ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
58 8.2.3項  プロセスの監視及び測定 実務の視点による
ISO9001:2000の解説(新版) 
35-02-58
8.2.3  プロセスの監視及び測定
[第1文] 組織は、品質マネジメントシステムの プロセスの監視、及び、適用可能な場合に行う測定には、適切な方法を適用しなければならない。
[第2文] これらの方法は、プロセス が計画どおりの結果を達成する能力があることを実証するものでなければならない。
[第3文] 計画どおりの結果が達成できない場合には、適切に、修正及び是正処置をとらなければならない。
 
 
1.要旨

   本項は8.2.4項と合わせて品質マネジメントの管理業務の基本要素を取り上げており、業務が決められた通りに実行され、決められた結果が確実に出るようにする業務実行管理の要件を規定している。
  
  組織の存続発展に必要として品質方針及び組織の品質目標(5.3項)に決めた狙いの顧客満足を確実に実現させるために、品質マネジメントの各業務がそれぞれの狙いの結果を出しているかどうかの業務実行状況を、それぞれ必要で適当な方法で監視測定する手はずを整え、手はずに則って業務実行を監視測定し、問題があれば正さなければならない。らない。
 
 
2. プロセス の監視及び測定
(1) 業務実行の監視及び測定
 規格では、決められた通りに業務を行い決められた結果を確実に出すための業務実行管理の活動を、『監視及び測定』『分析』『改善』の3つの段階の活動に分割している(8.1項)。この内の『監視及び測定』は物事の状態、程度に関する情報を検知する活動であり、『分析』はこの情報を基準に照らして評価し、適否又は合否を判定する活動であるが、規定の『監視及び測定』は『分析』をも合わせた概念で理解した方が実務的な場合も多い。
  
 規格の『プロセス』は業務、或いは、業務の活動のことであるから、『プロセスの監視及び測定』は「業務実行の監視測定」のことである。本項は、94年版(4.9 d))の製造業を念頭においた『工程パラメーターと製品特性の監視、並びに、管理』を00年版で全業種業態に適用できる汎用的表現に変えたものであり、同時に対象が製造業務実行だけでなく、品質マネジメントのすべての業務(業務実行)へ拡大された(21ai)(22t)。 00年版が依拠する業務実行管理の方法論は、品質マネジメントの各業務実行とその全体としての システム の両方に、計画/P-実施/D-管理/C-改善/Aという業務実行アプローチ/PDCAサイクルを廻すという考え方であり、規格はこの管理/Cの活動として4.1 e)項に『品質マネジメントシステムの業務実行を監視、測定する』ことを挙げている。 本項の業務実行(プロセス)の監視及び測定はこれに関連する活動であり、4.1 e)項についての詳細要件を規定している(22t)
 
 08年版の『プロセスの監視及び測定』で検知する各種の業務の実行に関する情報は、業務実行の条件や実績を表す指標としての「プロセスの特性」である。94年版では温度、時間、濃度など製造プロセスの条件や実績を表す指標としての『工程パラメーター』であったが、00年版では工程パラメーターもプロセスの特性の一種である。規格では、『監視及び測定』で検知する情報が工程パラメーターのように定量化された特性をはじめ、指標化、指数化された特性の場合は『測定』、抽象的、感覚的な表現や記述的でしか表すことができない特性の場合は『監視』と呼んで大略区別されて用いられている。実務的には監視と測定を区別して規定を読む必要はほぼ無いから「監視測定」と表現するのがよい。
 
 この業務実行の監視測定の方法論には業務実行(プロセス)の特性を監視測定する直接的な『プロセスの監視及び測定』と 業務実行結果を監視測定することによる間接的な『プロセスの監視及び測定』との2種類がある。これは、94年版が『工程パラメーターと製品特性』の監視による『工程管理』(4.9 d)項)の規定であったことでもわかる。 次項(8.2.4項)の『製品の監視及び測定』も同様に、製品の出来ばえに関する情報を検知する活動であり、その方法論には試験や検査で製品特性を直接的に監視測定する方法と、『製造及びサービス提供のプロセスの妥当性確認』(7.5.2項)として規定されているような プロセスの実行を監視測定することで間接的に製品を監視測定する方法とがある。
 
