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9 東京の新型コロナウイルス感染者数の増減分析 -8/20分析
 五輪期間に激増した感染者数は今後は横ばい、8月末には減少傾向が明瞭に
時事問題を事例とする規格解釈
コロナ禍対応の規格解釈

<91-02-21 より>

<要旨>
■五輪期間を通じて感染者数は予想通りに増加を続けて未曾有の5000人/日台に達した。
■人々は自身の感染危機意識を高め対ウイルス防護行動を強化しており、今後感染者数は横ばいから減少に向い、月末にはこの傾向が明瞭になろう。
■緊急事態宣言の感染減少への無力さがはっきりした。政府のコロナ対応の化けの皮がはがれた。
 
   
★ 前回分析 (7/20分析)の予想(緊急事態宣言発出にもかかわらず、感染者数は増加を続ける) は的中  →図1A、図1B
■ 7/18~7/末の報告感染者数
(1) 予想
  分析データ収集時点(7/18)での報告日別の感染者数は、緊急事態宣言が発出された7/12の後も6月以来の増加傾向を保ったままで、1000人/日を上回る水準にあったが、その後もそのまま放物線状の増加曲線に入って、五輪開催半ばの7/末には2000人を越えるか、それを遥かに越した水準になっていると予想した。(7/20分析)
 
(2) 結果
  予測の通り報告感染者数は増え続け、7/末には4000人/日に迫る水準に達した。この期間の報告感染者数は、7/4~7/17に感染した人の数を表すのであるが、この期間においては、感染者1000人/日を越える日常を問題視しない政府の見解発表(Aや、現状は問題ないが将来の大感染の予防のためという緊急事態宣言発出の目的説明)(B)により、人々がこれまでなら危機意識を持った感染者数の水準にも感染の危険を感じることなく自身の対ウイルス接触防護行動を変えなかったことが、緊急事態宣言発出を横目に感染者数の予想以上の急増をもたらしたと理解できる。
 
8/1~8/17の報告感染者数
(1) 予想
  五輪の閉会近くには報告感染者数は3000人、4000人という過去になかった感染状況にもなり、緊急事態宣言解除日の感染者数は8000人に上るとも予想された。そして、宣言効果が幻である以上、感染収束には人々の感染危機意識の高まりしかなく、人々が報告感染者数が連日3000人というような水準を見ることがその引き金になるものとも予想した。(7/20分析)
 
(2) 結果
  報告感染者数は8月に入って4000人/日を越しし、さらに8/11には5000人/日の水準となった。しかしこの後の分析データ収集時点(7/18)までの間は報告感染者数の増加曲線が鈍化して5000人/日前後での横ばい状態になった。  この期間の報告感染者数は7/27~8/3に感染した人の数を表すが、この期間には、感染者が3000人/日に近づき医療体制崩壊の恐れがメディアで報じられ(C)、ワクチン接種効果を主張しながらもデルタ株の脅威を理由として他府県にも緊急事態宣言が拡げられ(D)、重症以外は入院治療しないという政府方針が発表される(E)などの一連の感染の深刻さを示す情報があった。この期間に感染日別の感染者数が増え止まっており、これが、人々がこれら情報により自らの感染に対する危機意識を高めて日常生活における自身の対ウイルス接触防護行動を強めさせることになった結果であると推察することは過去の分析に照らしても合理的であると考えられる。すなわち、このことが反映されたのが報告感染者数の急増の後の横ばいという事実の背景であると考えられる。
 
   
★ 今後の感染者数増減の予測
今月後半 (8/18~8/31)
(1) 論拠
  この期間の報告感染者数は、8/4~8/17に感染した人々の数であるから、集計されていないだけでもう決まっっている。どのように決まっているかは、8/3以前の水準と傾向に8/4~8/17の間の人々の自身が感染することへの危機感に影響する情報、出来事(H)(I)とを勘案して概略予想することができる。
 
