ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
5 東京の新型コロナウイルス感染者数の増減 分析 ( 12/3現在)
  新規感染者数は、過去も今後も個人・事業者の主体的状況判断次第で増減
ISO9001で考えるコロナ禍対応
-処置の効果の分析-

 
<分析総括>
<総括1:前回、前々回の予測>
★ 8/8 分析では、
① 緊急事態宣言と引き続く東京アラートの個人・事業者の行動規制が6/19に全面解除され、“新しい生活様式”の下の7月に感染者数が急増したが、
② この新規感染者数の多さが、”新ウイルス/人接触機会しい生活様式”なる感染防止施策とその実行の有効性の実体に則った水準であると推定し、
③ その有効性に対する改善の処置がとられない限り、新規感染者数は増え続け、やがて増加の放物線の変曲点を越えるだろうと予測した。
 
★ 11/9 分析では、
① 新規感染者数は8月に入って減少に転じたが、
② これが8/8分析で期待した“新しい生活様式”の感染防止策の有効性の改善が、統計数値の急増を見ての、及び、都の夜間営業時間規制による個人・事業者のウイルスとの接触防護行動の主体的/半強制的変化によってもたらされたと判断した。
③ 早期PCR検査実施による早期診断・治療、及び、治療技術進歩により、重症化が抑制されていることから、新型コロナウイルス感染症は感染・重症化の管理という点でインフルエンザなど他のウイルス感染症並みとなったのではないかと判断した。
 
 
<総括 2-1:直近の報告新規感染者数の推移>
① 8月末に山を越した報告新規感染者は、下げ止まりと言われた1ヶ月を経て、今度は10月半ばから再び増加傾向に入り、
② 11月中旬からは、報告新規感染者数はかつてなかった500~600人/日の水準にまで上昇し、12月に入ってもその水準を保っている(図1)。

 
     
   1.  報告新規感染者数の推移  (NHKウェブサイト情報)  
 
 
<総括2-2:11月の報告新規感染者数の推移の理由>
① 11/9分析で示唆した通り、2月に始まるコロナ禍対応における感染者数の増減は、政府や都の各感染防止施策に含まれる半強制的、及び、個人・事業者の主体的な行動規制が社会に生みだし、或いは、もたらしたウイルス/人接触機会の水準の変化に基づいて起きてきた(図2)。
このような非疫学的感染拡大論に立つと、11月の報告新規感染者数の急増は、7月の休業全面解除”の後の感染急拡大が、8月の“静かな夏休みと直後”でひとまず抑えこまれたが、9/1922日の四連休を切っ掛けに街にも行楽地にも急速に人出が戻ったことが意味する、外出抑制という個人のウイルス/人接触防護行動の緩和が進んだことにより、社会におけるウイルス/人接触機会の水準の上昇が原因と判断できる (3)
この“戻った人出”期間(9/19~)に感染した人の数が、10/3以降の報告新規感染者数となっているのであるが、この期間に入ってから“静かな夏休みと直後”の期間に比べて少なく抑えられてきたPCR検査数が、11/11以降の報告新規感染者数の分からほぼ2倍になると同時に報告新規感染者数も2.5倍に跳ね上がった。  
 
 
<総括3今後の感染推移の予測>
① 政府や都のコロナ禍対応は専ら個人・事業者のウイルス/人接触防護行動に依存し、その感染防止施策は、報告新規感染者数の増加を以て恐怖をあおって個人・事業者に行動規制を求めるものであった。
② しかし、“戻った人出”期間において個人・事業者は状況を自分で考え、行動する傾向を強めており、一方、報告感染者数が増えたといえ、昼間人口1600万人の東京では個人的には今なお他人事である。12月に入っての感染拡大に対する政府や各界、メディアの度重なる危機感の広報と行動規制要請にもかかわらず人出はほとんど変わっていない。
③ 危険が実際に人々の身近に迫るまでは、外出はするし、マスクをして会食することもないから、感染者数は今の状況と推移を維持して増えていくのだろう
 
 
<分析詳細>
<分析1:原因と結果論に基づく報告新規感染者数の変化の解釈>
① 一般の問題解決管理における「原因と結果論」に基づき、2月に始まるコロナ禍対応におけるとられた感染防止の諸施策と新規感染者数を感染日で整理することによって、図2のように、政府や都の各感染防止施策に含まれる半強制的、及び、個人・事業者の主体的な行動規制が社会に生みだし、或いは、もたらしたウイルス/人接触機会の水準に基づいて当該対応期間の感染が拡大、又は、縮小していることがわかる。
     
