ISO9001/ISO14001
コンサルティング・研修

   
論評
  実務の視点  ISO マネジメントシステム コンサルタントの切り口
このセクションでは、 MS 実務の視点 主宰者が、ISOマネジメントシステム規格を取巻く種々の問題を取上げ、
実務の視点 に立つ  ISO マネジメントシステム コンサルタント としての見方、考え方を披露します。
目  次
ISO9001/14001
2015年版
誤訳・空論・珍説
ISOマネジメントシステム
取組みの疑問と正解

組織の取組み
ISOマネジメントシステム
取組みの疑問と正解

規格理解・規格解釈
ISOマネジメントシステム
取組みの疑問と正解

認証制度と運営
ISOマネジメントシステム
認証登録の疑問と正解

認証業界よもやま話
メールマガジン
マネジメントシステム
と 規格
  メールマガジン  マネジメントシステムと規格
 
<ISO規格とその関連の海外動向>
61
   社会活動のグローバル化が進む今日、国際規格の在り方、その取組み、課題、理論が
世界的な繋がりの中で変化しています。  
これらの動きを適切に把握することは、ISOマネジメントシステムの導入とその利益の享受に
取組む人々はもちろん、ISOとの直接の関わり合いがなくとも、経営者や所属組織の発展と自らの組織内での成功を目指す 中、上級管理者にとって、大切です。
  このメールマガジンは、ISO マネジメント システム規格を軸とする組織運営に実務の視点
役に立つと思われる世界の最新動向を、海外のウェブサイトから選んでお伝えします。
   また、ウェブサイト[MS 実務の視点]の毎月の新着情報も案内しています。
記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。
情報の詳細、発信者の意図に関しては原情報をお読み下さい。
編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果にも責任を負いません。
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>
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メールマガジン  マネジメントシステムと規格 <ISO規格とその関連の海外動向>    最新3年分
-  旧標題 :  [ISO、世界は今 <ISOとその関連の海外動向>]-

  2014.2.1号       2014.4.1号      2014.6.1号      2014.9.1号    2014.11.1号
  2015.1.1号
   2015.4.1号      2015.6.1号      2015.9.1号      2015.11.1号
2016.2.1号    2016.7.1号     2016.10.1号     2016.12.1号
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連載 ISOマネジメントシステム ちょっとひとこと!や当ウェブサイトの更新情報も掲載しています。
なお、過去の記事は、ウェブサイトMS 実務の視点の「海外の動向」の他、
各関連ページに収録されています。

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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2016(H28)年12月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO/TS9002が発行
■ 2.TC176がISO9001使用の中小企業用解説書を発行
■ 3. AS9100, AS9110, AS9120の改訂D版が発行
■ 4.ナノ物体の労働安全性管理限界の設定に関するISO規格
■ 5.ISO45001の発行の時期の予測
■ 6. ISO50001:2011改訂の要点
■ 7. ISOのサービス規格作成への動きが始まる
■ 8. ヒースロー空港拡張計画は温暖化ガス排出規制基準に違反

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その103>
■ ★ トップマネジメントによるマネジメントシステムの有効性の説明責任

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(10~11月)]

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1. ISO/TS9002が発行-ISO発表
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 ISOは、ISO9001 2015年版に関連する規格のひとつとして予定されていたISO9001の使用の指針の規格を、技術仕様書TS9002として発行したと、11/1に新聞発表した。なお、この種の指針規格は94年版までは、ISO9000,ISO9004の各シリーズ規格として発行されていたが、00年版でISO9001と一対の指針規格としてISO9004に一本化をすることにより無くなった。15年版では、先にISO9004が独立の規格ISO9004:2009(持続的成功のための組織運営‐品質マネジメントシステムの手法)となっていたことから、TS9002として復活した。発表の趣旨は次の通り。
 
◆ ISO/TS9002 (ISO9001:2015の適用の指針)は、規格の使用者が自身の品質マネジメントシステムの履行によって、規格の意図の利益を享受できるように、条項毎に、掘り下げた説明をし、事例を挙げている。
◆ ISO/TS9002は、ISO9001に新たな要件を追加するものでなく、ISO9001の各条項に規定される要件を組織にどのように効果的に適用できるのかの事例を示している。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.2130, 1 November 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2130>
 
 
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2. TC176がISO9001使用の中小企業用解説書を発行-ISO発表
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 ISOは11/15・、TC176が初版以来、改訂版ごとに発行しているISO9001規格の中小企業用解説書の15年版用を発行したと発表した。市販解説書であり、その意義の説明の部分の趣旨は次の通り。
 
◆ この手引き書には、特に小企業向けに実用的な助言と特有の具体的事例が書かれている。
◆小規模組織には大規模組織とは異なる必要や課題があり、しばしば少ない資源で異なった業務方法をとっている。
◆この手引き書ではQMSが真に有益となるようにする小企業に特有の助言を行なっている。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.2138, 15 November 2016)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2138>
 
 
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3. AS9100, AS9110, AS9120の改訂D版が発行 -Exemplar Global発表
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 米国の要員及び研修機関の認証機関であるExemplar Globalは、11/29、航空宇宙産業向け品質マネジメントシステム規格のISO9001 15年版に対応する改訂D版の発行について報じている。AS9100:2016(品質マネジメントシステム‐航空、宇宙及び防衛組織に関する要求事項)は9/20に発行済みである。発表の要旨は次の通り。
 
◆国際航空宇宙品質グループ(IAQG)は、AS9110:2016, AS9120:2016を発行して航空宇宙産業向け品質マネジメントシステム規格の改訂を終えた。
◆発行は予定より遅れたが、2016年版への移行期限は、ISO9001:2015と同じ2018年9月である。

(Exemplar Global: Latest News, November 29, 2016)
<http://www.theauditoronline.com/revision-of-core-aerospace-standards-complete/>
 
 
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4. ナノ物体の労働安全性管理限界の設定に関するISO規格-法律事務所発表
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 米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、環境関連法律事務所Bergeson & Campbellの11/23付けの発表を引用して報じている。要旨は次の通り。
 
◆ISOは11/21、技術報告書としての規格ISO/TR18637:2016(ナノ技術‐ナノ物質、その凝集体及び造粒物(NOAAs)の作業暴露限界と危険性区分の策定のための利用可能な枠組みの概観)を発行した。
◆ISOによると、作業暴露限界(OEL)と作業暴露危険性区分(OEB)が決められているナノ物質、その凝集体及び造粒物(NOAAs)は少なく、行政により規制されているものは、今日まだない。
◆この規格の狙いは、OELを決めるのに用いられる種々の方法の類似性と相違点を特定することである。
◆ISOの意図は、規格がOELとOEBを決める行政、企業、大学の労働安全衛生の専門家の指針として用いられることである。
 
(Environmental Expert: News, Nov. 23, 2016; Source: Bergeson &
Campbell, P.C.)
<http://www.environmental-expert.com>
 
 
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5. ISO45001の発行の時期の予測-各種記事
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 6月にDIS版が否決されてDIS2版が作成されることになり、規格の発行が再延期されることになったISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)規格の発行時期についての予測が、DIS2版作成が進んだ今日改めて複数報じられている。そのひとつのスイスに本部を置く認証機関SGSの12/3付け新聞発表の要旨は次の通り。
 
◆DIS2版の作成作業結果は10/30-11/4のリトアニア会議でほぼ見直しが終わり、次の2017年2月のウィーン会議でDIS版に寄せられた3000件の意見を検討する予定となった。
◆今後の見通しでは、2017年の4~5月にはDIS2版の発行となり、6~7月に投票が実施され、この結果は9月に確定する。
◆DIS2版が少数の改善意見で承認されれば、FDIS版を省略してISO45001は11月に発行されることになる。
◆しかし、DIS2版の承認が多数の改善意見付きであれば、FDIS版の作成が必要となり、ISO45001の発行は2018年3月になる。
 
(PR.com: Press Release, from SGS by Email, December 03, 2016)
<http://www.pr.com/press-release/697390>
[関連情報] 2016.7.1号 No.6
 
 
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6. ISO50001:2011改訂の要点-TC242議長の見解
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 ISO中央事務局は、ISO50001 (エネルギーマネジメントシステム-要求事項及び使用の指針)規格適用の拡がりと実現したとするエネルギー消費削減を特集する新聞発表記事の中で、発行5年を迎えて改訂作業が始まった2011年版の改訂の要点に関する同規格作成専門委員会の議長R.Risser氏の見解を掲載している。これは、記事の主張であるISO5001が世界で機能しているという実態の中で、なおどのような改善が必要なのかという観点での規格改訂作業責任者の見解であるという点で興味深い。同氏の見解の改訂要点は次の通り。
 
◆ISO5001は簡単で柔軟性があり、狙いの結果が出ている。だからと言って改訂すべきでないということを意味しない。
◆規格を次の水準に進めるために、費用対効果のある本当に意味のある結果を出すことの出来る新しい問題のみを追加することでなければならない。
◆変更点のひとつは、ISO9001、ISO14001とのより一体化を図ることである。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.2135, 7 November 2016)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2135>
[関連情報] 2016.7.1号 No.5
  
 
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7. ISOのサービス規格作成への動きが始まる-ANSI記事
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次のヒット規格と目論まれるサービス業に関するISO規格作成の進展のための交流会が欧米で開催又は計画されている。これを伝える記事の概要は次の通り。
 
□欧州
◆ISO主宰で6/13~17に開かれたISOサービス規格交流会にCEN(欧州標準化委員会)も欧州各国の規格作成機関と共に参画した。
◆欧州規格は消費者保護のための安全性、品質、性能の向上のみならず、国際貿易発展に貢献してきたが、サービス産業やその利害関係者は規格の有用性をあまり理解していない。
□北米
◆ISO主宰のISOサービス規格交流会が来年4/28にバンクーバーで開催される。◆交流会は、関係者がサービス業分野の規格化のための課題、意見不一致、好ましい情勢に一致して取り組むことになることを図るものである。
 
(CEN: Brief News,)
(ANSI: News,11/24/2016) <http://www.ansi.org>
[関連情報] 2016(H28)年7月1日号No.7
 
 
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8. ヒースロー空港拡張計画は温暖化ガス排出規制基準に違反‐環境情報誌記事
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 米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、11/25付けの英国の水処理設備会社A.E.F.S.r.I.の発表記事を引用して、英国政府の推進するロンドンのヒースロー空港拡張計画に対して、独立行政機関であるCommittee on Climate Change(気候変動委員会*)が炭素排出規制に関する法令違反の疑いがあるとして、政府に説明を求めた事件を報じている。英国の温暖化取組みの実状を表すものであるとすれば興味深い。記事の概要は次の通り。
 
◆気候変動委員会委員長のDeben卿は、政府が進めるヒースロー空港拡張計画が航空産業に定められた温暖化ガス排出量規制を満たすことを説明するよう求める公開質問書をエネルギー相に送った。
◆同委員会の見解では、気候変動法の定める2050年の排出量を達成するには、航空産業の排出量は2005年実績以下でなければならない。
◆Deben卿はラジオ放送で、政府がこの空港に第3滑走路を建設するかどうは当委員会に関係ないが、政府が何をするにせよ決められた排出総量の範囲内で納まるのかどうかは委員会に関係のあることであると話した。
◆また、政府が国民や議会が気付かないように隠してきたので、同委員会も気付かなかったが、この計画を進めるなら他の分野の排出量目標を削減しなければならないとも語った。
◆政府がどのように対応するのか興味深い。
 
(Environmental Expert: News, Nov. 23, 2016; Source: A.E.F.S.r.I.)
<http://www.environmental-expert.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その103> ■■■
★トップマネジメントによるマネジメントシステムの有効性の説明責任    誤訳・誤解・珍説・空論(2)
 
 JABは、認証機関に示した2015年版ISO9001の認証審査の指針*1の中で、トップマネジメントがQMSの有効性の説明責任(accountability)を負うという規定(5.1.1 a)項)を審査で注目すべき変化点のひとつに挙げ、審査ではQMSが有効かどうかをトップマネジメントが説明できるかどうかを確認しなければならないとしている。
 
 この日本語の「説明責任」とは、不祥事を疑われる政治家に対してその潔白性を事実の証拠を以て国民に説明するよう求める場合にメディアが近年好んで用いる言葉である。英語“accountability”の訳語としてのこのような「説明責任」の解釈が適切ではなく、与えられた権限を行使して役割を果すことが主意であり、失敗したり不正を働いた場合にはその責任の所在を明らかにすることであるとする議論も少なくない。しかしいずれにせよ、日本語の「説明責任」は、責任を果せなかった人が、その責任を付与した人々に問題を正直に説明するということを意味する。
 
 JIS規格書巻末の解説でも、規定の「説明責任」には「トップマネジメントがQMSの有効性に対して責任を負っていることの説明という意味と、有効性がこのようなった理由を納得されるように説明するという意味の両方が含まれる」と言っているから、結局は、QMSが有効でない場合にその理由を説明しなければならないということだ。
 
 従ってJAB指針による審査では、トップマネジメントは審査員に「QMSの意図した結果とは何ですか」「それは達成していますか」と聞かれ、達成していないなら、なぜ達成しなかったのかを審査員に釈明しなければならないことになる。
 
 翻ってISO9001は、顧客のニーズと期待及び法規制を満たす製品サービスを一貫して提供し、顧客満足の向上を目指す組織に対する指針である。QMSが有効かどうかとは、「意図した結果を達成している」かどうかということであり、狙いの顧客満足の状態が実現しているかどうかということである。実務では、組織はその存続発展のためには一定の収益をあげることが必要であり、そのためには一定の売上をあげる必要があり、その売上を確保するためにはそれ相当に顧客には組織と製品サービスの品質に対する好感、満足感、安心感を抱いてもらわなければならない。「QMSの意図した結果」とはこのような狙いの顧客満足の状態のことであり、不良品を出さないことを基本に顧客のニーズと期待を斟酌し、こうなれば顧客にこれだけは買ってもらえる、取引をしてもらえるとして、品質方針に明らかにした狙いの顧客満足の状態のことである。
 
  この狙いの顧客満足の状態が実現していないということは、必要な売上が得られず、必要な収益があがっていないことを意味するから、実務では「意図した結果を達成していない」状態はあってはならないことである。審査員にQMSがなぜ有効でなかったのかをうまく説明して、「説明責任」を果たしたと認められても、組織の事業が成り行かなくなったのだから、トップマネジメントは株主から糾弾され、辞任に追い込まれることにもなる。
  
 規格の英語“accountability”は、“responsibility”が責任を引き受けるという意味の「責任」であるのに対して、責任を果すという意味の「責任」であり、“taking accountability”は「責任を全うする」という意味である。すなわち、規定の意図は、トップマネジメントはQMSの有効性に対する責任を全うしなければならないということであり、「説明責任」を求められるような状態をつくってはならないということである。
 
もっとも、審査員の規格解釈では「意図した結果を達成している」かどうかとは、現場の品質改善活動の目標としての品質目標が達成されたかどうかということとしての審査員とトップマネジメントの問答となると思われる。QMSの有効性に対する責任を全うするよう努めているトップマネジメントは、問答を認証ゲームの一場面として楽しめばよい。
 
*1:JAB認定センター、ISO/FDIS9001認証審査における考え方、2015.7.14, 23
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (10~11月) ■■■■■
              http://www.ms-jitsumu.com
★ ISO14001:2015 +変更点と移行対応
 4.1 組織及びその状況 (11/13)
★ 規格の論理と用語
 ■利害関係者のニーズと期待 (11/28)
 ■妥当性確認 (11/20)
 ■顧客満足 (11/1)
 ■環境保証規格 (11/3)
 ■マネジメントサイクル (11/3)
 ■品質保証規格-ISO9001 (10/4)
★ 誤訳・誤解・珍説・空論
 ISO9001、14001解説書は、日本では“工学書”(10/15)
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2016(H28)年10月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
このところ発行間隔が一定しませんが、次は12月1日号の予定です。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO/TS16949改訂版はIATF16949:2016として10月に発行
■ 2.IATF16949:2016には、企業倫理の規定が導入
■ 3. 特定分野用のISO/IEC27001の作成のための指針規格ISO/IEC27009発行
■ 4. 新しいISO規格
■ 5.ISO/COPOLCO、米国のTSCA改訂をREACHに比肩と評価
■ 6. 船舶燃料のLNG化の予測とその問題点-環境情報誌

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その102>
■ ★ISO9001、14001解説書は、日本では“工学書”
■ -誤訳・誤解・珍説・空論(1)

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(7~9月)]

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1. ISO/TS16949改訂版はIATF16949:2016として10月に発行-ISO/IATF
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 ISOとIATF(国際自動車作業班*)は、改訂ISO9001:2015との整合を図るためのISO/TS16949:2009の改訂作業の結果が、10月にIATF16949:2016として発行されることになったと、8/9に共同で新聞発表した。なぜ、規格名称が変更になったかの説明はないが、その背景を窺わす新聞発表の部分は次の通り。
 
◆IATF16949:2016が2016年10月に発行され、現在のISO/TS16949を継承し、代替することになった。
◆この規格は、ISOの品質マネジメントシステム規格の最新版であるISO9001:2015と整合し、これを参照している。
◆IATF16949:2016は、ISO9001:2015の構造と要求事項を完全に順守しており、独立した品質マネジメント規格ではなく、ISO9001:2015を補完するものであり、また、それと繋がっている。
◆IATFは、今後もISOとはISO/TC176に参画することを通じた密接な関係を維持することによって、ISO9001との継続的な整合を確実にするつもりである。

(ISO中央事務局: News, Ref.2109, 9 August 2016) <http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2109>
<http://www.iatfglobaloversight.org/docs/IATF%20Press%20release%20v7%2008082016_
CLEAN_IATF.pdf>
 
 
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2. IATF16949:2016には、企業倫理の規定が導入-AIAG発表
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米国の品質情報誌Quality Digestは、ISO/TS16949(IATF16949)の認証制度の運営元のひとつであるAIAG(全米自動車産業協会)の改訂版の意義に関する9/26付け発表を引用している。AIAGの企業の社会的責任担当理事T.Bolden氏の見解として述べられた発表の概要は、次の通り。
  
◆改訂規格には、認証組織が、反賄賂方針、従業員の行動規範、内部通報方針など企業の社会的責任方針の基本部分を履行しなければならないことが規定されている。
◆世界の自動車工場が、従業員に期待する行動規範を確立し、規範違反行為を記録し処置していること、及び、反賄賂方針を公表していることを文書で示さなければならないということが、明確な表現で規定されている。
◆65,000以上の一次及び二次系列組織は、2018年末までに改訂版への適合の認証審査を受けなければならず、不適合組織は認証停止となり、新しい事業機会への入口が閉ざされることになる。
  
(Quality Digest: Quality Insider, News, 09/092011)
<http://www.qualitydigest.com/inside/customer-care-news/092616-ethics-
requirements-now-included-global-automotive-quality-standard>
  
  
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3. 特定分野用のISO/IEC27001の作成のための指針規格ISO/IEC27009発行-ISO
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ISO中央事務局は8/15、さらに拡大が予想される分野別のISO/IEC27001規格(情報セキュリティマネジメントシステム)の作成に関する指針を定めた規格を発行したと発表した。同じ理由で特に共通テキスト化によって汎用表現化が進んだISO9001:2015の分野別規格化が進むのかもしれない。発表の趣旨は次の通り。
  
◆規格は、ISO/IEC27009(情報技術-セキュリティ技術-ISO/IEC27001の特定分野への適用-要求事項)。
◆規格は、特定分野向けのISO/IEC27001系規格を作成する場合に、それら規格間の整合性を図るために、それら各分野に必要な追加的な要求事項及び管理策をどのように含めなければならないかを説明している。
◆金融、輸送、健康、スマートシティ等の社会基盤などの特定分野における情報セキュリティの要件を具体的に示すことが、政治、事業、経済上で不可欠になってきた。
◆これまで、ISO/IEC27011(電気通信分野)、ISO/IEC27017(クラウドコンピューティング分野)、ISO/IEC27019(エネルギー分野)の特定分野規格が作成されている。
  
(ISO中央事務局: News, Ref.2107, 15 August 2016) <http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2107>
 
 
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4. 新しいISO規格-ISO発表
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  最近のISO規格の作成活動に関して中央事務局は7/6, 8/17, 9/220にそれぞれ次の新しい規格の作成又は狙いを新聞発表した。各発表の概要は次の通り。
 
□中古製品貿易における危険回避のための指針
◆ISO/TS 20245 (中古製品の国際貿易)、 2014.9月発行。
◆近年、中古製品の国際貿易は指数関数的に増加している。
◆中古製品がその新品の場合以上の健康、安全、環境上の危険を持っていないことを確実にしなければならない。
◆規格は、中古製品をその状態によってA(極めて良好)、B(良好)、C(不良)に分類する基準を定めている。
□持続可能な調達の指針
◆ISO20400(持続的調達-指針)、 現在DIS段階、2017年発行予定。
◆企業の社会的責任規格(ISO26000)の規定を補完するものであり、環境影響の最小化、人権問題への取り組み及び社会と経済への貢献によって組織が持続的発展を図るのを助けることを意図した指針である。
◆この規格を用いることにより、組織はその持続的発展目標を達成し、供給者との関係の管理を強化し、その供給連鎖の持続性発展性を改善し、市場競争力を確立できる。
□人的資源マネジメントの指針
◆ISO30400(人的資源マネジメント-用語の指針)、ISO30405(同-採用の指針)、ISO30408(人材管理の指針)、ISO30409(要員計画)。いずれも2016.9発行
◆人々は組織にとって最も重要な資源であり、成功のための処方箋では人々を事業活動の心臓部に置くことが理に適っている。
◆効果的な採用と人事管理は組織の経済的実績と密接に関係している。
◆規格は、組織の人事部門が、採用を含む人事管理を効果的に行うことにより事業成績の改善に寄与することを支援する。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.2097, 2105, 2111)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=
Ref2097, 2105, 2111>
 
 
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5. ISO/COPOLCO、米国のTSCA改訂をREACHに比肩と評価-COPOLCO広報
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 ISOのCOPOLCO(消費者政策委員会)は、そのウェブ広報誌の2016年9月号の「国際消費者」欄で 、米国のTSCA(有害物質規制法)の本年6月22日改訂を「販売前の安全確認」との標題で紹介している。なお、米国環境庁(EPA)の広報文書では、同改正法の要点は、同法の下で現在、有害物質として一覧表に記載されている化学物質以外の化学物質を「新規な化学物質」と定義し、これを製造又は輸入する前にEPAに届け出なければならないということである。
 
◆今や新しい化学物質は販売前に安全であることを確認しなければならない。
◆REACH規定として欧州に存在する制度と同様、この改訂法が施行されると、化学物質の安全性の立証責任が消費者団体や行政庁から企業に移ることになる。
 
(ISO/COPOLCO: ISO Consumer update, September 2016)
(EPA: Note, June 22, 2016)
<http://www.epa.gov/reviewing-new-chemicals-under-toxic-substances-control-act-tsca>
 
 
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6. 船舶燃料のLNG化の予測とその問題点-環境情報誌
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 米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、船舶の排ガス規制を強めるIMO(国際海事機構)の動向から予想される燃料のLNG化とその場合の問題点を挙げる、米国の催事運営会社、dmg events社の9/11付け短報を引用している。概要は次の通り。
 
◆SOx、NOx、CO2及びPMの排出削減を求めるIMOの規制が進むと、特にECA(排出制御海域)では、低排出燃料指向が不可避となるだろう。
◆現在のECAは米、加、北欧の海域のみだが、数年後には地中海に拡がり、やがては中国、日本を含むアジア海域もECAになる可能性がある。
◆この場合は、ゼロS、低NOxのLNGが有力な代替燃料となり得る。
◆しかし、船舶燃料のLNG化には様々な課題がある。
◇港湾のLNG貯蔵設備の増強、LNG燃料船舶の建造などの財政問題
◇LNGの気化、漏洩や船体等の超低温損傷に係わる安全性
◇LNG駆動系設備による積荷容積の減少
◇航路に沿ったLNG供給網の確立の必要性
◆LNG化の最も重大な問題は、規制当局の変節であり、一貫性の無さである。
 
(Environmental Expert: News)
<http://www.environmental-expert.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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   ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その102> ■■■
     ★ISO9001、14001解説書は、日本では“工学書”    -誤訳・誤解・珍説・空論(1)
  
 世にある数多くのISO9001、14001解説書について、英米の著者は“経営書”と認識しているが、日本の大多数の著者は“工学書”と認識しているようである。これは、英米人が規格用語「management」を、その言葉(英語)の意味の通り、「経営管理」と理解しているのに、日本人はJISが “マネジメント”と和訳し、その定義の文字面解釈により、現場中心の品質、環境改善活動を頭に描いた「方針、目標を定め、その目標を達成する活動」と誤解しているという実態の反映であろう。
 
 例えば、ネット書店の大手であるアマゾンでは、出品者に書籍の「ジャンル分類」を義務づけており、27の大分類とそれぞれの中、小分類を定めている。日本で最も著名なISO9001,14001解説書は、規格の改訂版ごとに、当該の改訂版作成に係わった国内委員会の委員長等が執筆し、規格協会が発行する、標題「規格要求事項の解説」と「新旧規格の対照と解説」という書籍である。これら解説書は、著者が規格の真意を最も正しく伝えていると主張し、一般に最も権威があると見做されているが、アマゾンではいずれも大分類「科学/テクノロジー」-中分類「工学」-小分類「工業規格」に分類されている。すなわち、著者やその代表する国内委員会やその解釈に依存するJABは、両マネジメントシステム規格の解説書を品質、環境改善の手法に関する“工学書”と認識している。
 
 アマゾンでは、これらを含めてそれぞれ凡そ110件と55件のISO9001と14001の解説書が販売されているが、その85%と68%の著者はその著作を“工学書”としての「工学規格」に分類している。また、12%と28%の著者は、同じ中分類「工学」の中の小分類「経営工学」と大分類「ビジネス/経済」-中分類「ビジネス実用」に分類し、工学的管理手法に関する実用工学書と認識している。わずか3%と4%の著者だけが、大分類「ビジネス/経済」-中分類「マネジメント/人材管理」及び「経営戦略」に分類して、“経営書”と認識している。すなわち、アマゾンに出品の解説書の日本人著者の大多数が、上記の権威者に倣ってか、或いは、「工学規格」という見掛け上恰好の中分類が存在するためか、“工学書”と認識し、また、実用工学書”と認識する著者もいるというのが実態である。
 
 しかし、同じアマゾンでは、「洋書」としてのISO9001とISO14001の解説書が、それぞれ、凡そ360件と65件が販売されている。「洋書」の「ジャンル分類」は上記の「和書」とは異なるが、ISO9001とISO14001の解説書のそれぞれ70%と95%が、大分類「専門書・技術書」と「ビジネス/投資」の両方にそれぞれ含まれる中分類「経営及びリーダーシップ」に分類されている。ISO9001解説書の残り28%は中分類「品質管理」を中心とする管理手法の“実用工学書”に分類されている。すなわち、英米人の著者の圧倒的多数がその著作の解説書を“経営書”と認識し、“実用工学書”と認識する著者もいるというのが実態であり、“工学書”か“経営書”かでは、日本人の認識と完全に逆である。
  
