ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
26 リーダーシップ及びコミットメント −
マスクをつけても感染するのにマスクをつけない若者が感染拡大の原因とは ?

ISO9001で考えるコロナ禍対応
<ISO 時事寸評>

  ネットを賑わす不織布と布マスクの効果の議論に関して2/8の国会で質問された田村厚労相は「どんなマスクでもちゃんとつければ“一定の効果”がある」からどんなマスクでもよいと答えたと報じられている。科学的でないだけでなく理屈に合わない答弁だ。
 
  政府がコロナ禍対応として国民に求めているのは、“三密”回避とマスクの常時着用と帰宅時の念を入れた手洗いである。国民はメディアに煽られ、こうすれば感染を防ぐことができると信じこまされ、満員電車や駅の雑踏の中だけでなく、あらゆる店舗、はたまた人通りのない散歩道でも、自家用車を一人で運転する時も、家の中でさえもマスク着用を実行するように仕向けられてきた。この中でマスク警察が現れ、鼻出しマスクの受験者は犯罪者となった。
 
  7月のいわゆる第二波では感染拡大の原因はマスクをつけない接待を伴う会食だとして夜の街が血祭りに挙げられ、これへの対応を国民に求めるのに感染防止の専門家たる尾身氏は11/9テレビでマスクを付けた会食なるものを実演し、菅首相も11/19「私も実践する」と会見で約束した。
 
  そして、11月からのいわゆる第三波はGoToトラベルが原因ではなく、マスクさえ着用すれば感染は抑えられるのに、無症状のふとどきな一部の若者がマスクを付けずに飲食し、大声で騒ぐことによって感染が拡大し続けるのだという理由で、不埒なマスクなし飲食者を街から締め出すために全面外出自粛と飲食業の夜間営業禁止という大網を仕掛けたのが、I/7発出の緊急事態宣言である。
 
  この状況でマスク着用の効果をより確実にするために抱いた真面目な国民のネットの不織布と布マスク論を、厚労相はどんなマスクでも“一定の効果”があるので同じだとあざ笑ったのである。この厚労相の断定は、どんなマスクでも“一定の効果”しかなく、従ってマスク着用では感染を“一定程度”しか抑止できないと言っていることになる。すなわち厚労相は、国民はマスク着用で感染拡大が防止できると思っているようだが、それは“誤解”であると言ったかどうかは知らないが、とにかく厚労相はマスクを着用しても“一定程度”の他の“相当程度”の人は感染すると思ってきたと言っているのだ。
 
  しかし、厚労相がマスク着用効果限界論に立つなら、不埒な若者によるマスク非着用も感染拡大の“一定の要因”でしかないのだから、“一定の効果”の“相当程度”のマスク着用者の感染を防止する処置もとらなければ、感染拡大は止められないのが理屈である。だから、マスク非着用の若者狙いといいながら、実質的にはそれ以外の政府推奨の“マスク付き会食”や民間の智恵の“黙食”を含むすべての会食をさせないよう、さらには年寄りの健康管理の元である日中の散歩まで禁止してしまった。政府が拡大の原因が不埒な若者だけでないことを知っているからである。どのマスクも同じというのは、昨春、感染拡大防止処置として配布したアベノマスクが布製で小さくて多くの人があんなものでよいのかと疑問を持った代物であるので、不織布マスクの方がよいということはもちろん言えず、それが露顕するマスクの効能の議論も封じなければならないのである。
 
  そもそも飛沫による直接的感染は、@感染者に近寄らない、A近寄る時は飛沫飛散が物理的に遮断された状態を確保する、B遮断状態でない場合はマスクを着用する、のいずれかにより防止できる。これは、感染者の呼気と共に吐き出されるウイルスを含む飛沫を目、鼻、口で受けないためにどうすればよいかを考えれば誰でもわかる論理である。そして距離のとりかた、マスクの性能、遮断板のあり方によって、それぞれの経路でのウイルス体内侵入をどの程度に絶つことができるかが決まるいうことも常識としてわかる。又、マスクとは生地の孔で呼吸は通しても異物の透過を阻止するものであるから、孔はウイルスを止められる程度の大きさでなければならない。どんなマスクでも”一定の効果”しか得られないというのも筋の通らない論理である。
 
  無数の多様なそれぞれの場に応じて必要な@AB対応を組み合わせて、それぞれに設備対応を中心とする効果的な恒常的処置をとることで感染拡大は抑止できる。これは常識的で誰にでもわかる論理であり、コロナ病棟で患者と最接近し、その発出する飛沫を浴びる医師と看護師、その他の医療従事者、並びに、PCR検体採取者の感染防護服装の実態によって実証された科学的真実である。
 
  感染拡大の最大要因が会食だと言うのなら、罰金を課してまで街の飲食店を潰す代償として休業協力金を支払う代わりに、各飲食店に応じて他人の飛沫を浴びることのないように客席を透明プラスチック等で遮蔽すれば済むのである。これに政府が技術的、資金的援助をすることこそが経済と感染防止を両立させる効果的、効率的施策というのではないか。
 
  やるべきことをやらなければ何事も成就しない。何の本質的な感染防止処置をもとらず、真実を隠して虚偽、欺瞞の論理で国民の感情と行動を操るばかりのコロナ禍対応の政府の責任者達は、ISO9001では「リーダーシップ及びコミットメント」の点で不適合とされる。これは引き受けた責任を全うしようという気持ちがない恥ずべき無責任者という意味である。顧客満足の追求という全うな戦略で組織を発展させようとしてISO9001の認証審査を受ける組織のトップマネジメントがこれと同じ理由で不適合を指摘されることなどあり得ない。
 
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サニーヒルズ コンサルタント事務所