類に区分できる。
 
  最も一般的な校正方式では、まず「点検」を行い、「点検」結果は予め定められた「修正限界」と比較され、当該計測器をそのままで使用を続けるか、「修正」を行なうか、又は、計測器を破棄するか、のいずれかの処置に付される。「修正」を行なった場合には、校正曲線で測定値を補正して計測器を使用するか、または、「調整」して計測器が真の値を示すようにして使用するかのいずれかである。 ある測寸器でその測定範囲の上下限に相当するブロックゲージを測定し、測定値の誤差が「修正限界」以内ならその測寸器の使用を継続し、「修正限界」外なら外部の校正機関に校正を依頼するというような場合は、この校正方式に相当する。 内部で「点検」せずに校正を校正機関に依頼する場合は、組織は「修正」済みの計測器を受け取ることになり、「修正」結果に基づいて、「修正」せずに使用するか、「修正」結果の校正曲線を用いて使用するか、「調整」するか、破棄するかの、いずれかの処置に付される。
 
  「点検」を行なわず、必ず「修正」して計測器の使用を継続するような校正方式もある。組織が校正機関に校正を依頼する場合は一般にこれに該当する。この方式は機械試験機など長期間使用される高価な計測器の場合にも一般に適用され、「修正」結果に基づく「調整」や修理が行なわれることも多い。 新品購入より「修正」や修理が高額な計測器に関してなど、定期的な「点検」だけで、そのままの使用継続か破棄かの処置に付する校正方式もある。 また、更に、無校正の校正方式と呼び、校正することなく計測器を使用し続け、一定期間後に破棄する方式も挙げられている。これは、計測器の誤差が例えば測定対象の製品の公差に比べて十分に小さいことがわかっている場合などに適用される。
   
   
2-4. 計量標準
(1) 計量標準
  校正は当該計測器による測定値と真の値との差を明確にする作業であるが、真の値を体現するのが計量標準、又は、測定標準であり、これは計測分野では単に標準と呼ばれることも多い。 これは具体的には例えば、1kgの質量標準器、100Ωの標準抵抗器、標準電流計、セシウム周波数標準器、標準水素電極、認証された濃度をもつ人間の血清中のコルティゾールの標準液のようなものである(92)。 日本の計量法(2条1項)は、「計量」を「物象の状態の量を計ること」とし、計量の基準となる「計量単位」として長さ、質量、時間、温度を初め、70種類以上を定めている。 また、同法は、これらを23区分に分けており、それぞれの計量標準の整備の必要を規定している。 この必要を満たすために、2010年までに物理標準250種類、化学標準250種類を整備する経産省の目標があるとされている(95)。
   
  計量標準には、真の値を体現するものであると国際的合意によって認められた国際計量標準、及び、国家的決定によって認められた国家計量標準がある。 ひとつの国際計量標準を世界で使い回しすることは不可能であるから、実際には、計量標準相互承認協定(MRA)によって、各国で整備される国家計量標準が同等であることを認め合っている。これにより各国の計量標準は国際比較によって同等性の程度が明らかにされ、国際計量標準との繋がりをもつことになる。
   
(2) 計量 トレーサビリティ
  国内各組織で使用される計測器の数は膨大であり、これらをひとつの国家計量標準と比較して校正することは出来ないから、国家計量標準を一次標準とし、これを基礎として当該量に関して校正された複数の二次標準が作製される。 更にこれを基礎として校正された実用標準とも呼ばれるより下位の標準が作製される。このような形で、計測器の計量確認のための校正の基準となる計量標準が多数作製され、運用されている。どの段階の計量標準の校正でも、結果は、校正曲線として表現される真の値との差、及び、計測用語(92)の「不確かさ」の形で表され、これを記述した校正証明書が発行される。ここに「不確かさ」とは、その真の値がその校正された値からずれている可能性があると考えられる範囲、つまり、校正曲線の確かさの程度のことである。
 
  このように、国家計量標準を基礎として二次標準を校正し、更にこれを基礎としてより下位の実用標準を次々と連鎖的に校正することによって、どの段階の実用標準も国家計量標準の体現する真の値との差及び確からしさが明瞭となる。このような計量標準の性質を「トレーサビリティ」と呼び、トレーサビリティ を有する計量標準は トレーサブル な計量標準であると表現される。
 
  国際計量基本用語集(92)では「トレーサビリティ」を、校正の連鎖によって当該計量標準が真の値を体現する国家計量標準に比較しての誤差が明確になっており、その校正曲線の真の値に対する「不確かさ」が明確になっていることであると説明している。このような計量標準を基礎として校正された計測器であれば、同じものを測定した場合の測定値はどの計測器で計測されても同等であり、そのものの真の値であると信じるに足る。
 
(3) 校正機関の認定制度
  組織で使用される計測器、及び、実用標準の校正が、国家計量標準に トレーサブル な計量標準を基礎として行なわれ 、当該計測器による測定値の信頼性を確保するために運用されているのが、校正機関の認定制度である。 校正機関は認定機関により、国家計量標準に対する トレーサビリティ を確保して校正事業を行なう能力を審査され、校正結果の信頼性にお墨付きを与えられる。 組織は、このような校正機関に校正を依頼することにより、使用する計測器と測定値の トレーサビリティ を確保することができる。
 