 規格では『プロセスの監視及び測定』と『製品の監視及び測定』によって検知する情報はそれぞれ、業務実行(プロセス)の特性、製品の特性である。一方、規格では業務(プロセス)の結果はすべて「製品」である#13が、8.2.4項の『製品の監視及び測定』の『製品』は製品実現業務の結果で顧客に引渡すことを意図した製品、半製品、購買製品に限定される。さらに、8.2.4項は『製品の監視及び測定』は、決められた製品を顧客に確実に引渡す管理のための製品の特性の情報の検知のことである。本項の『プロセスの監視及び測定』は、業務が決められた通りに行なわれ決められた業務結果が確実に出されるにする業務実行管理のための業務実行特性の情報検知であるから、業務実行特性には業務結果の出来ばえも含まれる。
 
(2) プロセスの監視及び測定の目的
 規格が 業務実行の監視測定で業務実行特性の情報の検知の必要を規定するのは、4.1 f)項でも明らかなように プロセスの実行が所定の通り、つまり、計画の通りであるように管理し或いは改善をするためである(132n)。 規格では『有効性』を「計画した活動が実際に行なわれ、計画した結果が達成された程度」と定義#4しているから、この管理、改善は、プロセスの有効性の管理、改善である。 なお、プロセスの所定の通りの実行という意味では、例えば、所要時間や使用資源などが所定の通りであることを確実にするための管理も必要であるが、これには規格で『達成された結果と使用された資源との関係』と定義#42される『効率』の管理も含まれる。
 
 規格は事業の存続発展に必要な顧客満足の実現を図る品質マネジメントのための指針であり、その業務が狙いの顧客満足を実現するように効果的に実行されるための要件を示す。 その要件は、各業務の実行が顧客満足実現に必要な所定の結果を確実に出すという観点でのプロセス(業務)或いそれらの全体としての品質マネジメントシステムの有効性に関係するものに限られる。ISO9001は コスト や収益、生産性、環境保全、労働安全衛生など顧客満足向上に直接関係のない要素に言及していないが、組織の存続発展にそれらへの取り組みが不必要という訳ではない。
 
(3) プロセスの監視及び測定の方法論
 品質マネジメントの業務は多様であり、その実行管理のために監視測定すべき業務実行(プロセス)の特性も多様であり、様々な監視測定の方法がある。規格では幾つかの業務実行の監視測定の、つまり、業務実行管理のための方法論の規定がある。
内部監査(8.2.2項)は監査手法を用いた組織内業務の実行状況の監視測定であり、マネジメント レビュー(5.6項)は体系的な情報の評価による品質マネジメント活動の業績の監視測定であり、内部コミュニケーション(6.5.3項)は相互情報交換による必要な情報の検知であり、設計・開発の計画 (7.3.1項)は定められた手段と日程を基準とした設計開発業務の進捗の監視測定である。
 
 また、各条項で規定される要求事項の『レビューする』『承認する』『評価する』『維持する』『更新する』『確実にする』『校正する』『改善する』などの表現は多くの場合、業務実行管理の手法を表すか、それに関係する。 例えば、製品に関連する要求事項のレビュー (7.2.2項)は契約文書作成業務が適切に行なわれて間違いがないかどうかの点検のためであり、プロセスのレビュー(7.5.2 a)項)は工程業務の実行の監視測定結果を活用した製品の合否判定である。
 
 本項での、『プ゚ロセスの監視及び測定は適切な方法を適用しなければならない』というのは、プロセスの監視測定の方式、方法が多様であるからである。
 
(4) 監視及び測定の対象となる プロセス
 プロセスアプローチ の原則を規定する4.1項では、その e)項に。品質マネジメントの効果的実行のためにそのすべてのプロセスについてプロセスの監視及び測定をする必要があることを明確に規定している。
 
 しかし、規格執筆者のひとり(21ai)は、本項がすべてのプロセス を対象とするものであることを明確に記す一方で、すべてのプロセスないしプロセス指標を『監視』又は『測定』することは現実的ではないとの自身の考えを述べている。 同氏は、プロセスの監視測定の対象を製品実現プロセスに限定していた初期の規格原案からすべてのプロセスを対象とするよう拡大することには異論も多かったと2000年改訂作業の経緯を述べ、規格執筆者の間には「組織のアウトプット に影響する著しく重要なプロセス にのみ本項を適用する」との合意があったとも述べている。 もうひとりの規格執筆者(22s)は、すべての業務は『監視』できるが『測定』できるとは限らないとし、「監視はすべての業務について必要である」とする一方で、『測定』は可能な場合にのみ行なうことになると述べている。そして TC176の商業本(20m)もこれに倣った説明をしている。
 