             図2. ウイルス/人接触防護行動、ウイルス/人接触機会の水準の変化による新規感染者数の増減
 
② つまり、新型コロナウイルスの我が国への侵入以来のこのほぼ1年の間の、国内のコロナウイルス感染症の流行の盛衰は、難しい疫学的理屈を必要としない、原因(ウイルスの体内侵入)の要因(感染防止施策)の状態を表す「ウイルス/人接触機会の水準」の変化により起きているとして理解することができる。
③ ここに、ウイルス/人接触機会とは非感染者が既感染者の体内のウイルスと直接及び間接に接触する可能性、つまり、時間と場に係わる程度を意味する。簡単に言えば、濃厚接触、大声、マスク不使用、手洗い不履行など感染拡大の要因がどの程度に社会に存在するかということである。
④ また、感染防止施策とは、ウイルス/人接触機会を減らす、或いは、無くする政府や都の対策処置であり、卑近な例では、人出の抑制、個人のマスク着用、事業者の飲食テーブルへの飛沫防止板の設置、政府のこれらの促進施策・資金援助等である。
⑤ 政府の対応処置、及び、個人・事業者の主体的又は半強制的な行動規制の形をとるウイルス/人接触防護行動の程度の大きいこと(有効性)が、社会におけるウイルス/人接触機会の水準の低減を生みだし、又は、もたらした場合は、その期間に発生する新規感染者数は低減し、流行は納まる方向となる。その逆なら、政府の思いや意図に無関係に、新規感染者数は増加し、感染は拡大の方向となる。
⑥ このような因果関係論によると、緊急事態宣言解除直前の連日数人という報告新規感染者数の水準は、街にも行楽地にも交通機関にも人影まばらで東京が死の街化した究極の低ウイルス/人接触機会が実現した、緊急事態宣言下での大形連休期間 (4/29~5/10)に感染した人の数を表している。
⑦ 個人と事業者のウイルス/人接触防護行動にのみに依存する現下のコロナ禍対応で、感染症の流行を抑えこむには、ここまで個人と事業者の行動を規制し、ここまでの程度にまでウイルス/人接触機会の水準を下げなければならないということである。
 
 
<分析2:原因と結果論に基づく7~11月の報告新規感染者数の変化の分析>
<分析2-1:7~8月の報告新規感染者数の変化:“休業全面解除の後”の期間>
① 図3のように、7月の報告新規感染者数の急増は、先の8/8分析の通り、個人・事業者の行動の行政による規制を全廃した後の”新しい生活様式”なる政府の施策の感染防止施策下において、経済を回すという理屈で各種の行動規制緩和策がとられて、ウイルス/人接触機会の水準が大幅に高まった結果、6月中旬から7月下旬に感染が急増したと考えることができる。
 
     
                図3. 7月~11月 感染防止施策とウイルス/人接触機会の水準の変化による 新規感染者数の増減
 
 
<分析2-2: 8~10月の報告新規感染者数の変化:“静かな夏休みと直後”の期間>

① 7月末になると、都民が発表される確定新規感染者数の増加に警戒感を強め、GoToトラベ゙ルの東京外し、夜間営業規制の再開など行政による行動規制にも応じて、ウイルス/人接触防護行動の規制を強めることになり、8/1からの夏休みも行楽やお盆帰省を自粛した結果として、街や行楽地も閑散とした「静かな夏休みと直後」のウイルス/人接触機会水準の低い期間が実現した。
② 8月中旬から9月末の報告新規感染者数が少ないのは、この期間に感染した人の数がこの程度であったことを意味している。
   
     
                                   図4(a)    “戻った人出”の期間の前半と後半でのPCR検査件数の違い
 
 
<分析2-3: 10~11月の報告新規感染者数の変化:“戻った人出”の期間>
① 報告新規感染者数がなお高い水準だが、この数値を楽観するかの都による9/14の夜間営業規制の撤廃を見て都民にも楽観論が拡がって、9/19~22日の四連休を切っ掛けに、街にも行楽地にも急速に人出が戻った。
② それでも報告新規感染者数の水準は変わらず、どちらかというと低下気味で推移したが、11/11から突然大きく増加した。
③ この遅がけの急増は、日別の報告新規感染者数に係わる検査件数が図4(a)のように“戻った人出”の期間の前後半で異なっていることに関連する。 
④ すなわち、広い範囲の検査件数の下で、日に100~200件の新規感染者数が報告されていた“静かな夏休みと直後”の期間(8/1~9/18)が終わって、“戻った人出”の期間が始まった直後の9/19からは、検査件数が多くても400件に限定され、それまでとほぼ同じ水準の新規感染者数が報告されていた。しかし10/27以降には日別検査件数が300~800件に跳ね上がり、新規感染者数も300~600人に増加した。これを反映したのが11/11以降の確定新規感染者数の急増である。
 
 
<分析3:新規感染者数の変化と検査件数の急変との関係>
① 上記④のように、日別の検査件数が少なくて感染者数が少数に抑えられていたのが。ある時点から検査件数が急激に増えて、検査件数の増加に応じて新規感染者数が増加するという状況は、これが初めてではない。
② 図1.の“緊急事態宣言”期間から“東京アラート”“休業全面撤廃(規制全廃+PCR強化)”の期間へと、個人・事業者のウイルス/人接触防護行動が甘くなる政府や都の感染防止施策への変化の場合も、図4(b)のように、初めは少ない日別検査件数で感染者数が抑えこまれた後の“休業全面撤廃(規制全廃+PCR強化)”の期間で検査件数の急増と共に感染者数も増加している。
     
                            図4(b) “東京アラート”と“休業全面撤廃(規制全廃+PCR強化)”の期間でのPCR検査件数の違い
 
③ このような統計に見られる問題が、意図的な、特段の理由のない、別の要因変化の結果論的なもの等々、理由は説明されておらず、また、それを推し量る情報も公開されていない。しかし、感染の状況を現在の報告新規感染者数で正しく判断するためには、感染者数データを感染日に対応させることと合わせて、検査件数がどういう事情、状態で変わるのか、変えるのかが明確に知ることが必要である。
禁無断転載  (個人的使用のための複写歓迎) R2.12.11
サニーヒルズ コンサルタント事務所