  日本では、H5年の改正計量法(8章)により、国家計量標準へのトレーサビリティを確立する校正事業者登録制度(JCSS)が開始された(96)。 この制度では(独)製品評価技術基盤機構 認定センター(IA Japan)が認定機関となって、「指定校正機関」を認定し登録している。 登録された校正機関は、その発行する校正証明書にJCSSマーク の使用が認められ、この マーク付の校正証明書は当該計測器が国家計量標準と繋がっていることの公式の証明となる。
 
  国際的には、適合性評価機関を認定する機関に関する規格(ISO1/IEC17011)、及び、校正機関に必要な能力(ISO/IEC17025)に関する要件を規定する規格がある。 日本では日本適合性認定協会(JAB)がISO/IEC17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に適合する校正機関を認定し、JABマーク の使用を許可している。 JCSS制度の場合の認定基準も同じISO/IEC17025であるから、校正機関が使用する認定マーク は異なっても、認定された校正機関の計量トレーサビリティ確保に関する能力の証明であるという点では同じである。
 
  また、計測値及び校正証明書の国際的信頼性の確立のために、世界の試験所及び校正機関の認定機関の団体である国際試験所認定協力(ILAC)の下に、各認定機関が署名した相互承認協定があり(97)、日本の両認定機関もこれに加盟している。 相互承認協定に署名した認定機関に認定された校正機関は、それぞれの認定機関のマーク に加えて、その校正証明書にILAC-MRAマークを付すことができる。 この校正証明書は、計量標準相互承認協定とあいまって、計測器や計測値の国際計量標準への トレーサビリティ を保証するものとして、国際的に受け入れられる。 この国際的な計量管理の枠組みにより、他国の製品の大きさや重さを初め機能や性能に係わる測定値が製品に添付の検査票の記録の通りに信頼できるものとなり、輸入国で再度計測する必要もない。
   
 
3.規格要求事項の真意  
  規格は、 94年版(4.10, 4.11)で『検査・試験』と呼ばれていた製品の合否判定の活動は、00年版では『製品の監視及び測定』(8.2.4項)により検知した製品情報たる製品の特性が『製品実現の計画』(7.1項)で決められた『製品に対する品質目標と要求事項』(同 a)項)を満たしていることを実証する「適合性判定」の活動である。そして、『検査・試験』に用いる『検査、測定及び試験装置』は、00年版では「適合性判定」のために製品情報を検知する監視測定の活動に用いる仕掛け、手段、用具という意味の「監視測定用具」となった。「監視測定用具」とは例えば、計測器やその他の装置、機具、ソフトウェア、人の五感、チェックリスト、アンケート調査票、筆記試験の問題などである。ここにJIS和訳では「適合性判定」は『検証』であり$47、「監視測定用具」は『監視機器及び測定機器』である$58。
    
  いずれも製造業中心の製品検査の概念を全業種業態に適用できるように拡大したことに伴う用語と表現の変更である。結果として94年版の『検査、測定及び試験装置』は「計測器」と呼び変えられ、「監視測定用具」の一部であることになった#13。「計測器」のJIS和訳は『測定機器』である。
    
  本項は94年版(4.11)の『検査、測定及び試験装置の管理』の規定を、拡大された概念である「監視測定用具」の管理に適用できるように汎用的な表現で書き直されたものである。従って「計測器」に限定される要件については趣旨も表現も94年版から基本的に変化していないが、表現がかなり簡素化されている。
    
  規格では監視測定用具は「資源」であり、その管理の方法は「手順」である。 監視測定用具の内の計測器など物理的な用具や コンピューターソフトウェア は『製品要求事項への適合を達成するために必要な インフラストラクチャー』(6.3項)のひとつであり、監視測定用具としての人の五感は『製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員に必要な力量』(6.2項)の要素のひとつである。 調査票や点検チェックシートのような監視測定用具は『文書』(4.2.3項)、『記録』(4.2.2項)である。本項は、これら各種の資源のそれぞれの管理の要件に加えて監視測定用具であるが故に特別に必要となる追加的管理を明示的に規定していると受け止めるのがよい。
    
  また、本項は『製品の適合性の実証』のための「監視測定用具」を対象としている。これには製品の合否判定のための製品の特性の直接的に監視測定する『製品の監視及び測定』(8.2.4項)だけでなく、『プロセスの妥当性確認』 (7.5.2項)のためなど製品特性を推定するために業務実行状況を監視測定する『プロセスの監視及び測定』(8.2.3項)のための用具も含まれる。
    
  本項の規定上では、製品の特性とは直接関係しない設備の動作を決め又は管理するための例えば電流計や回転計、始業前点検チェックリストなどの『プロセスの監視及び測定』 (8.2.3項)のための監視測定用具の管理は対象外となっている。これは、それらの監視測定用具には本項の規定の管理が不必要ということではなく、本項が94年版(4.11)の『検査、測定及び試験装置』を引き継いだものであることための規定表現上の問題に過ぎない。規格は、そのような監視測定用具も例えば物的資源としては『インフラストラクチャーを維持しなければならない』と機能や性能の維持の管理 (6.3.4項)が必要と明確にしており、監視測定用具である限りはその方法論としての本項の要件を満たさずしては実務的に規格の意図の『インフラストラクチャーを維持しなければならない』を満たしたことにならない。概念的には『プロセスの監視及び測定』(8.2.3項)に含まれるが規格では別の条項として規定している『顧客満足の監視測定』(8.2.1項)、『内部監査』(8.2.2項)や『データ分析』(8.4項)のための監視測定、供給者の能力の監視測定(7.4.1項)のための監視測定用具についても同様である。
    
