ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
18 ISO 認証制度運用に巣くう権威主義と無批判・盲従  
(誤った認証制度運用)
品質不祥事を発生させた認証組織に対する認証機関の処分は大甘
<66-01-18>
< 要旨 >
   JABは2/4付けのウェブサイトにある不祥事発生組織に対する認証機関による処分の一覧表に見られる処分には、不祥事を発生させ登録証の信頼性を失墜させ、また、認証審査で審査員を欺き、不適合を隠したというような背景が全く考慮されていない大甘である。
 
  そもそも、普通の資格取得の試験とは違って、認証審査で不適合ゼロ、つまり、100点をとらないと登録証は貰えないし、100点とれる自信のある組織しか認証申請しない。なぜなら、不祥事などはもってのほか、不良品を出さず、顧客のニーズと期待を満たす製品の提供を確実にしていると自信を持っている組織が未知の顧客や社会にそのような組織であることを、認証機関に保証してもらうために認証審査を申請し、登録証をもらうのである。
 
  不適合を認証審査では見落としたという事実に対する責任は一義的に認証機関にあるが、認証制度の枠組みでは、製品検査をせずに、不良品を手直しせずに、試験値を改竄して出荷するというようことが永年見過ごされてきたという顧客第一からほど遠い品質保証体制の組織が、顧客第一でやっていますと嘘をついて認証申請することは想定していない。その上に審査で組織が不都合な事実を隠したり、嘘の説明をしたりしていたとすれば、認証制度の枠組みにおける不法行為に他ならない。
 
  認証制度の信頼を維持するには、また、認証機関の役割への正しい責任感を明らかにするためには、認証制度を悪用する組織には、せめて一発認証取消しとか認証申請受付け永久拒否など、善意の不適合に対するのとは異なる処分を課さなければならない。
 
 

< 本文 >

  JABは2/4付けのウェブサイトに、もう何度目かになる不祥事発生組織に対する認証機関による処分の一覧表「品質データ改ざんなどの不適切行為報道に関連する認証について」を発表した。処分の中身はJABの考え方の通りであり、どの組織にも特別審査で不適合を見つけて認証を一時停止し、その是正処置が良ければ一時停止解除となり、それが不適切、或いは、認証期限切れとなれば認証取消し、認証失効となる。この処分は通常の認証審査で不適合指摘があった場合の処分と同じであり、不祥事を発生させ登録証の信頼性を失墜させ、また、認証審査で審査員を欺き、不適合を隠したというような背景が全く考慮されていない大甘の処分である。
 
  そもそも、ISOマネジメントシステム規格の登録証とそのための認証審査は、何かの資格証やそのための資格試験とは同じではない。後者の試験は応募者が必要な能力を持っているかを資格管理機関が評価するものであり、一般に100点である必要はないから、100点の自信はとてもないが自分の得意分野の問題が多く出れば例えば70点という合格点は出すことができるだろうというような応募者も受験し、幸運にも資格証を貰ったということもおかしくない。しかし、認証審査では規格の規定のすべてに適合しなければならず、もし不適合があればやり直しをさせられ、100点でないと登録証は貰えない。これは認証審査という試験が厳しいということではなく、それが認証制度というものの枠組みなのである。
 
  すなわち、認証審査は、わずかな軽い不適合の指摘はあっても是正処置で簡単に正すことができて100点がとれる自信がある組織だけが申請し、受けるのである。なぜなら、例えばISO9001の登録証とは不良品を出さないことを含み顧客満足の製品を確実に提供する組織であることの公正な第三者の顧客や社会に対する保証を意味する。従って、顧客第一を原点として、不祥事などはもってのほか、不良品を出さず、顧客のニーズと期待を満たす製品の提供を確実にする品質保証体制の下で、つまり、ISO9001のすべての規定を満たして関連業務と製品を管理しており、かつ、意図の通りの顧客満足の状態を実現していると自信を持つ組織が、そのような組織であることを、認証機関に顧客や社会に向けて保証してもらうために認証審査を申請し、登録証をもらうのである。
 
  不祥事発覚後の特別審査で見つけることができる不適合を認証審査では見落としたという事実は認証制度における役割の点で認証機関の責任である。しかし、上記の認証制度の本来の枠組みにおいては、製品検査をせずに、或いは、不良品を手直しせずに、又は、試験値を改竄して出荷するというようことが永年見過ごされてきたというような顧客第一からほど遠い品質保証体制の組織には本来、認証審査を申請する資格がないのである。認証機関は、そのような組織が顧客第一でやっていますと嘘をついて認証申請することは想定していないのであり、その上に審査で組織が不都合な事実を隠したり、嘘の説明をしたりしていたとすれば、認証制度の枠組みにおける不法行為に他ならない。認証制度の信頼を維持するには、また、認証機関の役割への正しい責任感を明らかにするためには、認証制度を悪用する組織には、せめて一発認証取消しとか認証申請受付け永久拒否など、善意の不適合に対するのとは異なる処分を課さなければならない。
H31.2.13 
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サニーヒルズ コンサルタント事務所