  さらに、日本書籍出版協会が運営するデータベース日本書籍総目録には日本で発行された書籍が出版社からの登録により記載されているが、各書籍の説明ページには国際標準図書番号(ISBN)と合わせて日本図書コードの図書分類がC-CODEとして表示されている。この総目録には、それぞれ94件、63件のISO9001、14001の解説書が登録されている。その60%と35%が、大分類「工学/工業」-小分類「工学工業総記」に分類されており、また、それぞれ20%と45%が、大分類「社会科学」-中分類「経営」に分類されている。さらに、その他が2%と12%であり、分類コードなしが18%と8%である。すなわち、日本書籍総目録でも、ISO9001解説書の日本人著者の大多数は“工学書”を書いたと認識しており、ISO14001解説書の著者の認識では“経営書”と“工学書”とが拮抗している。なお、上記の権威者による各規格2種類の解説書は、いずれも「工学工業総記」に分類されている。
 
 JIS和訳語「マネジメント」が規格原文「management」に基づくものである以上、その意味は英語で生活する英米人が受けとる通りの「経営管理」であるはずである。世上、例えば、マネジメントシステムの戦略的な実施とか事業プロセス
との統合などと、両規格とも2015年改訂版ではマネジメントシステムと経営との距離感が変化したと喧伝されているが、規格のJIS和訳「マネジメント」と「経営管理」が別物であるとする誤解を温存した新たな空論である。
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (7~9月) ■■■■■
          http://www.ms-jitsumu.com
★組織主導の規格解釈
■7/20 ISO9001 2015年版の改訂実態は2008年版並み
★規格の論理と用語
■8/18 品質マネジメントシステム
   
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■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]  規格解説書 有償頒布中 ■■■
         http://www.ms-jitsumu.com/sub44-2.html
           実務の視点 解説 ISO9001 2015年版
         第1分冊 規定解釈 編 第2分冊 論理と用語 編
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2016(H28)年7月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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ISOマネジメントシステム規格の実践に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行です。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO9001:2015年改訂に伴うISO/TS16949の改訂の状況
■ 2.ISO9001:2015年改訂に伴うAS9100の改訂の状況
■ 3. 認証制度関連規格の改訂、制定も続々
■ 4.ISO22000:2005の改訂作業、CD1からCD2に
■ 5.ISO50001:2011の改訂作業が早くも始まる
■ 6. ISO45001発行期限が二度目の延期
■ 7. ISOの次のヒット規格の狙いはサービス業の規格か

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その101>
■ ★ ISO9001 2015年版の改訂実態は2008年版並み

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(2~6月)]

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1. ISO9001:2015年改訂に伴うISO/TS16949の改訂の状況 -IATF発表
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2/8、4/16付きのIATF発表によると次の通り。
 
◆IATFは、作業班作成の第一次改訂案を承認し、4/12-13にローマで利害関係者集会を開催して、これと認証移行方法を44認証機関、41認証取得組織とIATF加盟組織、その他へ説明した
◆以後、必要な手続き行い、改訂版の発行は2017年の初めとなる。
◆改訂版では自動車産業における最近の事情に鑑みて、次の点が強化されている。
□安全関連の部品と工程に関する要件
□製品の追跡性に関する要件の最近の規制強化に対応した強化
□ソフトウェアを織り込んだ製品に関する要件
□NTF(問題なかった)の判定及び自動車産業指針の使用を含む補償管理の方法
□下位供給者の管理及び開発要件の明確化
□企業の責任に関する要件の追加
 
(IATF ISO/TS16949 Revision Workgroup News, 16 April 2016)
<http://www.iatfglobaloversight.org>
[関連情報] 2016(H28).2.1号 No.3
 
 
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2. ISO9001:2015年改訂に伴うAS9100の改訂の状況 -品質情報誌記事
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6/1付きの米国のウェブ品質雑誌 Qualitydigest記事は、現行のAS9100(品質マネジメントシステム-航空,宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項)の改訂C版をISO9001:2015に対応して改訂して、改訂D版とする作業の進捗状況を報じている。その概要は次の通り。
 
◆4月のIAQG(国際航空宇宙品質グループ)のシンガポール会議によって、多くの関係者が改訂D版の発行を2016年5月と予想したが、IAQGは英語版及びその他の規定言語版の発行を10月と決定した。
◆改訂D版発行が遅延することになったが、2018年9月という移行期限には変更はない。
◆改訂D版のC版からの主な変更点は次の通り。
□製品の安全性(8.1.3項)と偽造品の予防(8.1.4項)との2つの二次条項が追加された。
□規定の「~しなければならない(shall)」が、53から66に増えた。この増加分の30%は「測定、分析、改善」条項であり、3%が「実績評価」条項である。
□規定における大きな違いは、製品の安全性と偽造品の予防と人的要因である。前者には新二次条項が設けられ、他の5条項に追加された。中者には新二次条項と共に3つの条項の規定に追加された。後者は、不適合及び是正処置(10.2項)に追加された。
 
((Quality Digest: Articles, C.Kymal, 06/01/2016)
<http://www.qualitydigest.com>
 
 
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3. 認証制度関連規格の改訂、制定も続々-CASCO公報誌
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ISO/CASCO(適合性評価委員会)は、最新のウェブ広報誌で、関連規格の作成と改訂状況を報じている。その中のマネジメントシステム規格の認証と審査に関連する規格の制改訂状況は次の通り。
 
◆ISO17011:2004(認定機関に対する一般要求事項) 改訂 =CD2版投票が3月に締め切られ、賛成82%で承認され、DIS版段階に。
◆ISO/IEC17021-2:2012(環境マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項) 改訂 =DIS版投票が8/5締め切られ、第2回会議が9/28-30にISO本部で行われる予定。
◆ISO/IEC17021-3:2013(品質マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項) 改訂 =DIS版が発行され、これに対する投票が7/16-10/11の間に行われる。
◆ISO/IEC17021-10 (労働安全衛生マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項) 作成 = WD版が4月に作成され、7/27までの投票に掛けられている。
◆ISO19011:2012(マネジメントシステムの監査の指針) 改訂 = 改訂作業への参加者を募集中。
 
(ISO/CASCO Newsletter, June 3, 2016)
<http://iso.email9.com>
[関連情報] 2014(H26).9.1号 No.4
 
 
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4. ISO22000:2005の改訂作業、CD1からCD2に-ISO発表
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ISO22000(食品安全マネジメントシステム-フードチェーンの組織に対する要求事項)の初版(2005年版)の改訂作業は、昨年開始されが、その後の進捗状況に関する4/27付けISO中央事務局発表の概要は次の通り。
 
◆ 改訂作業を担うTC34/SC17/WG8は、4/4の週のブエノスアイレスでの第4回会議においてCD版に対する1000件の意見を検討した。
◆ 国際食品供給網の各当事者間の見解に隔たりが大きい為、CD2版を作成することを決めた。
◆ この会議を通じて、次の5つの概念を明確化する必要が明らかになった。
□高位構造及び共通テキストを適用すること
□HACCPによる操業に関係する危害分析と、機会を含む事業リスクとの違い
□マネジメントシステムに適用されるPDCAサイクルと、その中の一部であり、CODEX
のHACCP原則を包含する8章規定の操業に適用されるPDCAサイクルとの2つのPDCAサイクル
□CCPs、OPRPs、PRPsの違い
◆次の6/14-16のコペンハ-ゲン会議が今後の進捗のためのひとつの里程標となるだろう。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2075, 27 April 2016)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=
Ref2075>
[関連情報] 2015(H27).6.1号No.3
 
 
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5. ISO50001:2011の改訂作業が早くも始まる-ISO発表
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日本では必要性への疑念が呈される中で5年前に発行された ISO50001(エネルギーマネジメントシステム-要求事項及び使用の指針)であるが、早くもその改訂作業が開始された。これに関するISO中央事務局の6/14付け発表の要旨は次の通り。
 
◆規格の目的は、組織がエネルギー効率、エネルギーの使用や消費の改善を継続的に実現することに体系的に取り組むことができるようにすることである。
◆2014年末の段階で約7000の組織が認証を取得するなど、ISO50001の重要性は高まっている。
◆制定後5年が経ち、この規格が今後も世界のすべての企業や組織にとっての有用な用具であり続けるために改訂が必要な時期に至った。
◆今週、世界の約30ケ国の専門家がストックホルムに集まり、改訂について議論し、改訂作業を前進させた。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2091, 14 June 2016)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=
Ref2091>
 
 
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6. ISO45001発行期限が二度目の延期-ISO発表
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CQI(英国品質協会*)は、6/20付けで、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)規格のDIS版が、2/12-5/12の間の投票結果で否決され、また、投票期間中に3000件以上の意見が寄せられことから、DIS2版の作成が決まったこと、及び、このために発行期限の2度目の延期が決まったことが報じられている。これについて、ISO/PC283の6/6-6/10のMississauga(カナダ)での第5回会議コミュニケでは、当初発行期限の2016年9月が既に2017年6月に延期されており、PC283はDIS2版発行の決定に基づいて、TMB(技術管理評議会)に対して更に9ケ月の延期を申請したとされている。これによると、ISO45001規格の発行は2018年3月となる。
 
CQIニュースは、このような事態の背景には、DIS版の否決と寄せられた3000件以上もの異議で明らかにになった規格執筆関係者間の利害の対立であり、例えば、労働安全衛生の管理体制と管理の実行に対する作業者の関与の程度については企業団体と労働組合の代表者間でなお意見の一致がみられないままであると解説している。しかし、コミュニケでは、異議が次の6項目に集約できるので、これを解決すれば大半の異議を処理できると、問題が規定表現の技術的なものかの説明がされている。
 
6項目とは、法規制遵守の英語表現をどうするか、規定要件が含まれないような注記の書き方、定義に従っての用語「協議」の使い方、ISO14001と整合し、共通テキストから離れた規定表現、用語「作業者」の使い方と定義、「参加及び協議」に関する5.4項。
 
(CQI: News, 18 May, 25 May 2016)
<http://www.thecqi.org>
 
 
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7. ISOの次のヒット規格の狙いはサービス業の規格か-ISOの諸活動
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ISO中央事務局は5/9付けで「規格のお蔭で笑顔のサービス」と題して、サービス業に関する規格の必要性と規格化の狙い、及び、規格作成に向けての関係機関との連携の状況について、報じている。その要旨は次の通り。実質的にISO9001のサービス業向けの一種のセクター規格であろうが、サービス業のために規定表現を大幅に変更したISO9001:2015との関係については触れられていない。
 
◆サービス業が雇用者数やGDP構成の大きさで工業分野を抜き去った今日、規格化の必要がかつてない程に高まっているが、ISOがその規格開発を担う。
◆欧州委員会(EC)は単一市場においても、国境を超えたサービス業の展開には多くの障害があることを認識している。
◆国によるサ-ビス業規制の違いや不必要な法規制があり、組織が満たすべき要件が明確でない。
◆また、管理の欠如、消費者だまし、不透明さ、品質不良、非効率性、問題のある事業手法、及び、良いサービス提供を妨げるその他の障害といった、サービス市場の急速な拡大に伴う危険が現実化しつつある。
◆今、サービス業は、優れた事業手法を確立し、一貫した高いサービス品質を確保し、消費者の信頼を確かなものとするための規格を必要としている。
◆サービス規格により組織は不良サービスによるコストを削減し、苦情を低減でき、法規制遵守を確実にし、消費者を保護できる。
◆2011年のある調査によると、関係者がサービス規格に期待するものは、サービス品質の改善、顧客満足の向上、定義と用語の共通化、提供するサービスの透明性向上、契約内容の明確化、サービス業者の比較が可能になる、市場占有率向上、収益向上、サ-ビスの輸出が可能になる、である。
◆サービス規格の作成は目下、ISOとCEN(欧州標準化委員会*)が主導している。
◆ISOはその“2016-2020戦略”において、規格化の戦略的方向性として国際取引の障害の除去を挙げており、サービス規格の作成は優先事項のひとつである。
◆すでに特定サ-ビス業に適用する700規格を作成済みであり、サービス規格作成の指針となる消費者問題を扱うISO/IEC指針76を制定した。
◆6/13-14には、WTOとISO加盟機関が参加し、サービス規格作成の必要に焦点を当てた研究集会「国境をまたぐサービス業-その解としてのISO規格」が}ジュネーブで開かれた。
◆ISO/CASCOによると、ISO/IEC TR17028(サービスの認証制度の事例)を作成中であり、そのWD版が9月にはCD版に進む予定。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2077, 9 May 2016)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid
=Ref2077>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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         ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その101> ■■■
         ★  ISO9001 2015年版の改訂実態は2008年版並み
 
筆者は、組織主導の規格取り組みの観点から一字一句おろそかにせず規定を読んでその意図を明らかにし、08年版からの趣旨の変更が皆無であることを含み、ISO9001の2015年版の全容を明らかにした解説書を6/27発行した。
 
ISO/IEC業務指針*1によると、規格は作成又は改訂から最長5年毎に、その“市場適合性(market relevance)”について“体系的検討”が行われることになっている。この“市場適合性(market relevance)とは、必要で有用と認められて作成又は改訂された規格が、その後の時代の変化を経てなお必要で有用と認められて、用いられ、今後も用いられるかどうかということである。これにより、規格をそのまま保持するか、改訂するか、廃棄するか、又は、TSやPASに降格するかが決められる。時代に合わなくなった規定が見出された場合には、規定を変更し或いは追加するという“改訂”が行われ、規格の正しく或いは妥当でない使用に繋がるような規定の誤りやあいまいさ、及び、時代に合わないが規格の狙いや意図には影響しない規定が見出された場合は、“正誤表”の発行により“修正”される。
 
“体系的検討”の結果の規格の“改訂”とは、その規定が時代遅れになって規格の目的や狙いの実現に適当でなくなった、或いは、より効果的な理論や手法が開発されたというような時代の変化に対応して、規格の有用性を保持し或いは高めるために、新規な規定を追加し、又は、既存の規定表現を変更する形で、効果的な品質/環境経営管理活動のための新たな必要条件を規格に加えることである。これまでのISO9001と14001の“体系的検討”の結論は常に“改訂”であったから、“正誤表”発行の代わりに、改訂版の中で“修正”に相当する規定表現や注記の変更が行われて来た。この中で特異な改訂はISO9001の08年版であり、改訂作業で具体的な“改訂”事項が合意に至らず、「規定文章の要点を明確にし、ISO14001との両立性を高める」ための変更だけで、追補版として発行された。
 
さて、2015年版の場合であるが、TC176の改訂方針*2では、 (1)品質経営の手法や技術の変化を取り入れ、複雑化、要求厳格化、変化の激しくなるなどの事業環境の変化を反映する、(2)共通テキストの採用、(3)効果的な規格適用と各種適合性評価を容易にし、規定の正しい理解と解釈が容易を容易にする用語と表現が挙げられていた。 (1)が “改訂”であり、他は“修正”の範疇である。
 
一方、出来上がった改訂版について国内委員会関係者が説明している主要な変更点*3は、 (1)組織の状況に合致したマネジメントシステムの構築、 (2)事業への組み込みの強化、(3)パフォーマンス改善要求の強化、(4)リスクへの取り組み、(5) 一層の顧客重視、(6)QMSの方針及び目標と組織の戦略との密接な関連づけ、(7)文書類に対する一層の柔軟性、(8)組織的な知識の獲得、(9)ヒューマンエラーへの取り組み、(10)共通テキスト、サービスへの適用からくる用語の変更である。
 
ここに、(10)(4)は共通テキストに伴う用語の変更であり、(2)(3)(5)(7)は「~の強化」「一層の~」という表現から“修正”であることが明らかである。他の事項も、いずれも実務の品質経営管理活動の既存の管理要素であり、概念であり、変更についても、そのような事項をこれまでより重視しなければならない、そのような事項が大切であることをより明確にするというような意図で追加され又は変更されたと説明されているから、“修正”の域を出ない変更点である。「供給者」が「外部提供者」に、「文書」が「文書化した情報」に変わったのは、時代の変化に対応すると説明されているが*4、この変更は規格の狙いや意図には影響するものではないので、上記のようにISO/IEC業務指針上の“改訂”には当たらない。
 
すなわち、改訂方針の(1)は存在しなかったということであり、15年版の規定の08年版からの変更はすべて“修正”であり、“改訂”に相当する規定は存在しないのが実態である。組織の事業の存続発展の指針として規格を用いる組織は、“改訂”された事項に関して既に組織で認識し対応しているかどうかを検討することが大切であるが、“修正”された事項は受け流せばよい。にもかかわらず、国内委員長、中條武志氏は「2015年版改訂の影響は小さくない。組織にとっても認証機関にとっても、どのような態度で臨むのか真摯に検討することが必要である」と述べている*5。氏はISO/IEC業務指針に則った改訂作業に参画したはずであるから、なおさら奇異なことに思える。
 
多岐にわたる物事を標準化するという規格作成の性格に鑑みると、時代の変化の把握もその対応のための新たな規定も規格執筆者の洞察や創造によるものではなく、規定の元は、世界の組織が時代の変化を看破してその対応として編み出して実践し、成功を納めている様々な取組みの中の標準的で最良と、規格執筆者が考える論理と手法である。“改訂”か“修正”かを最も適切に判断できるのは、時代の変化を認識し、その規定の論理や手法を開発し実践する組織である。2015年版への効果的、効率的な移行にも、組織主導の規格取り組みが鍵となる。
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (2~6月) ■■■■■
http://www.ms-jitsumu.com
★ 解説書「実務の視点 解説ISO9001 2015年版」 (6/27)
★ 規格の論理と用語
■20. 組織の知識 (3/18)
■19. 組織の状況 (4/12)
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2016(H28)年2月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
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ISOマネジメントシステム規格の実践に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行であり、1月1日号の発行を予定していましたが、
11~12月情報に1月情報を加えて2月1日号として発行します。
次号からは、偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO9001:2015年改訂に伴う関連規格の改訂作業
■ 2.ISO14004:2016年版がFDISに
■ 3. 現行ISO/TS16949の有効期間はISO9001:2008と同じ
■ 4.ISOがISO31000(リスクマネジメント)ハンドブックを発行
■ 5.ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)が必要な訳
■ 6. ハンガリーではISOマネジメントシステム認定機関が不在に
■ 7. TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で高まるか認定認証の価値
■ 8. IAF、世界のISO9001認証組織のデータベース創設
■ 9. 米国の食品、医薬品規制におけるトップマネジメントの責任
■10. 米国の温暖化ガス排出削減計画に反対する州政府の訴訟

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その100>
■ ★ 社長の新年挨拶 -組織主導の規格解釈(10)

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(H27.11~H28.1月)]

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1. ISO9001:2015年改訂に伴う関連規格の改訂作業-ISO/TC176/SC2会議声明
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  昨年11/23~27の香港での第40回会議の結果について発表された声明の中のISO9001 2015年版発行に伴う関連規格の改訂作業日程は次の通り。
 
◆ISO9004:2009(組織の持続的成功のための経営) 改訂作業中。発行は3年以内。
◆ISO10005:2005(品質計画書の指針) 改訂作業中。発行は3年以内。
◆ISO10006:2003(プロジェクトの品質の指針) 改訂作業中。発行3年以内。
◆ISO10007:2003(構成管理の指針) 改訂作業中。発行2年以内。
◆ISO/TS9002(ISO9001利用の指針) 近日TS原案発行。
◆ISOハンドブック(中小企業のISO9001) 改訂作業中。
 
(ISO/TC176 SC2第40回の結果声明書、28 November 2015)
<https://committee.iso.org/files/live/sites/tc176sc2/files/documents
/N1336%20-%2040th%20meeting,%20Hong%20Kong%202015-11,Communique.pdf>
 
 
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2. ISO14004:2016年版がFDISに-ISO発表
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  ISO中央事務局の12/8付け発表の要旨は次の通り。
 
◆ISO14004(環境マネジメントシステム-実施のための指針)は、FDIS段階に至った。
◆同規格2016年版は、組織がISO14001のような環境経営体制(EMS)をその事業経営活動に効果的に織り込むことを支援することが主要な狙い。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2026, 8 December 2015)
<http://www.iso.org>
[関連情報] 2014(H26).9.1号 No.2
 
 
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3. 現行ISO/TS16949の有効期間はISO9001:2008と同じ-IATF発表
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  IATF((国際自動車タスクフォース)は、昨年10/12付けでISO9001:2008を基準として書かれているISO/TS16949:2009の有効期間を次のように明確にした。
 
◆ISO/TS16949:2009の有効期間は、ISO9001:2008の2015年版への移行完了時点である2018年9月14日までである。
◆今後、新規にISO/TS16949:2009で認証される場合の登録証は、登録時期の如何を問わず、2018年9月14日まで有効として発行する。
 
(IATF Oversight Certification Body Communique: 12 October 2015)
<http://www.iatfglobaloversight.org/>
 
 
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4. ISO31000(リスクマネジメント)ハンドブックを発行-ISO発表
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  1/18付けISO中央事務局の発表の趣旨は次の通り。
 
◆SME(中小企業)がリスクに事前準備し、企業の事業を守ることを助けるために新ハンドブック、ISO31000-リスクマネジメント‐SMEのための実用的指針が発行された。
◆ハンドブックは一連の質問と関連処置から成るチェックリストの形をとり、使用者が効果的なリスクマネジメントシステムを創設できるよう導く。
◆ISO、ITC(国際貿易センター)、UNIDO(国連工業開発機関)による共同発行である。言語は英語であり、間もなくフランス、スペイン両語でも発行予定。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2034, 18 January 2016)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2034>
 
 
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5. ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)が必要な訳-ISOの主張
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  ISOは作成中のISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)規格に関して、規格作成担当の委員会議長D.Smith氏に語らせる形で「世界はなぜISO45001を必要としているか」と題する論評を昨年11/3に発表した。概要は次の通り。
 
◆ 規格の必要性の主張は次の6点で述べられている。
□組織はなぜ労働安全衛生体制の整備のためにISO45001を導入することになるのか
□ISO45001は他のISO規格とどのように調和できるのか
□ISO45001は他のOHS(労働安全衛生)規格とどのように異なるのか
□ISO45001の作成を通じて他の組織と協働する利益は何か
□ISO45001はOHSAS18001の使用者にとって何を意味するか
□企業はISO45001に何を望み、期待できるか
◆規格の有利性の主張は、およそ次の3点と受けとめることができる。
□ISO45001はPDCAサイクル、リスクを基準とする枠組みなどISO9001/14001と同じ考え方と規格構造となっており、容易に組織の全般経営管理活動と一体化できる。
□既存の国際的な規格、基準の他、世界各国の規格などの取組みの考えや方法論が取り入れられている。
□ISO45001の規定はOHSAS18001とILO-OSH指針と矛盾するものではないので、それらの使用者も新規格を適用でき、労働安全衛生マネジメントを企業の全般経営活動に一体化させる機会を得ることができる。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2016, 3 November 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref2016>
 
 
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6. ハンガリーではISOマネジメントシステム認定機関が不在に-EA発表
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  背景や問題解決の方向には言及されていないが、EUの一国一認定機関制度の枠組みにあるハンガリーにおいて認定機関が不在の状況になったことを、一国一認定機関制度の枠組み管理機構のEA(欧州認定共同体*)が、1/19付けで発表した。発表の概要は次の通り。
 
◆ハンガリー国会で2015年7月6日に成立した新「認定法」に従って、旧認定機関NAT(ハンガリー適合性認定協会*)は、12/31でその活動を停止した。
◆これにより、NATのEA加盟機関としての資格、及び、EA多国間相互承認協定署名機関としての資格はなくなった。
◆NAT認定の下で発行された登録証はEA枠組みの有効な登録証ではなくなった。
◆NAT認定の登録証は、EU各国の監督官庁には認められず、各国の認定機関は認める必要はない。
◆EAは、悪影響の最小化のためにハンガリー政府当局と話し合い中である。
 
European Accreditation: News, 10/01/2016
<http://www.european-accreditation.org>
 
 
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7. TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で高まるか認定認証の価値-IAF
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  世界の認定機関の団体IAF(国際認定フォーラム)は、UKAS(英国認定協会*)発の情報として11/5付けで報じている。日本のISOマネジメントシステム認証制度にどのような影響が出てくるのか、とりわけ認証の質の向上が必要となるのかについては注目される。記事は簡単で次の通り。また、協定内容とその8条(貿易の技術障壁)を見るためのウェブのURLが記載されている。
 
◆11/5に合意が発表されたTPP協定では、既存の地域及び国際的相互認証協定(ILAC MRA及びIAF MLA)による認定の枠組みを、貿易の技術的障壁の除去の主要な手段として言及されている。
 
(IAF News, November 5th 2015)
<http://www.iaf.nu>
 
 
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8. IAF、世界のISO9001認証組織のデータベース創設-雑誌記事
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  米国のウェブ品質情報誌Quality Digestは、1/14付けのG. Ramaley氏(IAFのISO13485作業班議長)の投稿記事を記載している。概要は次の通り。
 
◆IAFは昨年12/23に78ケ国の認定機関の投票により、品質マネジメントシステム(QMS)認証の国際的データベースの創設を決定した。
◆なぜIAFかというのは、ISOが要望するISO/IEC認定、認証関係規格を今日適用しているのがIAFだけであるから。
◆計画では、認証機関がIAFデータベースに入力する。
◆供給網が国際的に拡がる中、このデータベースによってどの組織がISO9001認証を取得しているかを関係者が容易に知ることができる。
 
(Quality Digest: Standard, Column, 01/14/2016)
<http://www.qualitydigest.com>
 
 
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9. 食品、医薬品規制におけるトップマネジメントの責任-雑誌記事
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  米国のウェブ品質情報誌Quality Digestは、医薬業界向け雑誌QA Pharmの関係ブログの標題「GMPの監督と管理の経営責任(あなたは日々の操業がいつもどうなっているかを知っているか)」という記事を昨年12/7付けで掲載している。これは、食品と医薬品の品質不祥事発生に対する経営者の責任を強化するFDA(米国食品医薬品局)規制の変更を報じるものであり、2015年版ISO9001でトップマネジメントの責任が強化されたと喧伝される中で興味深い。
 
◆FDAは、1943年と1975年の2件の連邦最高裁判決により、連邦食品、医薬品、化粧品法(FDCA)の下では、企業の経営者は例えその役割に関する個別の不正行為がなくとも、訴追されることがあり得るという考えに立っている。
◆最近、食品医薬品局安全及び新機軸法(FDASIA)が改正され、FDCA法のCGMP(現在の適正製造規範) の定義に、「原料、医薬品製造に用いる物質及び最終医薬品のリスクを管理し、安全性を確保することを含み、品質確保のための医薬品の製造業務に対する経営者による監督と管理を行うこと」が含まれることになった。
◆定義へのこの「経営者による監督と管理」の追加は、FDCA法中の要件としての「監督と管理に関する経営責任」に対するFDAの主張を明確にするものである。
◆経営者はCGMP問題を品質部門に委ねてもよいが、問題の経営者への報告を品質部門の裁量とするようでは、どうしようもない問題が起きたことの報告を受けることになる。
◆経営者が日々の業務がどうなっているかを知り、必要な対応ができる情報を知ることができる意図的な経営管理体制の確立以上の良い方法はない。
 
(Quality Digest: Standard, Column, 12/07/2015)
<http://www.qualitydigest.com>
 
 
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10. 米国の温暖化ガス排出削減計画に反対する州政府の訴訟-AP通信記事
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、昨年11/4付けのAP通信の記事を引用し、オバマ大統領が昨年8月に発表した温暖化ガス排出削減の重要施策であるクリーンな発電所計画に反対する資源産出州が提訴したワシントンでの連邦高裁裁判について伝えている。環境問題が経済問題として争われ、政争の具ともなっている。概要は次の通り。
 