  不良品を顧客に引渡すことを防ぐために組織は、製品の合否判定に必要な情報を検知する監視測定活動とそのために使用する計測器を含む監視測定用具を決め、定められた監視測定用具が間違いなく使用され、また、それら監視測定用具が必要な情報を検知できる能力を有しており、その継続的な使用による損傷や劣化によっても能力を必要な水準に維持するように、それぞれの監視測定用具を管理しなければならない。 組織は、品質マネジメントシステムの計画 (5.4.2項)の一環として、必要な監視測定用具の特定、選定、使用、能力の維持の手はずを整えなければならず、この手はずに則って監視測定用具を管理しなければならない。
   
(1) 定められた要求事項に対する製品の適合性を実証するために、組織は、実施すべき監視及び測定を明確にしなければならない。 [第1節 第1文]
  また、そのために必要な監視機器及び測定機器を明確にしなければならない。 [第1節 第2文]
  JIS和訳では2つの文に分かれているが、原文は主語も動詞もひとつで2つの目的語が“and”で繋がれているひとつの文である。『監視機器及び測定機器』は監視測定用具の意味であり$58、『明確にする』は「決定する」である$6から、条文は「実行すべき監視測定活動と必要な監視測定用具を決めなければならない」である。このことは94年版(4.11.2)では「行うべき計測活動と必要な測定精度を決めなければならない」と表現されていた。
 
  本項の「決めなければならない」というのは、事業体制の確立たる品質マネジメントシステムの計画(4.5.2項)の一環として決めて、必要な監視測定用具を用意しなければならないという意味である。製品実現の計画 (7.1項)の『その製品のための検証、妥当性確認、監視、測定、検査及び試験活動』(同 c)項)の決定は、この用意した監視測定用具から個々の製品毎に適当な監視測定用具を選んで指定することに関係する。
 
  製品の監視測定活動が必要なのは『定められた要求事項への製品の適合性の証拠を示す』ためである。ここに『定められた要求事項』は00年版では「7.2.1参照」が付されていたから、組織の狙いの顧客満足を実現ように定めた製品の仕様と品質の必要条件たる「製品関連要件」のことであり、これは『製品に対する品質目標及び要求事項』(7.2.1 a)項)に展開される。また、これに対する『製品の適合性の証拠を示す』とは、これに基づいて『製品要求事項が満たされていることを検証する』こととも表現される(8.2.4項)。つまり、00年版では94年版の合否判定を意味していた『検査・試験』のことを、監視測定活動による情報採取とそれを客観的証拠として用いての「適合性判定」たる『検証』と2段階の活動として表している。
 
  さらに、「必要な監視測定用具」とは、それぞれの製品の合否判定のために必要な種類や程度の情報を検知する能力を持っている監視測定用具を指す。
 
  この場合の「製品」は7章の各条項に関連するすべての製品であり、設計された製品、製造又はサービス提供で生み出される最終製品、中間工程の半製品、最終製品に組み込まれる部品、半製品、原料、資材など購買製品、更には、保管中又は輸送中の製品 、引渡し後活動で使用される製品や半製品、部品なども含まれる。 また、事業目的の製品ではなくとも、組織が意図した顧客満足に関係するサービスなど関連する活動(7.2.3項)の結果も本項対象の「製品」である。
 
  組織は、所定の仕様と品質の製品を顧客に引渡すことを確実にするために、製品実現の工程のどの段階のどの製品に関して合否判定活動が必要か、及び、それら合否判定活動にどのような製品或いは業務実行の特性を検知する必要があるか、そのためにどのような監視測定用具を使用するのかを、製品実現の計画 (7.1項)において決めなければならない。
 
(2) 組織は、監視及び測定の要求事項との整合性を確保できる方法で監視及び測定が実施できることを確実にする プロセス を確立しなければならない。 [第2節]
  品質マネジメントが必要な顧客満足を確実に実現する真に効果的なものであるためには、組織の狙いの顧客満足が 『監視及び測定の要求事項』はこの場合は「監視測定活動の必要」と受け止めるのがよい$1-2-5。『方法』は“in a manner”であり「〜の形で」がよい。また、『プロセスを確立する』は本項の他の3ケ所でも用いられている表現であるが、文脈から「業務の手はずを整える」の意味である。さらに、JISは英文の“and”で繋がれた2つの文節の片方を省略しており$59、これを修正して規格の意図に沿って英文を和訳すると、「組織は、監視測定活動を行うことができ、かつ、監視測定活動の必要と合致する形で行うことを確実にする業務の手はずを整えなければならない」である。
 
   このことは、94年版では00年版の「計測器」に相当する検査、測定及び試験装置を対象として「必要な測定精度と精密度が可能な検査、測定及び試験装置を選定しなければならない」「測定の不確かさが分かっていて、それが必要な測定能力と合致することを確実にする形で使用しなければならない」と表現されていた。00年版では対象が「計測器」だけではなく感覚的、抽象的な特性を監視測定する用具や非物理的測定手段を含む様々な種類の情報検知用具に拡がったために表現が一般化されたものであり、趣旨は変わらない。
 