 他の英文解説書でも、対象を重要なプロセスのみ(33b)、製品実現プロセスのみ(26c)に限定する考えがあり、また、内部監査(8.2.2項)や供給者の再評価(7.4.1項)など各条項で規定されている監視測定以上の監視及び測定プロセスはない(38b)、すべての条項に関する監視測定が必要だが実務的な程度に留めるべき(40)、等々と説明は一様でない。
 
 これら各解説の他の部分を含めて推察するに、解説者の間で94年版の『工程パラメーターの監視並びに管理』という特定の監視測定の方法が相当に意識されており、それへの拘泥の程度に差があることと、『監視』と『測定』の解釈に種々の違いがある。これらが、解説者間の「プロセスの監視及び測定」の説明を異なるものとしていると思われる。また、製造業で不良品を出さないための製品実現プロセスの監視測定を単純に全プロセスに適用できるよう表現が変更されただけの「プロセスの監視及び測定」が、4.1項との関係や狙いの顧客満足向上の実現にどのように係わってくるのかの説明のないままに見解が表明されていることにも原因があると思われる。
 
 規格の意図は狙いの顧客満足の実現に関連するすべての業務(プロセス)を実行管理しなければならないという論理であり、従って、その管理の方法は対象の業務(プロセス)に応じた『適当な方法』でなければならないと規定している。
 
 
8.規格要求事項の真意  
  組織は、品質マネジメントのすべての業務が定められた通りに実行され、定められた結果が出るよう、それらの実行を監視測定し、管理し、必要な処置をとらなければならない(8.5項)。 業務実行の管理は、品質マネジメントの業績目標の狙いの顧客満足を確実に実現させることが目的である。組織は品質マネジメントシステムの計画(5.4.2項)の一環として、業務実行の管理のために必要な情報を検知する活動、及び、検知した情報に基づく業務実行管理の活動の手はずを、整えなければならない。
 
 この業務実行管理の活動は規格では『プロセスの監視及び測定のプロセス』と呼ばれる。規格が依拠する業務実行の プロセスアプローチでは、組織は品質マネジメントのすべての業務について実行を監視測定し、所定の結果が確実に得られるように管理しなければならない。しかし、各業務は、性格が異なり、狙いの顧客満足に及ぼす影響の大きさや手順逸脱のリスクの大きさも一様ではないから、「プロセスの監視及び測定のプロセス」と言っても単一のプロセスではなく、多様な方式、方法のプロセスの総称である。例えば、マネジメント レビュー(5.6項)と内部監査など8.2項の各プロセスはそれ自身が「プロセスの監視及び測定のプロセス」である。 また、規格の各条項(の標題)はそれぞれが 品質マネジメントシステムを構成する プロセス であり、それら条項によってはそれらプロセス を監視測定する特有の「プロセスの監視及び測定のプロセス」が規定されている場合がある。
 
 これらを含むそれぞれの業務実行管理の業務が効果的のものであることを確実にするためには、それらの手はずと実行は、本項が規定する要件を満たさなければならない。
 
(1) 組織は、品質マネジメントシステムのプロセスの監視、及び、適用可能な場合に行う測定には、適切な方法を適用しなければならない。                                                      [第1節][第1文]
  JIS和訳『適切な』は“suitable”であり、目的に合っている又は適当なという意味である$24。 00年版では同じ英文を『組織は、プロセス を適切な方法で、監視、測定すること』と和訳していたため、本項が プロセスを監視、測定することの必要を規定するものと誤解されがちであった。 08年版で原文に忠実な和訳となったことによって、本項が4.1 e)項で必要と規定されるプロセスの監視測定を行なうに当たっての、プロセスの監視測定の方法に関する要件を規定するものであることが明瞭になった。
 