◆裁判は、化石燃料に経済的に依存する州と、既に干ばつ、強風豪雨、海水面上昇の被害を被っている州との争いとなっている。
◆テキサス、ウェストバージニア州が率いる多くが共和党知事の25州は、同計画を失業を生み、電気料金を高騰させる“違法な電力強奪”として、米国鉱業協会*や大手石炭会社なども加わって、昨年10月、EPA(環境庁)を訴えた。
◆ニューヨーク、カルフォルニア州が率いる18州は計画を擁護する意見書を提出したが、これには民主党が市長のニューヨーク、シカゴなどの大都市を含む多くの市と都市型地方自治体が加わった。
◆連邦政府の温暖化ガス排出削減計画では、2030年までに既存発電所からの排出を1/3減少させ、さらに新規石炭焚き発電所からの排出の歯止めとして風力や太陽光など代替エネルギー開発を促進させる。
 
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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             ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その100> ■■■
                     ★ 社長の新年挨拶 -組織主導の規格解釈(10)
 
  今年の正月休みは短く、大抵の企業、機関、役所は4日が仕事初めの日となった。この日に全員或いは幹部が社長や事業所長の年頭挨拶を聞くことを習慣にしているところも多い。賀詞を述べるだけの場合から新年の抱負を加えた年頭挨拶もあり、挨拶と共に新年の経営に関する所信を述べ、或いは、経営方針を発表することが恒例となっている場合もある。下記 はそのような仕事初めの日に行われた仮想のトップマネジメントの年頭所信表明である。
 
  文中の*印は、ISO9001:2015に規定される事柄であり、それを表す規格用語である。また、#印は、規定に関係する事項である。なお、規格ではこのような所信表明の骨子を決めるための方法論をマネジメントレビューの活動(9.3)として規定しており、その結論(9.3.3)が骨子となる。
 
*1:4.1 外部及び内部の事情(JISでは「課題」)/4.2利害関係者のニーズ及び期待;
*2:6.1.1 取り組む必要のあるリスク及び機会;
*3:6.1.2 決定したリスク及び機会への取り組み;
*4:5.2.1 品質方針(及び組織の品質目標)の確立;
*5:6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定;
#1:7.2 職務能力; #2:7.3 認識; #3:7.1.6 職務知識(JISは「組織の知識」); #4:5.1.2 顧客重視;
#5:7.1.5作業環境(JISでは「プロセスの運用に関する環境」); #6:7.1.3物的資源(JISでは「インフラストラクチャ」)
 
  曰く、昨年は、社運を懸けた新第二工場の建設工事を計画通りの短工期で、かつ、無事故で終えることが出来、試運転から量産試作試験まで順調に進み、年末には試作品が首尾よくお客様のラインを流れました。これはまさに偉業であり、皆さんの一丸となったご努力#2の賜物と厚く御礼を申し上げます。
 
  新工場で生産するのは、お客様の生産性の飛躍的向上に貢献する新しいタイプの高品質製品であり#4、この製造と納入の機会を頂戴した*1というお客様の付託には何としてもお応えしなければなりません*2。本年は、新設備の立ち上げと新製品の量産体制の確立とお客様の必要な量の新製品を安定して納入することに全社を挙げて取り組むことが必要です*3。
 
  また、この新機軸の高生産性技術はお客様の業界全体で導入の動きがあり、同業他社にもこれに追随する動きがあり*1、今年が新しい高品質時代の幕開けの年となる可能性があります*2。新設備の能力をフルに引き出し、この新しいタイプの高品質製品分野における製品と製造法の主導権の確立に向けて、お客様と連携して研究開発#3を推進することが必要です*3。
 
  一方、経済情勢は中国や途上国の成長の中休み、株安円高の予想などで輸出環境の悪化が予想される中でも、お客様には海外事業の一層の強化が図られるものと考えられます*1。この中で製品に対するニーズと期待がどのように変わっていくのか*2今まで以上によく注視し、必要な対応の検討に結びつけなければなりません*3。
 
  内には、当社のものづくりを支えてきたベテラン層が従来の退職年令に達する状況がさらに進行し*1、貴重な戦力が失われる恐れがあります*2。技能伝承#3の推進と合わせて*3、ベテラン層が引き続き会社に留まってその意気#2と能力#1を発揮できる業務環境#5#6の整備への一層の取り組みが必要です*3。
 
  さらに、コスト、収益については、・・・・・・・・。 地球環境保全に関しては、・・・・・・・。労働安全衛生面では、・・・・・・・・・。法令順守の観点では、・・・・・・・。
 
  このような内外の情勢*1と対応の必要性*2に照らして、本年の年度方針及びそのための重点取り組み事項*3*4を次のように定めました。各部長には、これに対応する業務目標とその取り組みの計画*5を、関連部門と調整して策定して頂きたい。これら方針、目標の達成は容易ではありませんが、今年も実りの多い年となるよう皆さんのご努力#2をお願いいたします。
 
  組織主導の規格解釈では、規格の規定の「・・・・・・・しなければならない」で何をすればよいのかと実務に無関係な無駄な仕事を作るのではなく、それは今行っている実務の何に相当するのかを考えると、ほとんどの規定には思い当たることがある。それを規定の意図に沿って必要なら見直す。これが規格の意図の規格導入の意味である。
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■■■[ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (H27.11~H28.1月) ■■■
http://www.ms-jitsumu.com
★ ISO9001:2015変更点と移行対応
11/19 8.5.1 製造及びサービスの管理
11/19 8.5.2識別及びトレーサビリティ
11/19 8.5.3顧客及び外部提供者の所有物
11/19 8.5.4保存
11/19 8.5.5引き渡し後の活動
11/19 8.5.6変更の管理
11/20 8.6 製品及びサービスのリリース
10/20 8.7 不適合なアウトプット
★ 規格の論理と用語
1/20 プロセスアプローチ
11/15 リスク及び機会
11/15 トップマネジメント
★ 組織主導の規格解釈
11/13 組織主導の規格解釈の必要を暗示する国内委員会15年版解説
1/27 社長の新年挨拶
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2015(H27)年11月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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■ 1. ISO9001 2015年版が発行
■ 2. ISO14001 2015年版が発行
■ 3. TC207がインドでISO14001 2015年改訂版に関する発表会を開催
■ 4. 英国では2015年版規格発行日に3社が2015年版の認証を取得
■ 5. ISO13485(医療機器)の改訂がFDIS段階に
■ 6. ISO45001(労働安全衛生マネジメント)の改訂作業がDIS段階に
■ 7. ISOマネジメントシステム規格の世界の認証登録数統計

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その99>
■ ★

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(9~10月)]

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1. ISO9001 2015年版が発行-ISO発表
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  ISOは、改訂作業が進められていたISO9001の2015年版が9/15に発行されたことを、9/23新聞発表した。この中の規格作成機関や作成者の想いとしての改訂の意義に関する主張の部分の概要は次の通り。
 
◆ 改訂により21世紀のISO9001にした。(N.Croft ISO/SC議長)
□過去のISO9001は多数の文書や記録を必要とするなど極めて規範的であったが、00年版、08年版を通じて文書化ではなく業務の実行管理の方に焦点を当ててきた。15年版はこれを更に進めて、規範的性格を弱めて実績に焦点を当てた。
□プロセスアプローチにリスク思考を組み合わせ、及び、すべてにPDCAサイクルを適用することで、これを達成した。
□他の規格のマネジメントシステムとの統合を容易にする構造とした。
□航空、自動車、医療機器産業などの分野別規格の基盤となる。
□規制当局の必要も考慮した。
◆ 世界は変わった。改訂版はこれを反映した。(K.McKinley ISO事務総長代理)
□技術進歩が顧客の期待を高くし、貿易障壁が無くなった結果、より複雑な世界的供給連鎖の形成が予想される。
□組織には新しい取組み方法が必要であり、改訂版が組織のこの取組みを助ける。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2002, 23 September 2015)
<http://www.iso.org>
[関連情報] 2015(H27).9.1号 No.1
 
 
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2. ISO14001 2015年版が発行-ISO発表
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  ISOは、改訂作業が進められていたISO14001の2015年版の9/15の発行を、同日に新聞発表した。この中の規格作成機関や作成者の想いとしての改訂の意義に関する主張の部分の概要は次の通り。
 
◆ 過去20年間見続けてきた多くの夢が適った。改訂版は今後20年はその価値を維持するだろう。 (A-M Warris ISO/SC議長)
□すべての環境問題を総合的に管理する人々を助けることができる。
□環境問題と組織の戦略的行動計画と思考とをより強く一体化するのを助ける。
□改訂版に埋め込まれたライフサイクルの視点や供給連鎖の問題は将来、より重視されることになるだろう。
◆ 技術と利害関係者の組織への期待に関する多くの変化を反映した。(K.McKinley ISO事務総長代理)
◆改訂版は、環境影響を生じる組織の外部と内部の両方の要素を考慮する必要に対する組織の認識の高まりなど、最新の傾向に対応にする。(C.Naden 記者)
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2002, 23 September 2015)
<http://www.iso.org>
[関連情報] 2014(H26).9.1号 No.8
 
 
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3. TC207がインドでISO14001 2015年改訂版に関する発表会を開催 -TC207
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  TC207は、最近新設のウェブサイトで、9/8にインド規格協会*主催の改訂版執筆小委員会TC207/SC 1による改訂発表会が開かれたことを報じている。目的は、改訂版の説明と途上国の改訂受けとめの聴取とされている。記事の概要は次の通り。
 
◆出席者はTC207総会に出席するインド代表団とインド産業界と要人。
◆第一部では、主要な変更点(S.LK.Briggs改訂作業リーダー)、改訂点の主要な視点としての戦略的環境マネジメント及びリーダーシップ(D. Trillos、コロンビア)、リスク及び機会(L. Greenwood、米)、利害関係者の参画と情報交換(B. Schwager、独)、ライフサイクル視点、バリューチェイン概念と供給連鎖マネジメント(奥野麻衣子)の各発表があった。
◆第二部ではISO14001及びISO14004途上国発表会があり、P.A.Syrrist氏(改訂作業リーダー)のISO14004のISO14001との違いの発表と、マレーシア、インド、コロンビア代表の発表があった。
◆第三部ではISO14001を使用するインド産業界4分野の代表の「ISO14001使用の教訓」に関する発表があった。

(TC207: News and updates, 5 September 2015)
<http://committee.iso.org/tc207sc1>
[関連情報] 上記No.2
 
 
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4. 英国では2015年版規格発行日に3社が2015年版へ認証更新-BSI発表
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  英国の認証機関BSIは、ISO14001の15年版の認証を1社に、ISO9001の15年版の認証をこの1社を含むに3社に、規格発行日の9/15にそれぞれ授与したと、9/16と9/23に新聞発表した。これに関連しては、IAFの移行指針(2015.1月)には、認証機関は組織にDIS段階から早期移行の活動を奨励すること、要請があれば現状と15年版との差異分析を開始してもよいことが規定されている。
 
◆ 改訂版発行日の認証更新は、改訂版の利益を一刻も早く享受するため。
◆ 3社は2014年に改訂版への移行の検討を開始し、FDIS版を用いて新規定への適合を図った。
◆ 3社共にBSIの永年の顧客であり、BSIは各社と密接に連携して、移行作業を通じて変更解釈の情報と、新規定がもたらす利益に関する多くの情報を提供するなど、改訂2015版の規定を満たすことを確実にするための支援を行った。
 
(BSI Group: Press Release, 16, 23 September 2015)
<http://www.bsigroup.com>
 
 
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5. ISO13485(医療機器)の改訂がFDIS段階に-BSI発表
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  2011年から続くISO13485規格の改訂作業の進捗に関する英国の認証機関の10/30の新聞発表の概要は次の通り。
 
◆ ISO13485:2005(医療機器-品質マネジメントシステム−規制目的のための要求事項)の改訂作業はFDIS版発行に至り、改訂版発行は2016年春と見込まれる。
◆ 本規格は調和規格(harmonized standard)として、発行以来の変化した欧州指令や他の国際的規制に医療機器製造者が適合を図るのを助ける。
◆ 規格は、ISO9001への適合を図るものではないが、全体としてISO9001と調和している。
◆ 規格改訂版は、共通テキスト・高位構造を採用せず、現状と同じISO9001:2008の条項構造を維持している。
る。
 
(BSI Group: Press Release, 16, 23 September 2015)
<http://www.bsigroup.com>
 
 
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6. ISO45001(労働安全衛生マネジメント) の改訂作業がDIS段階に-ISO発表
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  ISO中央事務局の9/28発表の中のILOの参画に関する記述の概要は次の通り。
 
◆ 先週の会議でCD版に対する意見のすべての検討が完了し、文章が改善されて、DIS段階に移行可能となった。
◆ ISO45001は、OHSAS18001に倣って労働安全マネジメントシステムの要件を規定する。
◆ 会議には、ILOとISOの両方の専門家や幹部が参加している。
◆ 多くの国がILO(国際労働機構)の国際労働基準とマネジメントシステムの労働安全原則を正式に批准し受け入れている。
◆ ILOが規格作成に参加する主要な理由は、規格がこれらと同じ内容になるよう支援するためである。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2006, 28 September 2015)
<http://www.iso.org>
[関連情報] 2015(H27).9.1号 No.3
 
 
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7. ISOマネジメントシステム規格 認証登録数統計-ISO Survey
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ISOが毎年末に発表する規格別、国別の認証登録数の推移の統計ISO Surveyの、2014年末を最新とする本年分は9/29に発表された。これに関する新聞発表で示されている、実績の統計に関するISO中央事務局の見方の概要は次の通り。
 
◆ 調査対象にISO22301(事業継続性)が追加され、合計8規格となった。
◆ 多くの規格の登録数の増加率が一定で安定する状況に至った。登録数の長期安定の印である。
◆ ただし、ISO50001(エネルギー)が40%、ISO22000(食品安全)が14%、ISO/TS16949(自動車)が8%と、なお拡大傾向の規格もある。
◆ 数年前に始まった傾向を裏づけるように、ISO14001は7%、ISO9001は1%増とわずか。
◆ ISO9001、14001のこの傾向は、20年が経過して勢いを失ったということを意味するのではなく、大企業のほとんどが認証取得し、さらに、ISO50001のような特定目的規格の方に枝分かれしていることが理由と考えられる。
◆ 登録数の低落があっても両規格が不要ということではなく、2015年改訂により寿命がまた延びることが期待される。
 
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:2008, 29 September 2015)
<http://www.iso.org>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
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にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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          ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その99> ■■■
         ★組織主導の規格解釈の必要を暗示する国内委員会15年版解説
                     -組織主導の規格解釈(9)
 
  TC176国内委員会の山田秀氏と須田晋介氏のISO9001の2015年版の改訂説明資料*1では、5.1.1項(リーダーシップ及びコミットメント)のc)項「組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステムの要求事項の統合を確実にする」の解釈が披瀝されている。同項を新規な規定とし、その解釈がこれだという説明には同意できないが、説明の内容そのものは失礼ながら正しい。
 
① 例えば設計プロセス、製品実現プロセスなどにおいて、プロセスを記述したやり方の中に、この規格の要求事項が確実に含まれている状態でなければならない。この規格の要求事項への適合を示すには、事業プロセスのやり方を規定している文書化した情報から、この規格の要求事項に関連する部分のみを抜き出し、それを提示する。・・・・・・・・・ 手順の文書化の形と認証審査の受け方についてのこの説明は、組織の実務の現実と合致しているという点で、文句のつけようのない適切な説明である。この「文書化した情報」が例えば、ある業務の作業方法を規定する手順書であるとすると、組織の実務ではこれと別に同じ業務に関する品質手順書、環境手順書、労働安全手順書などが作成されているようなことはあり得ない。例えば、ドリルによる穿孔作業の手順書には、素材の固定、ドリルの取付け、回転速度の設定の方法など作業方法が規定されているだけでなく、素材材質別のドリル種別、回転速度や送り速度などの品質のための基準、潤滑油の回収や切り屑の処理など環境管理のための方法、回転ドリルとの接触や切り屑取扱いによる負傷防止のための安全対策の方法等々、要員が遵守しなければならないことはすべて規定されている。別々の手順書に書かれていては実務では使い物にならない。ISO9001認証審査では、この手順書の品質のための基準が書かれているページを探して審査員に見せる。
 
② 適合を示す目的だけのための文書化した情報を作成するのは、事業プロセスへ統合されているとは言い難い。・・・・・・・・・・これも一理ある。今日のISO9001の導入組織の文書化の実態をいわゆる二重帳簿的になっているとみなしているからである。なぜなら、多くの組織で、ISO9001の規定に従って一連の文書を「品質文書」として作成し、ISO14001の環境文書とは別建てであり、或いは、手順書の記述も合わせて1冊にまとめた薄い品質マニュアルも存在するなど、「事業プロセスのやり方を規定している文書化した情報」とは異なる認証審査用の文書が存在するからである。また、08年版の認証組織は6種類の「手順書」を持っているが、それらが品質保証の問題だけを取り扱っている状況は、両氏の指摘の二重帳簿的文書化そのものであろう。
 
③ この規格の要求事項を主体に考えるのではなく、事業プロセスを主体に考える。・・・・・・・・・・説明では、これが二重帳簿的文書化を行わないために必要されているが、これも規格の性格に立脚した正しい規格解釈の原則である。 すなわち、JIS和訳「要求事項」は規格作成者の想いで決められた組織への要求ではなく、世界ではこのように優れた品質経営が行われているという規格作成者の認識の披瀝であり、これに習って事業を発展させたい組織の顧客満足追求に係わる経営活動の在り方を、関連業務と実行のための必要条件として表すものである。従って、規格が要求しているから何かをしなければないと考えるのではなく、「要求事項」は組織のどの業務に対する指針なのかを考えるというような規格取組みでなければならない。6種類の手順書の場合は、「手順を文書に表す」が意図された英語を「手順書」とする規格/認証関連機関の解釈を、組織が自らの必要と実務の実態より優先させて受け入れた結果であり、他の二重帳簿的文書化もすべて認証審査用に「要求事項を主体に考えた」結果である。
 
④ 事業目的の達成のために品質マネジメントシステムが構築されるべきという意図を明示することで、品質マネジメントシステムの構築そのものが目的になるという形骸化した運用を防止するねらいがある。・・・・・・・・・・この説明文の前半の規格の趣旨の再確認に関する部分の認識も適切である。規格は15年版でも1章(適用範囲)に規格が顧客満足の製品サービスを一貫して提供する能力を持つ組織であるための、及び、それを目指す組織にとっての必要条件を規定すると書かれているように、組織が規格を自らの業務に適用するのは、その事業を維持発展させることが目的である。しかし、これは規格解釈でも認証審査でもほとんど意識されていないのが現実であるから、両氏の説明はこの再確認を促すものとして意味がある。
 
  このように両氏の説明内容は全体として、規格が顧客満足の追求の観点からの組織の存続発展を図るための効果的な業務実行の指針で示すものと理解しなければならないということであり、「要求事項」と呼ばれる規格の規定を自らの業務にどのように適用すれば組織のためになるのかという観点で、主体的に規格を解釈し、規定を業務実行に反映させるという、組織主導の規格取り組みが必要であるということであり、そうではない規格/認証関連機関による規定文面解釈に盲従することが「形骸化した品質マネジメントシステムの運用」という組織の役に立たない現状を招いたということを表している。意識的ではないのであろうが、規格/認証関連機関としては真実の異例な認識披瀝である。
 
*1:山田秀、須田晋介、ISO9001:2015規格改訂説明会、2015.10.1 日本規格協会
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (9~10月) ■■■■■
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★ISO9001 改定解説(FDIS/2015年版):変更点と移行対応
■9/1 10.2 不適合及び是正処置
■9/6 10.3 継続的改善
■10/19 8.3.1 製品及びサービスの設計・開発 一般
■10/19 8.3.2 設計・開発の計画
■10/19 8.3.3 設計・開発へのインプット
■10/19 8.3.4 設計・開発の管理
■10/19 8.3.5 設計・開発からのアウトプット
■10/19 8.3.6 設計・開発の変更
■10/31 8.1 運用の計画及び管理
■10/31 8.2.1 顧客とのコミュニケーション 
■10/31 8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化
■10/31 8.2.3 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー
■10/31 8.3.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更
■10/31 8.3.1 製品及びサービスの設計・開発 一般
■10/31 8.4.1 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理 一般
■10/31 8.4.2 管理の方式と程度
■10/31 8.4.3 外部提供者に対する情報
★2015年版規格の論理と用語
■9/30 改善   
■9/30 パフォーマンス評価と品質マネジメントシステムの有効性の評価
★ 組織主導の規格解釈
■9/10 組織の実務を基礎とする規格解釈 -8
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2015(H27)年9月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO9001 2015年版(FDIS)の08年版からの変更点
■ 2.ISO9001/14001 2015年版改定 進捗状況
■ 3. ISO45001労働安全マネジメントシステム規格DIS段階へ
■ 4.ISO/IEC17021(認証機関と審査員の能力)の2015年版が発行
■ 5.ISO/TS16949改訂作業の進捗状況
■ 6. 中国適合性認定機関CNASが相互評価審査に合格
■ 7. 米国のISO規格作成参画者への年次教育
■ 8. 東芝不正会計事件で浮かび上がる品質文化の必要性
■ 9. 温暖化2℃以内は実現可能-国連環境サミットで報告予定
■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その98>
■ ★ISO9001:2015年版 組織の実務に基づく規格解釈

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(6~8月)]

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1. ISO9001 2015年版(FDIS)の08年版からの変更点-TC176/SC2座長の見解
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ISO9001中央事務局は、改訂作業を主管する小委員会SC2座長N.Croft氏の2015年版の変更点に関するインタビュー形式での見解発表の記事を7/9付け新聞発表している。規定をどのように変えたかという説明ではなく、規定の文章表現の意図、或いは、規定の文章の背景にある考え方を述べたものである。日本の規格執筆参加者の文字面解説には見られない規格解釈の視点である。
<http://www.iso.org>


◆初版は多数の文書化の必要を含む規範的規定が主体であったが、00年版では文書化の規定を減らし、業務の実行管理に焦点を当てるプロセスアプローチの考え方を導入した。
◆15年版ではこれをさらに進めて、“結果が大切”という基本原理の下に規範的規定をさらに減らした。
◆例えば、業務実行で決められた結果が出ているのか? QMSは適合製品サービスを提供するという組織の能力に対する信頼性の保証になっているのか?
◆15年版は実績を極めて重視し、実績をどのように達成するかというより、どんな実績を達成しなければならないかに焦点をあてている。
◆このことは、組織の事業環境を考慮しつつ、プロセスアプローチをリスク思考と組み合わせ、組織のすべての面にPDCAサイクルを用いることによって可能となった。
◆結論として、15年版を新規な一連の満たすべき要件<要求事項>としてではなく、組織の品質経営体制<品質マネジメントシステム>を改善する好機と考えてほしい。


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2. ISO9001/14001 2015年版改定 進捗状況-ISO, TC207
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ISO中央事務局、規格作成小委員会発表の2015年版作成進捗状況は次の通り。


□ISO9001、 ISO中央事務局7/9 <http://www.iso.org>
◆DIS版は、2014年11月に賛成約90%で承認され、同時に提案の3000件の意見を2回の会議で検討し、今日FDIS版が完成し、公用各語に翻訳された。
◆ISO加盟国でそれぞれ評価の後に最終投票が行われる。
□ISO14001、 TC207 7/1, 7/10
<https://committtee.iso.org/sites/tc207sc1/home/news.html>
◆改訂作業はFDIS段階に入り、9月2日締め切りで加盟国の投票が行われる。
◆2015年版は9月16日に発行されるものと思われる。
□ISO14004 TC207 6/20 同上
◆6月会議に引き続く次の9月初めの会議でDIS版に寄せられた多数の意見を検討し、FDIS版の発行となるだろう。


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3. ISO45001労働安全マネジメントシステム規格DIS段階へ-ISO発表
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ISO中央事務局は6/11、ISO45001のCD2版が75%という多数で承認され、次のDIS段階に入ったと新聞発表した。DIS版は本年末に発表され、投票にかけられる。ISO/PC283が担当。<http://www.iso.org>



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4. ISO/IEC17021(認証機関と審査員の能力)の2015年版が発行-ISO/CASCO発表
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ISOの適合性評価委員会(CASCO)は、6/15に第3版としての2015年版が発行されたと報じている。これは、当時の世界的な認証制度の信頼性低下への懸念への対応の形で、改訂されたばかりの2011年版の再改訂が2013年に開始されたもの。IAF(国際認定フォーラム)は認証機関が2015年版に適合するための猶予期間を規格発行から2年とする移行の指針を既に3月に発表している。これに関するISO9001中央事務局の6/17付け新聞発表の要旨は次の通り。
<http://www.iso.org>


◆規格は、ISO/IEC17021-1:2015(適合性評価‐マネジメントシステムの認証機関の能力及び認証に関する要求事項、第1部)であり、すべての種類のマネジメントシステムの審査と認証に適用される。
◆マネジメントシステムの審査と認証は国際貿易に役立ち、世界経済の長期的発展に必須である。
◆認証は、世界の市場において事業組織間、組織と顧客間の安心感を醸成し、供給連鎖の中の供給者となる資格を与え、また、応札の要件としても用いられる。◆ISO/IEC17021-1は認証機関と審査員に必要な能力を規定し、これにより認定された認証機関の授与する認証の価値に対する規制当局、消費者などの安心感をもたらす。
◆変更点は、遠隔認証機関事務所の認証活動の有効性の強化、リスクマネジメント手法の強化、審査時間と間隔の明確化である。
◆共同議長R.Dougherty氏は、どの認証機関も改訂版への移行は容易であり、大きな変更が必要となる認証機関はごくわずかだろうと語った。


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5. ISO/TS16949改訂作業の進捗状況-IATF発表
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IATF(国際自動車タスクフォース)によるISO9001:2015との整合化のためのISO/TS16949改訂作業の進捗状況に関する7/24付き発表は次の通り。
(Revision Workgroup News)<http://www.iatfglobaloversight.org>


◆改訂に関する利害関係者の意見の募集を完了した。
◆現在は応募意見の集約と、改訂作業の進め方の検討を行っている。


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6. 中国適合性認定機関CNASが相互評価審査に合格-CNAS発表
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CNAS(中国合格評定国家認可委員会)は、7/31付けでウェブサイトにIAF(国際認定フォーラム)の枠組みの下の各国発行の認証登録証の相互承認の条件としての、国際相互評価を受けたことを発表した。記事の概要は次の通り。
<http://www.cnas.org.cn>


◆CNASは7/6~11の6日間、PAC(太平洋認定協力*)とAPLAC(アジア太平洋試験所認定協力*)による共同相互評価を成功裏に受けた。
◆共同評価チームは、シンガポール、マレーシア、米国、日本、ニュージーランド、インド、タイ、ベトナム、フィリピン、香港、台湾からの11人から成る。
◆評価の対象は、品質、環境、情報セキュリティ、食品安全のマネジメントシステム、製品、試験及び校正機関、医療試験所、検査機関、技能検定機関、標準物質作製機関のCNASによる認定作業。
◆50認証機関の100認定書類、160人の認定審査員の書類が調査され、職員80人が質問を受け、13ケ所の認定審査の現地審査を受けた。
◆相互評価チームからCNASの認定業務に高い評価を受けた。CNAS認定の認証機関等の業務も高く評価された。