  製品の合否判定に供される製品又は業務実行の特性の情報は、不良品を間違って合格と判定することのない程度に適当で正確で精密なものでなければならない。この情報を検知するための監視測定用具は、その必要な情報を必要な程度で検出できる能力を有するものでなければならない。すなわち条文の趣旨は、前記(1)のどこでどのような合否判定を行い、どのような監視測定用具を使用するのかの決定に対して、そのような監視測定用具を用いて監視測定活動が行われることを確実にするように監視測定用具の管理を使用しなければならないということである。このことを、94年版も00年版も監視測定用具の用意と使用の2種の管理の形で規定している(21ad)。
 
   実務的には、@必要な情報検知能力を持った監視測定用具を用意する管理と、A必要な監視測定用具が間違いなく各監視測定活動に使用されるようにする管理と、B使用される各監視測定用具がその必要な情報検知能力を持っていることを確実にする管理とが必要になる。監視測定用具の管理のプロセスアプローチ/PDCAサイクルでは@は計画/Pであり、Aは履行/D、Bは管理/Cである。
 
@ 必要な能力を持った監視測定用具を特定、選定する
  どのような監視測定用具を使用するかは、検知すべき情報の種類、監視測定活動の方式、また、定められている製品合否判定基準(7.1 c)項) など監視測定活動の必要に基づき、実務的には更に、監視測定の技術進歩や監視測定用具と監視測定活動に掛かる費用など諸要素を勘案して決められる。製品品質への顧客の要求が厳格化する状況の中で、製品の合否判定の精度を如何に高めるかは多くの組織が重要な課題と認識し、監視測定の方式や監視測定用具の改善を図っている。 組織は製品の合否判定に必要な情報を必要な程度に検知できる能力の監視測定用具を選定することが必要である。
 
  94年版(4.11.2 a))では「必要な正確さと精度をもつ適当な検査、測定及び試験装置を選定すること」と表現され、選定の判断基準は単純で明快であった。 00年版では、必要な情報が人の五感で検知可能か或いは計測器が必要か、情報の読取りと処理が人の頭脳や五感で可能か或いは自動読取りや情報処理が必要か、製品の部分的又は間歇的な情報検出を行なうのか或いは全面的情報の検出が必要か、など監視測定用具の決定に係わる判断要素は多岐にわたるべきことが明確にされた。
 
  必要な情報検知能力とは監視測定用具の機能や性能の程度、方式や方法の程度に関係し、例えば計測器では精度や不確かさ、分解能、監視画像装置では輝度、色、画像のずれ、人の五感では識別能力、調査表では調査項目と内容、ソフトウェアでは処理時間や出力内容等の程度で表される。
 
A 必要な監視測定用具を使用する
  監視測定活動では、選定された所定の監視測定用具が間違いなく、かつ、必要な能力を発揮させて使用されるように管理しなければならない。
 
  このためには、各監視測定用具は、どの監視測定活動に使われるよう意図されているのかが明確にされていなければならず、使用者など関係者が所定の監視測定用具であるかどうかがが見分けられるようになっていることが必要である。 これに関して94年版(4.11.2 c))では、校正に関連して計測器を識別し配置場所を明確にすることが規定されていたが、00年版では具体的な要件は規定されていない。
 
  また、各監視測定用具は間違いなく必要な情報が必要な程度で検知されるように、使用の手順を明確にしておかなければならない。顧客の要求であるか又は試験方法や試験装置に関する工業規格によって監視測定用具の使用基準が定められている場合には、それらに準じた使用手順でなければならない。
 
  監視測定用具の正しい使用のための管理の方式と程度は、誤った使用が生ずる可能性や誤った使用による情報の必要な正確さへ悪影響の程度などを勘案した、各監視測定用具に必要、十分なものとすることが大切である。
 
B 監視測定用具の必要な能力を維持する
  多くの監視測定用具は、繰返し又は継続して使用されることによってその情報検知能力が変化、劣化し、放置すると必要な所定の水準を下回ることにもなる。このような監視測定用具の使用に伴う能力の劣化には一般に、大別して2種類の原因があり、ひとつは誤った使用や不注意、事故などで監視測定用具を損傷し又は能力を劣化させることであり、もうひとつは、能力の自然の、一定速度で進行する計測用語の「経年変化」である。
 
  組織は、使用中の監視測定用具の能力が所定の水準を維持しており、従って検知した情報が必要な程度に適当で正しいものであることを確実にするために、この2種類の原因に対応して監視測定用具の能力の維持を計る管理の手順を確立し、実行しなければならない。
 
  誤った使用や不注意、事故などによる能力劣化に関しては、日常業務管理の一環(8.2.3項)として、生じた、又は、生じたかもしれない支障を早期に発見し、修理や廃棄など適切な処理をすることにより、不良な監視測定用具が使用されないことを確実にしなければならない。実務では一般に、支障の早期発見の方法として、その予想される原因に対応して、損傷や劣化のありそうな点に関して、使用前又は使用中の監視測定用具の点検などの日常的な監視測定の活動を確立することで対応している。
 
  多くの監視測定用具は、自然の摩耗やガタ、ずれ、変形、変位、汚染、化学変化によって情報検知能力が変化し、劣化する。この管理について、計測器の場合は計量確認という管理が下記(3)に、電算機ソフトウェアの場合の管理は下記(11)にそれぞれ規定されている。例えば人の五感を監視測定用具とする場合には一般に、時の経過による要員の肉体的能力の変化に伴う識別能力の低下や要員間の判断基準のばらつきの拡大という問題があり、この防止を図る検査員の定期的教育訓練が行われることも多い。色彩見本や欠陥限界見本などの監視測定用具では作製時点を明確にし、色あせや汚染、錆の発生を管理し、適宜更新する。
 
