ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
25 是正処置の意義
再発防止対策ないのに“コロナに打ち勝って”の五輪開催とは
ISO9001で考えるコロナ禍対応
<ISO 時事寸評>
  菅首相は、経済を回すと称してこだわり続けたGo-Toトラベルを中断して、2回目の緊急事態宣言(1/8〜)を発出したが、施策の中身は国民には不要不急の外出自粛、飲食事業者には営業時間短縮と前回と同趣向である。それでも菅首相はこれにより医療崩壊の起きない程度にまで感染者数を減らし、そうなると規制を緩和してGo-Toトラベルも再開し、その時期に“コロナに打ち勝った証”として東京五輪を開く腹積もりのようであり、宣言発出時には「1カ月後には必ず事態を改善させる」と胸を張った。
 
  政府のコロナ感染拡大防止対応は安倍政権から一貫して、国民と事業者に行動の規制を要請し或いは強制するものであり、これにより感染者が減ると規制を緩和或いは撤廃し、当然の結果として感染者数が再び増えるとまた国民と事業者の行動規制を始めるという繰返しであった。その結果が、1年近く前に日本モデルで収束したはずなのに、また緊急事態宣言という現実である。
   
  ISO9001は、不良品を出さないことで顧客に信頼を得て事業を維持発展させようとする組織に必要な品質保証管理の仕事のしかたが書かれている。品質保証の実務では例えば顧客から不良品の苦情があった場合には、原因を分析して再発防止処置をとり、不良品は二度と出しませんと顧客に説明し謝罪して、この処置を誠実に実行する。これは規格では「是正処置」であり、その定義や規定から苦情対応とは不良品を二度と発生させないようにする処置をとることであり、そのためには不良品発生の原因を取り除かなければならず、処置の確実な実行を管理しなければならないということがわかる。
   
   菅首相が批判を浴びた昨年12/14夜の会食は、自らが感染防止に必要と国民に求めていた4人以下でもなく、実践すると約束したマスク付き会食でもないと報道されている。それでも「他の人との距離をとるなど十分気をつけていた」から大丈夫だと開き直るということは、自分は感染の恐れのない状態で会食したと言うのだろう。それなら、国民に会食するなというのでなく、菅首相と同じような形の或いは状態の会食が可能なように事業者の設備対応等に技術的及び金銭的支援を行なうことをコロナ禍対応の施策とするべきであり、このような施策こそが政府がとるべきコロナ感染拡大防止対応の「是正処置」である。
 
   “コロナに打ち勝つ”とは、国民が日常生活でコロナ感染を特別に意識する必要のない社会基盤を構築し確立することであり、それは感染の各要因の中の感染の原因を取り除く様々な「是正処置」をとることではじめて達成される。
 
  国民に夜に酒を飲むな、マスクを付けて会食をと無理な行動変容を求めても実行されないということは、菅首相が実行していないことからも明々白々である。それに一時的な行動規制では毎日の感染者数が減って安定したからといって、これを緩和するとたちまち感染者数が増加するという現実も昨年二度も経験した。万一にも2/7までにの緊急事態宣言で感染者数が目論見通りに減ったとしても、宣言が解除されればまた感染者数は増える。だから、緊急事態宣言を短期間に繰返えして、感染者数の増減を演出し、増減の谷間を狙って五輪を行い、これを菅首相が“コロナに打ち勝った証”と言うなら、日本国民は世界の笑い物だ。
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サニーヒルズ コンサルタント事務所