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7. 米国のISO規格作成参画者への年次教育-ANSI発表
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ANSI(米国規格協会*)の執行規格評議会*(Executive Standards Council)は、その傘下で米国を代表してISO規格作成に参画するU.S.TAGの委員に対する年次研修会の参加受け付け開始を発表した。その要旨は次の通り。
(News and Publications, June 3, 2015)<http://www.ansi.org>


◆ISOの規格作成手続きを定めるISO/IEC専門業務用指針(Directives)手順第一部は毎年改定される。
◆15年版は5月に発行される予定で、この変更点に関する研修会を開催する。
◆TCメンバーとTC(専門委員会)、SC(小委員会)、PC(プロジェクト委員会)の事務局長となる者がその役割を果すための適切な研修を受けることを、執行規格評議会は最近義務化した。
◆年次研修会にはこれらの人々が参加することが必要であり、TCの議長、小委員会の委員長となる人も参加が望まれる。U.S.TAGのすべての委員、また、TCやWG(作業部会)会合に参加する代表団員や専門家にとっても重要である。


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8. 東芝不正会計事件で浮かび上がる品質文化の必要性-CQI論評
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CQI(英国品質協会*)は、その評議員D.Hutchins氏を日本産業界と品質経営の国際的専門家と紹介して、東芝不正会計事件の深層に関する同氏の論評を報じている。(CQI News, 25 August 2015)<http://www.thecqi.org>


◆東芝が品質文化を追求していたなら7.8億ポンド会計不祥事は起きなかった。◆東芝問題は、世界大戦の悲惨な結末からの復活を果たした以降に日本企業が常に直面していた圧力が背景にある。
◆天然資源のない日本は加工貿易で生きていくしか道がなく、よい品質を安価に提供し、革新の最前線に立ち続ける必要があった。
◆これは最初の30年間は競争国の力が弱くて簡単だったが、やがて韓国や中国が同じ路線で成功を納め、次々と日本製品を上回ることになった。
◆リーマンショックによりこの状況が収益性の観点で東芝の認識することとなり、品質のように「ダントツ」思考ではなく、不正に頼ることになった。


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9. 温暖化2℃以内は実現可能-国連環境サミットで報告予定
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環境非営利団体Globe Foundationの7/11付け記事を引用した環境ウェブ専門誌の記事の概要は次の通り。<http://www.environmental-expert.com>


◆2015年の国連の気候変動パリ会議に向けて各国が大胆な目標を設定するのを支援する目的の報告書の中間報告書が9月の国連本部での環境サミットに提出されることになっている。
◆報告書はSDSN(持続可能な発展の解法ネットワーク*)、コロンビア大学地球研究所、政策研究機関のIDDRI(持続可能な発展及び国際関係研究所*)など、世界15ケ国の研究者により作成。
◆報告書の結論は、2050年の温暖化を2℃以内に抑える大胆な、かつ、実際的な方法があるというもの。ただし、可能だが簡単ではないということ。
◆このための方法は3つであり、エネルギ-使用効率を上げること、再生可能電力によって炭素起源の電力を無くすること、輸送、加熱、工業処理に用いられる化石燃料を低炭素電力、再生可能バイオ燃料、水素によって置換することである。
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
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にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その98> ■■■
★ISO9001:2015年版 組織の実務に基づく規格解釈


管理者の仕事は、事業活動の目標を達成するように決められた通りに業務が実行され決められた通りの業務結果を出すように担当部門の業務実行を管理することである。業務実行管理では、業務の実績を狙いの業務結果と比較評価して、実績が狙いの通りであればよしとし、そうでなければ処置を取る。管理の目的は業績目標の達成であるから、管理の対象はそれら結果がすべて狙いの通りなら狙いの顧客満足の状態が間違いなく実現すると考えられる業務だけである。管理は一般に、(Ⅰ)日々の生産活動、(Ⅱ)月単位、(Ⅲ)年度単位の3段階で行われている。


(Ⅰ)は狙いの業務結果が出ているかどうかの観点での個々の業務の生産現場で管理であり、担当者が決められた手順に従って行い、また、結果を記録する。例えばⅠ-①粗加工後の部品の表面を目視観察して外観管理基準の限界サンプルに照らして出来ばえを3水準に分類し、これに基づき仕上げ加工条件を変更する。また、Ⅰ-⑤⑥発生した異常や苦情に対して処置をとる。(Ⅱ)は業績管理の観点で関連業務の実行が順調かどうかを判断する管理であり、例えばⅡ-①粗加工部品の当月の出来ばえを3水準の各区分の比率として月次推移図に表し、当月実績を過去と比較評価し、粗加工能力に狙いの顧客満足の状態の実現に影響する何かの異常が起きていると判断される場合には処置をとる。また、Ⅱ-⑧業務目標実行計画の実績を計画と比較し、遅れに対して処置をとる。


規格では、決められた通りの結果であるかの評価判定はパフォーマンス評価(9.1.1)であり、パフォーマンス(3.13)を品質目標(3.08)又は判断基準(4.4.1)と比較評価し、パフォーマンスが目標を満たしていれば適合(3.18)であり、そうでなければ不適合(3.19)であり、不適合に対する処置は改善(10.1)であり、Ⅰ-①の不適合の処置は修正、Ⅱ-①の処置は是正処置(10.2)である。また、Ⅱ-①の出来ばえ区分率は粗加工能力を表すパフォーマンス指標(4.4.1)であり、Ⅱ-①のパフォーマンス評価は分析及び評価(9.1.3)である。業務結果が製品である場合にはパフォーマンス評価は合否判定基準に照らしての検証(8.6)である。これらの管理や生産活動など組織の業務は、要員、設備、手順、文書、責任権限など用意された業務実行の手はずに則って行われているが、規格ではこの手はずは品質マネジメントシステム(4.4)であり、手はずを整えることは品質マネジメントシステムの計画(6.1.1)である。生産指示やⅠ-①の結果報告はコミュニケーション(7.4)である。(Ⅰ)の統括は管理責任者の役割(5.3)であり、(Ⅱ)の評価と判断はトップマネジメントの責任(5.1.1)である。


(Ⅲ)年度単位の業務実行管理では、当該年度の業績を確定し、次年度の業績目標と必要な経営施策を決定するために トップマネジメントが自ら年度末に当該年度全体を振り返り、Ⅲ-1業績目標の達成の評価、Ⅲ-2それに関連しての業務能力の評価とⅢ-3事業環境の変化の評価を行う。Ⅲ-1では⑥原因別苦情発生件数など様々な業績目標指標の実績をイ)~ヘ)品質指標の過去の値又は当該年度の業務目標の値と比較評価する。業務実行が手順書の通りであるように管理してきたのは、それによってこれまでと同様の製品・サービスへの顧客の信頼感を確保するためであり、Ⅲ-1では各品質指標と業績目標の実績を総合的に評価して狙いの顧客満足の状態が実現したかどうかを、例えば次年度も同様に継続取引をしてもらえそうかどうかというような観点で判断する。Ⅲ-2ではⅢ-1に関係する不適合の原因となった業務能力上の問題を抽出し、Ⅲ‐3ではⅢ-1の原因を含み次年度以降の業績に影響を及ぼす可能性のある事業環境上の事情とその変化を抽出し把握する。


この業務実行管理は規格では、マネジメントレビュー(9.3)であり、Ⅲ-1,-2,-3の各評価項目はマネジメントレビューへのインプット(9.3.1)である。Ⅲ-1の⑥原因別苦情発生件数は顧客満足の状態を表すパフォーマンス指標(4.4.1)であり、比較評価の基準は品質目標(6,2)である。実現したと判断される顧客満足の状態は品質マネジメントシステムのパフォーマンス(10.3)であり、このパフォーマンス評価は実績を品質方針に伴う品質目標(5.2)と比較評価することである。Ⅲ-2のパフォーマンス評価は、出した不適合やとった是正処置から判断される業務能力の実績が狙いの顧客満足の状態の実現に必要と考えられる業務能力と比較評価することである。Ⅲ-3のパフォーマンス評価では、前提としてきた事業環境上の事情が狙いの顧客満足の状態に照らしての適否の評価判定である。Ⅲ-3の事業環境上の事情の変化とⅢ-2の業務能力の問題点は規格では、組織及びその状況(4.1)と利害関係者のニーズと期待(4.2)である。Ⅲのパフォーマンス評価はトップマネジメントが自ら行い(9.3)、評価判定は分析及び評価(9.1.3)でなければならない。


(Ⅲ)の業務実行管理ではⅢ-1,-2,-3の評価判定に基づいて、トップマネジメントは次年度の業績目標を決め、これに必要な経営施策を決定し、これらを次年度の年度方針及び重点取組み事項として明確にする。これらは次年度の各部門の業務目標、業務目標計画書に展開し、手順書に定められたこれら以外の大多数の業務と合わせて決められた通りの結果が出るように(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)で実行を管理する。


規格では(Ⅲ)によるトップマネジメントの次年度に向けた決定はマネジメントレビューからのアウトプット(9.3.3)であり、必要と決めた経営施策には、パフォーマンス評価で見出された次年度における組織の発展の可能性を追求する処置すなわち機会への取組みと次年度で生じ得る不適合に対する処置すなわちリスクへの取組みが含まれる。これら取り組みは、次年度の品質方針・品質目標(5.2)と品質目標(6.2)とし、その実現のために業務実行の手はずを変更する(6.3項)か、業務目標計画書(6.2.2)に明確にする。このような品質方針、品質目標(9.3)の設定と業務実行管理の繰り返えしが継続的改善(10.3)である。


規格の規定の文言から何をしなければならないかを考える規格解釈ではなく、組織の現実の仕事の仕方に規定の意図を当てはめるという本来の規格解釈を行うならば、2015年版への移行作業はしないのも同然で済む。しかも、これが2005年改訂の趣旨に合致し、ISO9001が役に立つ規格となる。
(註) 規格用語はすべてJIS和訳のまま。 (3.08)などはDIS版の用語の定義、他はFDIS版の条項を指す。


. 組織の品質経営の実務を基礎とするISO9001 2015年版解釈  
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★2015年版 改訂進捗
■7/21 ISO9001 FDIS-見掛けの変更多数だが趣旨不変の2015年版がほぼ確定
■7/10 ISO14001 FDIS-結局 2004年版から何も変わらなかった
★ISO9001 改定解説(DIS):変更点と移行対応
■8/19 10.1 改善 一般
■8/7 9.2 内部監査
■8/4 9.1.3 分析及び評価
■7/27 7.5.3 文書化した情報の管理
■7/27 7.5.2 作成及び更新
■7/3 7.4 コミュニケーション
■7/13 7.5.1 文書化した情報 一般 
■6/28 7.3 認 識
■6/3 7.2 力 量
★2015年版規格の論理と用語
■7/27 文書化した情報
■6/1 製品及びサービス 

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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2015(H27)年6月1日号
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1. 2015年版 ISO14001のFDIS版作成完了
■ 2. 予測されるISO9001 2015年版の認証審査の視点
■ 3. ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の改定の検討を開始
■ 4. ISO31000(リスクマネジメント)の改定作業が開始
■ 5.ISO、汚職防止のための規格(ISO37001)を作成中
■ 6. ISO、無人飛行機に関する規格作成を検討
■ 7. ISOがASMEとの共同規格ISO/ASME14414を初めて発行
■ 8. 中国国務院、国家規格制度の改革の告示を発布
■ 9. オゾンホールは大幅に軽減-モントリオール議定書の効果の検証結果

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その97>
■ ★ 組織の実務を基礎とする規格解釈‐組織主導の規格解釈(7)

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(4~5月)]

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1. 2015年版 ISO14001のFDIS版作成完了-TC207発表
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  TC207は最近新設したウェブサイトで4月20~25日のロンドン会議を経て改定ISO14001のFDIS版が作成されたことを発表した。仏、独、英の規格作成関連機関もこれに関連して詳細で必ずしも一致しない情報を発信している。TC207発表を中心にした改定作業の進捗状況は次の通り。
 
◆DIS版投票で寄せられた39ケ国の約1400件の意見の検討が見込みより1ケ月早く終わり、FDIS版の起案作業が完了し内容が合意された。
◆FDIS版は6月から8月までの2ヶ月の加盟国の投票にかけられる。
◆改定版の発行は9月の見込み。
◆DIS版の用語「脅威」を用いる表現は他規格との整合性のため修正された。
◆ISO14004はDIS版が投票で賛成87%にて承認されて5月にFDIS段階に入った。改定版の発行は年末の予定。
 
(ISO/TC207/SC1: News, No.24, 4 2015)
<http://committee.iso.org/sites/tc207sc1/home/news.html>
[関連情報] 2015(H27).4.1号 No.1
 
 
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2. 予測されるISO9001 2015年版の認証審査の視点-UKAS発表より推測
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  英国の認定機関UKASは、4月のIAFで国際的に合意された基準に基づき、認証機関の15年版審査能力の認定のための基準を更新したとして、認証機関を審査する際に考慮する19項目を明らかにした。この中の次の事項は審査員の能力に関係し、審査員が15年版でどのような審査をすることになるのかを想定できるという点で興味深い。
 
◆リスク思考を審査できる能力。リスク分析手法(SWOT,FMEA等)の理解。
◆特定されたリスクと機会、及び、リスク緩和処置の適切を評価できる能力。
◆マネジメントシステムが「組織の置かれた状況」を反映しているかの分析能力
◆「組織の置かれた状況」に基づいて審査を計画する能力
◆「内部及び外部の課題」「利害関係者のニーズ゙と期待」の理解
◆「組織の境界」の理解
◆プロセスの全体と「組織の置かれた状況」のリスクの特定
◆リーダーシップ条項に関する面談者の選定
◆新規な用語の含意の理解
 
(UKAS:ISO9001:2005 Status and Transition Planning-UPDATED Bulletin, 27 April 2015)
<http://www.ukas.com>
[関連情報] 2014(H26).11.1号No.2
 
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3. ISO22000(食品安全マネジメントシステム)の改定の検討を開始-ISO発表
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  2005年発行のISO22000の改定の検討が開始された。ISO中央事務局の発表の要旨は次の通り。
 
◆TC34/SC17/WG8は、2/23~25のダブリン(アイルランド)で会議を開き、必要な改定点に関する討議を行なった。
◆改定点の検討は、昨年の規格使用者の意見調査の結果に基づき次の点となる。
□特に、重要管理点、オペレーションPRPプログラム、製品回収とリコール、外部管理手段の組み合わせなど重要概念の明瞭化
□用語と定義の見直し
□規格を簡素化、簡潔化
□行き過ぎた規範的規定表現の回避
□中小企業の取り組みを容易化
◆共通テキストを採用することにより、他のマネジメントシステム規格との一体的使用を容易にする。
 
(ISO: News Ref1951, 20 April 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1951>
 
 
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4. ISO31000(リスクマネジメント)の改定を開始-ISO発表
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  2009年に発行されたばかりのISO31000(リスクマネジメント)規格の改定作業開始の告げるISO中央事務局の発表の要旨は次の通り。
 
◆ISO31000(リスクマネジメント)規格作成に責任を持つISO/TC262/WG2は、3/3~9のパリ会議にて、必要な改定点について討議した。
◆ISO規格は5年毎に見直すことになっており、ISO31000とその用語の定義を定めるGuide73も例外ではない。
◆既に主要企業と政府から656件の見解が寄せられており、3月会議ではこれを評価して、その後、改定検討項目をDS(設計仕様書)として整理することになる。
◆改定版の発行は、このDSが加盟国により承認されれば2016年半ば、第二DSということになれば2017年末になろう。
 
(ISO: News, Ref1963, 13 May 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1963>
 
 
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5. ISO、汚職防止のための規格(ISO37001)を作成中-ISO発表
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 ISO中央事務局の発表の要旨は次の通り。
 
◆贈収賄の防止への取り組みは、国際的経済開発と貧困の絶滅に必須である。
◆過去15年、この対策に世界の政府が取り組み、国際条約、法律化された。
◆贈収賄は応札、発注に影響を及ぼし、コストとリスクを増大させる。
◆この防止のための汚職防止の管理を品質や労働安全と同様の経営管理上の施策として実行する組織を支援するために、規格を作成する。
◆規格は、組織の規模の大小や公共又は民間の組織を問わず、汚職を撲滅し、倫理的業務風土を育てる組織を支援する。
◆規格作成には44ヶ国の80人の専門家が当たっており、現在は委員会原案段階で、2016年末の発行を目指している。
 
 
(ISO: News, Ref1967, 27 May 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1967>
 
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6. ISO、無人飛行機に関する規格作成を検討-ISO発表
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  ISO中央事務局の発表の要旨は次の通り。
 
◆ISO/TC20(航空機及び宇宙船)は、いわゆるドローンの無人飛行機システム(UAS)を扱う小委員会SC16を発足させた。
◆国境監視、森林や漁場、石油ガス輸送管、軌道への貨物の投入などへの使用のための民間用無人飛行機と航法に対する需要が高まっている。この他にも様々な適用の可能性が検討されている。
◆一方でその安全性と治安に対するリスクへの懸念が高まっている。
◆商業的利用機会を拡げるために、安全性と宇宙空間利用の効率性を損なうことなしに定常的な無人飛行機利用を可能とする世界的に調和のとれた空間を作り上げることが規格化の目的である。
◆検討中の規格の主要な視点は、検出及び回避と、指揮及び制御である。
 
(ISO: News, Ref1946, 27 March 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1946>
 
 
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7. ISOがASMEとの共同規格ISO/ASME14414を発行-ISO発表
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  ISO中央事務局は、ISOがASME(米国機械学会)と連携してポンプのエネルギー効率の評価に関する規格、ISO/ASME14414(ポンプ設備エネルギー評価)を発行したと発表した。このISO/ASMEという規格の性質についての米国の規格書販売会社Document Center社ウェブサイトの説明の趣旨は次の通り。
 
◆ISO/ASME14414規格は、ISOとASMEの共著という新しい種類の規格であるという点で注目される。
◆さらに注目すべきは、この規格がANSI(米国規格協会)の定めた規格作成手順に従って作成されたこと、及び、既にANSI規格となっていたことである。
◆ポンプ担当のISO/TC115がASMEのEA委員会(工業設備のエネルギー評価)と共同でこの規格を作成した。
 
(ISO: News, Ref1934, 2 April 2015)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1934>
(Document Center Inc: Standard center, April 14, 2015)
<http://standardsforum.com/>
 
 
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8. 中国国務院、国家規格制度の改革の告示を発布-ANSI発表
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  ANSI(米国規格協会)は、3/26付きの中国国務院告示について説明し、傘下の規格作成機関のために翻訳したと発表した。発表の中では、告示が国際規格化の重要性に言及していることから、この分野での中国の影響力がさらに高まることへのANSIの警戒感が暗に述べられている。発表の中の告示の内容に関する概要は次の通り。
 
◆この告示は李克強首相の最近の発言に沿ったものであり、2015~2020年の間の6つの改革施策を概括している。
◆それら改革施策とは、国務院の下に改革推進調整機構を設ける、強制規格の数を減らし統合する、任意又は“提案された”規格の体系を最適化する、“社会組織規格”の開発を支援する、企業規格の開発を奨励する、規格の国際化の水準を向上させる、である。
 
(ANSI: News and Publications, 04/27/2015)
<http://www.ansi.org>
 
 
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9. オゾンホールは大幅に軽減-モントリオール議定書の効果の検証結果
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌、Environmental Expertは、オゾン層破壊物質の規制に関するモントリオール議定書(1989年発効)の成果を讃えるニュージーランドの国立水圏大気研究所(NIWA)の報告書について報じている。報告書の成果に関する概要は次の通り。
 
◆2013年の南極のオゾンホールは議定書がなければ今より40%大きかっただろう。◆南極の春季のオゾンホールは最初1980年に現れ、その後毎年現れるようになり、21世紀初頭に最大となった。
◆今日の状況からは、オゾンホールは2050年位までには消滅すると予測できる。◆風向きのためにオゾンホールが出現しにくい北極でも、議定書がなければ2011年に完全なオゾンホールが現われ、その後の毎年の春に現れていたと推定される。
◆最も皮膚ガンの発生率が高いニュージーランドでは紫外線強度が今より8~12%増大していただろう。
◆オゾン層の健全性が回復したとしても紫外線の危険性を忘れてはならない。
 
(Environmental Expert: News, May 26, 2015)
<http://www.environmental-expert.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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          ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その97> ■■■
          ★ 組織の実務を基礎とする規格解釈 - 組織主導の規格解釈(7)
 
  規格が役に立たないという認証取得組織に蔓延している不満の原因は、認証業界による文字面解釈に盲従しているからである。そもそも規格とは作り出されるものではなく、ある物又はある事柄が世の中に様々な姿や形で存在するのを整理し、平均的で適切な姿、形を決め、これを標準とみなそうという当該分野内部の合意である。ISO9001/14001規格は、製品の顧客満足/地球環境保全の点で顧客や利害関係者或いは社会の必要や期待に沿って事業活動を行ったことにより認められ信頼されて存続発展して来た世界の多くの組織の経営管理の様々な仕事のしかたの中から共通的で優れた考え方と方法論を抽出、整理して規定という形で表したものである。認証業界や規格作成者の15年版改定解釈の説明で透けて見えるのは、この認識の欠如であり、自分達が規定を作りだしたという思い違いである。
 
  さらに、規格のこの性格に照らすと、認証登録の有無によらず現実に世界の多くの組織が全部ではないとしても規格の規定の考え方や方法論に従って品質/環境経営を行なっているになる。特に日本の組織はそうだと考えてよい。そうでなければこの品質競争の激しい、公害に厳しい国では生き残れないからであり、規格の考え方や方法論は1970~1980年代の日本の輸出企業の実践したものが基礎になっており、これらは日本の製造業には系列関係を通じて隅々まで浸透しているからである。
 
  従って、日本の組織の規格解釈は、規定の用語や文章は当該組織で行なっているどのような仕事に関係し、規格はそれをどのように行なうべきと言っているのか、それは顧客や利害関係者或いは社会に認められるために、或いは、効果的な品質/環境経営であるために、或いは、狙いの品質/環境業績の実現を確実にすることに、どのように関係するのか、なぜ必要なのかを考えることでなければならない。
 
  この規定はこの仕事のしかた、この管理のやりかたについて言っているとわかり、この仕事はこれが目的だったのかとわかると、規定の趣旨に照らして、今のままでよい、これはやめてよい、或いは、このように変えなかければならないということになる。規定に対応する仕事が全く存在しないなら尚更、それがなぜ必要かを納得するまで考えることが、無駄な仕事を作って大変大変と嘆かないために必要である。
 
  例えば、マネジメントレビューという規定に関して、毎日やるべきだ、毎月の品質/環境会議を活用してもよい、何回かに分けて行なってもよいというような解釈論議が未だにかまびすかしい。しかし、どの規模の組織でも期末には決算を行うし、経営者主宰の品質問題に関する月例会議をもっている組織では、期末のこの会議では1年を振り返って、各種の目標が達成されたか、どんな問題があったか、次年度に取り組むべき課題は何か等の議論が行なわれる。これらが規格ではマネジメントレビューと表現されている。組織はこれらのやりかたを規定の趣旨に沿って見直せばよい。
 
  決算では収益の確定と合わせて、経営者の頭の中の思考だけであれ、系統的分析データを用いた検討であれ、目標収益達成を評価し、差異の原因を分析して、その背景の業務実績と顧客の満足実態を把握し、これと経済情勢、顧客や市場の動向など次期の事情の予測とを照らし合わせて、次期の売上と原価に係わる成り行きを予測し、とり得る対応をとることにより可能な売上と原価の狙いとその差としての収益目標を決め、とるべき対応としての経営施策の腹積もりをする。目標達成の評価と差異原因分析が「c) 品質パフォーマンスの情報」、次期の事情の予測が「b) 外部及び内部の事情の変化」、対応する必要があると判断される成り行きが「取り組む必要のあるリスクと期待」(6.1項)、腹積もりした経営施策がマネジメントレビューからのアウトプット(9.3.2項)と表現されている。
 
  規格を役にたつものとするには、規格の元が組織で実際に行なわれている経営管理の活動にあり、日本の認証取得組織のすべては既にISO9001/14001の規定に沿って業務を行なっていると考えて、規定は組織に役立つものとの認識の下に、規定に該当する既存の業務のやり方を見直すという、組織主導の規格解釈、規格導入でなければならない。

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      ■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (4~5月) ■■■■■
                          http://www.ms-jitsumu.com
★ISO9001 改定解説(DIS):変更点と移行対応
■5/26 7.1.5 監視、測定のための資源
■5/10 7.1.4 プロセス運用の環境
■5/5 7.1.3 インフラストラクチャー
■4/30 7.1.1 資源 一般
★2015年版規格の論理と用語
■5/28 計量管理
■5/26 監視、測定のための資源
■5/10 プロセス運用の環境
■4/30 資源
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2015(H27)年4月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1. ISO9001/14001 2015年版の改定作業の現状
■ 2. ISO50001規格(エネルギーマネジメント)の指針規格の発行
■ 3. ISOの労働安全衛生規格(ISO45001)作成作業の現状
■ 4. ISO が老齢化社会における地域健康管理体制の標準化に取り組み
■ 5.米国環境庁、食品医薬品局によるナノ物質規制
■ 6. 福島第一原発の汚染浄化に数百万ドルの無駄遣い
■ 7. 温暖化ガス排出削減では海面上昇を抑制できない

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その96>
■ ★2015年版改訂解説における文字面解釈‐組織主導の規格解釈(6)

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(1~3月)]

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1. ISO9001/14001 2015年版の改定作業の現状-LRQA発表
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  2015年版改訂作業の進捗をウェブサイトで逐次明らかにしている英国の認証
機関LRQAは、3/18付けでISO9001/14001改訂作業の現状を発表した。要旨は次
の通り。
 
□ISO9001
◆最終国際規格原案(FDIS)作成段階にあり、FDISの作成のためにDIS投票で寄せられた意見を見直し検討している。
◆FDISは作成後、全加盟国の投票にかけられることになるが、これは7月と予定されている。
□ISO14001
◆FDIS段階にあり、DIS投票で寄せられた意見を見直し検討するための会議が3月に東京で開かれた。
◆この結果、残された意見の見直し検討を行なう会議を4月に英国で持つこととなった。
◆この会議の後にFDISが発行され全加盟国の投票にかけられることになるが、2015年版発行を今年末とするとこれは8~9月になると思われる。
 
(LRQA: News, 18 March 2015)
<http://www.lrqa.co.uk>
[関連情報] 2014(H26).11.1号 No.1
 
 
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2. ISO50001規格(エネルギーマネジメント)の指針規格の発行-品質雑誌記事
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  米国の品質雑誌Quality Digestの1/5付き記事にある指針規格と関連規格の概要は次の通り。組織の活動要件を規定するISOマネジメントシステム規格が発行されると、関連する監査、認証、活動指針の一連の規格が作成されるのが常態化しているが、ISO50001(エネルギーマネジメント)もそれに倣って続々と周辺規格が発行されている。今後も作成が続くことが規格番号から判断される。
 
□今回発行の規格
◆ISO50004:2014 エネルギーマネジメントシステムの履行、維持、改善の指針
◆ISO50006:2014 エネルギー基準値とエネルギー実績指標を用いたエネルギー実績の測定-一般原則及び指針
◆ISO50015:2014 組織のエネルギー業績の測定と合否判定-一般原則及び指針
□既存の規格
◆ISO50002:2014 エネルギー監査-要件及び使用の指針
◆ISO50003:2014 エネルギーマネジメントシステムの監査及び認証を行う機関に関する要件
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1807, 20 December 2013)
<http://www.iso.org/iso/news_archive.htm?archive=2013>
[関連情報] 2014(H26).11.1号No.4
 