  なお、計測器以外の監視測定用具の情報検知能力の維持のための管理の方法を決める際には、計量確認とその関連する処置の規定(下記(3)〜(9))を参照するのがよい。例えば、上記の検査員の定期教育は(4)の校正と(5)の調整、色彩見本の管理は(4)の検証と(5)の調整、(6)の校正の状態の識別可能化から、それぞれ想起される処置である。(7)の所定外の調整の防止に関連しては、監視カメラの方向や画面の明るさの変更、顕微鏡の適用レンズの変更、点検チェックシートの項目の変更、監視測定用コンピュータープグラム や設定値の改変等々が責任者の承認の下に行なわれる手順の必要が想起させられる。(8)の損傷劣化の防止や(9)の異常な監視測定用具を使ってしまった場合の製品の評価と始末の必要、(9)の記録の必要は、すべての監視測定用具について考慮されなければならない。
 
(3) 測定値の正当性が保証されなければならない場合には、測定機器に関し、次の事項を満たさなければならない。 [第3節]
  品質マネジメントが必要な顧客満足を確実に実現する真に効果的なものであるためには、組織の狙いの顧客満足が この『測定機器』は英文では00年版、08年版共に“measuring equipment”であり、これは規格では、測定のために使用される計器、ソフトウェア、校正のために使用される標準器、標準物質、及び、その他補助装置も含まれる#36と定義されているから、計測用語の「計測器」のことである。
 
   また、『測定値の正当性』は正しくは「正しい測定結果」であり$46-3、『〜が保証されなければならない場合には』も英文解釈を誤っており、正しくは「〜を確実に得るために必要な場合には」であり$60。条文は「それが正しい測定結果を確実に得るために必要な場合には、計測器は〜されなければならない」である。「それが」「〜」はa)〜e)の各項を指す。「計測器は〜されなければならない」が『測定機器に関し、次の事項を満たさなければならない。』と和訳されているのは、規格の他の箇条書きで書かれた要件についての和訳の様式に従った日本語表現である。
 
  計測器の中には、使用を繰返し或いは続けることによって機能や性能が一定速度で緩やかに経年変化するものがあり、計測分野ではこのような計測器の機能や性能の劣化を管理する「計量確認」と呼ばれる管理の方法が確立している。 00年版ではこの計量確認と必要な関連する処置をa)〜e) 項として規定している。これは94年版の4.11.2項の b)、c)、d)、e)、h)の各項のそれぞれを踏襲している。
 
  規格はこの計量確認の目的を「正しい測定結果」を得るためと規定している。これは英文の意図では「論拠があって正しい測定結果」という意味であり$46-3、計測器の機能や性能の経年変化が把握され管理されているが故に、その測定結果が意図した通りの精度や不確かさの測定値であると判断することに論理的根拠があり、その観点から「正しい測定結果」であるという意味である。「正しい測定結果」といっても必ずしも真の値との差異が小さいということではなく、意図した必要な精度や不確かさの水準を満たす、つまり、監視測定の必要を満たすという観点で「正しい」ということである。
 
  計測器の種類、構造や機構、使われ方や使用環境は様々で、経年変化の生じる程度も様々であり、必要な測定値の精度や不確かさも様々である。 経年変化の管理のためにすべての計測器に計量確認上の処置を適用する必要があるという訳ではなく、計測器によっては他の効果的な管理の方法があることも多い。 また、計量確認を適用するとしても、そのすべての処置が必要であるとも限らない。94年版では明示的な規定はなかったが、00年版では「〜に必要な場合には」と明記されており、a)〜e) 項に示す計量確認上の各処置のいずれかが所定の精度や不確かさの測定値を間違いなく得るために必要なら、その必要な処置を適用しなければならないということである。
 
  組織が、計測器の使用による経年変化を管理し所定の正しい測定値が常に得られることを確実にするために必要な場合には、次のa)〜e)項に規定される計量確認上の各処置の中の必要な処置を適用しなければならない。
 
(4) 定められた間隔又は使用前に・国際又は国家計量標準に トレーサブル な計量標準に照らして校正若しくは検証、又は、その両方を行う。そのような標準が存在しない場合には、校正又は検証に用いた基準を記録する。 [ a)項]
  品質マネジメントが必要な顧客満足を確実に実現する真に効果的なものであるためには、組織の狙いの顧客満足が 『校正』は、計測器の必要な測定範囲にわたって、測定値と真の値との差、つまり、誤差を明らかにする作業である。初めに「点検」によって「校正」の要否を判定し、実行した「校正」の結果は校正係数又は校正曲線で表される。この誤差が監視測定に必要な水準より十分小さければ、計測器は元通りの目盛りや指示値のまま使用できる。経年変化で誤差が大きくなり、測定値をそのまま使用しては製品や工程実行の合否判定を誤らせる可能性があるなら、測定値は校正係数又は校正曲線に基づいて真の値に読み替えることが必要である。この場合には、校正曲線を計測器に添付し、又は、校正表を作成して計測器に添付するのが普通である(98)。 調整機能を有する計測器の場合は、下記(5)の「調整」により測定値が真の値となるようにして使用することができる。
 
