ISO9001/ISO14001 コンサルティング・研修
28 − プロセスアプローチ −
的外れで効果のない対策の繰返しの4回目の緊急事態宣言
 (コロナ禍が収束しない訳)
ISO9001で考えるコロナ禍対応
<ISO 時事寸評>
 
  菅首相は7/8、オリパラ期間をすっぽり包む形の7/12〜8/22の4回目の緊急事態宣言発出を発表した。当初1/8〜2/7の予定の2回目の緊急事態宣言も3/21まで2度延長し、その2ケ月もたたない間に発出した4/25〜5/11の3回目も6/20まで2度延長した後に、引続き7/11までのまん延防止等重点措置に移行し、その期限が迫る中での、まん延防止措置解除の真逆の緊急事態宣言発出という今回の決定である。
 
  目標や解除基準が不明確、データがない等、問題判断体制に基本的な欠陥があるにせよ、宣言の期限が延長になるのは所期の必要な結果が得られず失敗だった、つまり対策が効果的でなかったということであり、これを何回も繰り返すというのは失敗に学ばず、同じ過ちを無責任にも繰り返してきたと考えるのが自然である。すなわち、政府のコロナ禍対応には品質関連管理の論理では普通のPDCAが回っていないということであり、その結果が1年以上も感染を抑制できずにいる今日の状況である。
 
  目的を持って何かを成し遂げるには、やりっ放しではなく、その通りに実行され、その通りの結果が得られたかどうかを確認し、結果に問題があればやり方を変えなければならない。これは製造業の現場では新入社員でも知っている「PDCAサイクル」の管理原理である。これはISO9001では「プロセスアプローチ」である。 例によってカタカナ英語のため様々な解釈が唱えられて実務を混乱させているが、“process approach”の意図するところは「業務の相互連携実行方式」であり、ある業務の実行とは一般に、関連する複数の業務(要素業務)が相互に連携して行なわれることと見做すことができ、ある目標の効果的な達成は、関連する個々の要素業務とそれら全体としての業務をPDCAサイクルで管理しなければならないという論理である。 「プロセスアプローチ」とは規格作成者が品質日本の品質管理の現場で普通の概念だった「PDCAサイクル」を規格に採り入れるのに、規格としての独自性を主張するために創造した概念であり用語である。ISO14001では、単純に用語「PDCAサイクル」が使われている。
 
  これまでのすべて緊急事態宣言では、「飲食者に対象を絞ったピンポイントの対応(2回目の緊急事態宣言)」「黄金週間の機会を捉えて短期間集中して感染を抑え混む(第3回)」「飲食による感染リスクを改めて封じ込めるために(第4回)」と意図は変えたようにはみせても、飲酒で騒いで感染した無症状の若者が家庭内感染で高齢者や子供にうつすことで感染を拡げているとの推論に基づてき、対策としては外出抑制、飲食店の営業規制であり、その程度と範囲を変化させたものであって、何にどう取り組むかという根本においては、昨年の3月以来のコロナ禍の取組みを通じて何も変わっていない。そして宣言を実行しても期待したほどに感染が減らず、期間を延長しても感染が減るのを待っても 日別感染者数は期待の水準に達さず、再延長しても「下げ止まり」か「リバウンド気味」になって、適当な理由をつけて宣言解除をする。そして「リバウンド傾向」が明確になり、日別感染者数が「医療崩壊」危険水準にまで増えるとまた緊急事態宣言を出す。
 
  PDCAとか科学的分析などというようなことでなくとも、コロナ感染抑制にそれを業として取組み、それを名目に国民、事業者、経済に多大の損失を与え、国費を使っている菅首相、閣僚、官僚、分科会委員に、感染抑制のために計画した緊急事態宣言が、延長しても期待通りの結果を生まなかったという相次ぐ失敗を前にして、この若者飲酒原因説が誤りではないか、行動・営業規制が若者飲酒起因感染の抑制に効果的でないのではないかという疑問が湧かないのが不思議でならない。 少なくとも、飲食店への酒取引とりやめを卸業界に要求し、銀行に融資停止を要求するというような大臣は、企業の新入社員のPDCAサイクル研修に参加してもらった修了書を壁に掲げて記者会見する必要があるのではないだろうか。
   
  国会でも予算の議論はしても、決算はその通りに使われたかどうかであり、予算審議時の効果が出たのかどうかの議論はない。政治家や官僚の世界には、PDCA思考は存在しないのであり、コロナ禍対応にだけそれを期待しても始まらないのであろう。しかし、政治家や官僚にPDCA思考がないのは、知らないからでなく、失政や怠慢が浮き彫りにされる危険性があるので知らない振りをしているに違いない。
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サニーヒルズ コンサルタント事務所