(2) 予想
  8/3以前の感染者数は上記のような人々の対ウイルス接触防護行動の意図的強化の結果としての感染増え止まり状態にあり、かつ、8/4以降には人々は重症者数の急増(H)、危機的感染状態を認めた上での緊急事態宣言再延長(I)など、感染状態の深刻さをこれかこれかといわんばかりに知らされるようになったから、より広範囲の人々がそれぞれに対ウイルス接触防護行動を強化することになったことは確実である。従って、8/4~8/17に感染した感染者数は、それ以前の5000人/日横ばいから次第に減少する方向であったと推察されるから、これを反映する8/18~8/31の報告感染者数は、横ばいから減少に転じ、今月末までの間にはこの方向が明確になると予想される。
 
来月前半(9/1~)
(1) 論拠
  この期間の報告感染者数は、8/18~8/31に感染した人の数を表すが、緊急事態宣言の再延長(I)による人々の危機意識弛緩の押し留め効果と相俟って、人々が自身で強化した対ウイルス接触防護行動は引き続き効果的に機能すると思われる。
(2)予想
  パラリンピックはこの感染者数統計に影響しないと思われ、 ワクチン接種増加の影響、デルタ株の拡大の影響については信頼される情報は手元にない。未定要素はあっても、今月下旬に感染する人の数はその前の報告感染者数を引き継いでしばらくは順調に減少するとして、9月初めの報告感染者数はこれを反映して減少を続けると予想される。
 
   
★感染押さえ込み効果の化けの皮がはがれた緊急事態宣言
幻の緊急事態宣言効果
  これまでの直近2回の緊急事態宣言は、感染日別感染者数が減少に転じてしばらくして発出されていたため、感染日別感染者数の推移図における感染ピーク日が報告日別感染者数の推移図においては宣言発出日と略一致することを捉えて、宣言によって感染者数が減少したとの論理にあわない解釈が行なわれてきて、緊急事態宣言の感染押さえ込み効果が政府やメディアで喧伝されてきた。→例えばNo.6.
 
■緊急事態宣言発出日から感染者数が激増
(1) 図1Aの報告日別の感染者数の推移においては、宣言発出の7/12後も報告感染者数はずっと増加を続けており、増加の度合いも宣言
  発出後の方が大きい。
(2) 当然ながら図1Bでは緊急事態宣言発出の7/12の後に感染した人の数(感染日別の感染者数)の水準も増加曲線の勾配も、はっきりと
   7/11以前の水準を大きく上回っている。
   
  緊急事態宣言の対策はすべてが同日に一斉に実施されるのであり、効果が発出後に徐々にとか、何日後位で出てくるというような問題ではない。宣言の効果があるなら、発出日の感染者数がその前日と何人減少したかというような形で現れる問題である。図1Bからは宣言に感染押さえ込み効果がわずかなりとも存在すると議論する余地はない。

   



図1A  報告日別の
        感染者数の推移






赤色: 前回 (7/20分析) 予測

青色: 今回 (8/20分析) 予測

棒グラフ: 実績

感染日=(報告日-14)日として推定
 (→ データ分析方法:No.6)





図1B 感染日別の
        感染者数の推移

                                                                                                                             
(A)   7/2:感染者数1000人越え →急増傾向ではない(政府)
(B)   7/6:緊急事態宣言発出(7/12から8/22) →ワクチン効果大、高齢者感染減、重症者数減、病床余裕あり(政府)
(C)  7/27:感染者数激増 2848人に →すぐに医療崩壊することはない(都)
(D)  7/30:宣言期限延長(~8/31) →高齢者感染者数も重症者数も減少。全国的な感染拡大の予防が目的。全国のワクチン接種を8/下で40%
             を目標(政府)。
(E)  8/2: 医療体制逼迫 →入院は重症者のみ、中等症も自宅療養<政府方針発表)
(H)  8/13:12日の重症者数227人で、4日連続増加
(I)  8/17:宣言再延長(~9/12) → デルタ株予想外の急拡大のため、重症者も自宅・ホテル療養者数激増、医療体制逼迫
 
   


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