 
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3. ISOの労働安全衛生規格(ISO45001)作成作業の現状-BSI記事
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  英国の規格関連事業機関BSIグループの3/31付き報道によると次の通り。
 
◆新しい労働健康安全マネジメント規格(ISO45001)は2016年10月の発行に向けて作成作業が進められている。
◆2014年9月発行の委員会原案(CD)に対する関係者の意見を織り込んだ第二次委員会原案(CD2)が発行されて、5月1日締め切りで関係者のそれへの意見が受け付けられている。
◆ISO45001は既存のOHSAS18001を代替するものであり、世界の広い基準や意見を集約して、業種業態や規模を問わずすべての組織に対する単一の明確な枠組みを提供することを意図している。
◆新規格はマネジメントシステム規格の共通構造、テキストを採用し、改訂作業中のISO9001/14001との整合性のあるものとなる。
 
((BSI Group: Press Release, 31 March 2015)
<http://www.bsigroup.com>
[関連情報] 2014(H26).6.1号No.4
 
 
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4. ISO が老齢化社会における地域健康管理体制の標準化に取り組み-ISO発表
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  米国の規格作成機関ANSIの3/18付き発表によると、ISOが7/1にロンドンで規格代替文書としてのIWA(国際標準化検討会協定)の作成を目指す標準化検討会(ワークショップ)を開催する。発表の趣旨は次の通り。なお、IWAは、多くの関係者の合意の必要なISO規格作成には時間がかかることから、作成手続きを簡易にしたPAS,TS,ITA,IWA,TRという規格代替文書のひとつであり、加盟機関でなくても参画できる検討会の討議により12ヶ月間以内の期間で決める方式の標準化文書であり、正式規格化の前段階の文書である。
 
◆世界的に長寿命化が進み、老齢化社会(人口の14%が65才超)、超老齢化社会(同21%以上)が珍しくなくなる傾向にある。
◆検討会では、参加者が様々な最良手法、経験、教訓を持ち寄って、国際規格がどのように老齢化社会を支援できるかを討議する。
◆老齢化社会における一貫した健康管理体制とサービス提供に関する指針をIWA文書として発行することが目標である。
◆検討会は英国規格協会BSIが主宰する。
 
(ANSI:News and Publications, 3/18/2015)
<http://www.ansi.org>
 
 
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5. 米国環境庁、食品医薬品局によるナノ物質規制-報道
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expert及び米国規格協会ANSIは、それぞれ環境庁(EPA)と食品医薬品局(FDA)によるナノ物質に対する規制を報じている。概要は次の通り。なお、FDAの認定規格とは、医療機器に関する民間技術規格の内の製造業者による適用をFDAが推奨するものであり、それら規格への適合の宣言により新規医療機器のFDAの認可手続きが事実上簡易化される。
 
□EPA規制
◆有毒物質管理法(TSCA)の改正案の中で、ナノメートル規模の特定の化学物質を製造、輸入、処理する者のEPAへの届出を義務化した。
◆届出内容は、物質名、量、方法、暴露及び放散情報、及び、環境と健康への影響に関する既存データ。
◆また今後は、新規なナノメートル規模の化学物質の製造、処理を行なおうとする者はその開始の135日前に上記と同じ内容の届出が必要となる。
□FDA規制
◆認定規格リストを見直し、これに3種のナノ技術規格を織り込んだ。
◆ひとつは、米国主導で作成されたISO/TS 14101(ナノ物質の特定有毒性検査のための金ナノ粒子の表面特性評価)である。
◆同規格はナノ技術を、個別の原子や分子、或いは、同じ物質の大きな寸法のそれらから外挿されるものとは異なる寸法及び構造依存性質と現象を活用するために主としてナノメートル規模(1~100nm)の物質の扱いと管理に関する科学的知識を適用すること、と定義している。
◆他のふたつは、ASTM E2490(懸濁液中のナノ粒子の寸法分布の光子相関分光法による測定の標準的指針)、及び、ASTM E2535 (労働環境での非結合工業的ナノ粒子の取り扱いに関する標準的指針)である。
 
<Environmental Expert: News, 03/09/2015)
<http://www.environmental-expert.com>
(ANSI: Press release, March 15, 2010)
<http://www.ansi.org>
 
 
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6. 福島第一原発の汚染浄化に数百万ドルの無駄遣い-共同通信記事の引用
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは3/24付けの日本発の共同通信記事を引用して、会計検査院の検査報告書が指摘する膨大な無駄遣いを報じている。インターネットによると日本のマスコミが取り上げた形跡は希薄。記事の概要は次の通り。
 
◆会計検査院の報告によると、福島第一原発が2011年の地震と津波で破壊された後の汚染浄化に費やした費用のおよそ1/5は無駄遣いだった。
◆様々な高価な機械や未確認の手段が失敗に終わっている。
◆浄化作業の大半が一巨大企業グループに委ねられている。
◆報告書に引用された失敗例は
○フランスAreva製の320億円の放射性物質除去設備は1日の汚染水発生量に比べてごくわずかの8万トンの処理をしただけの3ケ月で放棄された。
○事故後の炉心冷却に用いた汚染海水からの塩分除去のための合計184億円の日立、東芝、Areva製の各設備は最短5日、最長6週間で放棄された。
○TEPCO社製の合計160億円の汚染水保存タンクは設計と建設作業の不備のため水漏れが続発し、現在新しい溶接構造タンクに置き換え中である。
○前田建設製の21億円の汚染水保管用の7基の巨大地下貯蔵設備は完工後数週間で水もれが発生し、放棄された。
○1000億円を投じた保全用地下トンネルの高度汚染水の流出防止のためのTEPCO子会社による冷凍封鎖は完全冷凍に至らず、最終的にはセメント投入した。
 
(Environmental Expert: News, Mar. 24, 2015)
<http://www.environmental-expert.com>
 
 
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7. 温暖化ガス排出削減では海面上昇を抑制できない-環境情報誌投稿記事
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  2012年のハリケーン サンダーによるニューヨークの高潮災害のような事象を予測したとして高名な「メインストリ-トを襲う高潮:海面上昇及び来るべき沿岸危機」の著者である海洋学者のJ.Englander氏のカナダのウエブ環境情報誌Globe-netへの投稿記事の論点は次の通り。
 
◆海面は氷河期を伴う数十万年ごとに約300ftもの上昇と下降を繰り返してきたが、この数千年は極めて安定していた。
◆しかし、この2世紀にわたっての温暖化ガスの蓄積により海洋及び大気の平均温度は1.5℃上昇し、その熱の90%が海中に蓄積されている。
◆この結果、数百万年の過去からの自然の変化の形が破壊されてしまった。
◆温暖化の抑制は海面上昇の速度を緩和することには寄与するが、例え温暖化ガス排出がゼロとなっても、海面上昇は進行する。
◆温暖化防止の努力と共に、海面上昇という新事態に順応していかなければならない。
 
(Globe-net: Breaking NEWS)
<http://globe-net.com/green-and-sustainable-will-not-stop-rising-sea-levels/>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
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           ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その96> ■■■
         ★2015年版改訂解説における文字面解釈‐組織主導の規格解釈(6)
 
  規格の規定は、効果的な品質/環境経営<品質/環境マネジメント>の在り方を組織がそれに則って業務を行なうべき必要条件として示している。規定の文章、つまり、条文の本質はその意図であり、文章は意図を正しく伝えようとする規格執筆者の表現力の問題に過ぎない。ほとんど全面的に条文が変わった15年版にもかかわらず、どの改訂解説でも全面改訂とは言われずに改訂点はこれとこれというような説明がされているのは、解説が文章の変更すなわち意図の変更ではないとの理解に立つからである。それでもほぼ出揃った認証業界の改訂解説は条文の文章の変更を捉えて規格の意図が変わったとする文字面解釈の披瀝ばかりである。
 
  規定の文字面解釈は今日のISO規格取り組みを組織には実利のない認証ゲームに堕さしめている根本原因のひとつである。例えば、ISO14001認証審査では関連法規制の改訂を把握する手順が厳しく点検されるが、ISO9001では法規制の有無の質問だけである。これはISO14001では法規制を『特定し、参照する手順を確立すること』と書かかれているのに、ISO9001では『明確にしなければならない』だけであるからである。しかし、組織の健全な発展には法規制遵守が不可欠というのが規定の意図であり、組織が法規制を遵守するためにはその改訂把握手順の確立は欠かせない。
 
  また、ISO9001審査では計測器の校正不合格の場合に過去の製品をどうするのかの手順が聞かれるが、ISO14001では聞かれない。これも、ISO9001には『測定機器が要求事項に適合していないことが判明した場合には・・・』との規定があるのにISO14001には存在しないからであるが、正しくない測定値で合否の判断をして規制違反の排水を出せば社会から指弾される。校正とはこのような問題を起こさないための計測器管理手法であるのだから、ISO14001の『校正された監視及び計測機器』の規定には、校正不合格発生時には必要な処置をとるということが当然に含まれている。
 
  15年版ISO9001/14001の改訂点に関する認証業界の見解では、例えば、次の①~④の用語や表現が15年版で登場したことを以て、規格の要求が新たに追加され変わったと主張されている。しかし主張では、プロセスアプローチ/PDCAサイクルに依拠する規格構造、用語の定義、品質マネジメントの原則及びTC176/TC207による説明文書のいずれからも、これら事項に関連する規格の論理の変化を示すものがないという事実が見落とされている。規格の意図が変わったという主張は典型的な文字面解釈の所以であり、実際は表現の変更に過ぎないのである。
 
① 組織の外部と内部の課題、及び、利害関係者のニーズと期待の決定
② リスクと機会の決定、及び、それらへの取り組みの計画
③ 事業プロセスへの品質/環境マネジメントシステム要求事項の統合
④ 品質/環境パフォーマンスの評価、及び、品質/環境マネジメントシステムの有効性の評価
 
  すなわち、①は現行の『品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性のある変更』(5.6.2 f)項)、『変化している周囲の状況』(4.6g)項)の経営用語を用いた言い換えであり、②は品質目標/環境目的、目標の決定と品質マネジメントシステムの計画(5.4.2項/実施計画(4.3.3項)を『リスク及び機会の決定』『リスク及び機会への取り組みの計画』と言い換えているだけである。③は現行ISO9001(5.1項)の『品質マネジメントシステムの構築及び実施並びにその有効性の継続的改善』というトップマネジメントの責任を具体的に記述したに過ぎない。④は普通の業務実行管理の方法論の規格の論理と用語を用いた表現であり。『a)、b)、c)のために必要となる監視、測定、分析を実施しなければならない』(8.1項、『著しい環境影響を…特性を定常的に監視及び測定するための手順を実施しなければならない。この手順には、パフォーマンス・・・を監視するための情報の文書化を含めなければならない』(4.5.1項)の言い換えである。更に、①~④のような共通テキストからの用語と文章を以て改訂点だということは、その導入の趣旨に照らして基本的に誤りである。
 
  文字面解釈による改訂解説では、例えば、内部と外部の課題、リスクと機会、それらへの取り組みの一覧表や計画書などが必要とされている。組織が登録証を維持するためにこれまで無くても特段の問題がなく、どのような効用が得られるのか明確でない新しい形式的業務を行い、文書をつくらされることになるのを避けるためには、組織の実務の必要に照らした主体的な規格解釈が必要である。
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             ■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (1~3月) ■■■■■
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■ISO9001 改定解説(DIS):変更点と移行対応
★ 6.3 変更の計画(3/13)
★ 5.3 組織の役割、責任及び権限(3/11)
★ 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス (3/7)
★ 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定(3/1)
★ 9.1.2 顧客満足(2/18)
★ 5.1.2 顧客重視(2/11)
★ 9.1.1 監視、測定、分析及び評価 一般 (2/5)
★ 9.3 マネジメントレビュー(1/21)
■2015年版規格の論理と用語
§6 マネジメントレビュー (1/17)
■実務の視点によるISO9001解説-初版見直し更新中
62. 8.5.1項 継続的改善; 58. 8.4項 データ分析(3/29)
60. 8.3項 不適合製品の管理(3/21)
59. 8.2.4項 製品の監視測定; 58. 8.2.3項 プロセスの監視及び測定(3/20)
57. 8.2.2項 内部監査(3/10)
56. 8.2.1項 顧客満足; 55. 8.1項 測定, 分析及び改善 一 般(2/13)
■規格解釈の問題点(107) 組織主導の規格解釈(5)
★ 組織に由来するISOマネジメントシステム規格であれば(1/17)
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(24) 必要な変更を文書に反映する とは(H18.9.20)
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2015(H27)年1月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.エネルギーマネジメントシステム関連規格の整備
■ 2.ISO37500:2014 アウトソースに関する規格の作成
■ 3. ISO9001:2015対応のためのISO/TS16949の見直し開始
■ 4.英国政府、食品テロ対策の強化のためにPAS96を改訂
■ 5.IRCAがマネジメントシステム審査員資格の有効期間を5年に延長
■ 6. ANABが認定マークをANABに統一
■ 7.中国は経済開発、エネルギー安全保障、汚染低減を同時に達成可能

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その95>
■ ★ 組織に由来するISOマネジメントシステム規格であれば

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(H26.11~12月)]

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1. エネルギーマネジメントシステム関連規格の整備-ISO,ANSI発表
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  ANSI(米国規格協会)は11/11、ISO中央事務局は12/16、それぞれ、エネルギーマネジメントシステム規格ISO50001(2011.6月発行)に関連する規格の発行を報じている。共通テキスト化が図られる一方で、ISO/IEC17021:2011(適合性評価‐マネジメントシステムの監査及び認証を提供する機関に対する要求事項)をつくったばかりなのに、食品安全マネジメントシステム規格に独自のISO/TS22003:2013が作成されたのに引き続き、エネルギーマネジメントシステム規格独自の監査及び認証機関の要件規格が作成されている。両発表を合わせた発行規格は次の通り。
 
◆ISO50003:2014(エネルギーマネジメントシステム‐エネルギーマネジメントシステム規格の監査及び認証を提供する機関に対する要求事項):ISO/IEC17021:2011と共に使用することを意図して作成した。監査及び認証の有効性を確実にするのに必要な特定の技術的領域を明らかにしている。
◆ISO50004:2014(同上‐エネルギーマネジメントシステムの実施、維持及び改善の指針):エネルギーマネジメントシステムの継続的改善のための組織の体系的取り組みの指針。
◆ISO50006:2014(同上‐エネルギーベースライン(EnB)及びエネルギーパフォーマンスインジケーター(EnPI)を用いるエネルギーパフォーマンスの測定):一般原則及び実用的指針
◆ISO50015:2014(同上‐組織のエネルギーパフォーマンスの測定と検証):一般原則及び実用的指針
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1915, 16 December 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1915>
(ANSI:News and Publications, 11/11/2014)
<http://www.ansi.org/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=9e5b3678-4f23
-4918-ae08-e30b58fcf120>
[関連情報] 2014(H26).2.1号 No.3
 
 
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2. ISO37500:2014 アウトソースに関する規格の作成-ISO発表
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  11/21のISO中央事務局新聞発表の要旨は次の通り。
 
◆世界の事業組織はより機敏であること、リスクを低減すること、より広い専門性のネットワークを導入することに目を向けており、アウトソースすることの傾向が爆発したのも不思議ではない。
◆アウトソースは、当初の事務管理部門又は付帯的サービスから、今や戦略的機能にまで及んでおり、当該機能部門を全くなくしてしまった組織もある。
◆規格作成ISO/PC259議長A.Quayle氏は「体験によると多くの問題は管理手法の欠如又は貧弱さに起因している」と述べている。
◆ISO37500:2014は、事業上の必要の変化を取り入れてアウトソースの方式を変える柔軟性を織り込んでいる。
◆規格は、アウトソースが初めての組織も、多数の供給者へアウトソースする組織にも対応している。
 
(ISO中央事務局: News, Ref1910, 16 December 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1910>
 
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3. ISO9001:2015対応のためのISO/TS16949の見直し開始-IATF発表
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  IATF(国際自動車タスクフォース)は、そのウェブサイトで、改訂作業が進むISO9001の2015年版に対応して、その分野規格ISO/TS16949(品質マネジメントシステム - 自動車製造や関連する交換部品に携わる組織にISO 9001:2008を適用する際の要求事項)を見直すための作業班を設置したと発表した。
 
(IATF: News, 5 Dec 2014)
<http://www.iatfglobaloversight.org/default.aspx>
 
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4. 英国政府、食品テロ対策の強化のためにPAS96を改訂-BSI発表
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  BSI(英国規格協会*)は、英国のDefra(環境食品地方省*)とFSA(食品標準庁*)の共同後援規格(公開仕様書*)PA96を改訂し、10/31付けでPS96:2014(食品及び飲料の意図的な攻撃からの保護及び防護に関する指針)を発行したと発表した。改訂の趣旨は次の通り。
 
◆PA96(食品及び飲料の防護)は、2008年に食品供給網におけるリスクを特定し管理するHACCPの指針として作成した。
◆食品及び飲料産業は間違いや事故を対象としてこれに取り組んできた。
◆近年の政治的情勢を反映して意図的な攻撃の脅威が大きくなっている。
◆この状況を過激思想グループが破壊活動の第一歩として利用する危険がある。◆改訂版PASは、脅威評価重要管理点(Threat Assessment Critical Control Points:TACCP)リスク管理手法を取り入れたことが特徴である。
 
(BSI: Press Release, 27 November 2014)
<http://www.bsigroup.com>
 
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5. マネジメントシステム審査員資格の有効期間を5年に延長-IRCA
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  日本でもISOマネジメントシステム審査員の認証登録事業を行なっているIRCA(国際審査員登録機関)は、2015年4月1日から審査員資格の更新期間をこれまでの3年から5年に延長すると発表した。審査員資格登録者の減少に伴う審査員登録機関間の登録者集めの競争の深刻さがうかがわれる動きである。この深刻さには、多くの日本のISOマネジメントシステム審査認証機関がその審査員に対して資格登録を必要条件としなくなってきていることも背景にあることが推定される。発表の期間延長の趣旨は次の通り。
 
◆これは、2014年に行なった登録者調査に寄せられた回答に対応したもの。
◆更新が5年毎になるだけで、資格更新の基準は全く変えない。
 
(IRCA: News, 10 December 2014)
<http://irca.org>
 
 
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6. ANABがその認定マークをANABに統一 -ANAB
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  米国のISOマネジメントシステム規格認定機関ANAB(ANSI‐ASQ National Accreditation Board)は、2007年に買収したACLASS(試験及び校正機関、検査機関、標準物質製造業者、技能検定試験機関の認定)と2011年買収のFSQ(法医学試験、法医学検査機関の認定)がANAB傘下であることを明確にするために、認定マークをANABに統一することに決めた。発表のその他の趣旨は次の通り。
 
◆ANABは、ASQ(米国品質協会*)によりRAB(登録及び認定機関*)として1989年に設立された。
◆2005年に、審査員認証と研修事業をRABに残して、認定機関としてのANABが発足した。
◆3種の認定マークの統一は、発足25周年を契機として顧客の期待に応えた処置である。
 
(ANAB: ANAB News, 11/13/14)
<http://anab.org>
 
 
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7. 中国は経済開発、エネルギー安全保障、汚染低減を同時に達成可能-報告書
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  昨年11/12のオバマ大統領と習近平国家主席との会談で発表された両国の温暖化ガス排出削減目標設定に関連して9月に発表された清華大学による調査報告「中国及び新しい気候経済」についてのカナダの非営利環境保護組織の記事を、米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertが引用している。記事の概要は次の通り。
 
◆報告書には、中国が2030年まで当面は7~8%、将来は5%の経済成長率を維持しながら、新しい気候変動目標と大気汚染低減目標を達成するための方針と規制の枠組みが詳細に述べられている。
◆報告書の推奨方針には石炭使用量の削減が取り上げられている。実際、北京・天津・河北地域及び揚子江と珠江三角州では石炭燃焼がPM2.5の原因の50~70%を占めている。報告書は2020年までに石炭使用量目標の決定を求めている。
◆報告書は、石炭使用量削減と温暖化ガス排出削減の目標設定が技術革新と資源生産性の改善の促進に寄与するとし、これが中国経済が中所得の罠を抜け出して成長を続けるために不可欠であるとしている。
◆規制強化だけでは大気汚染問題の解決にならず、2030年にはほぼ半数の市が大気規制基準を満たさない可能性がある。また、化石燃料の輸入は2030年には石油で75%、天然ガスで40%以上となり、中国経済はエネルギー価格騰貴のリスクに晒される。
◆大気汚染も汚染防止手段適用の推進だけでは改善は不可能であり、環境や健康に対する利益により汚染防止費用を相殺することを考える必要がある。
◆中国は経済発展と気候変動防止を同時に達成できることを世界に示そうとしている。これは「中国の夢」ではなく「世界の夢」であるはずだ。
 
(Environmental Expert: News; GLOBE Foundation, Published Nov.14, 2014)
<http://www.environmental-expert.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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        ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その95> ■■■
           ★ 組織に由来するISOマネジメントシステム規格であれば
 
  「人民の、人民による、人民のための政治」が米国の大統領リンカーンの言葉であり、その英語が
“government of the people, by the people, for the people”であることを知っている人は多い。しかし考えてみると、「人民による政治」「人民のための政治」は理解できても「人民の政治」となるともうひとつ意味がわからない。あまりに有名過ぎて永年改めて人に聞くのも憚れてきたが、インターネットの閲覧中にこの疑問を晴らすサイトを見つけた。「マイエッセイのページ」という標題のウェブサイトの「リンカーンのゲティスバーグ演説」のページである
(http://www7.plala.or.jp/machikun/rincoln.htm )。
 
   これによると、「人民の」の“of”はラテン系言語の前置詞“de”と同義語であり、「~に由来する」「~から出自する」という意味もあるから、「人民の」は本来「人民に由来する」と和訳すべきであったと説明されている。そう言われてOxford Advancement Learner’s Dictionaryを引くと、“of”の意味が13に分類されて記述されており、その1は「~に属する、~に関係する」という意味で、「モネの絵(paintings of Monet)」が例として挙げられ、その4は「~に関する、~を示す」であり、「犬の写真(a photo of my dog)」が例に挙げられている。どちらも“of”も「の」だと何となく思っていたが、前者の「の」は「モネが描いた絵」であり、後者の「の」は「犬が写っている写真」であり、意味は大違いである。前者の「の」がウェブサイトの教える「~に由来する」なのであろう。
 
  ともかく、このウェブサイトの適切な説明で「人民の」の意味に合点がいったのであるが、それなら「人民に由来するが故に、人民による、人民のための政治でなければならない」というのがリンカーンの言いたかったことではないかと思われるのである。
 
  ところで著者は、ISOマネジメントシステム規格に関するコンサルティング業務における基本姿勢として「審査指摘に引きずられない 組織の利益を目指した主体的規格取組みを支援」を掲げている。この主張は、規格作成とは現存する多様なものをひとつに標準化することであり、ISOマネジメントシステム規格は世界の組織が現に行なっているそれぞれの、従って多様な経営管理活動の基本的方法論をひとつに標準化したものであるという事実に基づいている。
 
  従って、「審査指摘に引きずられない 組織の利益を目指した主体的規格取組み」の趣旨は、リンカーンの言葉の「人民」を「組織」に、「政治」を「ISOマネジメントシステム規格取り組み」に置き換えると明確になる。すなわち、「組織に由来するが故に、組織による、組織のためのISOマネジメントシステム規格取り組みでなければならない」である。しかし現実は「組織に由来するのだが、認証業界による認証業界のためのISOマネジメントシステム規格解釈を押しつけられている」である。海外でもこの傾向が強まっているのが現実である。
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      ■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (H26.11~12月) ■■■■
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★ ISO9001 改訂解説(DIS):変更点と移行対応(8)
5.2 品質方針 12/11
★ ISO9001/14001 2015年版規格の論理と用語
1. 経営管理<マネジメント>の枠組み 12/12
3. 品質方針 12/12
★ 規格解釈の問題点-組織主導の規格解釈(4)
改訂解釈は認証組織の利益に資するものとなっているか
-DIS版で発表される改訂解釈の問題点 11/8
 
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2014(H26)年11月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
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ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.改訂ISO9001のDIS版が承認され、FDIS作成へ
■ 2.IAFがISO9001:2015への認証移行指針(案)を発表
■ 3. ISO、単位数量当たり価格表示の規格化を検討
■ 4.ISO50001規格(エネルギーマネジメント)の認証機関認定の規格
■ 5.食品安全マネジメントシステム規格の指針ISO22004発行
■ 6. 適合性自己宣言は本物とは言えない
■ 7. DAkkS(ドイツ適合性認定機関*) EAによる評価に合格
■ 8. EUの次の温暖化ガス排出削減目標は2020~2030年で40%
■ 9. EU欧州理事会、イタリア政府にEUの環境規制運用の徹底を要求

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その94>
■ ★ ISO9001/14001改訂解釈は認証組織の利益に資するものとなっているか

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(9~10月)]

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1. 改訂ISO9001のDIS版が承認され、FDIS作成へ-非公式情報
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  米国のISO9001コンサルティング会社Oxebridge Quality Resource社のウェブサイトは、情報筋からの情報として10/10に締め切られることになっていた加盟国の投票の結果、賛成がほぼ90%の圧倒的多数で承認されたと報じている。改訂版に批判的な同社の考えをも反映した記事の概要は次の通り。
 
◆反対票を投じたのは、米、加、フィンランド、独、アイルランド、イスラエル、日本、南アである。
◆次のFDIS(最終国際規格原案)の作成までには、TC176は寄せられた反対意見を処理しなければならない。
◆反対意見はSL共通テキストに反対する500件を含めて400ページにわたる。
◆しかし、共通テキストの削除、書き直しはできないし、検討のための会議は1回しか計画されていないから、反対意見が棄却される可能性が高い。
◆従って、改訂版は予定通り、2015年後半に発行されることになろう。
 
(OQRI: News、Oct 29, 2014)
<http://www.oxebridge.com>
[関連情報] 2014(H26).6.1号 No.1
 
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2. IAFがISO9001:2015への認証移行指針(案)を発表-TC176発表
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  世界の認定、認証機関の団体であるIAF(国際認定フォーラム)が、改訂版発行日付が不明確な7月に早くも改訂版への認証移行日程を決めたことに関して、TC176は移行に関する多数の質問が寄せられていることからTC176も協力して案として発表したものであることを改訂作業進捗に関するウェブサイトで発表した。
移行指針(案)の概要は次の通り。
 
◆移行期間は、2015年9月の改訂版発行日から2018年9月の同じ日まで。
◆ISO9001:2008の認証2018年9月末日の後は無効となる。
◆2017年3月以降の初めて認証取得はISO9001:2015に限られる。
◆移行では、新規定を満たすように既存の品質マネジメントシステムを改め、そ
の有効性を明らかにし、その有効性に影響を及ぼすすべての関係者に変更の教育
訓練を行い、認識をもたせなければならない。
◆可能なら、移行手続きに関して認証機関と連係しなければならない。
 
(ISO/TC176 ウェブサイト:N1223、July 2014)
<http://isotc.iso.org/livelink/livelink/fetch/2000/2122/-8835176/-
8835848/8835872/8835883/ISO9001Transition_Planning_Guidance.pdf>
 
