ISO9001/ISO14001 情報発信
6 東京の新型コロナウイルス感染者数の変化の分析
  緊急事態宣言の効果はまぼろし   (3/18 分析)
政府のコロナ禍対応の検証
-ISO9001流の論理と事実認識-

< 前回分析の要点>
  前回12/3分析では、昨3月以来の感染者数の増減の推移が、個人・事業者が政治主導の笛に踊らされることなく、自身の感染の危険の程度を自分で考えて状況に対応して外出抑制などウイルスとの接触防護行動の程度を変えてきた結果であると整理した。
 
 
<今回分析の要点 :昨12月~本2月の報告感染者数推移>
(1) 報告感染者数の推移:急増と減少を経て“高止まり”で安定
  11月の漸増から12月には放物線的上昇に変わり、正月明けには一日で2500人を越す状況になった後に減少に転じ、この時期に緊急事態宣言が再発出となり、2月の末には“下げ止まり”と称される安定状態となった。
 
 
(2) 3/18 分析:感染日別の感染者推移データに基づく
① 日別感染者数の推移:人々のウイルスとの接触防護行動の自主的変更
イ) 12月の感染者数の放物線状の増加
  感染日別の感染者数は12月に入って変曲点を迎え、月末に向って急上昇した(図2)。11月のゆっくりとした増加に引き続くこの放物線状の増加は、“静かな夏休みと直後”期間の後の、9/19の4連休を契機とする“戻った人出”期間での、人々が緩和したウイルスとの接触防護行動の水準に応じたものと考えられる。
また、日別感染者数が市中感染者(ウイルス発出者)の数と人々のウイルスとの接触防護行動に比例するとした場合に、放物線状の増加は“戻った人出”が恒常化する中で蓄積された市中感染者数の水準の変化を反映したものと考えられる(図3)。
 
ロ) 12月末の感染者数のピーク
  GoToトラベルや法改正等の議論で感染者数の高水準化への危機感がメディアを賑わしたが、人々は12/9~12の感染者数を表す12/23~26の報告感染者数が1000人に迫るのを見て、自身の感染への警戒感を強め、日常生活でのウイルスとの接触防護行動を強めたと思われる。
このことが、クリスマス・忘年会時期の大騒ぎ自粛、及び、引き続く“静かな正月休み”をもたらし、それらの感染抑制効果によって、感染日別の感染者数はこの頃(12/24~26)をピークとして減少傾向となった。これは都の発症日別陽性者数統計では1/2~1/6(感染日換算:12/28~1/1)のなだらかなピークとして現れている。
 
ハ) 1~2月の感染者数の減少
  人々が強化した水準のウイルスとの接触防護行動は正月が明けても維持され、感染日別の感染者数は順調に減少し、2月下旬には日別感染者数が、先の“静かな夏休みと直後”の8~9月の5割増程度の水準で落ち着いた。
これは、防護行動の水準が変わらない中で、市中感染者数の多さの程度が1~2月は日々に放物線状に低下し、それ以降は一定となっていることとして理解することができる(図4)。つまり、今の感染環境ではこれ以上は減少しない日別感染者数の水準と考えられる。
 
 
② 緊急事態宣言の効果: 効果はなかったと考えるのが妥当
  政府の見解では、報告感染者数の数値を当該日に感染した感染者数として取り扱っているので、図1のように感染ピーク日と宣言発出日がほぼ同じであることから宣言の大きな効果を主張している。しかし、図2のように感染した日で考えると、日別感染者数は12/24~26のピーク時点から放物線状に低減しており、宣言発出はその14日後の1/8であって、感染日別の感染者数がすでにピークの半分にまで減った時点である。また、図2だけでなく図4でも宣言発出日前後で減少曲線には異常な不連続点はなく、従って宣言発出は、それ以前の14日間の減少曲線をそのまま受け継いだ形であり、宣言の影響は見えない。宣言には格別の感染者数低減効果はなかったと考えるのが妥当である。
緊急事態宣言の効果があったとすれば、12月末の時点で人々が自らの感染を避けるために必要と判断して実行し始めた水準のウイルスとの接触防護行動を、宣言解除までは続ける意志を固めたということであり、その行動で達成可能な限界まで日別感染者数を下げることができたということであろう。
 
 
(3) 今後の予測
人々には現時点で防護行動の強化の必要性を感じておらず、政府には緊急事態宣言を解除する以上は人々の行動規制を強める手はないから、今後の感染者数が増加の方向であることは間違いない。時間の問題だけである。

 

     

     
  図1. 報告日別 感染者数の推移       <NHK>
   
 
   
     
  図2. 感染日別 感染者数の推移
     
   図3. 感染日当日の市中感染者の多さの程度
 
 
                 
               図4. 発症日別 感染者数  (3/17現在)              <東京都>
   

() データ分析方法

  情報源:  東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト   https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

  確定新規患者数(感染日別):  ①の日別の新規患者に関する報告件数(人/日)を④により感染日別の新規患者数に換算した。

  検査数(感染日別:人/日): ①の日別の検査実施人数(人/日)のデータを用い、②の新規患者を検査した日の検査数を、その日の前日及び前々日の検査実施人数の平均値として求めた。

  感染日は、次のような標準的な日数に基づいて、換算、推定した。 

★感染してから発症するまでは、5日 ←平均的な潜伏期間は5日

★発症してから、PCR検査陽性が確定されるまでは、9日 ←4日間発熱ルールのため検査まで最低4日、その他に受診までの時間、検査結果報告集計の時間

⑤ ある日における市中感染者 (ウイルス発出者) の多さの指標は
     ΣC0 = ( C-1 + C-2 + C-3 + ............ + C-14 + C-15 )
     ここに、 C-1 , C-2 ,  C-3 , ............. は、 ある日の1日前、 2日前、 3日前、..........の日の感染日別感染者数

 

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サニーヒルズ コンサルタント事務所