ISO9001/ISO14001 情報発信
23 是正処置の有効性
−新規感染者数の7月末ピーク到達は“新生活様式”施策の結果なのか−

ISO9001で考えるコロナ禍対応
<ISO 時事寸評>>
  政府の新型コロナウイルス分科会の尾身茂会長の「全国の新規感染者数は7/27〜29に大体ピークに達したというのが私達の読み」という8/20の学会での発表は、「〇地域の暴風雨は2時間前にピークを迎えた模様であり、今後次第に風雨とも弱まっていくと思われる」などの気象予報官の発表に似て、違和感を覚える。
 
  分科会の任務は感染拡大防止の管理であり、国民と事業者への感染防止の行動と事業上の処置を5/26に“緊急事態宣言”から “新生活様式”に変えたのであるから、求められているのは感染者数のピークがこの効果であるのかどうかという判断である。これはISO9001では、「とった是正処置の有効性の評価(10.2.1 d))」である。
 
   ただし、これを多くの解説書が、例えば苦情に対し「再発防止のために必要な処置をとる(同c))」という規定に引き続く、その是正処置の有効性を確認する規定だと説明している。 品質保証の現場では、不良の原因が何で、当該対策により不良を再発させないということを顧客に客観的に又はデータで説明しなければならず、顧客が納得して初めて製品出荷が認められる。この現実はISO9001では「是正処置」は「不適合を除去し、再発を防止する処置」だと云う定義に反映されている。再発防止が確実な処置でなければ、規格でも実務でも「是正処置」ではない。しばらくの期間に不良が再発しなかったので「是正処置」は有効だったとするというような組織の対応はあり得ない。
 
  規格の「とった是正処置の有効性の評価」とは、「有効性」が「活動が計画通りに実行され、計画通りの結果が得られた程度」と定義されるから、実際にとった再発防止処置の、例えば製造条件範囲の変更が、変更された手順書の下に関係要員に徹底され、実際の生産において実行されており、かつ、必要なら特別な試験等で不良のないことが確認されており、顧客現場の評価も良好であることなどを総合して当該品質不良苦情が再発しない状況が確立したことを確認することを意味する。
 
  実務及びISO9001の効果的な品質保証の管理に倣うなら、感染拡大防止管理の責任者の尾身氏の学会発表は、 “新生活様式”が必要な場で実践されており、7/27〜29の感染者ピークは予期の通りであり、従って今後の感染者数は〇〇のように推移するということを述べるものでなければならなかったのである。
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サニーヒルズ コンサルタント事務所