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3. ISO、単位数量当たり価格表示の規格化を検討-ISO/TMB決議
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  ISO/TMB(技術管理評議会)は9月9~10日のリオデジャネイロでの第61回会議で、ISO/COPOLCO (消費者政策委員会)の提案の単位数量当たり価格表示の規格化の開始を決議した。規格化されればISO9001の法規制順守の規定の対象となる可能性がありそう。
 
◆決議は、新しい規格作成のPC(プロジェクト委員会)を設けることに、3ヶ月間の加盟国による投票期間を設けること。
◆狙いは、製品への表示方法を含む単位数量当たり価格表示の最良方法に関してすべての規模の小売り業者に対する指針を作成すること。
 
(ANSI:News and Publications, Sep 22, 2014) <http://www.ansi.org/>
 
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4. ISO50001規格(エネルギーマネジメント)の認証機関認定の規格-ISO発行
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  ISO中央事務局の10/16の新聞発表の趣旨は次の通り。異なる管理対象のマネジメントシステム規格の規定の共通表現化を行う中で、適合性評価と認証という同じ活動に関してマネジメントシステム規格別に認証機関の認定の基準となる規格を作成するという奇妙なことが続いている。
 
◆規格は、ISO50003規格(エネルギーマネジメントシステム‐エネルギーマネジメントシステムの監査及び認証を行う機関に対する要求事項)。
◆認証機関が効果的に監査及び認証業務を行うために必要な能力、不変性、公平さに関する必要条件を規定している。
◆ISO/IEC 17021:2011(適合性評価‐マネジメントシステムの監査及び認証を行う機関に対する要求事項)と合わせて用いることを前提として、効果的な監査のための特定の技術領域を明らかにしている。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1892, 10 October 2014) <http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=
Ref1892> [関連情報] 2013(H25).2.1号No.1
 
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5. 食品安全マネジメントシステム規格の指針ISO22004発行-新聞報道
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  食品安全マネジメントシステム規格ISO22000(食品安全マネジメントシステム‐食品連鎖におけるすべての組織に対する要求事項)規格に関する指針規格発行についてのISO中央事務局の10/28の新聞発表の趣旨は次の通り。
 
◆組織が自らの置かれた状況でISO22000を容易に適用することができるような指針を与える。
◆例えばISO22000は、必須管理策 (PRPs)、必須管理ポイント(CCPs)、作業必須管理策(OPRPs)の三層危害管理構造をとっているが、この違いがよくわかるように説明されている。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1900, 28 October 2014) <http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=
Ref1900>
 
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6. 適合性自己宣言は本物とは言えない-IAF 認定認証の意義を主張する論文
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  世界の認定、認証機関の団体であるIAF(国際認定フォーラム)は、昨年の「認定認証が本物の価値を提供する」に引き続き、今度はTC176のUSTAG(米国国内委員会)の委員D.Robitaille氏の同じ趣旨の論文「適合性自己宣言は本物とは言えない」をウェブサイトに掲載している。
  論文では、自己宣言やIAF傘下でない非認定認証機関による認証授与を次のように切って捨て、認定機関に管理された認証機関の管理の下で資格認定された審査員による認証審査に基づき授与される認証状にこそ価値があると主張している。価値のある認定された認証の主張には、意図され運用されている認定認証制度の様々な仕組みとそれぞれの狙いと意義がよく説明されている。但し、主張はこの建前に基づくだけであり、認証審査と効用に対する組織や社会の現実の不満には全く触れられていない。
 
◆適合性の自己宣言は、それで何を意味するのかと聞かれてみるまで極めてすばらしい響きがある。
◆自己宣言は、組織が規格要求事項に適合していると考えているというだけであり、これは認証とは言えない。
◆顧客からの認証取得の要求は認定認証機関からのそれを期待しているはずだ。
◆いまだに認定という枠組みのない認証機関が壁に飾るだけの偽物の認証状を発行している。
◆自己宣言も非認定認証も、認定認証機関を選択している何千もの組織の労力の価値を貶めている。それらは適合性評価の世界の全体を傷つけている。
 
(IAF:News)
<http://www.iaf.nu/articles/SelfCertification Is Not a Real Thing/391>
 
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7. DAkkS(ドイツ適合性認定機関*) EAによる評価に合格-DAkkS発表
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  DAkkS(ドイツ適合性認定機関*)は9/26付けでそのウェブサイトに、EU域内の一国一認定機関制度の下での認定機関の相互評価制度に基づいて受けたEA(欧州認定協力)チームによる評価について報じている。概要は次の通り。
 
◆EAチームは9/12~19の間、DAkkSのベルリン事務所を訪れた他、DAkkSの行う認証機関に対する審査15件に同席した。
◆EAによるDAkkSの評価は定期的に行われる。この法的根拠は規制(EC) No.765/2008の10条である。
◆この評価では、EC規制とISO/IEC17021(適合性評価‐適合性評価機関を認定する認定機関に対する一般要求事項)の要件を満たしているかどうかが究明される。
◆最終的に評価チームはDAkkSが行っている認定業務を良と判定した。
 
(DAkkS:News 26.09.14)
<http://www.dakks.de/en/content/dakks-successfully-evaluated-ea>
 
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8. EUの次の温暖化ガス排出削減目標は2020~2030年で40% ‐環境NPO報道
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、カナダの環境NPOのGlobe
Foundationの10/28付け記事を引用して、最近のEUの欧州理事会の決定を伝えている。概要は次の通り。
 
◆2030年までのEU全体としての温暖化ガス排出削減目標は40%であり、このために再生可能エネルギーの比率を27%(現在は14%)にすること、エネルギー効率を27%改善する。
◆欧州は野心的で且つ費用効率の高い気候及びエネルギー軌道を設定したと任期を終えるEU大統領H.V.Rompuy氏は述べた。
◆この目標設定は今年末のパリでの地球温暖化交渉に大きな影響をあたえるだろう。欧州は宿題をやった。他の地域、国も欧州に続くよう要請する。
◆このEUの決定には、パリ会議での他国の対応次第で、この目標を見直すことがあるという合意が含まれている。
 
(Environmental Expert)
<http://www.environmental-expert.com>
 
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9. EU欧州理事会、イタリア政府にEUの環境規制運用の徹底を要求-新聞発表
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米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、イタリアにある欧州最大の製鉄所の環境対策についてイタリア政府に対する強い要請を行ったとのEUの10/16付けの新聞発表を引用している。同新聞発表の概要は次の通り。
 
◆欧州理事会は、2013年9月と2014年4月の申し入れに引き続き、欧州最大の製鉄所ILVA社のTaranto製鉄所起因の環境影響を低減するためにイタリア政府に対して新たな処置をとろうとしている。
◆イタリア政府は同製鉄所にEUの産業排出規制を順守させておらず、人の健康と環境に対して深刻な結果がもたらされる危険が放置されている。
◆最大の問題は超微粉含有黒煙と煤塵の排出であり、調査結果では製鉄所と近傍のTaranto市内では大気、土壌、地下水の深刻な汚染が生じている。
◆欧州裁判所は2011年3月イタリア政府がEU規制で決められている高汚染活動に対して発行しなければならない許可書を同製鉄所を含む幾つかの産業施設に発行していないと非難した。イタリア政府は2011年8月に同製鉄所に汚染防止管理許可書を発行し、これを2012年10月と2014年3月に更新している。
 
(欧州理事会:PRESS RELEASE, 10 October 2014)
<http://europa.eu/rapid/press-release_IP-14-1151_en.htm>
 
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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                 ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その94> ■■■
               ★ 2015年版改訂解釈は認証組織の利益に資するものとなっているか
                    -ISO9001/14001 DIS版で発表される改訂解釈の問題点-
 
  ISO9001/14001の2015年版改訂作業は、11月1日現在それぞれDIS版承認、DIS版投票の段階まで進み、両DIS版の解釈の解説ではいつもの改訂と同じく“変わった変わった”の大合唱である。
 
  しかし、ほとんどどの解説も細かな条文記述の変更を取り上げての解釈の説明であり、そのような変更と推奨される対応処置がどのように規格の有用性の改善に繋がるのかの根拠ある説明がない。日本で解釈を主導する国内委員会の解釈説明も基本的には同じ趣向であり、改訂が必要としてTC176,TC207が決めたそれぞれの規格改訂方針のどれにどのように関係しているかの説明は全くない。認証機関もこぞって登録組織に対して改訂説明を行っているようだが、“ここが変わった、このように審査する”の説明であり、新しい審査がどのように品質/環境に関する登録組織への顧客や社会の信頼を高めることに繋がるのかの説明は知る限りにおいてはない。
 
  条文記述の変更のみで“変わった”というと解説が一様に空虚に思えるのは、改訂版に導入されたSL共通?テキストに関係する条項、条文が主要改訂点として説明されていることが根底にあるからかもしれない。すなわち、SL共通テキストとはその名の通り、多数のISOマネジメントシステム規格で同じ趣旨、同じ意味の規定<要求事項>が違った表現の文章で記述されているのを複数規格を使用する組織の便宜のために共通の言葉、文章で表したものである。従って、共通テキスト採用のために生じた現行規格との規定の文章の差異を以て改訂版の規定が“変わった”とする解釈は、基本的に誤りであり、根拠のないひとりよがりの解釈ということである。
 
  このように“変わった変わった”という改訂版解釈においては、規格使用者である認証取得組織の規格適用と認証取得による利益が忘れられている。その遠い前身の米国防省の品質保証規格制定理由を引用するまでもなく、ISO9001/14001規格は組織の品質?顧客満足/公害?地球環境保全の実績と能力を顧客や社会に認めてもらうための経営管理の指針であり、組織が無限持続体としての存続発展を追求するための世界の成功組織に学んで整理した論理と要件が規定されている。
  従って、規格の規定の改訂説明は、組織の存続発展にどのように役立つのかの観点で行わなければならないのであり、今日のような“規格の要求はこう変わった”“組織はこのように対応しなければならない”の説明は、規格を認証機関に よる登録証授与基準とみなす認証業界の潜在意識の現れであるとしか考えられない。
 
  ISO9001/14001規格が認証ビジネスの道具視される傾向が強まっているのは、欧米諸国においても同じようである。2015年改訂版の執筆作業への認証機関の関与の大きさは、例えば、執筆作業が英国の規格作成及び認証機関BSIの強い影響下にあるという証明されていない批判があること、英国の認証機関LRQAが改訂作業の進捗に関する情報を逐次真っ先にウェブサイトに発表してきたこと、改訂作業に使用者たる組織の意見が反映されていないとするカナダのISO14001国内委員会の批判論文において、使用者側の改訂執筆参画者の割合が初版と04年版の50%から今改訂では最大でも13%に低下していると指摘されていること等から判断することができる。
 
  カナダの同国内委員会は、CD2反対投票の理由としてSL高位構造と共通テキストの不必要な採用により不況下の組織に改訂版移行のための莫大な費用を負わせることになることを挙げ、米国のISO9001国内委員会は、共通テキスト化のためにISO9001固有の規定が削除されたことがDIS版投票に反対する理由であることを公表している。どちらも明言はされてないが、SL高位構造?共通テキスト?共通定義の制定が認証業界の利益に通じても使用者たる認証組織の利益にはならず、この導入のための規格改訂は認証業界の利益になっても組織に不必要な負担を強いるものでしかないとの認識で共通していると判断される。
 
  筆者は先に日本の認証業界を年間3000億円の組織の浪費で成り立つ必要悪産業と揶揄したが、前記のカナダの論文では組織が1999~2013年の規格実践と認証に使った費用を10億ドル(1000億円)とし、DIS版に見られる改訂がこれに上積みされる費用に見合うものかどうかという疑問を提起している。更に、規格を導入しても認証を受けていない組織があるが、そのことを「完全に容認できる選択肢である」とまで言い切って、認証業界主導の規格利用に不信を表現している。
 
  規格と認証制度が健全な取引を支援し経済発展を促進する手段としての有用性は、品質保証規格が米欧で連綿と引き継がれ発展してISO規格認証制度になったという歴史で実証されている。今日の日本でISO9001/14001が必要悪に堕しているのは、規格解釈と認証審査の在り方が間違っているからである。
 
  産業界の発展のためにはISO9001/14001規格解釈と認証審査の在り方を原点に戻すことが必要であり、そのことが認証業界の永続的な存続発展にも繋がるのである。原点とは、国内委員会は規定の趣旨と改訂の理由を説明し、組織は自らの事業を発展させるという観点で規定<要求事項>を解釈し、認証機関は組織が狙いする顧客満足/環境保全を実現できるかどうかを規定<要求事項>の適合性評価を通じて判断するという三者の役割分担が基礎となる。
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       ■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (9~10月) ■■■■■
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★ ISO9001 改定解説(DIS):変更点と移行対応
  ■10/20 7.1.1 人、 7.1.6 組織的な知識、 7.2 力量
  ■10/2 5.1.1 品質マネジメントシステム関するリーダーシップ及びコミットメント
  ■9/22 6.2 品質目標及びそれらを達成するための計画策定
  ■9/1 6.1 リスク及び機会への取組み
★ 実務の視点によるISO9001解説-初版見直し更新中
  ■9/23 19. 5.2項 顧客重視
            22. 5.4.1項 品質目標
★ 規格理解・規格解釈の疑問と正解 -組織主導の規格解釈(3)-
  ■9/5 品質方針、環境方針の作成 [概要]
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2014(H26)年9月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
奇数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO14001 2015年版改定の DIS版発行
■ 2. ISO14004 2015年版改定はCD版へ
■ 3. 労働安全衛生規格 ISO45001がCD版に
■ 4.マネジメントシステム規格の認証に関係する規格の改訂が続々
■ 5.AS9100(航空宇宙産業分野品質規格)の 改訂作業進行中
■ 6. ISO/TC176が2015年改訂の全体像の広報資料を発表
■ 7. ISO/TC176 がISO9001 の「リスク」に関する意図を再度説明
■ 8. ISO/TC207がISO14001 DIS版における変更点を説明
■ 9. 気候変動の無視は経済的損失を意味する
■ 10. 温暖化中断の原因は大西洋の深海にある

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その93>
■   ★品質方針、環境方針の作成 -組織主導の規格解釈(3)

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(6~8月)]

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1. ISO14001 2015年改訂の DIS版発行-ISO発表
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7/4付けのISO中央事務局の発表の要旨は次の通り。中身は事務局の発表文執筆者の想いと見てよさそう。
 
◆改訂作業はDIS(国際規格原案)に進んだ。
◆最終改訂規格の発行は2015年末。
◆DIS版における主要な変更点は、リスクマネジメントにより強く焦点を当てたことと、マネジメントシステムそのものの改善より環境業績改善に重点を移したことである。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1865, 04 July 2014)
<http://www.iso.org/iso/news_archive.htm?archive=2014>
[関連情報] 2014(H26).4.1号No.1
 
 
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2. ISO14004 2015年版改定はCD版へ-TC207発表
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ISO14001の少し後を追って改訂作業中のISO14004も7月にCD版発行に至ったことが、TC207ウェブサイト搭載の文書で明らかにされた。その改訂進捗に係わる要旨は次の通り。
 
◆規格はISO14004 環境マネジメントシステム-原則、システム及び支援技法に関する一般指針。
◆CD版は、7/1~9/1の各国の検討期間を経て、10月のプレトリア会議で意見集約する。DIS版の発行は2015年の2/4期の予定。
 
(TC207/SC1: Information note on scope, process, time lines and emerging change, July 2014)
<http://www.iso.org/iso/1n1000_iso_14001_revision_information_note_update_july2014.pdf>
 
 
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3. 労働安全衛生規格 ISO45001がCD版に-ISO発表
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ISO中央事務局は7/18、昨年8月に着手したばかりの労働安全衛生規格 ISO45001が早くもCD版の発行に至ったことを発表した。規格発行目標は2016年後半。発表の一問一答方式での規格の意義説明の要旨は次の通り。
 
◆OHAS18001との違いは何か
狙いは同じ。OHAS18001の多くの規定が採用されている。違いはSLのマネジメントシステム規格の統一規則の適用であり、例えば“組織の置かれた状況”やトップマネジメントの強い指導性の強調などである。
◆OHAS18001に問題がないのになぜ新しいISO規格を作成するのか
多種のISOマネジメントシステム規格が使用されているので、これに合わせた規格とするのが組織のため。また、ISOの名前によって規格の信頼性が高まり、普及が促進される。
◆この規格の使用の利益は何か
組織は労働者が怪我をするリスクを減らすことができる。
◆“組織の置かれた状況”の意味するところは何か
組織の労働者の安全衛生だけでなく社会が何を求めているかも考える必要があるということ。例えば供給者の労働者に危険を転嫁してはいけないということ。
◆トップマネジメントの役割に関する違いは何か
労働安全衛生を安全管理担当者の問題ではなく経営課題とすること。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1874, 18 July 2014)
<http://www.iso.org/iso/news_archive.htm?archive=2014>
[関連情報] 2014.6.1号No.4
 
 
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4. マネジメントシステム規格の認証に関係する規格の改訂が続々-ISO発表
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ISOのCASCO(適合性評価委員会)の7/16付けウェブ広報誌によると、その主管する規格の作成、改訂作業の現状は次の通り。
 
◆ISO27021:2011-適合性評価‐マネジメントシステムの監査及び認証を提供する機関に対する要求事項
DIS版への投票は賛成多数だったが1000件以上の意見提出があり、DIS.2版を作成することとなった。
◆ISO/IEC TS17021‐6、‐7-監査及び認証のための力量要求事項
6(事業継続マネジメントシステム)、7(道路交通安全マネジメントシステム)が7月に承認された。なお、最初に発行されたISO/IEC TS27021-2(環境マネジメントシステム)は環境マネジメントシステム審査員に2014.8から適用開始。
◆ISO17011:2004-適合性評価‐適合性評価機関の認定機関に対する一般要求事項
CASCO議長による改訂着手の提案が7/13に承認された。
 
(CASCOウェブ広報, 7/16)
[関連情報] 2013(H25).9.1号 No.5
 
 
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5. AS9100(航空宇宙産業分野品質規格)の 改訂作業進行中-品質投稿誌
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ASQ(米国品質協会*)の情報ウェブサイトQuality Progress、2014年7月号の投稿記事によると、ISO/TS 16949(自動車産業分野品質規格)と共にISO9001の改訂2015年版への追随を逡巡しているとされていたAS9100(品質マネジメントシステム規格-航空、宇宙及び防衛組織のための要求事項)が改訂作業を行っている。記事の概要は次の通り。
 
◆改訂版の発行は、ISO9001改訂版発行に少し遅れた2016年初めの予定。
◆改訂に対しては組織から、AS9100C:2009への移行が完了したばかりであることからの疑念が呈されていた。
◆AS9100にも5年毎の見直し検討を行う規則があるが、ISO9001に基づいて書かれているので、改訂時期はISO9001の改訂に影響される。
 
(Quality Progress, 2014 July, STANDARDS OUTLOOK)
<http:asq.org/quality-progress/2014/07/standards-outlook/revision-runway.html
 
 
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6. ISO/TC176が2015年改訂の全体像の広報資料を発表-ウェブサイト
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ISO9001の改定作業を担当するTC176は、そのウェブサイトに7月付けで標題「改訂全体像‐一般使用者」の文書を掲載している。これは、変更の必要な点、その背景の世界の変化、主要変更点、改訂日程を箇条書きと図で簡単に表したもの。
 
改訂の方向については、2012年8月のISO新聞発表のTC176/SC2の議長N.H.Croft氏の「ISO9001:2015とその後 -品質マネジメント規格の次の25年」と題する寄稿文の趣旨と概ね一致するが、その説明にはSL適用に起因する事項が多く引用され又は取り上げられている。例えば、変更点については。(1)顧客をさらに重視した、(3)リスク思考、(3)QMS方針、目標を組織の戦略に一致させる、(4)書化の柔軟性を高めたが挙げられているが、(2)(3)(4)はCroft氏の改訂方針には存在せず、SL規定の表面的説明に過ぎない。
 
(ISO TC/176/SC2 Home Page)
<http://isotc.iso.org/livelink/livelink/fetch/2000/2122/-8835176/-8835848/8835872/
8835883/customview.html?func=ll&objId=8835883&objAction=browse>
 
 
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7. ISO/TC176 がISO9001 の「リスク」に関する意図を再度説明-ウェブサイト
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TC176は、そのウェブサイトに7月付けで文書「ISO9001:2015における“リスク”」を発表した。規格にSL採用の結果として取り入れられた“リスク”の意味を説明する2回目の発表である。道路横断を引き合いにしてリスクの概念を一般的に説明するものであり、規格の「リスクと機会」という表現における両者の違いを明確に説明していない。しかし、結論は先の説明と同様に次のように明快である。
 
◆リスク思考は、新しいものではない。すでに行われていることである。
◆リスク思考は、より多くの知識と準備を確実にする。
◆リスク思考は、目標達成の確率を高め、乏しい結果が出る確率を低減する。
◆リスク思考は、予防を習慣化する。
 
(ISO TC/176/SC2 Home Page)
<http://isotc.iso.org/livelink/livelink/fetch/2000/2122/-8835176/-8835848/8835872/
8835883/customview.html?func=ll&objId=8835883&objAction=browse>
[関連情報] 2014(H26).2.1号 No.4
 
 
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8. ISO/TC207がISO14001 DIS版における変更点を説明
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ISO14001の改定作業を担当するTC207/SC1が改定説明の第2報として7月付けで標題「改定範囲、作業経過、日程及び変更点」の文書をTC207のウェブサイトに発表した。04年版からの変更点7項目とその説明は共に先のCD.2版に関する説明と同じであり、リーダーシップを除き、04年版に明示されていなかった或いは断片的にしか記述されていなかった事柄が条文化されたという意味で変更点、或いは、要求事項の追加や変更と説明されている。
 
変更点として挙げられているのは次の(1)~(7)である。(3)(5)を除く5項目は、改訂作業の元になった「ISO14001の将来像報告書」には明確に存在しておらず、採用したSLの規定記述の表面的な理由付けであるように感じられる。前記事7もそうだが、マネジメントしステム規格の表現統一のために作成されたSL(共通文章)の記述を以て、規格作成者がISO14001改訂の趣旨を語るのはいささか異様に思える。
 
(1)組織の置かれた状況に立脚した戦略的環境マネジメントへ
(2)リーダーシップの役割を明示
(3)汚染の防止から環境保護へ
(4)環境マネジメントシステムの改善から環境業績の改善へ
(5)ライフサイクル思考を強調に
(6)外部と内部の情報連絡を同様に重視
(7)文書媒体の拡大を容認
 
 
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9. 気候変動の無視は経済的損失を意味する-米国著名団体の警告
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米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、Globe Foundationの8/3付け記事を引用して、気候変動に取り組まない経済的損失は悲惨と米国人が月に二度も警告したと、米国の著名な非営利会員組織「外交問題評議会」共同議長である前財務長官R. Rubin氏のワシントンポスト紙への投稿記事を紹介している。概要は次の通り。
 
◆温暖化ガスの削減を環境保全と経済的繁栄との二律背反とする議論は誤りである。
◆例えば2050年までに現在480~680億ドルの価値のあるルイジアナ州とフロリダ州の土地は高潮被害に見舞われる。
◆超大型2ハリケーンの損害は1930億ドルだったが、これ以上の大型ハリケーンが来る可能性がある。
◆多くの地方では気温上昇で年間数ヶ月、1日当たり数時間、戸外での仕事が不可能になり、年間65,200人が暑さ起因で死亡する。
◆環境保護か経済保護かの選択に当面しているのではなく、環境保護により経済を保護するか環境破壊が経済を破壊するのを認めるのかの選択である。
◆企業が気候変動リスクを明確にすることが必要になれば、投資家の姿勢も変わり、結果として企業の気候変動取り組みが変わる。
 
(Environmental Expert:News, Aug 3, 2014)
<http://www.environmental-expert.com>
 
 
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10. 温暖化中断の原因は大西洋の深海にある-中国科学者の報告
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米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、Globe Foundationの8/3付け記事を引用して、中国と米国の2人の中国人学者の科学雑誌Scienceへの寄稿記事を紹介している。記事の概要は次の通り。
 
◆温暖化ガスによる気候温暖化現象は広く認められており、過去最も高温だった年の14年の内の13年は21世紀であり、温暖化の進捗は続いている。
◆しかし温暖化の速度は予想に反して遅くなっており、研究者によっては「温暖化空白」期間の生じるのを期待する向きもある。
◆両中国人科学者は、1970年以降の観測データ記録から表面海水の深海への移動を意味する表面塩分濃度の低下が北と南大西洋で起きており、これが気温上昇の傾向と一致することを見いだした。
◆大西洋深海が過去14年間に大量の熱を吸収した結果が温暖化速度低下につながったと推定される。
◆深海の熱はやがて表面に戻るので、この現象を温暖化現象の歯止めに期待することはできない。
 
(Environmental Expert:News, Aug 22, 2014)
<http://www.environmental-expert.com>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その93> ■■■
★ 品質方針、環境方針の作成 -組織主導の規格解釈(3)
 
認証取得組織は、品質方針、環境方針を明確にし、組織内で理解されていることを確実にしなければならない(5.3項/4.2項)。
 
ここに、品質方針とは「トップマネジメントによって正式に表明された品質に関する組織の全体的な意図及び方向づけ」と定義されるが、実務的には組織の経営戦略(経営方針)の一部としての顧客満足のあるべき姿とそこに到達するための道筋を示すものである。そして、顧客満足とは不良品を出さないことを含み、顧客に製品及びサービスを買ってもらう又は取引を続けてもらうために顧客に抱いてもらう必要がある組織と製品及びサービスに対する好感、満足感、安心感、信頼感等の状態や程度のことである。
 
つまり、品質方針は、製品と組織に対する顧客の評価という観点でどのように顧客に気に入られ信頼される組織にしたいのかに関するトップマネジメントの想いと考えを表し、要員が製品と顧客対応に関係する業務をどのように行うべきかに関する全般的指針である。
 
製造業で単純なミスにより不良品を出し、接客業で客を怒らせ、劇場で切符を二重販売したことを知ったトップマネジメントが当該要員を詰問したとすれば、そのような顧客対応がトップマネジメントの想いに反することだからである。顧客幹部から納期変更で無理を聞いてもらったとの感謝の言葉を聞いたトップマネジメントが担当者を褒めるかやり過ぎと諫めるかは、顧客とどのような関係を築きたいのかのトップマネジメントの想いに依存する。
 
不良品の苦情を受け付けた場合、トップマネジメント主導で対応する、品質保証部門が対応し適宜トップマネジメントに報告する、トップマネジメントは重大苦情にのみ関与する、全く担当者任せである、毎月苦情統計がトップマネジメントに報告される等々、同じ規模同じ業種で組織によって異なるというのは組織の規模にもよるが、基本的には不良品を出さない、顧客に気に入って貰うということに関しての トップマネジメントの考え方に違いがあるからである。
 
これらの事例はいずれも、トップマネジメントには顧客に製品を買い又は取引を続けてもらうためにどのような顧客満足の状態を目指す必要があるのかということに関して一定の想いや考えがあり、それに基づいて組織の業務を方向づけ、統制しているということを意味している。
 
また、毎月の業務実績検討の会議で月別苦情発生推移や苦情再発防止対策が議論され、納期遅延や注文を断ったことが報告され、顧客による立ち入り監査結果や顧客訪問で得た情報が話題となっているなら、顧客に不良品を出さない、迷惑をかけない、顧客の想いに応えるという観点に関するトップマネジメントに想いが明確であり、それが関係者で理解されて共通認識となっていることを意味する。つまり、品質方針が要員に周知されているということである。
 