  この『検証』は計測用語であり、誤差以外の測定値の特性の水準が監視測定の必要を満たしていることを確実にするために、これを「検査及び証拠提示によって確認する」ことである(147a)。 誤差以外の測定値の特性には、例えば、測定範囲、分解能、最大許容誤差、測定値のばらつきがあり、使用環境への耐性も含まれる(93)。 検証の結果、測定値が必要な条件を満たしていないこと、或いは、次の検証までに問題が生じそうなら、この計測器に関して、機能を回復させる、調整する、修理する、又は、格下げする、廃棄するなどの処置をとらなければならない。
 
  組織は、計測器の必要な機能や性能を維持するために、校正と検証の手はずを整え、手はずに則った計測器の管理によって正しい測定値を常に得ることができるようにしなければならない。このことは94年版(4.11 c))では「装置の種類、識別のための唯一無二の方法、使用場所、点検頻度、点検方法、合否判定基準、不合格の場合の処置を含む、校正の手順を明確にしておかなければならない」と表現されていた。計測器の校正と検証の手順には、対象の計測器と測定値毎に、校正と検証の方式、点検又は校正と検証の頻度、校正要否判断基準(修正限界)、検証の基準、及び、校正や検証の結果に基づく計測器の処置の基準が含まれていなければならない。 また、それら手順は次の@ABの要件を満たさなければならない。
 
  なお、08年版では記述が00年の「校正又は検証」から「校正若しくは検証、又はその両方」と変更されたが、条文の意図には変わりはない。
 
@ 定められた間隔又は使用前に
  初めて使用する計測器、或いは、前回使用から著しく長く使用されなかった計測器の場合は、その使用の前に校正、「検証」することが必要である。 新品の計測器を使用開始する場合には普通は、製品に添付される製造者の保証書、検査証明書や計測器の検定証印や形式承認に係わる表示を確かめることで済ますことができる。
 
  校正と検証は「正しい測定結果」を確保することが目的であるから、計測器の継続使用期間内の校正や検証によって「正しい測定結果」が得られていないという状況が判明することがあってはならない。校正や検証は、計測器の機能、性能が所定の水準を越えて劣化する前に行なうことが必要であり、校正や検証の間隔は計測器の劣化の速度に応じたものとすることが必要である。
 
  実務的には鋼製巻尺、直尺、定規、分銅、標準器としてのブロックゲージや標準物質など実質的に経年変化はないと見做される計測器も多く、また、例えば形状測定用治具、隙間ゲージ、角度ゲージ、ノギスなどの計測器は、使用による摩耗で必然的に誤差やばらつきが拡大するが、これを校正して使用することは必ずしも実務的ではない。 経年変化しても、監視測定が必要とする精度や不確かさに比べて十分に小さい場合もある。
 
  校正や検証の間隔の決定には、監視測定の必要に計測器の性能の余裕度や、万一測定値に問題があることが判明した場合の影響の深刻さをも勘案することが必要であり、間隔は計測器毎に定めなければならない。 また、校正や検証には費用が必要であるから、計測の性能維持が可能な出来る限り長い間隔を選ぶことが大切である。校正や検証は、不良品を合格品と誤って判断するのを防ぐのに必要で十分な程度の範囲で、方法、方式、頻度で行なうことが大切である。
 
  計量法が取引又は証明に使用され一般消費者の用に供されるとして定める計測器は「特定計量器」と呼ばれるが、これら計測器は指定定期検査機関から定期検査を受けなければならない。
 
A 国際又は国家計量標準に トレーサブル な計量標準に照らして
  校正は、計測器による測定値を真の値に一致させるために行なわれる。真の値は国際計量標準に体現されている。各国ではこれに準拠した国家計量標準が定められ、これを基礎に標準器や標準物質が定められている。 校正事業者はこれによって校正された二次標準器を用いて組織の計測器を校正する。例えば国際的に認められる正しい測定値であることが必要な場合には、組織の計測器の校正は、このような枠組みで管理される計量標準を用いて行なわれる必要がある。
 
  日本では、計量法に基づく計量法認定事業者制度(JSCC)とJABによる校正機関認定制度がある(96)(147)。これら校正機関の行なう校正は国際計量標準に繋がる計量標準を使用して行なわれ、校正結果として示される校正曲線は、国際計量標準な体現する真の値に繋がっている。これら校正機関の発行する校正証明書にはJSCCマーク、JABマーク、ILAC-MRAマークは、これを証明するものとして国際的に認められる。
 
  また、計量法は取引又は証明に使用され一般消費者の用に供される計測器を「特定計量器」として定めている。これら計測器については、国家標準とのトレーサビリティリの確保のための形式承認の制度があり、そのような製品であることが検定証印又は指定製造業者のまたは検査証印が付されている。校正はJCSS登録校正事業者によって行なわれなければならない。
 
  プロックゲージなど校正された三次標準器を用いて組織が自身で計測器を校正することもある。また、標準物質は委託業者を通じて市場に供給され、組織はこれを用いて分析機器の校正を行なう。更に、熱膨張率に関する標準片や機械的強度に関する試験片などの形で計量標準が市場に供給されるものもあり、組織はこれを用いて該当計測器の校正を行なうことができる。しかし、これは上記の国際的計量確認の枠組みでは「トレーサブル な校正」とは認められず、校正を行うかどうかの判断のための「点検」として扱われる。
 