 また、『適用可能な場合』は“where applicable”であるから「可能な場合」である$44。規格はこれによって、すべてのプロセスについて「監視」できても、「測定」は必ずしもできないという、「監視」と「測定」との違いをわざわざ明確にしている。 ここに、「測定」は指標化や定量化された情報を検知する活動であり、「監視」は感覚的、記述的な情報を検知する活動である。この「可能な場合には*」は、業務実行管理のために使用する情報が94年版(4.9)の『工程パラメーター』のような指標化や定量化された情報だけではないことを明瞭にしているものと受けとめるのがよい。
 
 規定の意図は、業務実行管理のための業務実行の監視測定は、業務が決められた通りに実行され決められた通りの結果が出ることを確実にするという観点から適当な方法でなければならないということである。
 
(2)これらの方法は、プロセス が計画どおりの結果を達成する能力があることを実証するものでなければならない。                                                              [第2文]
  JIS和訳『実証する』の英文は“demonstrate”であり、「明瞭に表す」という程度を意味$39であり、規定は「これらの方法は、計画された結果を達成するプロセスの能力を表すことができるようなものでなければならない」$39-2である。 すなわち、測定でも監視でもどちらでもよいが、それぞれの業務の実行管理のために適用する監視、測定の方法は、監視測定で検知する情報によって、当該業務実行が所定の結果を出すことができるかどうかを判断できるような「適当な」ものでなければならない。08年版では「各プロセス の製品要求事項への適合性及び品質マネジメントシステムの有効性に与える影響との関連で適当な、監視及び測定の方式と程度」であるとの注記が追加されて、「適当な方法」の趣旨が明確にされた。
 
 業務実行を管理する方式や手順、また、使用する情報の検知の方法には様々なものがあるが、それぞれの対象業務の性質と重要性、及び、管理の必要度に応じた適当なものでなければならない。
 
(3) 計画どおりの結果が達成できない場合には、適切に、修正及び是正処置をとらなければならない。[第3文]
  業務実行の監視測定により所定の結果が出ない可能性が認められる場合、また、実際に出ていない場合は、必要に応じて、原因となる業務実行に関して所定の結果を確実に出すようにするために「修正」や「是正処置」をとらなければならない。 00年版では修正、是正処置の目的を『製品の適合性の保証のために』と表現していた。これは、その業務の、又は、その業務も関連する一連の業務の結果の製品が狙いの製品仕様と品質及び付帯仕様(7.1 a)項)を満たすかどうかと言う意味である。また、そのような製品の顧客への引渡しを通じてある特定の顧客満足を実現させようとして決められた製品仕様と品質及び付帯仕様であるから、製品の適合性とは狙いの顧客満足に対する適合性と同じ意味である。08年版では削除されたが、修正、是正処置の目的は変わっていない。
 
  『修正』は手直しや再加工など問題の状態を解消する処置で、『検出された不適合を除去する処置』と定義#40される。 『是正処置』は問題の再発を防止する処置であり、「検出された不適合又は他の望ましく状況の原因を除去する処置」と定義される#41
 
  業務実行に問題が生じた場合は、問題の重要性や再発の可能性に応じて適切な修正と是正処置のいずれか又は両方の処置をとらなければならない。「必要に応じて」とは、費用対効果の観点を含めて修正や是正処置をとらない、又は、とれない場合があり得ることを意識した表現であり、組織のマネジメントの実務における実際に沿った規定である。
 
  『プロセスの監視及び測定』によって所定を逸脱する結果が出たり、出ることが予想される場合は、必要に応じてその原因の業務実行の手順や資源の問題点を解消し、又は、再発防止の処置(8.5.2項)をとり、或いは、発生を未然に防ぐ処置(8.5.3項)をとることが必要である。 この処置によって所定の結果を確実に出す安定した業務実行を維持することができ、処置の積み上げは所定の業務結果を確実に出すことができるという組織の業務能力を向上させる。 規格では、再発防止や予防処置のために手順や資源を変更することは『改善』であり、この積み上げによる業務能力の向上は『品質マネジメントシステムの有効性の継続改善』(8.5.1項)である。
 
4. プロセスの監視及び測定の実務
(1) 業務実行管理の方式
  業務実行管理の活動は、業務が所定の通りに実行され所定の業務結果を確実に得るように管理、改善する活動であり、業務実行状況や実績の観察や計測による情報の検知、及び、その情報に基づく必要な処置の決定と実行から成る。 このための方式、方法に関しては、対象業務の種類や性格と管理の重要性に応じて多様なものが工夫され、適用されている。 これらを分類整理すると次の@〜Eのようになるが、一般にこれらは単独ではなく、相互に組み合われて用いられている。
 