すなわち、どの組織でもISO9001の意図の品質方針が存在する。問題は、このような品質方針の存在がトップマネジメントにも組織の要員にも意識されていないことであり、紙に書かれていないのでトップマネジメントの想いに対する人々による理解が不正確で、様々であろうということである。
 
認証取得しようとする組織にとって品質方針の明確化と要員への周知徹底とは、トップマネジメントの頭の中をもう一度整理してその想いを体系的に表現し、紙に書き、人々の頭の中の認識とすり合わせをすることである。ISO9001認証取得組織は厳しい品質競争を生き延びて発展してきた組織であり、下請け型組織でその顧客から認証取得を要望されたとすれば今後も取引を継続したいとの意志表示であり、それまでのトップマネジメントの想いの品質方針が正しかったということである。それを明確にし、それに向けて全員の力を結集することによって、組織の存続発展をより確実なものとすることができる。
 
環境方針の明確化と組織内での周知徹底(4.2項)も、上記の「顧客満足」を公害防止を含む地球環境保全に、「顧客」を利害関係者に、「製品を買ってもらう」はもっと広く「組織の存続維持が許される」にそれぞれ置き換えて対応すればよい。但し、品質方針と違ってトップマネジメントの想いの環境方針がISO14001の意図の内容(4.2 a)項)に不十分な場合も少なくないと思われるから、トップマネジメントの頭の中の整理に加えて、ISO14001認証取得の理由、例えば顧客がなぜ認証取得を求めてきたのかということを考えて、環境方針を確立することが必要になると思われる。
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (6~8月) ■■■■■
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★ ISO9001 改定解説(DIS):変更点と移行対応
■7/29 4. 組織の状況(4.1/4.2 組織及びその状況/利害関係者のニーズ及び期待の理解)
■7/17 2つのPDCAサイクルの観点からの検討
■7/4 マネジメントサイクルの観点からの検討
 
★ 何が変わるか 2015年版
■8/13 2015年版ISO14001 DIS 発行 (CD.2からの変更点及びDISに基づく改訂版の評価) 2015年版ISO14001 DIS-CD.2―04年版の比較
■6/11 2015年版 ISO9001 DIS発行 = CD版からの変更点 -リスク規定大幅減、方法論復活、適用除外緩和、なお論理未整理-
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2014(H26)年6月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■ 1.2015年版ISO9001のDIS版が発行
■ 2.2015年版ISO9000のDIS版が発行
■ 3. ISO22000(食品安全)規格は今秋にも改定作業開始
■ 4.ISO45001(労働安全衛生)規格への取り組みをISOが広報
■ 5.ISO9001の公共分野用指針規格をANSIが広報
■ 6. ITセキュリティの敵は教育不足の従業員
■ 7. 豪再生可能エネルギー化目標の低減で電気代は高騰
■ 8. 英政府は太陽電池発電への補助を削減

■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その92>
■ ★ ★ 2015年版ISO9001 DIS版で変わったこと
■ -リスク規定大幅減、方法論復活、適用除外緩和、なお論理未整理

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(4~5月)]
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1. 2015年版ISO9001のDIS版が発行-ISO発表
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  ISO中央事務局は、5/16付けで改定作業中のISO9001規格が、CD(委員会原案)からDIS(国際規格原案)の段階に進んだことを発表した。
 
  DISの英語、仏語版が発行された。加盟国の7/10~10/10の間の投票にかけられる。ISO中央事務局の発表では、規格の最終的発行は2015年末とされている。加えて、認証取得組織は改定版発行からの3年以内の移行が必要との従来からの予測を述べている。発表では主要変更点として、規格の構造の変更とリスクの重要性が増したこととして4点を挙げているが、いずれもCD版との違いではなく、08年版からの変更点が述べられている。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1850, 16 May 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1850>
[関連情報] 2014(H26).2.1号 No.1
 
 
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2. 2015年版ISO9000のDIS版が発行-ウェブ情報
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  ISO9001の2015年版改定作業と平行して進行中のISO9000規格(基本及び用語)の改定作業の結果、ISO9001規格より一足早い4月にDIS版が発行された。ISO中央事務局の発表もなく、ウェブでの規格作成機関や認証機関の取り上げもほとんどない。
 
  発行は、英語版と仏語版であり、加盟国の6/10~9/10の間の投票にかけられる。
 
(Federation of Management Systems, News)
<http://www.fedms.org/draft-iso-9000.html>
 
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3. ISO22000(食品安全)規格は今秋にも改定作業開始-ISO発表
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  ISO中央事務局は5/6付けで、TC34が2005年に発行されたISO22000(食品安全マネジメントシステム)規格の見直しの検討を始めていることを発表した。
 
  ISO規格は5年毎に見直す規則になっており、TC34は本年9月に改定作業開始を視野に検討中であるとのこと。発表では、一般の規格利用者に現行規格の良いところ、問題点、改定必要事項に関する意見を、各国のISO加盟機関かTC34に提出することを求めている。これら意見は改定作業で考慮されるとのこと。
 
  規格作成者が必要だから改定すると決めてから、その使用者の意見を聞くというのは順番が違うように思えるが、他のマネジメントシステム規格の場合も同じ。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1842, 6 May 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref18427> [関連情報] 2014(H26).2.1号 No.3
 
 
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4. ISO45001(労働安全衛生)規格への取り組みをISOが広報-ISOウェブサイト
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  ISO中央事務局は4/28付けで、同日のILO(国際労働機関)主催の職場の安全と健康のための世界の日の行事を引用して、昨年8月に開始したISO45001規格の広報の記事をウェブサイトに掲載した。ISO規格化の必要性の説明はない。概要は次の通り。
 
◆ILOによると職場での事故と関連する疾病の結果で毎日6300人が亡くなり、年間3.17億件の業務上の事故が発生している。
◆組織が業務関連事故を減らすのを支援するために、ISOは労働安全衛生のための世界的枠組みを初めて提供しようとしている。
◆ILOは、IOHS(労働安全衛生協会*)及びIIOC(認証に係わる独立国際機関*)のような主要参画者と共に規格作成に寄与する組織のひとつである。
◆本誌主宰者によるウェブ調査では、IOHSは1945年設立の英国の勅許健康安全専門家団体であり、IIOCは1993年設立のBSI,DNV-GL,LRQAなど欧州のISOマネジメントシステム規格認証の10機関の集まり。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1841, 28 April 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1841> [関連情報] 2013(H25).9.1号 No.1
 
 
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5. ISO9001の公共分野用指針規格をANSIが広報-ANSIウェブサイト
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  ANSI(米国規格協会*)は 4/10付けで、今年2月に発行されたISO9001の公共分野用指針の2規格についての広報記事をウェブサイトに掲載した。記事は、それぞれの規格の作成責任者とのインタビュー形式で両規格を説明している。
 
  ISO9001の2015年版での記述の汎用化に鑑みてISO9001の分野別規格の今後のさらなる拡大が注目されるが、記事中の仮想質問「なぜISO9001を特定分野に限った規格としてISO18091を作成したのか」に対する記事中の回答は次の通り。
 
□ISO18091は初めての自治体分野規格であり、この品質マネジメントシステムによって自治体が住民のニーズや期待を満たす活動を方向づけることができる。
□自治体は世界で最も重要な供給者であり、その活動は交通、教育、水道、廃棄物収集、下水処理、公共照明、市民防護を含む。
□もしこれら活動が信頼に足らず又は品質に欠けている場合には、多くの人々にとって問題が多いということを意味する。
 
(ANSI:News and Publications, April 10, 2014)
<http://www.ansi.org/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=3921> [関連情報] 2014(H26).4.1号 No.2
 
 
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6. ITセキュリティの敵は教育不足の従業員-BSI調査
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  BSI(英国規格協会*)は、欧州情報セキュリティ2014年展*において調査したとして、ISO27001適用を推奨することを結論とする調査結果を5/8付けでウェブサイトに掲載している。この論理ではISO27001の有効性がそのITセキュリティの技術的側面ではなく、要員の職務能力や認識の側面という一般的人事マネジメントの規定にあることになる。記事の概要は次の通り。
 
◆調査の結果、37%の組織が従業員が情報管理上の懸念事項であると答え、サイバー攻撃とした組織の19%を上回った。
◆BSIのリスク管理専門家はこの結果を当然とし、組織を危機に晒すのは従業員の悪意とは限らないと語った。
◆ある研究結果では、従業員に情報管理の重要性や事業に致命的な損害を与える情報の保護に対する役割を理解させる教育を行った結果で内部起因の事故が大幅に減ったという。
◆効果的な情報管理に対する経営者の意志も重要である、幸い75%が経営者が十分に認識していると答えたが、54%は必要な資源が配分されていないと答えた。
◆ISO27001適用の最大の効用として50%がリスクを特定し必要な対策をとって管理することだと答え、顧客の要求応える能力の向上が41%、一貫した取り組みが41%、情報管理への認識向上が30%であった。
 
(BSI: Press Release, 08 May 2014)
<http://www.bsigroup.com>
 
 
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7. 再生可能エネルギー化目標の低減で電気代は高騰-豪シンクタンク分析
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは、オ-ストラリア政府の再生可能エネルギー化目標削減政策を批判するシンクタンクBloomberg New Energy Finance社の5/26付け報告書の概要を報告している。英国政府の再生可能化義務(RO)制度補助金削減政策と合わせ読むと特に興味深い。記事の概要は次の通り。
 
◆政府が見直しを進める再生可能エネルギー化目標計画の現状では、2020年までに350億豪州ドルの再生可能エネルギー(風力、太陽電池)投資があり、建設や操業で毎年2.5万人の雇用があり、発電による温暖化ガス排出を5%低減し、燃料代と無関係な電気を20~25年間供給することにより電気代の将来の急騰を避けることができる。
◆しかし電力供給は過剰となり、既存電力会社の収益性への大きな圧力となる。◆ある電力会社の提案に沿って再生可能エネルギー化目標を低減すると、現目標の場合と比較して投資は120億ドル減少し、雇用は6,600人の減となり、温暖化ガス排出は3%多く、2020年まで家庭の年間電気代は毎年15ドル(1%)高くなり、2030年まで毎年68ドル(3%)高くなる。
◆一方、再生可能エネルギーの減少で既存電力会社には競争が減り、操業コストが安いため2020年の電力会社の収入は2015年より60~120億ドル増加する。
 
(Environmental Expert)
<http://www.environmental-expert.com> [関連情報] 本号 No.7
 
 
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8. 英政府は太陽電池発電への補助を削減-環境NPO記事
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  再生可能エネルギーを中心とするエネルギー源調査広報誌Nextgenは、5/16付けで、英国政府の太陽電池発電政策の大転換について報じている。記事の概要は次の通り。
 
◆エネルギー及び気候変動省(DECC)は、今週、5MWを超える規模の太陽電池発電計画に対する再生可能化義務 (RO) 制度による補助金を来年4月で打ち切る方針を発表した。
◆理由は太陽電池発電の急速な増加でRO補助金の太陽電池発電事業への著しい偏りを修正し、また、電気代の高騰を避けるためと説明されている。
◆同省は、方針変更は大規模太陽電池発電設備の想定外の急速な増加であったとしている。
◆また同省は、補助金は消費者の電気代で賄う仕組みであり、消費者が支払うお金にふさわしい価値を得ることを確保することが大切だと主張する。
◆しかし、グリーンピース英国代表は太陽電池発電は普及の結果で他のどの再生可能エネルギーより急速にコストが下がっているとし。政府の方針変更は既存発電会社には何の打撃もなく、新規参入事業者の意欲を低下させ、地域太陽電池発電計画の将来を宙に浮かせる結果をもたらすだろうと非難している。
 
(Nextgen media、News, 16 May 2014)
<http://www.nextgenmedia.co.uk> [関連情報] 本号 No.7
 
 
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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                ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その72> ■■■
                     ★ 2015年版ISO9001 DIS版で変わったこと
               -リスク規定大幅減、方法論復活、適用除外緩和、なお論理未整理-
 
  5/9にDIS版が発行され、この英語版を入手した。CD版からの変更点について評価した。評価は先に行ったCD版の08年版との比較評価及び問題点指摘を基礎として行った。
 
  評価の結果、CD版のDIS版への変更が全体として意味のある方向で行われたと言える。特に、新用語リスクがリスク思考を意図したものであることが明確にされ、リスクに言及した規定が11ヶ所から3ケ所へと大幅に削減されたこと、及び、ヒューマンエラーによる不適合の防止の規定が削除されたことは、改定版の品質の向上という点で特筆すべき変更点である。CD版で不用意にも削除された製造業の業務手法に由来する方法論の6件の内、設計開発、校正、受入検査が08年版のままではないが規定として復活したことも、規格理解の容易さという点で一定の進歩があったと考えることができる。
 
  また、プロセスアプローチ、PDCA、リスク思考の3つの概念が序文に整理され、CD版で削除されたプロセスアプローチの実務的表現である08年版4.1項の規定が復活した。これらの変更も規格の正しい理解のために好ましい。その他の重要な変更には、適用除外の条件が緩和されたことがある。これにより製造業と違いの大きい業種業態もその実体に合った規定適用が可能となり、規格の有用性が一段と高まることとなった。
 
  しかし、リスク規定の削除と残留が一定の基準に基づいて決定されたのかどうかわからないし、製造業の業務手法に由来する方法論の復活と削除のままという判断が記述の汎用化と規格の実用書としての具体的規定表現の必要性という矛盾する問題にどう折り合いをつけるのかの明確な考えで行われたようにも思えない。その他にも言わずもがな表現など論理的整合性の乏しい規定が残るだけでなく、新たに追加されている。さらに規格理解の点で重要な条文の統一的記述表現という点ではCD版から手つかずの状況にある。多様な物事の本質を見抜いて整理して体系化、論理化し、これを一貫した言葉と表現で表すというのが規格作成者の基本任務であるとすると、次のFDIS版までに規格作成者に期待されることは少なくない。
 
 
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             ■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (4~5月) ■■■■■
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★ 何が変わるか 2015年版
   6. 2015年版では品質改善成果重視の規格解釈に、審査には高負荷業務の簡素化が可能に
        -ISO9000 DIS版の新定義が規格解釈・認証審査に及ぼす影響   (5/28)
★ 規格理解・規格解釈の問題点
   104. ISO9001/ISO14001 規定条文の正しい読み方 10の留意事項 -組織主導の規格解釈(2)   (4/18)
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2014(H26)年4月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO14001 2015年版 、DIS版発行は7~8月か
■ 2.ISO9001:2008の公共分野用指針の2種の規格を発行
■ 3. TC207によるISO14001の使用者アンケート調査結果発表
■ 4.UKASがISO50001:2011の最初の認証機関を認定
■ 5.米国政府の民間規格利用に関する大統領府行政文書の改定
■ 6. 英国の画期的な炭素捕捉貯蔵ガス発電所計画

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その91>
■ ★ 規定条文の正しい読み方、10の留意事項 ―組織主導の規格解釈(2)

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(2~3月)]

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1. ISO14001 2015年版 DIS版発行は7~8月か-TC207英国代表情報
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  英国の認証機関LRQAは改定作業に参加するその構成員の情報として改定作業進捗状況を逐次発表しているが、米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertが引用する3/4付け発表の趣旨は次の通り。作業は元の計画より遅れており、改定時期を遅らせないことにやっきとなっている模様。
 
◆TC202/SC WG5の3/1のPadua(伊)会議が終わり、より明確な改定日程が決められた。
◆この会議ではCD2版に寄せられた350ページもの意見を検討しなければならなかったことを考えると、この新日程は改定全関係者の強い決意の現れである。
◆新日程は
□2014.5 CD2版検討を終了。 2014.6 DIS版の草案準備。
□2014.7~8 DIS版の検討
□2014.9~12 投票
□2014.12 投票結果と寄せられる意見のまとめ
□2015.3 FDIS版の検討
□2015.4~5 FDIS版投票
□2015.6/7 IS発行
 
(Environmental Expert:News, March 5,2014)    <http://www.environmental-expert.com>
[関連情報] H26.2.1号 No,1
 
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2. ISO9001:2008の公共分野用指針の2種の規格を発行-ISO発表
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  2/28のISO中央事務局は作成責任者へのインタビューの形で、政府や自治体の効率向上、過誤防止、顧客サービス改善のための答えとしてのISO9001使用のための指針を作成したことを報じている。さらに汎用表現化する2015年版ではこの種分野別指針規格が増えることになるかも。概略は次の通り。
 
◆規格は、地方自治体用のISO18091と選挙の実施を管理する機関用のISO/TS17582である。
◆ISO18091は、
□地方自治体が厳しい経済状況の中を限られた資源で効率的に体系的に仕事をするための指針である。
□住民にそのニーズと期待がよく認識され、着実に時宜を得て満たされるということを保証する優れた手段で構成されている。
□官公庁向けの最初のISO9001実践の手引きである。
◆ISO/TS17582は、
□ISO9001の品質マネジメントの原則を、選挙民登録から投票結果への異議の解決に至る選挙の全8段階の業務に適用した。
□選挙実施管理機関が信頼性の高い透明性の高い選挙サービスを提供する枠組みを明らかにした。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1825, 28 February 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1825>
 
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3. TC207によるISO14001の使用者アンケート調査結果発表-ISO発表
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ISO中央事務局は3/14、TC207が実施した「ISO14001 継続的改善調査2013」報告書に関して新聞発表した。報告書の中身は実質的にISO14001規格の有用性と改定版が使用者ニーズを取入れて更に有用なものとなるとのTC207の主張の広報である。関係者の必要に応じて標準化し有用性の合意の下に作成されるという本来の規格から、その使用による業界益を念頭に有用性を理屈づけ、広報する売るための規格に変質しつつある感がある。
 
◆人々が現行ISO14001にどのような効用を認め、更にどのように改善できると考えているかについて調査した。
◆110ケ国から5000件以上の回答があった。
◆70~80%の回答は、法規制を満たすこと、及び、組織の環境業績を改善することにISO14001が高い及び非常に高い価値を持っていると答えた。
◆続いて社会からの印象が良くなることが主要な効用として挙げられた 。
◆改定版に考慮すべき事項としては、汚染の減少と管理、資源の効率的使用の戦略、廃棄物及び汚染、製品・サービスのライフサイクルに関連する環境側面の特定と評価が挙げられた 。
◆ ISO14004改定版は広範囲な規格使用者用の環境マネジメントを堀り下げて 説明しているが、この調査結果からは人々が我々の期待するほどこれに関心がないようだ(改定責任者Per Arne Syrrist氏談)。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1829, 14 March 2014)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1829>
 
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4. UKASがISO50001:2011の最初の認証機関を認定-UKAS
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  UKAS(英国適合性認定機関)は3/12、ISO50001(エネルギーマネジメントシステム)規格の認証機関を初めて認定し、引き続き他の認証機関も認定されるとの見通しを発表した。ISO自体が異例の有用性広報活動を行ったほどに迅速な適用が期待されていたことから考えると、今頃になっての初認定は異様に見える。省エネルギーを資源問題と捉える規格に対して英国では環境問題と捉えられていると考えるとうなづける。
 
(UKAS: News, 12 March 2014)
<http://www.ukas.com>
 
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5. 米国政府の民間規格利用に関する大統領府行政文書の改定-ANSI意見集約
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ANSI(米国規格協会*)は、大統領府行政管理予算局(OBM)による行政文書(OBM Circular A-119)「民間規格の開発と使用及び適合性評価活動」の改定案提示に対して、傘下の規格作成団体に協力を求めてANSIが代表して見解を出す予定。これに関する2/12、2/28付けのANSIの発表の中の改定の趣旨は次の通り。
 
◆1998年改定の同文書と1995年制定の国家技術転移及び進歩法*(NTTAA)によって、連邦政府の各機関は可能な限り政府独自の基準を設けるのではなくの民間規格使用するよう求められている。
◆この度の改定は、以降の民間規格、適合性評価活動、政府による規制活動の大きな変化に対応するものとして2012年から検討されてきた。
◆ 改定案は、規格と適合性に関する多くの事項に触れており、これには規格開発活動への政府の参画、規格政策に関する庁間協議会(CSP)、国際的適合性評価制度と規制間協力、連邦規制における民間規格の使用、参照引用及び知的財産権が含まれる。
 
(ANSI:News and Publications, February 12, 2014)
<http://www.ansi.org/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=3871>
 
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6. 英国の画期的な炭素捕捉貯蔵ガス発電所計画-環境調査広報誌記事
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  将来のエネルギー源を展望した調査広報Nextgen の2/28付け記事の概要は、次の通り。
 
◆英国のN.Clegg副首相はEd.Daveyエネルギー大臣と共にShell社とのPeterhead CCS(炭素捕捉貯蔵)プロジェクトの契約締結を発表した。
◆これはPeterhead ガス焚き発電所のCCS設置による改良計画であり、世界で最初の工業的規模のCCSである。
◆3基のタービンの1基から発生するCO2の90%を回収しでパイプで海中に送り安全に貯蔵できる。
◆CO2回収量は年間100万トンであり、50万戸分の発電で発生するCO2に相当する。
 
Nextgen :News 28 February 2014     <http://www.nextgenmedia.co.uk>
[関連情報] 2011(H23).9.1号 No.9
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             ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その91> ■■
    ★ 91. 規定条文の正しい読み方、10の留意事項 ―組織主導の規格解釈(2)
 
  認証組織の大半が規格と認証制度に不満を抱く今日の状況は、認証業界主導の誤った規格理解と条文解釈に組織が盲従していることに起因する。ISO9001/14001は、顧客など利害関係者から信頼され認められる品質/環境優良組織であるための組織の仕事のしかたの必要条件を規定している。組織がこれを満たして仕事をすれば事業活動が支持され、必要又は希望する売上をあげることに繋がり、事業の継続的維持発展が可能となる。これがISO9001/14001実践の効用である。
 
  この規格実践の効用を得んとするなら、組織が効用を自分の利益に係わることとして主体的に規格解釈を行うことがまず第一に必要である。その根本は、規定の条文を認証取得のための規格の要求ではなく、品質/環境優良組織であるための仕事のしかたの必要条件と認識することである。すべての条文は、狙いの品質/環境優良組織であるためになぜそのようでなければならないのか、それは組織の実際の仕事ではどのようなことに相当するのかという観点で読み解くことでなければならない。
 
  このように正しく条文を読み解くためには、規格の規定と条文表現に関する次の特質、10の留意事項を念頭に置くことが必要である。
(1) 規格の規定の『~しなければならない』は、新たに何かをしなければならないという意味ではなく、組織の仕事のしかたがそのようでなければならないという意味である。規格の導入とは、実務の仕事と別の仕事の仕組みを作ることではなく、実務の仕事を規定の必要条件を満たすように変えることである。
(2) 規格は論理とその実践のための方法論として『~しなければならない』と言っており、具体的な業務や方法、手法の規定ではない。規定は基本的に、何をどうするではなく、どのようでなければならないかである。
(3) 規格の論理と方法論は独自のものではなく、規定条文は産業界のそれぞれの分野で有効性が広く認められ活用されている論理と方法論に則って書かれている。ISOでは何々はこうだというようなことはあり得ない。
(4) 規格では論理の実践のための方法論は必要に応じてしか規定されておらず、特に論理に対応して当然の或いは広く定着した方法論は規定化されていない。条文として書かれているから遵守が必要で、書かれていないから組織の裁量に委ねられるというようなものではない。
(5) 規定には見慣れない独特の用語と文章表現が存在するが、特殊な必要条件を意味するものではない。条文は文字面ではなくその意図を実務の観点から読みとらなければならない。
(6) 条文に明記されていない場合も規定の必要条件の満たし方や程度は効率或いは収益性との均衡を図ったものでなければならない。これは規格が本質的に組織の存続発展を目的とするものであるから当然のことである。
(7) 規定条文は仕事のしかたの必要条件を文章で表すものであるが、条文の文章それ自身が規格の意図の必要条件ではない。例えば、ISO9001/ ISO14001の08/04年版改定では多数の条文が変更されたが、そのすべてが単なる文章の変更であった。
(8) 規定条文は個々にはプロセスアプローチ/PDCAサイクルの各段階の各業務の観点での必要条件を意味し、全体として品質/環境優良組織であるための必要条件を表す。条文のひとつひとつについて何かをしなければならないということではない。
(9) 複数段落から成る条項では各節条文は対等でなく、第一節が主文で第二節以下は主文の補足である。当該条項に係わる必要条件はすべて第一節に規定され、その特定の事項或いは必要条件の詳細な必要条件が第二節以下に規定される。
(10) 品質/環境優良組織であるのに必要という観点で条文を読んで意味不明或いは合点がいかない場合はまずJIS和訳の問題である。解釈には原文(英語)規定を優先させるのがISOの規則であり、納得できるまで辞書を引くことが必要である。
 
  このように条文を真剣に読むと、多くの『~しなければならない』に対応する自らの考え方や手順や手法が存在することに気付く組織が多いはずだ。このように気付いたとすれば、正しい規格解釈をしていると思ってよい。なぜなら規格とは創作物ではなく、世界の組織が実践する品質/優良組織であるための論理と方法論の優れたものを集約し整理したものであるからである。その中心は1980年前後の製造業の大企業を中心とする日本流の仕事のしかたであるから、とりわけ製造業の組織には思い当たるところが多いと思われる。
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    ■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (2~3月) ■■■■■
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■規格理解・規格解釈の問題点 ()
103. ISO9001/ISO14001 2015年版、組織主導の規格解釈の勧め
-改定版移行の無用で無益な作業負荷の軽減のために (3/8)
102. 冷凍食品農薬混入事件とISO9001/CD 新要求事項「意図的な規則違反によ
る不適合が阻まれていること」 (2/11)
■何が変わるか 2015年版 ISO9001-(5)
2/1 「リスク及び機会」は新しい概念・要求事項ではない―
TC176改定説明 第1報 「リスク思考」
■実務の視点によるISO9001解説-初版見直し更新中 (3/5)
23. 5.4.2項 品質マネジメントシステムの計画
22. 5.4.1項 品質目標
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2014(H26)年2月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
http://www.ms-jitsumu.com
ms05@ms-jitsumu.com
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO9001 2015年版改定 CD版承認、4月DIS版発行へ
■ 2.ISO14001 2015年版改定 CD.2版承認、DIS版への移行決定
■ 3. 食品安全マネジメントシステム認証機関に関する規格改定
■ 4.ISO/TC176 がISO9001 CD版の「リスク」に関する意図を説明
■ 5.ISO/TC207がISO14001 CD.2版における変更点を説明
■ 6. PIP社不祥事に関する第三者認証機関の損害賠償責任を認める判決
■ 7. 従業員のやる気増進をアベノミクス4本目の矢に

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その90>
■      ★冷凍食品農薬混入事件とISO9001/CD「意図的な規則違反」防止処置

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(12~1月)]

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1. ISO9001 2015年版改定 CD版承認、4月DIS版発行へ-仏代表団見解
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  AFNOR(仏規格協会*)はCD版全面支持の立場から、11/3~9のPorto(葡)会議での議論についてそのウェブサイトに見解を発表した。概要は次の通り。
 