B 国際又は国家計量標準にトレース可能な計量標準が存在しない場合には、校正又は検証に用いた基準を記録する。
  『基準』は“basis”の和訳であり、根拠、基盤の意味である。ここでは、それでよいとする根拠を基に、どのような計量標準を使ってどのような方法で校正又は検証するのか決めて、文書化することと受け止めるのがよい。
 
  組織が自製するものなど、JSCC制度などの下の校正が受けられない計測器で、校正や検証が必要な場合は、その手はずを明確にし、文書化して、それに則って校正や検証を行わなければならない。
 
  なお、JSCCの下での国家計量標準が整備されていない場合には、JSCCを担う計量標準総合センター(NMIJ)が一般組織の計測器を直接校正するサービスを行なっている(95)。また、JSCC制度の制定前の一般組織がその標準器を電子総合技術研究所、日本電気計器検定所、日本品質保証機構に校正を依頼していた枠組みが、JSCC校正の費用の高さなどが理由で今日も利用され続けている(93b)。
   
(5) 機器の調整をする、又は必要に応じて再調整する。
[ b)項]
  品質マネジメントが必要な顧客満足を確実に実現する真に効果的なものであるためには、組織の狙いの顧客満足が ISO9001規格の計測関連用語はISO10012(計測マネジメントシステム-測定プロセス及び測定機器の要求事項)に則っており、「校正」は計測器の示す測定値と標準器の示す真の値との差異を明らかにする活動であり、計測器がこの真の値を示すように計測器の検出機構や表示機構を物理的に修正することを意味する「調整」の活動を含まない。校正のこのような定義はJISZ8103(計測用語)(146)、VIM(国際計量基本用語集)(92)でも同じである。
    
  校正で誤差が所定の校正基準の誤差を超えること、かつ、「正しい測定値」であるために必要な誤差の限界以内であることがわかった場合には一般には、校正曲線による測定値の読み替えをして計測器を引き続き使用する。しかし、校正曲線で測定値を読み替えるのが面倒で、計測器が調整機能を有する場合には、測定値が真の値となるように計測器の目盛り或いは指示値を調整することもある。調整を行なうかどうかは、測定値の読み替えの手間と調整の費用とを勘案しての判断である。例えば直尺やノギスのように調整機構を有しない計測器も多い。
      
  「再調整」は、一旦調整した計測器を再校正しでなお誤差があった場合に再度行なう調整の作業のことであるとする解釈と、以前の校正で調整したことのある計測器を再び調整することであるとする解釈があり得る。前者であれば「調整、又は、調整及び再調整する」と表現されるべきと考えると、条文は「調整又は再調整する」であるであるから後者の意味と受けとめることができる。 ただし、実務上はどちらの解釈でも変わりはない。
      
(6) 校正の状態を明確にするために識別を行う。 [ c)項]
  08年版記述方針に則って(39a)英文が“be identified”から“have identification”に、JIS和訳が『識別をする』から『識別を行なう』に変えられたが、原文の意図はいずれの場合も「見分けることができるようにする」という意味である$14。 また、『明確にする』は「特定する」の意味である$6から、原文は「計測器の校正の状態がわかるようにする」である。94年版(4.11 d))では「校正の状態を示す適当な指標又は承認された記録で以て、検査、測定及び試験装置を見分けられるようにする」と表現されていた。なお、条文では明記されていないが、この『校正』は『校正又は検証』と読むのが実務的である。
 
  「正しい測定結果」を確保するために所定の間隔で所定の校正が行なわれること、また、所定の校正が行なわれていない不確かな計測器が使われることのないことを確実にするためには、各計測器の『校正の状態』をわかるようにしておくことが必要である。『校正の状態』とは、現在の校正がいつまで有効か、次の校正はいつまでに行なわなければならないかである。この他に、例えば有効な特定の測定範囲、測定環境条件など校正結果に係わる制限事項又は使用制限も含まれていなければならないこともある(99a)。
 
  一般には各計測器にこれら必要な校正の状態を明示した表示、例えばラベル貼付、或いは、台帳でわかるようにする。校正が不要の計測器は、そうであることがわかるようにしておくのもよい。
 
(7) 測定した結果が無効になるような操作ができないようにする。 [ d)項]
  品質マネジメントが必要な顧客満足を確実に実現する真に効果的なものであるためには、組織の狙いの顧客満足が 『無効になる』は“invalidate(無効にする)”であり、“valid results(正しい測定結果)”をそうでないようにするという意味である。『操作』は“adjustments”であり、上記(5)の『調整』のことである。『できないようにする』は“be safeguarded”であり、「防護する」である。条文の意図は「正しい測定結果でなくなるような調整から守る」である。
 
  調整可能な機構を有する計測器については、所定の責任者以外の者が勝手に、或いは、不用意に又は不注意によって目盛り或いは指示値の調整を行なってしまったというようなことを防止するために、調整機構を防護する処置が施されていることが必要である。 この処置は計量確認用語では「いじり防止」であり、封印、シールテープ、合わせねじ、防護蓋などが一般的である (99b)。 使用開始、又は、校正や検証の結果に基づいて計測器を調整した場合は、その調整機構に対して所定の「いじり防止」の処置を施さなければならない。 上記(2)Bの計測器の能力維持の管理の手順には、使用前や始業前点検で「いじり防止」のが適切に施されていること、又は、それらが損傷していたり、解除された形跡がないかどうかあることなどの異常を検出する手順が含まれなければならない。
 