@ 管理者の日常監視活動
  管理者の職務は、担当職場の業務が経営目標の達成に向けて実行されるよう管理することである。管理者は、方針などで示される組織の必要に対応する担当職場の業務の手順を定め、これを要員に順守させるよう、職場の業務実行を管理しなければならない。この管理の程度は各業務の経営目標の達成に対する重要性、或いは、放置すると手順を逸脱する リスクの大きさに応じたものであることが必要である。 このために管理者は、日常的に職場と要員を観察、監督、指導し、また、業務実績の報告を検閲する。この管理者による担当職場の業務実行の統制管理の活動には一般に、下記A〜Eの各手法が単独で、又は、組み合わせて用いられる。
 
A 記録の確認
  規格では「記録」は「達成した結果又は実施した活動の証拠を提供する文書」と定義#7され、後刻に生じるかもしれない問題に効果的に対応するための備えである。 この記録に含まれる情報は、関連する業務の実行管理のためにも使用される。 同時に、管理者がこれら業務実績に関する記録を確認することによって、業務が所定通り実行されているかどうかを評価でき、業務実行を確実にするための必要な処置をとることができる。 例えば規格が規定する受注処理結果(7.2.2項)、供給者の評価結果(7.4.1項)、計測器の校正や検証結果(7.6項の記録を管理者が点検、確認することによって、それぞれの業務が所定の通りに行なわれるよう管理することができる。
 
B 文書の承認
  管理者が業務の実行に関する文書を承認するということは、その文書に係わる業務が所定通りであったことや以降の業務の実行が所定のものとなるように管理することである。 例えば文書の発行と更新の内容確認(4.2.3 a), b)項)、設計開発条件の決定(7.3.2項)、受注内容の確認(7.2.2項)、購買情報の確認(7.4.2項)、製品の引渡し可否の判断(8.2.4項)、特別採用の可否の判断(8.3 b)項)に関して管理者の承認の必要を規定し又は示唆した規格の記述は、この管理の方式を意図したものである。
 
C 実行計画
  特定の目標の業務や活動について、手段や日程を中心とする実行計画を策定し、その計画で定めた時期や方法によって計画の諸業務が計画通りに実行されるよう管理する方式は、プロジェクト型事業の個別業務や分野横断的業務、或いは、期限の明確な業務などの実行管理に効果的である。 規格は、設計開発(7.3.1項)や内部監査 (8.2.2項)、改善の品質目標の達成 (5.4.2 a)項)に関して実行計画の必要を明確にしている。また、規格の規定の測定機器の校正(7.6項)、資源の充足(6.1項)にも実行計画が効果的である。
 
D 定期的実績評価
  特定の業務の実行状況を定期的にとりまとめ、また、定期的な会議を設定して特定業務の実績を評価する方法によっても、業務実行を効果的に管理することができる。この管理の方式は一般に、重要な業務の実績の総体的な管理や、部門をまたがる業務の実績の関係者間の認識共有化を図るための管理によく利用される。また、法規制の改正や変化しつつある事業環境の変化の監視測定の業務など、不定期や非定常のため抜け易い業務が確実に行なわれるよう管理することに利用するのも効果的である。規格では マネジメント レビュー (5.6項)がこの管理に相当し、また、情報交換(5.5.3項)の必要性の規定もこれに相当する。
 
E 監査
  内部監査は組織の業務実行が所定の通りであることを確実にする トップマネジメントのための管理の手法である。 定期的な内部監査の他、必要に応じて特定の問題に焦点を絞って特定の時期に内部監査を行なうこともある。
 
F 業務実行の指標化
  特定の業務の実行状況ないし結果の特定の要素を管理するために、その要素を指標化して達成度判定可能なデータ として把握する方式は、最も厳密な業務実行管理のやり方である。 規格の「プロセスの妥当性確認」(7.5.2項)に関連する業務実行管理は、この方式を繰返し行なわれる業務の個々のすべての実行の正しさを管理することに適用する事例である。
 
   
 
H27.3.19
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サニーヒルズ コンサルタント事務所