◆会議では40ヶ国からの専門家が3,000件以上になる加盟各国の意見を一緒に検討した後に、50ヶ国の投票で83%の賛成を得て承認され、DIS版に進むことになった。
◆反対国は、アルゼンチン、コロンビア、フィンランド、ルクセンブルグ、南ア、米、葡、蘭、独、伊、加、日の12%であった。
◆反対の背景となった主な理由は、
□共通テキストの採用が問題(4.1~4.3内容あいまい/QMS特有要件との重複)
□利害関係者に関する規定が顧客満足向上の規格にそぐわない
□表現の汎用化の行き過ぎ(多くの現規定が消滅/特定組織に不要な規定多い)
□あいまいな用語使用(同様の意味の複数の用語が用いられている)
□用語「文書化された情報」 (文書/記録の区別、文書化必要業務の明確化が要)
□リスクと機会の規定(規定過多と規定不足の両意見)
□用語「外部からの提供」(アウトソースとの違い、「供給者」から変更理由が不明)◆過去の改定作業で3000件の意見提出は普通であり、重大な改定ではCD2発行の実績あるが、今回は直接DIS版移行という新しい歴史が生れると思われる。
◆DISは4月発行、4~9月投票。FDISは2015年7月投票で9月に改定版発行。
 
(AFNOR:News, 2013/11/22)
<http://www.afnor.org>
[関連情報] 2013(H25).9.1号 No.3
 
 
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2. ISO14001 2015年版改定 CD.2版承認、DIS版への移行決定-英代表団発表
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  規格改定作業担当の英国代表、M.Baxter, S.Williamsの両氏のそれぞれの発言を報じる1/29付けの米国の環境情報日刊紙Environmental Leader のウェブ記事と、2/7付け英国新聞発表ウェブ広報誌PRWebUKの要旨は合わせて次の通り。なお、改定日程に関するS.Williams氏の発言には、先の2013(H25).12.1号(No.1)と食い違いがある。
 
◆2013年11月に発行されたCD.2版は、3ヶ月間の投票期間を終え、DIS版作成に移行することが加盟国の80%以上の賛成を得て決定された。
◆投票中に寄せられた各国の意見は、2/25~3/1予定の次の会議で検討される。◆改定作業は予定通りの日程で進んでいる。
 
(Environmental Leader: News, January 29,2014)
<https://www.environmentalleader.com>
(PRWeb UK: 7 February 2014)
<http://www.prweb.com/releases/prweb11552017.htm>
[関連情報] 2013(H25).12.1号No.1
 
 
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3. 食品安全マネジメントシステム認証機関に関する規格改定-ISO発表
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  ISO中央事務局の12/20の新聞発表の概要は次の通り。マネジメントシステム規格本体が共通テキスト化の方向にあり、マネジメントシステム認証機関のあり方の共通規格を2011年に強化、改定したという中を食品安全衛生マネジメントシステム認証機関用だけの規格をそのまま維持しようとする動きである。
 
◆改定規格は技術仕様書の形のISO/TS22003:2013(食品安全マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項)であり、現行のISO22003:2007の改定第1版である。
◆汎用規格ISO/IEC17021:2011(マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項)より食品安全特有の要求事項が織り込まれている。
◆改定規格により、食品供給者に認証が授与される方法に対する信頼性が向上する。
◆再重要変更点は、審査員資格認定が証明された能力ではなく実際に持っている能力を基準としたものとなること(qualification-basedからcompetence-based)。
◆TC34も将来的な認証費用の低減の重要性は認識しており、この方向の取組みを進めることを考えている。
 
(ISO中央事務局: News, Ref.:1807, 20 December 2013)
<http://www.iso.org/iso/news_archive.htm?archive=2013>
[関連情報] 2011.5.1号No.4
 
 
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4. ISO/TC176 がISO9001 CD版の「リスク」に関する意図を説明-改定説明第1報
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  ISO9001の改定作業を担当するTC176/SC2が改定経緯説明の第1報として、標題「リスク思考」のN065文書をそのウェブサイトに発表した。文書では、規格の「リスクと機会」の規定が「リスク管理」の方法ではなく、組織の実務では当たり前の「リスク思考」の重要性を強調するものであることが明確に記述されている。この部分の記述は次の通り。
(詳細解説は、http://www.ms-jitsumu.com/sub31e-01-05.html)
 
◆文書の目的は、将来のISO9001:2015が“リスク”という事柄をどのように取り扱っているのかを概説すること。
◆規格の文脈における「リスク」の概念は、適合製品の一貫した提供と顧客満足の向上を図る上での不確実性に関係する。
◆リスク思考(risk-based thinking)とは何か?
□リスク思考とは誰もが自動的に、またしばしば無意識に行っていることである。
□リスクという概念は、ISO9001には常に暗に含まれていたが、今次改定ではこれをよりはっきりと述べ、マネジメントシステムの全体に組み込まれることになる。
□リスク思考は、これまでも プロセスアプローチの一部であった。
□ 成功組織では、本能的にリスク思考の取組みが行われている。
◆組織は何をなすべきか?
□組織の業務実行にリスク立脚取組み(risk-driven approach)を用いること
 
(ISO/TC176/SC2ウェブサイト、N065, December 2013)
<URLを現在特定不能>
 
 
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5. ISO/TC207がISO14001 CD.2版における変更点を説明-改定説明 第1報
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  ISO14001の改定作業を担当するTC207/SC1が改定説明の第1報として11/20、標題「改定範囲、作業経過、日程及び変更点」の文書をISOのウェブサイトに発表した。この中で変更点として取り上げられているのは次の7項目である。説明を読むと、6項目は04年版に明示されていなかった或いは断片的にしか記述されていなかった事柄が条文化されたという意味で変更点、或いは、要求事項の追加や変更と説明されているだけで、組織の環境経営の実務の変更が必要なのは情報交換に係わる1項目のみであることがわかる。
(詳細解説は、http://www.ms-jitsumu.com/sub31f-01-04.html)
 
◆CD.2版における04年版からの変更点
□戦略的環境経営
□リーダーシップ
□環境の保全
□ライフサイクル思考
□環境業績
□情報交換
□文書化された情報
 
(TC207/SC1: Information note on scope, process, time lines and emerging change, November 2013)
<http://www.iso.org/iso/1n1000_iso_14001_revision_information_note_update_november2013.pdf>
 
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6. PIP社不祥事に関する第三者認証機関の損害賠償責任を認める判決-仏国
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  英国BBC放送は11/14のウェブ版によると、2011年に発覚したフランスPIP社による豊胸手術用ジェルへの工業用シリコーン樹脂使用問題に関して、最も危険度の高い第3級医学用具としての品質保証に係わる欧州連合のCEマークを授与していた第三者認証機関(告知機関*)の責任を問う民事裁判で、TUV Rheinland社(独)に対して総額5000万ユーロの賠償支払いを命ずる判決がフランスであった。この不祥事では71ヶ国の5万人の女性が不法ジェルを埋め込まれ、実際に多くの健康被害がもたらされたとされている。
 
◆判決では、PIP社にEUの安全認証状を授与したTUV Rheinland社には善管注意義務違反があったとされた。
◆原告のひとりの英婦人は「同社は私に移植するときに医師がそれを見て安全と判断した安全性のCE認証状を出した認証機関である」と同社の責任が当然と語った。
◆PIP社創業者は警察の取り調べにおいて、同社による工場審査の際には不法ジェル使用隠蔽を命令していたと明言している。
◆同社はこれまでドイツでの2件の訴訟に勝訴している。
◆同社は控訴すると言った。
 
(BBC放送: NEWS EUROPE, 14 November 2013)
<http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-24936958>
 
 
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7. 従業員のやる気増進をアベノミクス4本目の矢に-ギャラップ社の日本批判
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  米国の世論調査が伝統のシンクタンクギャラップ(Gallup)社が世界の労働者の意識調査結果に基づき、アベノミクスの経済再生政策としての有効性に疑問を呈している。1970~80年代の日本企業の躍進を支えた人間重視の経営を学んだ米国人から、それを放棄した日本の職場活力の凋落ぶりと株価に翻弄される経済運営の問題点を指摘されるのだから世話がないということだ。米国のウェブ品質月間誌Quality Digestへの投稿文の要旨は次の通り。
 
◆世界の職場状況報告書*(State of the global workplace) (筆者の分析)
□労働者意識調査は142ヶ国の2011~2012年の状況であり、12の質問への回答により労働者を“意欲的(engaged)”“意欲に乏しい(not engaged”“意識的な無気力(actively disengaged)”に分類し、国毎に各分類の労働者の比率を算出している。
□やる気の高い労働者比率の高い国は、米、加などで、次いで英、豪など。米国の分類別比率は30%‐52%‐18%、豪は24‐60‐16、英は17‐57‐26。
□日本は世界的に最下位に近く、中国、韓国と同じ水準。日本は7‐69‐24で、中国は6‐68‐26。
◆世界の職場状況報告書によると、日本の労働人口のわずか7%しか仕事に意欲を燃やしていない。これはやる気度の世界最低の水準である。
◆これは、毎日その仕事の価値を高め、改善することに意欲や熱意、責任意識を持って職場に入る従業員が14人の内の1人しかいないということである。
◆日本政府は事業革新、起業、海外進出を促進する財政的処置の戦略を練っているが、持続可能な将来を実現するには、従業員の潜在能力と活力を活用しなければならない。
◆日本がとるべき戦略とは
□職場の活性化を経営戦略として追求すること
□労働者のやる気を向上させる日本では最良でない他国の最良の方法に学ぶこと
□職場での女性の活性化の真の方法の理解(保育所の増設ではない)
◆安倍首相の経済再生政策には、職場活性化のための4本目の矢が必要である。◆甘利経済再生相は「良い循環が始まった」と言うが、年齢と性別を問わず全労働者が日本の現在と将来に向かって意欲を持つように日本のすべてのリーダー達が意識的に努力をしない限りは、良い循環は続かない。
 
(Quality Digest: Quality Insider, Article, Engagement Should Be Fourth Arrow in Japan’s Economic Plan, 12/03/2013)
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。 - *印の固有名詞は編集者の和訳 -
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        ■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その90> ■■■
      ★冷凍食品農薬混入事件とISO9001/CD「意図的な規則違反」防止処置
 
   マルハニチロ食品の冷凍食品への農薬混入事件が従業員による犯行であったことが各方面に衝撃を与えている。事件を食品テロだとして作業現場での不法行為の監視と防止の体制の確立を説く専門家さえテレビに登場した。はしなくも改定中の2015年版ISO9001 CD版には業務実行管理に関して「意図的な規則違反のような人的過誤による不適合が阻まれていること」との規定がある(8.6.1 i)項)。これは日本の国内委員会が品質不祥事防止に必要として提案したものと説明されているから、同委員会は我が意を得たりと鼻を高くしているのかもしれない。しかし、どちらも大きな間違いである。
 
  なぜなら、2008年の中国製毒餃子事件の際に日本人が原因として問題視したのは、中国企業の品質管理や内部犯行監視体制のお粗末さではなく、それを引き起こす従業員の職業意識やそのような従業員を内在させる企業の経営体質のお粗末さの方であったからである。すなわち当時、経営の専門家ではない大衆が問題の本質を中国の文化水準の低さであるとし、日本人や日本社会の倫理性、教養、誠実、勤勉の文化に照らして日本では起き得ない事件と考えたのである。
 
  そして、この大衆の直感は、原因が意図的でなくうっかりであっても不良品を出さない或いは顧客に不満を抱かせないことが従業員の文化水準とそれに根ざす勤労精神と密接に関係しているという今日の世界の経営の常識に合致しているのである。このような理解は1970年代の後半になって低賃金労働の産物の安物の廉価品というレッテルが日本製品から外された時に始まる。すなわち、この時期に欧米の政府や産業界が日本製品の優れた品質を認めたのは、欠陥がなく故障がないと消費者が実感した高い品質水準が、日本人と日本社会の高い文化水準とこれに依拠した企業の経営手法を背景としたものであることに気付いたからである。その頃米国に滞在した筆者も近隣の人々から異口同音に「日本人はよく働く/日本人は優秀だ」とのほめ言葉を頂戴した。米国の大衆も日本製品の優れた品質の由来を理解していたのである。
 
  実際、1980年代に米国企業が製品品質向上のために日本から取り入れたのは品質管理手法ではなく、従業員の意欲向上や職場の活性化など当時のいわゆる人間重視の経営の手法であった。レーガン大統領が米国産業の競争力向上のために設定した優秀業績企業表彰制度では、7項目の必要条件の1000点満点で業績の優秀さが判定されるが、事業実績に与えられる450点を除いて経営体制に対する550点の内で労働条件、教育訓練・能力開発、従業員の幸せ・満足感という人的資源に対する取組みに対して85点が与えられている。以降の米国では、やる気を持った従業員という意味で“engaged”という言葉が盛んに使われるようになる。
 
  優れた品質や顧客満足の実現だけでなく組織のあらゆる業績の追求には、要員のやる気、責任感、開かれ活性化した職場が不可欠である。すべての要員が決められた手順に則って業務を行い決められた結果を確実に出すことで初めて組織の狙いの業績を実現できるのであり、組織にはそのための様々な手順や資源を工夫し用意すると共に、その職責を理解し職務を完遂する要員の意志と能力を育み、それを発揮できる環境を整備することが必要である。これはISO9001では、コミットメント、認識、職務能力(JIS和訳は『力量』)、教育訓練、品質方針の従業員への伝達、情報交換(コミュニケーション)、作業環境(物理的環境+心理的環境)として規定されている。
 
  しかし日本の認証制度では、品質方針と個人品質目標を書いたカードの携帯が認識を持った従業員の証となる等々、規格の意図とかけ離れた解釈が幅をきかせてきた。日本で起きた品質不祥事の原因が実際に「意図的な規則違反」であったなら、規格の規定の意図を正しく実践してこなかったことが原因である。これを放置しておいて、2015版では審査員がマルハニチロ事件に鑑みて、異物が隠されて持ち込まれ意図的に混入されることのないような処置、例えば工場入口でのX線全身透視検査や作業者による相互監視体制を求めることになるのだろうか。人間としての誇りを疑われ、管理者や仲間から信頼されず、仲間を信用できないような職場で組織のために一生懸命働けというのだろうか。ISO9001が役にたたないだけでなく、組織の内部崩壊を促進しかねない危うさを含む国内委員会の浅薄な問題認識とCD版規定である。
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (12~1月) ■■■■■
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★何が変わるか 2015年版 ISO9001-(5)
5. 「リスク及び機会」は新しい概念・要求事項ではない―TC176改定説明  (2/1) 
★何が変わるか 2015年版 ISO14001-(4)
4. CD.2版の変更点は7つ、実質改定点はひとつ -ISO/TC207の見解 (1/13)
3. 全体像がほぼ確定-CD.2版の評価及び残された問題点 (12/5)
★実務の視点によるISO9001解説-初版見直し更新中
20 5.3項 品質方針(12/28)
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マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向> 
2013年(H25年)12月1日号
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MS 実務の視点   サニーヒルズ コンサルタント事務所
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ISOマネジメントシステムの運用に関係する、ISO等の国際機関の動向
及び 品質管理、環境管理、マネジメントに関連する海外の動向について
“実務の視点”から英文ウェブ情報を選び、お伝えします。
偶数月の隔月発行とさせていただきます。
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■■■■■■■■■■■■ 目 次 ■■■■■■■■■■■■

■ 1.ISO14001 CD.2版 発行
■ 2.ISO/IEC27001 改定版発行
■ 3. 認証審査員の能力規制強化の規格 第3弾発行
■ 4.中韓がISOで枢要地位に進出
■ 5.米国で法規制に採用された規格の無償公開を開始
■ 6. 世界の炭素予算は後30年で払底

■ そして
■ [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その89>
■ ★ 2015年版ISO14001 全体像がほぼ確定-CD.2版の評価及び問題点

■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(9~11月)]

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1. ISO14001 CD.2版 発行-LRQA発表
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認証独立国際認証機関機構*(IIOC)代表として規格作成会議に出席した英国の認証機関LRQAのS.Williams氏の報告を引用して、ボゴダ(コロンビア)での10/6~11のTC176/SC1 WG5のISO14001改定作業の進捗が様々に伝えられている。改定規格発行日程に関するものは次の通り。
 
◆10/22付で 第二次委員会原案(CD.2)が発行された。
◆CD.2は、来年2/21までの3ヶ月間の各国の意見集約と投票に付され、WG5がこれを2/25~3/1予定の次のPadua(伊)会議で検討する。
◆ボゴダ会議では改定作業の日程を見直したが、2015年発行は変えない。
◆今後の計画日程は、DIS作成(2014年2~3月)、同発行(7~8月)、FDIS発行(2015年3~4月)、改定版発行目標(5~6月)
 
(LRQA: News room,08/10/2013)
<http://www.Irqa.com>
[関連情報] 2012(H24).4.1号 No.2
 
 
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2. ISO/IEC 27001 改定版発行-ISO発表
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  ISOは10/1にISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメント)の改定版が発行されたと新聞発表した。発表の改定規格とその意義に関する趣旨は次の通り。
   
◆ソーシャルネットワーク及びスマホやタブレット端末などの移動通信や他のオンライン情報伝達の脆弱性など今日的問題に対応するセキュリティ管理に関して付属書Aの規定に多くの改善点を織り込んだ。
◆改定版は高位構造及び共通テキストを採用しており、他のマネジメントシステムとの一体化が容易になった。
◆最近の英国政府の調査では、以前は大企業のみで起きたIT事故が中小企業でも生じており、昨年ではその87%がセキュリティ侵犯を経験した。
◆改定版はサイバー攻撃の数と複雑さが増す今日の状況において、組織が情報資産の安全を守るのを助ける。
   
(ISO中央事務局: News, Ref.:1783, 4 October 2013)
<http://www.iso.org/iso/home/news_index/news_archive/news.htm?refid=Ref1783> [関連情報] 2013(H25).9.1号 No.4
 
 
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3. 認証審査員の能力規制強化の規格 第3弾発行-ISO/CASCO
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  ISO/CASCO (適合性評価委員会)は、認証審査員に必要な能力を分野別に規定する3番目の規格(技術仕様書)を10/1に発行したことを11月の電子広報で発表した。要旨は次の通り。
 
◆新規格はISO/IEC27021-4 (適合性評価―マネジメントシステムの監査及び認証を行う機関に関する要求事項―第4部: 催事に係わる環境保全マネジメントシステムの監査及び認証に関する能力の要件)
◆新規格はISO/IEC17024:2012(適合性評価‐要員認証機関に関する全般要件*)に加えて、催事に係わる環境保全マネジメントシステム(ESMS)の監査及び認証に携わる要員に対する追加の要件を規定する。
 
(ISO/CASCO: eNewsletter, Issue 14, November 2013)
[関連情報] 2013(H25).9.1号 No.6
 
 
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4. 中韓がISOで枢要地位に進出-両国の新聞記事
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  9/21の中国国際放送局(CRI)の英語ウェブ版、及び、9/23の韓国の聯合ニュースの日本語ウェブ版はそれぞれ、両国がISOの運営への関与を強めることに繋がる18~20日のサンクトペテルブルグ(露)でのISO総会の決定について報じている。概要は次の通り。
 
□中国国際放送局 英語版
◆ISOの第36回総会は9/20、張暁剛氏を会長に選出した。これは中国人としては最初のことである。
◆同氏は、国際鉄鋼協会の副会長であり、また、中国規格化専門委員会の委員である。
□聯合ニュース ウェブ版
◆韓国産業通商資源部の技術標準院は、ISO第36回総会で韓国がISOの理事国に選出されたことを明らかにした。
◆ISO理事国は、米、独、日、英、仏、中、露などの20ケ国。
◆韓国が理事国となることによって、国際標準化政策に韓国の立場と意見を積極的に表明することができる。
◆来年のリオデジャネイロに続く2015年の総会の開催地がソウルに決まった。これは1963年のISO加盟以来初めてのこと。アジアでは印、中、日、シンガポールに続き5番目。
 
(中国国際放送局: 2013‐09‐21)
<http://english.cri.cn/6826/2013/09/21/2361s78807.html>
(聯合ニュース:2013/09/23)
<http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2013/09/23/0800000000APJ20130023001900882.html>
 
 
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5. 米国で法規制に採用された規格の無償公開を開始-ANSI報道
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  米国規格協会*(ANSI)は10/28付け記事で、IBR Portalをウェブに開設したことを明らかにした。IBRは民間規格が連邦法及び規制に取り込まれること(Incorporation by reference)を意味する。記事の概略は次の通り。
 
◆ANSIは、IBRされた民間規格を読み取り専用で公開するウェブサイトANSI IBR Portal を開設した。
◆閲覧は無償だが、サイトは印刷、ダウンロード、他のサイトへの移動、スクリーンショットが出来ない機構となっている。
◆このサイトは、民間規格が法規制となった場合に必要なすべての市民がそれを入手できなければならないが、一方で無償での規格の公開は規格作成機関の経済的存立基盤を脅かすことになるという、矛盾した問題の唯一の解決策である。
◆既に、ISO,IECやAHAM(家具製造協会*)、AWS(米国溶接協会*)など13の規格作成機関と合意しており、別の7機関はIBR Portal からそれぞれの読み取り専用ウェブサイトへのリンクを認めている。
 
(ANSI:News and Publications, October 28, 2013)
<http://www.ansi.org
/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=3771>
 
 
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6. 世界の炭素予算は後30年で払底-IPCC第5次評価報告書
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  米国の環境専門家用ウェブ情報誌Environmental Expertは9/27付きで、IPPC(気候変動に関する政府間パネル) 第5次評価報告書の「炭素予算」の予測についての米国のWRI(世界資源研究所)の論評記事を引用している。概要は次の通り。
 
◆森林火災多発、珊瑚白化、海面上昇など環境悪化の深刻化を抑制するために、気温上昇を工業化以前から2℃以内に抑制することが国際合意の目標である。
◆人間の活動に起因する炭酸ガス排出による気温の上昇は排出総量に比例する。
◆2℃目標達成に許容される炭酸ガス排出量は、工業化開始後1兆トン(1000PgC)であり、これが人類に与えられた「炭素予算」である。
◆この予算は工業化開始から2011年までに、531PgCが使われており、残りは469PgCである。
◆これまでの排出傾向が続くなら、この予算は後30年で払底する。
◆温暖化に対するメタンなどの効果を考慮すると、2℃目標達成のための炭素予算は残り269PgCであり、後20年で使い尽くすことになる。
 
(Environmental Expert: News, Sep. 27, 2013)
<http://www.environmental-expert.com>
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■■■ [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その89> ■■■
       ★ 2015年版ISO14001 全体像がほぼ確定    -CD.2版の評価及び残された問題点
 
  10/22発行の第二次委員会原案(CD.2)の英語原文を読んだ。CD.1との比較では、改定の本質は変わらず、未熟条文の一部の改良の一方で規定の詳細化を意味する2つの条項の追加を含み多数の条文の追加と変更がある。また、冗長表現や非体系的表現が重大なものも含めてなお残っている。しかし、このCD.2版からは、改定作業が「ISO14001の将来像報告書」の改定推奨事項に沿って進められてきたことがわかり、これで2015年版の全体像は決まりと考えられる。
 
  2015年版全体像を表すものとしてのCD.2版の04年版との比較における特徴は、①序文の好ましい変更、②要求事項のわずかな変更、③条項と条文の大幅な変更である。すなわち、①によって規格の狙いが持続的発展の可能な地球社会の実現にあり、規格は組織が社会的及び経済的ニーズと均衡させて環境保全を図る環境経営の枠組みを規定するものであることが明確になっている。②の改定は2つの副次的要求事項のみである。これは改定方針に照らして妥当であり、①で確認されるように規格の狙いと論理が変わっていないということからも当然である。
 
  ③は、04年版が環境経営の枠組みをその論理に関する要件(JIS和訳『要求事項』)を主体に規定していたのを、15年版では共通テキストの採用及び条項と条文の追加、変更によって各論理の実現のための効果的な方法論に関する要件が大幅に追加されたことに関係している。例えば『環境目的、目標』について04年版では『……を設定しなければならない』と効果的環境経営のための論理の規定であるが、15年版ではこれに加えて「……を設定する場合は、~を考慮しなければならない」と環境目標設定の方法論をも規定している。とりわけ、環境保全戦略の決定(4.1,4.2,5.2)から関連する『環境側面』の特定(6.1.2)、管理対象である『著しい環境側面』の決定(6.1.4)、その管理の基準と方法の決定(6.1.5)、管理の実行(8.1,8.2)、管理実績の評価(9.1.1)、戦略と戦術の見直し(9.3)へと繋がる環境経営のPDCAサイクルのそれぞれの方法論に関する要件が詳しく規定されている。他にも多くの条文が変更になっているが、特定の意図のない、或いは、変更の理由を吟味するまでもない単なる記述上、表現上の文章の変更と考えてよい。
 
  CD.2版には、①冗長な表現、②消化不良の論理、③硬直した婉曲表現の文章、④共通テキスト化の骨抜きといった改善すべき問題点が残されている。①は、改定効果を誇示するために『リスクと機会』『ライフサイクルの観点』『事業プロセスへの統合』等の謳い文句が条文に不必要に含まれていることであり、CD.2では『リスクと機会』が更に8箇所の条文に追加されて拡大した。これらの多くは単に不必要であるだけでなく、規格の論理と整合せず、規格解釈を困惑させる不適切な条文表現である。②は、論理整理が不十分のため同じ事が条項によって異なった用語や表現で記述されているという問題である、CD.2版で改良された跡は見られるが、規格としてあってはならない統一性のない条文記述がなお多く残っている。
 
   ③は、わかりやすい表現を改定理由のひとつに挙げながら、序文、条文、定義や注釈、付属書に至るまでの硬直し、かつ、直接的でない婉曲表現の、わかりにくい文章形式は04年と全く同じであること、④は、規格使用者の便宜を理由として作成された共通テキストであり、その適用が改定理由のひとつになっているのに、共通テキストの条文の変更や独自の条項の追加が無造作に行われ、是非は別として共通テキスト化そのものは早くも骨抜き状態となっていることである。
 
  2015年版規格は内容的には、環境経営のあり方を詳しく明瞭に示すものとなり、組織が規格を正しく理解し、実践に努め、その意図の成果を上げることが容易になることが期待される。改定要求事項がわずかなため、認証制度の下の改定版への移行の負担はマニュアルの書き換えだけで済む。しかし、条文の文言がすなわち要求事項とする規格解釈では全面的に改定された規格となる。上記のCD.2版の問題点が放置されれば、あり得る不適切なJIS和訳と合わさって、条文の意図の理解が困難になり、表面的な理解から様々な解釈が生れて、規格解釈が混乱する可能性もある。最悪は、方法論の規定の読み取り易い文言だけが抽出されて、様々な新たな形式の文書や業務が認証審査で要求されることである。共通テキスト化で喧伝される利益を組織が享受できる可能性は低い。
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■■■■■ [ウェブサイト:MS 実務の視点]新着情報 (9~11月) ■■■■■
                          http://www.ms-jitsumu.com
★ 解説 何が変わるか 2015年版ISO9001
4. 2015年版 ISO9001/CD 新要求事項「知識」(変更点の評価‐3) (9/26)
3. 2015年版 ISO9001/CD 運用管理におけるリスクと予防処置
(変更点の評価‐2) (9/14)
2. 2015年版ISO9001/CD 新要求事項
「人的過誤による不適合が阻まれていること」(変更点の評価‐1) (9/6)
★ 論評 規格解釈・規格解説の問題点
100. 国内委員会(規格執筆者)の役割を超えた規格解釈説明
-2015年版ISO14001 CD.1版解説の雑誌記事 (10/19)
★ 実務の視点によるISO9001解説
7.6項 監視機器及び測定機器の管理 (11/30)
7.5.5項 製品の保存 (11/7)
7.5.4項 顧客の所有物 (10/27)
7.5.3項 識別及びトレーサビリティ (10/27)
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