(8) 取扱い、保守、保管において、損傷及び劣化しないように保護する。 [ e)項]
  94年版(4.11 h))では『検査、測定及び試験装置の取扱い、保存及び保管には、精度及び使用適合性が維持されることを確実にする』と表現されていた。校正や検証された計測器の使用、点検、保管などの取扱いにおいて、機能や性能に影響するような損傷を与え、又は、劣化を来すようなことはないようにしなければならない。
 
(9) 組さらに、測定機器が要求事項に適合していないことが判明した場合には、組織は、その測定機器でそれまでに測定した結果の妥当性を評価し、記録しなければならない。 [第4節 第1文]
   組織は、その機器、及び、影響を受けた製品すべてに対して、適切な処置をとらなければならない。
[第4節 第2文]
  この『要求事項』は上記(2)の『監視及び測定の要求事項』のことであり、『測定した結果の妥当性』の『妥当性』は“validity”だから「正しい測定値(valid results)」の別表現であり、「測定結果の正しさ」という意味である$46-4。『測定機器が要求事項に適合していない』とは計測器の実際の精度や不確かさ、分解能機能等の機能性能が上記(2)の必要な水準を満たしていないということであり、当該の計測器の情報検知能力が経年変化で必要な「正しい測定値」を得ることができないまでに劣化した状態を意味する。
 
  定期的な校正や検証でこのような計測器が見出されたということは、それまでの「正しい測定値」でなかった可能性のある測定値を用いて行った製品の合否判定が正しくなく、不良品を合格品と判断してしまい、顧客に引渡してしまった可能性もあるということである。
 
  このような場合、当該異常計測器の使用実績や過去の校正記録(下記(10))の解析などから当該機能性能の劣化の経緯を推定し、合否判定の記録(8.2.4項)や トレーサビリティの記録(7.5.3項)と合わせて評価し、誤って合格と判定した可能性のある製品を特定しなければならない。
 
  所定の合否判定基準を満たしていないことが疑われる製品が見出された場合は、そのような不良品が顧客に引渡されることのないよう、或いは、引渡されてしまった不良品があればそれによる顧客満足の毀損を最小限にするように必要な処置をとらなければならない(8.3項)。
 
  これらに関連する記録は、製品の合否判定基準への適合の証拠(8.2.4項)として、また、不適合製品の性質及び処置の記録(8.3項)として管理しなければならない。記録には、当該計測器の機能や性能の不良の状態、推定した性能劣化の経緯と根拠、評価対象製品の範囲、実際の測定値の推定、これに基づく各製品の再判定の結果の合否、更には、評価の結果で各製品にとった処置が含まれていることが必要である。この記録は、必要な処置をとった後になお顧客で不良品が発見された場合に製品の評価方法の誤りの調査のための有力な情報となり、また、必要により関連する製品の範囲と合否の評価をやり直すための情報として使用される。
   
  このような異常計測器の発生に特段の原因がなかったなら、校正や検証の間隔、校正限界又は検証の基準を見直すことが必要である。この見直しでは、単に校正や検証の物理的期間を短縮するのでなく、計測器の機能性能劣化速度、計測器の使用頻度や合計使用時間、使用環境、保管方法、使用に関する要員の習熟度など性能劣化に影響を及ぼす要因について広く考慮して、適切なものとしなければならない。
 
(10) 校正及び検証の結果の記録を維持しなければならない。 [第5節]
  行なった校正や検証の記録を維持しなければならない。この記録は、測定値が国際又は国家計量標準に則った「正しい測定値」であることの証拠となるものでなければならない。 この記録から測定値の精度や不確かさがどの程度であるかがわかるから、測定値に関係する製品の不良や苦情の原因調査に役立つ。 更に、この記録から計測器の機能や性能の「経年変化」の速さに関する情報を得ることが出来、校正や検証の間隔を費用対効果の観点からの最適化を図ることに利用でき、また、上記(9)の調査にも必要である。
 
(11) 規定要求事項にかかわる監視及び測定に コンピューター ソフトウェア を使う場合には、その コンピューター ソフトウェア によって意図した監視及び測定ができることを確認しなければならない。 [第6節 第1文]
  この確認は、最初に使用するのに先立って実施しなければならない。
[第6節 第2文]
  また,必要に応じて再確認しなければならない。
[第6節 第3文]
  監視測定に係わる画像解析、問題の特定、合否判定などを コンピューター で行なう場合の ソフトウェア も監視測定用具のひとつである。『ソフトウェア によって意図した監視及び測定ができる』とは、監視測定用具が前記(2)の必要な情報を必要な程度で検出できる能力を有するものであることを確実にするための処置を、計測器の校正の処置に倣って ソフトウェア に関して表現したものである。 すなわち、不合格品を確実に除去するためには、監視測定用具としての コンピューターソフトウェア は、その所定の監視測定の機能を間違いなく果たしていなければならない。各 コンピューターソフトウェア が、それぞれ所定の監視測定の能力を有していることは、最初の使用に先立って確認し、監視測定結果に問題が起きるとか、ソフトウェア に変更が加えられるなど必要が生じれば再度確認することが必要である。この「確認」は原文で“confirm”であるから、客観的証拠で以て明らかにすることを意味する。
 
 
 
H25.11.30(修12.3)u
禁無断転載  (個人的使用のための複写歓迎)
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